渋味が少なく、茶葉本来の旨味が感じられる
中国茶講座の講師で、高級茶芸師の神田貴子さんの説明によれば、紅茶は世界中で広く親しまれ、その生産量は全世界のお茶生産量の6~7割を占めています。紅茶の発祥は中国で、はっきりした起源は不明ながら17世紀には紅茶生産が始まっていたと考えられています。最初に福建省で小種紅茶が作られ、18世紀になると、より製造が複雑で技術を要する工夫紅茶が登場し、次第に中国各地で輸出用の紅茶が生産されるようになっていきます。
現在、世界の紅茶の主流はCTC紅茶(顆粒状紅茶)で、機械で大量生産できるため、世界で生産される紅茶の6割以上がこのタイプです。その一方、中国では現在でも多くの工夫茶(カットせず葉の原型を留めたリーフティー)が作られています。工夫茶は、生産コストが高く大量生産向きではありませんが、渋みが少なく甘みが強いのが特徴で、茶葉本来の旨味が感じられるため、世界でも高く評価されています。
7月21日の「中国茶講座」は、神田貴子高級茶芸師、高級評茶員から中国茶紅茶についての詳しい説明を聞き、福建省の紅茶2種(武夷老叢紅茶・福建密桃香紅茶)、雲南省の紅茶3種(滇紅金芽針・雲南野生古樹紅茶・蝉蜒紅有機紅茶)、広東省の紅茶Ⅰ種(南嶺野生紅茶)を味わい、生産地、香り、味、湯色、茶葉の特徴などについて説明を受けました。(写真の紅茶は、雲南省の紅茶・滇紅金芽針を水出しで頂きました)