日本中国友好協会本部は10月21日、菅首相による靖国神社への真榊奉納と安倍前首相の靖国参拝に対する抗議声明を発表し、首相官邸に送付しました。以下はその全文です。
内閣総理大臣 菅義偉殿
菅首相による靖国神社への真榊奉納と安倍前首相の参拝に抗議する
首相退任直後の9月に続き、安倍晋三前首相は10月19日に2か月連続となる靖国神社参拝を行った。この前首相参拝に先立ち、靖国神社の秋季例大祭にあたる17日、菅義偉首相が「内閣総理大臣」の肩書で靖国神社に真榊を奉納した。菅首相の靖国神社への供物の奉納は、安倍前首相の在任中の行為を踏襲するもので、首相による春秋の例大祭での真榊奉納と終戦記念日の玉串料奉納が毎年繰り返されている。
靖国神社は侵略戦争に国民を動員する精神的な支柱であっただけでなく、A級戦犯を合祀し、侵略戦争を美化・正当化し宣伝する施設となっている。政教分離を定めた憲法に違反する行為は、国を代表する首相が侵略戦争を正当化し、「大東亜戦争聖戦論」の立場に立つことを示すとともに、憲法9条改悪の動きと相まって、日本が再び軍国主義の道を歩むのではないかとの国際的な疑念を生じさせるものである。
日本中国友好協会は、侵略戦争の美化・正当化と宣伝につながる靖国神社への真榊の奉納と参拝に強く抗議するとともに、国際社会が共有する歴史認識を重視し、アジアと世界の平和と安定のために平和国家としての役割を果たすことを日本政府に強く求めるものである。
2020年10月21日 日本中国友好協会(会長 井上久士)