広州ー湛江高速鉄道の湛江湾海底トンネルが貫通

トンネル全長9640m、シールド区間7551m

3月15日、広州ー湛江高速鉄道の湛江湾海底トンネルが完成しました。トンネル全長は9,640mで、その内7,551mがシールド区間、直径は14.33mです。湛江湾海底トンネルプロジェクトは、シールドマシンによって、一方向に掘削され、1つの穴と2つのラインがあり、これは中国で最も長いシングルヘッド掘削距離を持つ大口径高速鉄道シールドトンネルであり、掘削セクションが大きく、地質条件が悪く、多くの廃泥、簡単な泥ケーキ、および海と都市の両方を通過するという特徴があります。トンネルの建設は、湛江湾の既存の都市のスカイラインを効果的に保持し、水路の通過への影響を軽減し、高速鉄道の運行安全に対する台風の影響を効果的に回避します。

広州ー湛江高速鉄道の本線は、広州から西に佛山、肇慶、雲福、陽江、茂明、湛江、そして最後に広州ハブと湛江ハブ関連プロジェクトを含む湛江北駅につながり、推定プロジェクト投資額は998億元、401キロメートルの新しい二重線、設計速度は350㎞/hで、新しい佛山駅、珠江デルタハブ空港駅、新興南駅、陽春東駅、陽江北駅、マタ駅、茂明南駅、五川駅、湛江北駅9駅、湛江東駅と楊渓駅が予約されています。現在、広山高速鉄道の路床プロジェクトの93%が完成し、橋梁プロジェクトの91%が完了し、トンネルプロジェクトの86%が完了し、駅の背後にある4つの電力および住宅プロジェクトの建設が完全に開始され、2025年までの開通を目指していると言われています。(中国経済ネット)

中国初・海洋環境下の高速鉄道23年に開通

福建高鉄、全長277.42Km、設計速度350Km

中国鉄道によると、福建高速鉄道は福州から北へ、南は厦門と張州まで、全長277.42km、設計速度は350kmで、中国初の真の海洋環境下での高速鉄道であり、世界でも最も高速な沿岸/海横断鉄道です。

福建高速鉄道は85の橋と33のトンネルを有し、湄洲湾、泉州湾、安湾の3つの湾を横断しています。福建高速鉄道は2023年開通の目標に一歩近づき、「高速鉄道で海を渡る」という目標が現実のものになりつつあります。

福建日報は4月15日、福州ー厦門高速鉄道(以下「福建高速鉄道」)の新築が、湄洲湾の海を渡る橋の開通に成功したと報じました。湄洲湾横断橋は、全長14.7kmで、その内10.8kmの海域建設、350kmの設計速度、中国初の海横断高速鉄道低木塔斜張橋であり、福建高速鉄道の全線制御プロジェクトでもあります。(百度百科より)

中国鉄路のきっぷたち③

2020年4月29日より高速鉄道全線でチケットレス化が完了しました!

いよいよこの連載も最終回になりました。この回ではきっぷ実名制からチケットレスへの流れを書いていこうと思います。

2011年6月1日より高速鉄道において「きっぷ実名制」が導入されました。(2012年1月より全列車で導入)以前から横行していたダフ屋対策として実施されたようです。きっぷ様式は青地に和諧号のシルエットが入ったきっぷになり、身分証明書番号(外国人の場合はパスポート番号)と名前が切符に記載されています。下記にサンプルがありますが、個人情報は消さしていただいています。

きっぷの購入もネットが活用され、中国鉄路公式サイト12306.cnや公式アプリでできるようになり利便性が上がりました。ただしそのサービスを利用する際には中国の携帯電話番号ならびに中国国内の銀行口座(または支付宝か微信支付のアカウント)が必須となり外国人にとっては敷居が上がってしまいました。

そして高速鉄道ではきっぷ自体が無くなりました。数年前から中国の二代身分証などを自動改札機にタッチするとそのまま乗車できるサービスは主要高速鉄道で実用化されていましたが、海南島を手始めに本格的に高速鉄道のきっぷのチケットレス化が開始しました。そして2020年4月29日より高速鉄道全線でチケットレス化を開始しました。

あらかじめきっぷは公式サイトや公式アプリで購入しておき乗車時に先述の身分証を改札機にタッチするだけで乗車できます。パスポートの場合は有人改札でチェックしてもらうかパスポート対応の自動改札機を通ります。乗車証明は駅の端末で自分で打ち出すか窓口で発行してもらいます。

余談ですが今猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症肺炎の時に、きっぷ実名制のデータを活用し感染者が乗車した日にち・列車・席番情報が分かるので、濃厚接触の可能性を具体的に知らせることができました。

今は世界的に大変な状態ですが、皆さん力を合わせて乗り越えましょう。その後、一度中国鉄路の列車に乗ってみてください。日本では絶滅してしまった寝台車や食堂車もまだまだ走っています。

中国鉄路のきっぷたち②

前回は硬券の紹介でしたが、今回は軟券の紹介をします。座席管理にコンピューターを使うようになり徐々にですが、きっぷの購入がしやすくなってきました。それに伴い「外国人料金」も撤廃されました。(厳密にいうと人民料金を値上げして内外同一価格にしたようです。)

導入時期は不明ですが、私の持っているきっぷで一番古い軟券は1997年発行のものとなっています。コンピューター管理となり、今までは座種によって窓口が違っていましたが、どの窓口でも購入できるようになってきました。また市内にあるきっぷの発売所でも購入できるようになってきました。ただしまだ帰りのきっぷなど発駅以外のきっぷは購入できませんでした。

2000年代になり、徐々に発券システムのネットワーク化が進み発駅以外のきっぷを購入できるようになってきました。きっぷの様式も「中国铁路-CR」地紋の赤色軟券になりました。

2000年代後半にはシステムのバージョンアップによりきっぷの駅名に英字表記が入るようになりました。手元にきっぷが残っていませんが、異地発券の実験として2010年に浙江省杭州駅で黒竜江省牡丹江駅発の列車の硬座指定券の購入ができたのを確認しています。この時期には全国的にどの駅発のきっぷの購入もできるようになりました。

自動改札機を通れる磁気化券が登場しはじめた初期のきっぷです。赤地で地紋として動車組列車のシルエットが入っています。磁気化券は登場しましたが、大半の駅の改札自体は駅員が一枚一枚きっぷに鋏を入れるスタイルでした。

今回はこのあたりにしたいと思います。

中国鉄路のきっぷたち①

中国鉄路では現在急速にチケットレス化が進んでいます。今年中には全国の高速鉄路でチケットレス化が完了する予定です。

ここでは中国鉄路が発行してきたきっぷを紹介しようと思います。まずは昔なつかしの硬券です。

この頃は「外国人料金」なるものが存在しており、同区間同座種で中国人民の約1.75倍の料金を外国人は支払わなければなりませんでした。まずは外国人料金の硬券です。縦型券です。

いずれも軟座(外国人料金)で青地で中国鉄路ロゴが印字されています。

次に中国人民の硬券を紹介します。横型券です。

なお硬座・硬臥は赤地、軟座・軟臥は青地で中国鉄路ロゴの地紋です。この地紋も日本の影響があり、かつての国鉄の三等が赤地、二等が青地とよく似ています。きっぷに赤鉛筆で線が入っていますが1本は普通快車(普快)、2本は特別快車(特快)、3本は直達(ノンストップ)特別快車です。

今もですが当時から座席は全席指定でした。硬券の裏に乗車日・車次・座席番号が書かれたペラペラの紙が貼り付けられていました。硬座は始発駅だけ指定で途中駅からは「無座」という座席指定なしのきっぷとなります。(まず座れません)

長春-天津の直通快車(直快)の硬臥の指定券

この頃の座席管理はコンピュータで管理されていません。よって座種によっては駅ではなくて市内の販売所で購入しなければなりませんでした。きっぷの発売は硬臥・硬座は概ね3日前、軟座・軟臥は2日前からの発売でした。当時の列車本数は少なく手ごろな料金の硬臥は発売開始後すぐ売り切れました。希望のきっぷを駅員に伝えても「没有!(ない)」と何度も連発されたのも今では懐かしい話です。

車内補充券(車補)を紹介します。

天津駅の窓口で発行された車補(天津-北京の軟座2枚分)もちろん外国人料金です。

次回はコンピュータ管理が始まってから発行される軟券について紹介したいと思います。

チケットレス化がすすむ中国鉄路

中国国家鉄路集団有限公司(以下『中国鉄路』)では、高速鉄道・動車組列車のチケットレス化が急速に進んでいます。

昨年(2018年)11月に海南島環状高鉄のチケットレス化を皮切りに今年(2019年)7月27日に上海-寧波城際鉄路の20駅で電子きっぷ化、8月1日からは広州南駅管轄の広珠城際線と江湛鉄路の32駅で電子きっぷ化、11月12日には杭州東、南京南、合肥南など45駅で、11月20日には上海虹橋、寧波連雲港など48駅と電子きっぷ化を進めてきました。さらに北京局、雲南、哈爾浜局でも11月にチケットレス化が始まりました。(この流れは今後も続くようです)

利用方法ですが、あらかじめ中国鉄路公式サイト(12306)や公式アプリで購入して、乗車時にはきっぷ購入時に使った身分証明書を改札機にタッチするだけで通過できます。外国人の場合はパスポートが身分証明書になりますが、パスポート対応改札機に記載欄を読み取らせれば通過できます。(ない場合は有人改札を通ります)

マカオLRTタイパ線12月10日開業

年内は運賃無料、日本製車両が走る現地初の鉄道

マカオ(澳門)の鉄道事業者、マカオLRT社は12月6日、同社が運営するマカオLRT(新交通システム)タイパ線について12月10日に開業すると発表。2012年末の本格着工から丸7年で開業にこぎつけた。マカオではこれが初めての本格的な軌道系大量輸送機関となる。

タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部。今回開業するのはタイパフェリーターミナル駅と海洋駅間の9.3Km、11駅。沿線には香港や広東省の深圳市などとの間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、マカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区と陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった複数の玄関口のほか、大型カジノIR(総合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパビレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

運転時間は月~木曜日が午前6時30分から午後11時15分まで、金~日曜日及びパブリックホリデーが午前6時30分から午後11時59分までで運転間隔は5~10分に1本とのこと。LRTシステム一式は日本製、東京の「ゆりかもめ」と同じタイプのクリスタルムーバー型の日本製列車(ゴムタイヤ、自動運転)がマカオの街を走ることになっている。(2019年12月6日マカオ新聞ニュースより)

高速鉄道・復興号乗車記

今回の県連主催の中国ツアーで私的に最大の目玉と思っているのは上海-黄山間の往復を高速鉄道で移動することだと思っています。ここでは簡単にレポートしたいと思います。

今回乗った列車は最新の復興号(CR400BF型)でした。最高営業速度350km/hを出し、車内サービスにも定評のある列車です。せいぜい従来の和諧号と思っていた私にとってホームに復興号が停まっているのを見た時は思わず興奮しました(笑)

以前も書いたと思いますが、中国鉄路では「きっぷ実名制」を採用しており、きっぷの購入、乗車時にはパスポートなどの身分証明書が必要です。また空港並に荷物検査もあります。

乗った車両は日本の新幹線の普通席にあたる二等座で、2+3人掛けのシートとなっています。もちろんリクライニングもでき席の間隔もゆったりしています。帰りの列車で気づいたのですが、シート間に電源がついています。なおこの列車は3クラス制でグリーン車にあたる一等座と最上級の商務座(ビジネス席)が連結されています。特に商務座は1+2配列の革張り調シートで座席がフルフラットにリクライニングします。

上海虹橋-杭州東間は最高速度300km/hの路線(杭州東-黄山北間は250km/h)で、最高速度まで出ていましたが、揺れもほとんどなく安定した走行です。ビールを飲みながらゆったりと列車旅を過ごせました。車内販売もありそこでビールを買いましたが15元と少々高い上に冷えてなかったです。ただ私たちの乗った5号車には売店が併設されており、そこでは同じ値段で冷えたビールがあることを帰りに知りました。この売店では弁当なども売っています。トイレは1両おきに設置されています。身障者対応トイレもあり、清掃も行き届いています。

高速列車はきっぷも比較的入手しやすいので皆さんも中国に行かれた時は是非とも乗ってみてください。

上海虹橋駅外観
電源はここにあります
商務座(参考)

新疆に200本の旅行列車を運行

中国鉄路(中国国家鉄路集団有限公司←旧・中国鉄路総公司)は新疆ウイグル自治区の経済と旅行の発展のため、2015年より内地より新疆へ入る旅行専用列車を運行しています。需要の増加と共に年々運行列車本数は増え、2018年は170本、2019年は200本になる見込みです。

近年、新疆では旅行産業に力を入れており、観光客の受け入れ体制は整いつつあります。そこで敏捷な鉄道網を利用して旅行専用列車がますます便利になってきています。烏魯木斉局集団公司は他の鉄路局集団公司と協力し、より多くの人を新疆に引き入れるために「京和号」「龍泰号」などの快適な旅行専用列車を運行し内地と新疆を結んでいます。合理的な運行路線、豊富な観光資源、より移動して日中観光するというところが多くの旅行客から受け入れられています。

7月以来、全国各地と新疆を結ぶ列車は新疆の東西南北を網羅しており、1路線で複数の観光地を訪れることが可能になっています。烏魯木斉局集団公司は併せて鉄路建設をすすめ、設備の改善、駅での動線改善、運行速度の向上などに取り組んでいます。

今年4月27日に湛江-北屯の旅行専用列車を運行して以来、7月25日現在で運行本数は65本、その後も10月下旬まで運行する予定です。(中国国家鉄路集団有限公司サイトより抜粋引用)

中国鉄路2019年7月ダイヤ改定

中国鉄路総公司は2019年7月10日0時より運行ダイヤの改定を行います。主な改定内容は下記の通りです。

  1. 旅客列車の増発-ダイヤ改定後新たに増える直通旅客列車は39往復、運行区間変更が54.5往復、運行経路の変更が16.5往復、その他の調整が85往復となります。多客時に増える動車組列車が25往復、運行区間変更が2往復となります。この改訂で新たな復興号動車組列車が登場します。
  2. 一部都市での停車駅の見直し-旅客のニーズに応え、輸送効率を上げるため、北京、上海、哈爾浜、瀋陽、長春、大連、武漢、済南、青島、杭州、南昌、厦門、南寧、南陽の14都市の69往復の旅客列車の始発・終着・停車駅の調整を行います。具体的にはきっぷに記載された駅名を確認し、くれぐれも駅名の間違いには注意しましょう。
  3. 香港直通高速列車の増発-新たに重慶西、天津西、南寧東、肇慶東、汕頭と香港西九龍駅を結ぶ動車組列車が登場します。
  4. 南寧-広州、南寧-昆明、蘭新高鉄哈密-烏魯木斉等区段の運行時間短縮-ダイヤ改定後、南寧-広州間は最短2時間45分、南寧-昆明間は最短3時間43分、広州-昆明間は最短7時間8分で結ばれます。蘭新高鉄哈密-烏魯木斉間は25分の短縮となります。
  5. 東南沿岸部と四川・重慶への旅客輸送能力の向上-動車組列車の運行区間を延長することにより、輸送力拡大を図ります。
  6. 一部旅客列車の運行方法の見直し-北京南-青島北G209/210次上り運行時間が3時間5分で48分の短縮;北京西-北海G529/530次北京西至南宁段での上り運行時間が10時間50分で2時間51分の短縮;上海至漯河K1048/5次運行時間を2時間19分の多縮;済南局、南寧局集団公司の一部管内旅客列車の運行時間が短縮されます。
  7. 貨物輸送能力の増加-中国・欧州便の増便、呼和浩特-唐山鉄路1万トン級列車の増便、など。(中国鉄路総公司サイトより抜粋)