超長編成の貨物列車が再び登場!その迫力に圧倒される

一度見たら忘れられない――まるで鉄の巨龍が大地を駆け抜けるような映像が話題です。今回ご紹介するのは、中国の瓦日(がじつ)鉄道を走る「万吨重载列车(1万トン級の超重量貨物列車)」です。

どれだけ長い?車両数はなんと106両!
この列車は全長1600メートル。中国の高速鉄道「復興号」の標準編成の約8倍にもなります。積載量は約1.2万トン。まさに“動く鉱山”とも言える規模です。

瓦日鉄道とは?
瓦日鉄道は、山西省興県瓦塘鎮から山東省日照港までを結ぶ、全長1260キロの重要な石炭輸送ルート。山西・河南・山東の3省を横断し、中国のエネルギー供給を支える大動脈です。

列車の点検拠点「長子南駅」
この超長編成列車が停車・点検されるのが、山西省南東部にある「長子南駅」。中国鉄道鄭州局の管轄で、瓦日鉄道唯一の列車検査場です。駅構内の長さは3881メートル、線路は19本あり、最長のものは2030メートルにも及びます。
ここでは毎日約250本の貨物列車が発着し、平均して6分に1本のペース。中でも1万トン級の列車は、1日6〜8本が運行されています。

急勾配でも安全に走るための工夫
瓦日鉄道は山岳地帯を通るため、勾配やカーブが多く、運転には高度な技術が求められます。そこで使われるのが「双機重連」方式。2台の和諧D1型電気機関車が連携して牽引することで、十分なパワーを確保しています。
特に長子南〜湯陰東の区間は長い下り坂が続くため、運転士は2台の機関車を同時に操作。制動時の圧力誤差は1キロパスカル以内、操作レバーのズレは0.2ミリ以内という厳しい精度が求められます。
この難所を安全に通過するため、鉄道機関部門では「停車充風再起動」という独自の操作法を確立。過去の運行データをもとに試行錯誤を重ねた成果です。

巡回検査もロボットで効率化
列車が長子南駅に到着すると、制動機の性能を確認する「試風試験」が行われます。従来は検査員が2000メートルの線路を徒歩で確認し、20分以上かかっていました。
しかし2024年からは「車底スマート巡検ロボット」が導入され、検査時間は最大10分に短縮。2025年には障害物除去機能も追加され、巡回中に砕石などを自動で排除しながらデータを報告できるようになりました。

“背負う検査員”が守る安全
列車の最後尾には「列尾装置」と呼ばれる重要な機器が設置されており、運転士が列車の状態をリアルタイムで把握するために使われます。
この装置の取り付け・取り外し・点検を担うのが、長子南駅の「列尾作業班」。装置は1台10キロ以上あり、作業員は最大3台を背負って複数の線路を移動します。その姿から「背包哥(リュック兄さん)」と呼ばれることも。
繁忙期には、わずか10分で装置の交換作業を完了させる必要があり、列車の安全運行を支える縁の下の力持ちです。

寒さが増す季節、瓦日鉄道を駆ける鉄の巨龍は、石炭という“黒い金”を満載し、全国の家庭にぬくもりを届けています。


出典:人民鉄道報業有限公司 河南記者ステーション(鄭州局グループ融媒体センター)
文・写真:張佳媛、王玮、王钦弘、劉穎、翟斌、孟帥、蘇冠華、路莉、袁修航、于盛龍
動画:王玮
編集:齊美華
校正:李孝佺

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