来鵠の桑を採る苦労を詠った「蚕婦」を読む
第28回「漢詩を読む会」は講師の丹羽先生がケガで入院されたため9月開催を延期していました。先生が無事快復され12月4日(土)、神戸市立東灘区文化センターで約半年ぶりに開催しました。丹羽博之大手前大学教授が「蚕婦詩の世界」をテーマに講義しました。丹羽教授は、先ず絹をつくり出す厳しい労働の様子を知るためとして映画「あゝ野麦峠」の一部を映し解説しました。
当時の時代背景や製糸工場で働く女工の厳しい労働や寮生活の劣悪な環境などについて映像を見ながら話しました。澁澤栄一が掛け軸に書いたという来鵠(晩唐の詩人)の七言絶句「蚕婦」を写真で紹介し詩を読みました。
曉夕採桑多苦辛 暁夕桑を採りて苦辛多し
好花時節不閒身 好花の時節閑ならざる身
若教解愛繁華事 もし繫華の事を愛するを解せしむれば
凍殺黄金屋裏人 凍殺せん黄金屋裏の人
次回の「漢詩を読む会」は2022年2月19日(土)です。