■ 広大な中国を走ると見えてくる“再エネの大地”
中国横断高速道路30号線を西へ向かうと、甘粛省酒泉あたりから景色が一変します。
車窓の右手、ゴビ砂漠の中に白い風車がぽつりぽつりと現れ、やがて視界いっぱいに広がる“風車の森”へと変わっていきます。
酒泉・玉門地区には7,000基以上の風車が並び、1,000万kW級という世界最大級の風力発電基地を形成しています。
さらに西へ進み新疆ウイグル自治区の達坂城に入ると、ここでも1,000基以上の風車が天山山脈の麓に立ち並び、660万kWの発電を行っています。
日本ではまず見られない、圧倒的スケールの風景です。
■ 太陽光発電も“地平線までパネル”
敦煌市北西部の「敦煌太陽光発電産業園」では、太陽光パネルと反射鏡が果てしなく続きます。
まるで“光の海”のような光景で、こちらも桁違いの規模です。
中国ではこのほかにも、
• チベット高原
• 山西省の高日照地帯
• 四川省の山岳地帯
• 山東省の渤海湾沿岸
など、全国各地に巨大な再エネ基地が広がっています。
■ 新規発電設備の8割が再エネに
中国電力企業連合会の発表によると、2025年の新規発電設備は次の通りです。
• 総設備容量:5.5億kW
• うち風力+太陽光:4.4億kW(80.2%)
つまり、新しく作られる発電所の8割が再エネという状況です。
■ 2026年、太陽光が石炭火力を初めて上回る見通し
同連合会は2026年について、次のように予測しています。
• 太陽光発電の設備容量が石炭火力を初めて上回る
• 風力+太陽光の合計が、全国の発電設備の半分に到達
これは中国のエネルギー政策における大きな節目であり、専門家は「歴史的転換」と評価しています。
■ なぜ“歴史的”なのか
● 世界最大の化石燃料消費国が方向転換
中国は世界最大の石炭・石油消費国ですが、その中国が非化石電源を主力に据え始めたという点が重要です。
● 産業構造の変化
再エネ設備の製造・建設・送電網整備など、新たな巨大産業が急成長しています。
● 気候変動対策へのインパクト
中国の排出削減は、世界全体のCO₂削減に直結します。
■ まとめ:再エネ大国・中国の姿が鮮明に
高速道路を走るだけで、風車や太陽光パネルが地平線まで続く光景に出会う中国。
その圧倒的なスケールは、単なる“景色”ではなく、エネルギー転換のスピードと本気度を物語っています。
2026年には、太陽光が石炭火力を上回る見通し。
中国は今、世界最大の再エネ大国へと大きく舵を切っています。
