14年働いて年金月2万6千円、とても生活できない!
2002年を皮切りに「残留孤児」の約9割にあたる2211名が原告となり、国家賠償訴訟を起こし、その結果2007年に、議員立法により「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び帰国後の自立支援に関する法律の一部を改正する法律」(新支援法)が成立、国民年金の満額支給と支援給付金の支給などを内容とした新たな支援策が採られることとなりました。2013年には、新支援法が改正され、「残留孤児・婦人」と共に苦難を分かち合い、中国の父母、兄弟と別れて日本に来た配偶者に対し、「残留孤児・婦人」が死亡した場合でも支援給付以外に国民年金の満額の3分の2相当額を支給する改善が図られました。(写真上:院内集会、衆院第二議員会館)
しかし、新支援法による生活保障から中国「残留孤児・婦人」2世は除外されたことから、30歳~50歳で帰国した2世は、日本語も話せず、低賃金・苛酷な労働を余儀なくされ、高齢化を迎えた今日、かつての1世同様に、生活保護に頼らざるを得ない人も多くいます。45歳だった1998年、残留婦人の母親が住む近くへ私費で帰国した福岡市の日高秀子さんは、1か月間、福岡県の自立研修センターで日本語を学びましたが、私費帰国のため国の支援は全くありません。交通費も生活費も自分で支払わなくてはならず、勉強を止めきつい仕事に就きました。60歳の頃、腰が悪くなり仕事をやめざるを得ませんでした。14年間働き、年金2万6千円と支援金で生活しています。老後を考えるととても不安になります。どうか2世の生活支援等を求める請願署名にご協力下さい、と訴えています。
院内集会開き、署名8,867筆を紹介国会議員に渡す
6月3日(月)午後、衆議院第二議員会館で「署名提出・院内集会」が開かれ、福岡、広島、東京の帰国者二世5人、紹介議員・自民1、公明2、立民1、国民2、共産2からこの日は田村貴昭衆議院議員が出席、厚生労働省から関係職員2人が出席、日中友好協会からは本部、東京、千葉、兵庫、福岡、長崎から10人が参加。5月末までに集まった署名約8,867筆の目録を九州地区帰国者二世連絡会事務局長の日高秀子さんが田村議員に手渡しました。その後、二世の方々と懇談し、生活の現状や署名活動について意見交換し目標の10万筆を集め帰国者二世に新支援法の適用を実現しようと決意を語り合いました。(写真下:田村議員に署名目録を手渡す日高秀子さん。6月3日、衆議院第二議員会館)