私は“支付宝”、だからマーク・ユンを訴える!

「私は“支付宝”、だからマーク・ユンを訴える!」――ユニークな名前が生んだ裁判劇

インターネット時代、名前ひとつが世間の話題を呼ぶことがあります。中国・山東省臨沂市に住む61歳の男性は、その名も「支付宝(ジーフーバオ)」――日本語にすると「アリペイ」。この名前がきっかけで、世界的企業家・馬雲(ジャック・マー)との奇妙な縁が生まれました。

名前の由来と時代の変化
男性は1962年生まれ。姓は「支」、名前は「付宝」で、家族の伝統に従い「支付宝」と名付けられました。兄は「支付发」、妹は「支付花」と、家族全員が「支付」で始まる名前を持っています。
当時はごく普通の人名でしたが、時代が進み、馬雲が「支付宝(アリペイ)」という決済サービスを世に出すと、瞬く間に中国全土で大人気に。男性の名前は一躍、特別な意味を帯びるようになったのです。

法廷へ――100万元の訴え
2017年、この「支付宝」さんは馬雲とアリババを相手取り、100万元(約1,600万円)の損害賠償を求めて裁判を起こしました。
理由は「自分の名前と同じサービス名が広まり、生活の中でからかわれたり、名前の独自性を失った」と感じたからです。
一方、アリババ側は「サービス名は金融事業の必要から付けたもので、個人を侵害する意図はない」と説明しました。

判決とその後
裁判の結果、男性は敗訴。賠償金は得られませんでした。
しかしその後、アリババは大企業らしい柔軟さを見せます。男性と話し合いを重ね、「支付宝示範店」を共同で設立。サービスの知名度を活かした店舗は繁盛し、男性も次第に裁判のショックから立ち直っていきました。

名前が映す時代の物語
この裁判は一見すると珍妙な出来事ですが、実は「時代の変化が日常に新しい意味を与える」ことを示しています。
普通の人名が、インターネットの波により社会的な象徴へと変わり、そこから新しい物語が生まれる――そんな現象を私たちは目の当たりにしました。
最終的に、男性とアリババの協力関係は「人と企業の共存」を象徴するエピソードとなり、今も人々の語り草になっています。名前は単なる記号にすぎませんが、時代背景によっては思いもよらぬドラマを生み出すのです。

中国決済アプリがクレジットカードに対応

中国社会では現金を使わないほど決済アプリが普及しています。特にコロナ禍で急速に進んでいったようです。

このアプリですが今までは中国の銀行口座しか紐づけできませんでしたが今年の7月から国際クレジットカードとも紐づけできることができ支払いにも使えるようになりました。

中国への渡航は現在ビザが必須の状態ですが観光ビザも発給されるようなので、観光目的で渡航した際に「決済難民」にならずに済みそうです。

「友和生活」さんのWeChatページのリンクを貼っておきますので、参考にしてください。

支付宝が外国人旅行者でも利用可能に

スマホ決済の支付宝(アリペイ)を利用するには中国の携帯電話番号と銀行口座が必要でしたが、2019年11月5日より外国人旅行者でも利用できる「ツアーパス(Tour Pass)」のサービスを開始しました。

これは支付宝と上海銀行が協力し、上海銀行の仮想口座を作成し、クレジットカードによりチャージして利用するものです。チャージ額は100~2000元、有効期限は90日です。有効期限経過後残金は返金されます。(チャージ時に5%の手数料がかかります、ただし年内はキャンペーンで無料とのこと)

使い方は支付宝のアプリをインストールしTour Passを起動、パスポートの写真のあるページを登録し、クレジットカードで必要額をチャージします。あとは中国国内で中国人向け支付宝と同様に買い物などに使うことができます。

「使いたくても使えない」人にとっては朗報かもしれません。

クレジットカードで鉄路きっぷを買う方法

中国鉄路のきっぷの決済手段に国際クレジットカードが使えないものと思っていました。(中国系旅行社で依頼するとカード決済ができる場合もありますが手数料がかかります)

某国大統領も愛用しているTwitterで「支付宝(Alipay)経由でクレジットカード決済ができる」と書いていたので試してみました。結果、できました!やり方としては

  1. 支付宝で国際クレジットカードを紐づけておく
  2. 中国鉄路公式アプリ12306できっぷ予約
  3. 決済で「支付宝」を選ぶと支付宝アプリが立ち上がる
  4. バーコード決済では選択できない国際クレジットカードが選択可能になっているのでクレジットカードを選択する
  5. 「支付」をタップすると有効期限・セキュリティコード入力を求めてくるので入力する
  6. 「支付成功」と出たら決済完了

これで口座残高以上の高額なきっぷも買いやすくなりました。ちなみにクレジットカードで支付宝のアカウントは作れます。中国鉄路12306アカウントは中国の携帯電話番号で作れます。興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?(パスポートは両サービスとも実名認証で必要です)

追記:きっぷの購入は支付宝のアプリでもできます。メニューの「火车票机票」をタップし列車・区間・座種を選びます。

追記:微信支付(WeChat Pay)でも支払時に紐づけたクレジットカードを選択できました。(2018/08/28)

席に座ったまま「お勘定」

これはとある店での食事です。ひとり旅が多いので少量です。美味しそうでしょ。さて食事が終わったら当然代金の支払いをします。

テーブルに何やら二次元バーコードがありますが、これは何でしょう?これこそが今回の本題です。このバーコードを支付宝や微信支付など電子決済アプリで読み込むと金額が表示され、正しければ支払ボタンをタップすると完了です。あとはそのまま店を後にするだけです。つまりお勘定の時に店員さんを介さずに自分で行えるのがこのシステムです。対応バーコードはそれぞれのアプリのカラーでデザインされており、支付宝はライトブルー、微信支付はグリーンです。(写真参照)ちなみに支払状況はリアルタイムでお店側も分かるので食い逃げしようとは考えないようにしてくださいね。

私自身数回試しましたが本当に便利です、このシステムは。ちなみに注文もスマホからできる店もあるようですが、これはまだ試していません。いずれやってみようと思います。

急速に進むキャッシュレス化

日本のテレビ番組などでご覧になった方も多いと思いますが、中国では決済方法としてスマートフォンを使った電子マネーが主流となっています。利用範囲は広く財布を持たずにスマホだけ持って出かける人も多くいます。

電子決済サービスを行っている会社は数社ありますが、圧倒的シェアを持っているのが、ネット通販・淘宝(タオバオ)の決済から発展した「支付宝(アリペイ)」とチャットサービス・微信(WeChat)におサイフ機能を付加した「微信支付(ウィーチャットペイ)」です。

原理は専用アプリ内に「钱包(おサイフ)」があり、チャージして使います。チャージするためにはアプリのアカウントと自分の中国国内の銀行口座を紐づける必要があります。この紐づけには本人確認の意味合いもあります。また携帯電話番号のSMS認証と本人確認書類(中華人民共和国居民身分証、パスポートなど)を行う事によりフルに活用する事ができます。このサービスの特徴は決済にQRコードと呼ばれる二次元バーコードを用いる事です。これによりお店側も専用端末を置かなくても料金を受け取る事ができます。また料金を受け取る機能もありますので、個人間での金銭のやりとりも容易に行えます。このお気軽さもあり個人商店・屋台・自動販売機などでも普及しています。

しかし外国人旅行者が使うのには少し敷居が高いのが現状ですが、銀行口座の代わりにクレジットカードとの紐づけはできます。(ただしチャージなど決済には今のところ使えません)私は幸いながら中国国内の銀行口座を持っているので、実際に使ってみました。これについては追々紹介したいと思います。