動乱の中国で34年、懸命に生き抜いた記録
手記を書いた西岡瑞江さんは1927年生まれ、2017年、卒寿を迎えた。小柄な体に柔和な面差しをたたえた老奶奶を象徴するような女性である。ただこの人の半生は、中国残留婦人として、苛酷な環境の中で、歴史の動乱と共に生きてきた。さらに日本に帰った後のおよそ20年は、自分の自立とともに中国に残っていた家族たちを日本に招くために粉骨砕身した日々であった。今私は瑞枝さんと話しをしていると、瑞枝さんから人生のやるべきことをやり終えたという安堵感みたいなものを感じる。これは私が瑞枝さんの手記を読ませてもらい、その生きてきた姿を思い浮かべるからであろうが・・・。(菅野正則日中友好協会神奈川県連合会副会長)
手記作者の西岡瑞枝さん(1927年山口県生まれ)紹介
1941年、父の勤務する「満州」阜新へ、阜新炭鉱病院付属看護婦養成所入学。1945年、日本敗戦後も炭鉱病院看護婦勤務。1947年、国民党・国民革命軍第60軍衛生兵の曹尚武と結婚。長春(新京)に移動、10月長春人民解放軍に包囲される。1948年10月、国民党降伏。捕虜教育のため延吉に移動、捕虜生活。1949年9月延吉から解放され、曹氏の郷里・福建省泉州へ、郊外の山仔后に居住。1974年12月、三男と共に帰国、横浜に居住。1975年5月横浜市特別養護老人ホーム「芙蓉苑」の寮母に。1986年6月「芙蓉苑」を定年退職。退職後、神奈川県の中国帰国者自立相談員に。
手記「心の支えは家族の絆」ー「日中不再戦」への思いをこめて
併載の「補記」ー「満州」時代から現代まで中国の歴史を通観
手記 西岡瑞枝(横浜市在住、93歳)
編集・補記 菅野正則(日中友好協会神奈川県連合会)
B5判 121ページ 頒価:900円(送料200円)
注文先:日中友好協会神奈川県連合会
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