林和靖の詩は日本文学に影響
林逋(967~1028)は和靖先生とよばれ、杭州(浙江省)の西湖のほとりに住む隠者でした。梅の清らかさと鶴の気高さを愛し、自身も、清く気高い一生を過ごしました。2月の「漢詩を読む会」で紹介された「山園小梅」は、山の庭に咲く、小さな梅の花を詠じたものですが、林逋の梅に対する愛情がにじみ出ているような作品です。
山園小梅 山園の小梅
衆芳揺落独喧妍 衆芳揺落するも独り喧妍たり
占尽風情向小園 風情を占け尽して小園に向かう
疎影横斜水清浅 疎影横斜して水清浅
暗香浮動月黄昏 暗香浮動して月黄昏
霜禽欲下先偸眼 霜禽下らんと欲して先ず眼を偸み
粉蝶如知合断魂 粉蝶如し知らば合に魂を断つべし
幸有微吟可相狎 幸いに微吟の相狎しむべきあり
不須檀板共金尊 須いず檀板と金樽とを
講師の丹羽博之教授から、林和靖が白楽天の影響を受けていることや生涯独身であったこと、彼の詩が松尾芭蕉や一休の詩句にも影響を与えていたことなどについて紹介がありました。また宋代の詩(宋詞)の特徴について説明を受け、「憶江南」(江南を憶う)其の一、二、三の三首を読みました。
次回「漢詩を読む会」は4月11日(土)午後2:00~4:00