猛暑の中「8・15平和のつどい」開く

講演「戦争映画で考える戦争の加害と被害」

日本の敗戦から75年目にあたる8月15日午後、兵庫の「語りつごう戦争」展の会(上野祐一良代表)は神戸市内で「8・15平和のつどい」を開催。猛暑の中、市民40人余りが参加しました。つどいは、永田喜嗣氏(大阪府立大学)が「戦争映画で考える戦争の加害と被害」と題し講演しました。

永田氏は、日本の映画は加害を描かない、日本の戦争映画は日本の被害を描く内容が多く、加害の描き方は極めてにぶいと指摘。第二次世界大戦の加害国ドイツの映画は、1960年代頃から変化が現れ、ドイツ人が自国の加害、戦争犯罪をあばく内容の映画を制作するようになった。海外で制作されたナチスの戦争犯罪を描く映画をドイツは受け入れているが日本は自国の加害映画を受け入れていない。日本で上映すれば右翼がスクリーンを切り裂く事件まで起こり、映画館での上映は止まっている。

戦争映画を観て、心地よいと感じ心に響く映画は危ない、むしろ二度と見たくないと思う映画の方がよい。戦争映画とは何なのか、戦地の様子を見せることにより観る人に戦争への協力や憎しみを増産させる役割を果たしていると語り、映画『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」と『ウルトラマンメビウス』第31話「怪獣使いの遺産」を上映。

永田氏は、この映画では加害が描かれている。子どもの頃から相手を認め、被害者の気持ちを理解するという教育が抜けていることを気づかせようとしている。加害と被害をどう克服していけばよいのか、加害の責任を今の私たちは負うべきなのかと問いかけ、加害の事実を知ること、消すことの出来ない被害者の恨みを止めるには加害者の謝罪が必要ではないかと語りました。

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