今の中国を理解するためには近現代史の学習から
中国を理解するために始めた「みんなで学ぶ 中国近現代学習会」の第1回は5月20日(土)午後開催し7人が参加しました。テキスト「中国史」下巻(山川出版社)第5章「中華帝国の繁栄、1.明帝国の成立―元末期から明帝国へ、2.明末~激流の時代」についてページ毎のポイントをまとめた詳しいプリントを教材として感想や疑問点を出し合いながら学びました。プリントの一部を紹介します。
「明帝国の建設」の項の一部では、「朱元璋集団の特徴。第一は、困難な戦いを勝ち抜いてきた軍団の質実剛健の気風。元朝の自由放任的な政策の下で貧困農民を犠牲にして繁栄していた都市や先進地域中心の社会経済に対して、強い引き締め政策をとった。第二は、流民的略奪集団と一線を画する儒教的な正統主義である。もともと朱元璋は、白蓮教反乱集団の一武将として頭角を現したが、のちに知識人や儒学者をブレーンにしたことにより、刹那的な富貴より、天下をとるという大目標に向けて、有徳の君主の伝統的モデルに沿って自らを律するようになる。
その後、朱元璋は、兵士による婦女財物の略奪や焼き討ちを厳罰をもって禁じた。白蓮教をさえ「妖術」と罵り、かつて自分が属していた「紅巾軍」にたいし、「都市を焼き尽くし士大夫を殺戮した」としてその破壊的傾向を糾弾した。帝位につく以前から、科挙制度や祭壇の建設、律令の編纂など歴代王朝の伝統に則る諸制度の整備が学者グループによって精力的にすすめられ、「天命を受けた仁義ある君主」のイメージに支えられ朱元璋は新王朝を樹立した。朱元璋自身は、儒学的教養とは縁のない環境に育ち、成人後も戦争に明け暮れていたにもかかわらず、皇帝となった時は儒教の古典や歴史に対する相当の素養を身につけていた。
第二回学習会にご参加下さい!
日時:2023年6月17日(土)午後2時~4時
会場:日中友好協会兵庫県連合会「教室」
テキスト「中国史」下 お持ちの方はご持参下さい。
テキストがなくても参加できます。
資料代:500円
主催:日本中国友好協会兵庫県連合会
Tel&Fax: 078-412-2228
E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net