中国音楽界の泰斗・劉詩昆、日本で《我的祖国》を演奏へ

中国音楽界の泰斗・劉詩昆、日本で《我的祖国》を演奏へ
――2026年華人春節晩会予告
2026年の春節は例年より少し遅く訪れます。世界各地の華僑・華人はすでに待ちきれない様子で、自分たちの祝賀イベントの準備を進めています。1月31日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で開催される「全日本華僑華人春節晩会」には、特別なゲストが登場します。国際楽壇で高い評価を受ける著名ピアニスト、86歳の劉詩昆です。

劉詩昆とは
1939年天津生まれ。中国を代表するピアニスト、作曲家、音楽教育家であり、新中国初期から国際舞台で活躍してきました。1950年代から世界各地のコンクールや交流の場に登場し、2023年にはニューヨークで「アジア最杰出芸人終身成就賞」を受賞しました。

日本との縁
劉詩昆の日本での演奏歴はあまり知られていません。1979年、東京文化会館でリスト《ピアノ協奏曲第1番》を披露し、大きな反響を呼びました。そこで彼は日本を代表する指揮者・小澤征爾と親交を深めます。翌年にはボストン交響楽団の来日公演で共演し、その録音は世界的にヒットしました。
その後も全日本ピアノコンクールの審査員を務め、東京での音楽会に度々出演。近年では坂本龍一の名曲を東京タワーのそばで演奏するなど、中日音楽交流の証人であり続けています。

春節晩会での演奏曲目
今回の舞台で劉詩昆が披露するのは、《我的祖国》と《让我们荡起双桨》の二曲です。
• 《我的祖国》
1959年、新中国成立10周年記念の人民大会堂で初めて演奏して以来、60年以上にわたり彼の代表的な愛国曲となっています。近年モスクワでの演奏映像がネットで大きな話題となり、億単位の再生回数を記録しました。日本の舞台でこの曲を奏でることは、彼自身の祖国への思いを改めて示すものです。
• 《让我们荡起双桨》
在日華裔青少年との共演による映画音楽の名曲。多くの海外華人にとっては子どもの頃の記憶であり、郷愁を呼び起こす歌です。次世代が文化を受け継ぐ姿を象徴する演奏となるでしょう。

意義と期待
今回の春節晩会は、全日本華僑華人社団連合会が主催する日本最大級の華人イベントです。劉詩昆は「世界の舞台に立っても、私は常に中国人であることを忘れない」と語り、音楽を通じて祖国と海外華人をつなぐ役割を担っています。
彼の演奏は、在日華僑華人のみならず、世界中の華人にとって心温まる新年の贈り物となるでしょう。