楽天71歳で長寿を喜ぶ詩を詠む
第25回「漢詩を読む会」は12月19日(土)に開催され、丹羽博之大手前大学教授が「白楽天(772~846)の新年」をテーマに講義しました。
841年(会昌元年)白楽天は古希を迎えた。翌2年、71歳の正月に長寿を喜ぶ詩を作ったが、この年、太子少傳を辞し、刑部尚書の肩書きをもって致仕して、長い官僚としての生活を終える。老いのつのる中、74歳のとき、「尚歯会」を催し、「九老図」を作った。
846年、75歳の楽天は「寿は七十五に及び 俸は五十千に霑う 夫妻偕老の日 甥姪聚居の年 間事を支分し了り 背を爬きて 陽に向かって眠る」を詠じたが、これが辞世の詩となった。唐武宗の会昌6年(846)八月、洛陽の履道里の自宅でその生涯を閉じた。(石川忠久漢詩鑑賞事典より)
喜入新年自詠 新年に入るを喜び自ら詠ず
白鬢如雪五朝臣 白鬢雪の如し五朝の臣
又値新正第七旬 又た値う新正第七旬
老過占他藍尾酒 老い過ぎて占む他の藍尾の酒
病余収得到頭身 病余収め得たり到頭の身
銷磨歳月成高位 歳月を銷磨して高位と成る
比類時流是幸人 時流に比類すれば是れ幸人
大暦年中騎竹馬 大暦年中竹馬の騎る
幾人得見会昌春 幾人か見るを得たる会昌の春
次回、第26回「漢詩を読む会」は2月13日(土)