どうなる?外国人労働者の労働環境

「改定入管法」問題で学習会開く

昨年12月、改定入管難民法が参議院で可決成立しました。同法はこれまでの入管政策を大転換し外国人非熟練労働者(単純労働者)を正面から受け入れようとするもので、2019年4月からの施行が予定されています。2月10日、神戸市内で実行委員会主催の学習会が開催され多数の市民が参加(写真)しました。

学習会は、斎藤善久神戸大学大学院国際協力研究科准教授と草加道常神戸外国人救援ネット運営委員・相談員を講師に招き話を伺いました。斎藤准教授は、愛媛県内のタオル工場でのベトナム人労働者の労働実態を報告、技能実習制度の問題点について語りました。当日の斎藤准教授の講演資料から4つの基本的問題点を紹介します。

第1、送り出し側と受け入れ側双方に民間の人材ビジネスが何段階にも介在して収益し、技能実習生やその家族から収奪や搾取を行うことで成り立っている。

第2、転職の自由が制限されている。技能実習生は入管に申告した職種に束縛され続け、途中から他の職種での実習に切り替えることは許されない。

第3、転居の自由が制限されている。受け入れ企業が準備する宿舎は職場に隣接したり、敷地内に設置されたりして外部から殆ど隔絶されて生活・就労している実習生が少なくない。生活面や会社との関係で問題が生じた場合でも外部に支援を求めることが困難である。

第4、公的な支援体制が不十分である。受け入れ企業の倒産などで失職した技能実習生に対して外国人技能実習機構が提供する転職支援は、原則として技能実習生受け入れ企業に関するデータベースの閲覧を許可する程度に止まっている。再就職(実習)先確保には外部支援者の協力なしには極めて難しい実情である。

外国人技能実習制度について、その問題点の検証も見直しも行わないまま、使い捨て型の外国人労働者政策をとり続けるとすれば、外国人労働者に対する人権侵害の状況が拡大することや日本人労働者の労働条件の維持向上が増々困難になる。すでに「改正入管法」は可決成立したが、外国人技能実習制度と合わせて廃止し、改めて、将来を見据えた持続可能な外国人労働者政策・立法を根本から再考すべきだろうと斎藤准教授は強調しています。

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