原水爆禁止2025年世界大会レポート

被爆80年 ― 今こそ決断と行動を
2025年8月、広島・長崎を舞台に「原水爆禁止2025年世界大会」が開催されました。今年は被爆から80年という節目の年。核兵器廃絶への思いを新たに、国内外から多くの参加者が集い、歴史と未来をつなぐ意義深い交流が行われました。

🕊 被爆体験の継承と未来へのメッセージ
8月3日から始まった国際会議では、4日に「被爆体験の継承と未来―被爆80年広島のつどい」が開催されました。
3人の被爆者による証言に加え、黒い雨による被爆や体内被爆といった、まだ広く知られていない体験も共有されました。
続いて「被爆者からあなたへ―あなたから世界へ」と題したリレートークでは、被爆者団体、スペイン代表、新日本婦人の会、高校生平和ゼミナール、そして「原爆の絵」に取り組む基町高校生が、それぞれの視点から平和への思いを語りました。

🌐 国際連帯と運動の広がり
5日には2つのフォーラムと12の分科会が開催され、海外15カ国からの参加者を含む多くの人々が交流。核兵器廃絶に向けた運動の強化を誓い合いました。
フォーラムⅡ「議員と市民の国際連帯」では、英国・ベルギー・ドイツ・米国・日本の国会議員や欧州議員が登壇。会場からの質問に答えながら、各国の取り組みを共有しました。
6日には広島市主催の「平和記念式典」の後、「世界大会ヒロシマデー集会」が開かれ、国連事務次長・中満泉さんからの挨拶もありました。

🚨 世界情勢と核兵器禁止条約の意義
今年の大会では、被爆体験の継承が大きなテーマとなりました。
ウクライナ戦争、ガザでのジェノサイド、イラン核施設への攻撃など、核兵器使用の危険が再び高まる中、核兵器禁止条約の発効と74カ国による批准が希望の光となっています。

👥 若者と労働組合の力
今年は例年の約3倍となる220人以上が海外から参加。特に労働組合関係者が多く、初の「労働組合国際会議」が開催されました。
また、若い世代による「世界と日本の青年シンポジウム」では、闘いと運動の交流が活発に行われました。

🕯 長崎デー集会に3200人が参加
8月9日に開催された「世界大会長崎デー集会」には、会場とオンラインを合わせて約3900人が参加。
冨田宏冶・国際会議宣言起草委員長による報告、被爆者でノーベル平和賞授賞式にも参加した田中重光さんの挨拶、そして11時2分の黙とうが行われました。
エジプト・ベルギー・イギリスの代表による発言や、梶田隆章・前日本学術会議会長のメッセージも紹介されました。

🌍 神戸での国際交流
10日夜には神戸市内で海外代表との交流会が開催されました。
大雨の影響で一部代表が参加できなかったものの、エジプト代表との交流が実現し、国際的な連帯の輪が広がりました。

✨ 未来へ向けて
被爆80年という節目に、世界中から集った人々が核兵器廃絶への思いを共有し、行動の決意を新たにしました。
この大会が、次の世代へ平和のバトンを渡す大きな一歩となることを願ってやみません。

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