中国「残留孤児・婦人」2世の生活支援等を求める請願署名

新支援法の生活保障から「残留孤児・婦人」2世は除外された

中国残留孤児、残留婦人2世に対する国の支援は、1世と同伴帰国した未婚の20歳未満の2世を除き全くありません。2世の多くは、30歳~50歳で帰国したため支援対象とはならず、日本語が話せず、低賃金・苛酷な労働を余儀なくされ、高齢化を迎えた今日、かつての1世同様、生活保護に頼らざるを得ない人が多くいます。生活保護受給者一般に対する厚生労働省の課長問答により、親族の冠婚葬祭、危篤の場合、墓参等の目的で中国への渡航機関が2週間を超えた場合は収入認定により保護費が減額されるため、中国の家族との交流もままなりません。

この様な2世の状況は、1世に対する国の引揚事業の遅延に加えて、国が国費による1世と同伴帰国できる2世を未婚で20歳未満に限定したこと、国がこれまで2世に対する有効な支援策を全く講じてこなかったことに起因するものであり、中国帰国者自身の責任といえるものではありません。

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漢詩を読む会、「涼州詞」を読む

盛唐の王之渙と王翰の「涼州詞」2首を読む

4月7日に開催した第10回「漢詩を読む会」は王之渙と王翰の涼州詞2首を丹羽博之大手前大学教授の解説で読みました。

王之渙(688~742)涼州詞 

黄河遠く上る白雲の間 一片の孤城万仞の山

羌笛何ぞ須いん楊柳を怨むを 春光渡らず玉門関

黄河上流の遠く遥かな西の果て、ポツンと立つ砦、途方もない距離感と荒涼とした世界の孤独感。遠い砂漠の前線で涙もかれた兵士の悲しみが突き上げてくる。春の光も届かない所だという絶望的な心境、悲哀を強烈にうたっている。


王 翰(687~726?)涼州詞

葡萄の美酒夜光の杯 飲まんと欲すれば琵琶馬上に催す

酔うて沙場に臥すとも君笑うこと莫かれ 古来征戦幾人か回る

葡萄酒は西方から伝わった珍しい物、中国ではない西の方にあるとい雰囲気が伝わる。寝転がって飲んでいる者、馬上で琵琶を弾いている者、殺伐とした急き立てられるような寸暇の気晴らし。明日も知れぬ命、その苛酷な運命を紛らわそうと束の間の歓楽。戦場のやりきれない気分が表現されている。


次回は6月9日開催予定です。