「戦争の不条理」伝える記念碑の除幕式―西宮市
2020年6月7日(土)午後、強い日差しの下、西宮市奥畑の震災記念碑公園の一画で、小説「火垂るの墓」記念碑の除幕式が行われました。新型コロナウイルス感染防止のため規模を縮小して開催された除幕式には実行委員会の人たち、地元住民、マスコミ関係者など約100人が参加しました。「火垂るの墓」記念碑建碑実行委員会の土屋純男代表が碑建立に至った経緯を紹介しました。(写真上:除幕式であいさつする土屋純男代表)
「1967年に野坂昭如さんの体験を題材とした短編小説『火垂るの墓』が発表され、1988年にアニメ映画が制作されました。1995年の阪神・淡路大震災後この辺りは空地のままの土地があり、そこに野坂昭如さんが居たことを知り、当時、野坂少年が過ごした防空壕の場所などを調べることになりました。(完成した小説「火垂るの墓誕生の地記念碑)
その過程で、この戦争体験を何としても後世に伝えたいという願いが湧いてきました。2017年3月に建碑実行委員会をつくり、戦後75年にあたる2020年の完成をめざし昨年7月から寄付金募集を開始し、多くの人びとのご協力によりこの地に記念碑を完成させることができました。誠に感無量です」とあいさつし関係者により除幕されました。
西宮市に戦争の不条理を伝える記念碑が建立され、芦屋市には1973年7月に日中戦争への反省のもと、二度と戦争の惨禍を繰り返さないと誓った「日中友好平和の塔」が市民の努力で芦屋川河口付近の東岸に建てられました。阪神間に平和を祈念する記念碑が新たに建てられたことは、風化が叫ばれる中で戦争の悲惨さを後世に伝える身近な場所になることを願っています。(U)