9月15日午後、協会大阪府連主催による「戦後80年を日中戦争から考える」つどいが大阪市内で開催され、約150名が参加しました。
第1部:朗読劇「りゅうりぇんれんの物語」
最初の部では、劇団ENによる二人芝居「りゅうりぇんれんの物語」が上演されました。朗読劇の形式で演じられたこの作品は、詩人・茨木のりこさんが書き下ろした物語です。
モデルとなったのは、日中戦争末期に中国から北海道石狩の炭鉱へ強制連行され、昭和20年7月に脱走。その後、14年間にわたり北海道の山野で生き抜いた一人の男性です。過酷な時代を生きた人々の姿が、静かな語りと力強い演技によって浮かび上がりました。
第2部:原田敬一氏による講演「日中戦争」と「中日戦争」から考える
続いて、佛教大学名誉教授・原田敬一氏による講演が行われました。テーマは「日中戦争」と「中日戦争」から考える歴史認識の違いです。
日本では、日中戦争を1937年の盧溝橋事件から始まったとする見方が一般的ですが、中国では1894年の日清戦争から始まったと捉えられています。原田氏は、下関条約によって日本が中国山東地域の権益と台湾を得たこと、日露戦争後に南満州鉄道を手に入れたことなどを振り返りながら、日本の軍部がどのように出兵を拡大していったかを丁寧に解説されました。
張作霖爆殺事件、柳条湖事件、満州国樹立、そして中国との全面戦争から太平洋戦争へと続く流れの中で、日本は広島・長崎への原爆投下を経て敗戦を迎えました。
戦後、日本は連合国の統治を受け、新しい憲法を手にしました。その憲法は、日本が再び戦争を起こさないよう、軍隊を持たないことを明記しています。原田氏は、この憲法の意義を今改めて考えることの重要性を強調されました。
