哈大高速鉄道、累計乗客数10億人を突破

2025年6月17日に哈大高速鉄道(ハルビン〜大連)は累計で10億人以上の旅客を安全に輸送しました(他路線との直通・乗り継ぎを含む)。これは旅客の移動や地域経済・社会の発展に、安全で高品質かつ効率的な輸送サービスを提供してきた成果です。

厳寒地帯での安全運行体制の確立
哈大高鉄は黒竜江省、吉林省、遼寧省を縦断し、冬季には雪や氷による悪天候が頻発する寒冷地帯を走行します。瀋陽鉄道局は、気象災害の予測・警報システムや、積雪量に応じたポイントの除雪・融雪対策を整備し、列車の安全運行を確保しています。

世界初の寒冷地高速鉄道としての技術革新
哈大高鉄は、冬と夏の気温差が70℃を超える地域を走行する世界初の寒冷地高速鉄道です。瀋陽鉄道局は独自の技術開発により、車内の温度を一定に保ち、線路の凍結膨張を抑制し、年間を通じて時速300kmでの運行を実現しました。

サービスの質も向上
電子チケットの導入により、旅客は身分証1枚で乗車可能。スマホでの食事注文や座席指定も可能になり、復興号のスマート車両も導入されています。駅構内の動線改善や、各駅でのホスピタリティサービスも高く評価されています。

広がる高速鉄道ネットワーク
哈大高鉄は、北は哈斉・哈牡・哈佳高鉄、中部は長珲都市間鉄道や長白烏鉄道、南は瀋丹・新通・丹大鉄道と接続し、京哈高鉄とも連結。瀋陽・長春・大連を中心とした「2時間経済圏」や、北京までの「3時間ビジネス圏」を形成しています。

観光・物流の活性化
「週末旅行」や「短距離観光」などの需要に応え、「研修列車」「花見列車」「海辺列車」などのテーマ列車も運行。沿線の重工業や自動車、造船、ハイテク産業などの物流も加速し、地域経済の活性化に貢献しています。

「瀋陽鉄路」微信(WeChat)より

哈大高鉄とは

哈大高鉄(ハルビン〜大連高速鉄道)は、中国東北部を縦断する全長約904kmの高速鉄道で、世界初の寒冷地対応型高速鉄道として知られています。

建設と開業の経緯

  • 着工:2007年8月23日、吉林省長春市で起工式が行われました。
  • 開業:2012年12月1日に正式開業。試運転は同年10月8日から始まりました。
  • 建設費:総額923.4億元(約1兆3,950億円)を投じ、東北3省などが共同出資しました。

特徴と技術的挑戦

  • 最高速度:設計上は350km/h、現在は通年で300km/h運行。
  • 気候対応:冬季は気温が−40℃以下になる地域を走行するため、車両や線路、通信設備などに寒冷地仕様の技術が導入されています。
  • 構造:全線の3分の2以上が高架橋で、橋梁は162か所、最長の伊通河特大橋は57kmにも及びます。

社会的・経済的影響

哈大高鉄の開通により、従来9〜13時間かかっていたハルビン〜大連間の移動時間が約3時間に短縮され、東北地域の経済圏形成と観光振興に大きく貢献しました。また、在来線の貨物輸送能力も向上し、旅客と貨物の分離運用が実現しました。

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