満蒙開拓の歴史を無かったことにしてはいけない!

「中国残留邦人への理解を深める集い」―映像と講演で体験者の思い伝える

11月23日午後、神戸市主催の2023年度中国残留邦人への理解を深める集いが神戸市垂水区で開催され市民約130人が参加しました。神戸市福祉局くらし課課長の平野憲司氏が主催者あいさつ、委託団体・中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会の浅野愼一世話人代表が、コロナ後、帰国者支援活動は再開しているが、医療や介護など見えづらい問題があり、二世問題も起こっている。帰国者問題の原点を見ていく必要がありますとあいさつしました。

集い第一部では、神戸朝鮮高級学校舞踊部の皆さんが舞踊「小鼓の舞」、独舞「チャンゴの舞」を披露し会場から大きな拍手がわき起こりました。第二部は、2013年信越放送制作のドキュメンタリー映画「刻印―不都合な史実を語り継ぐ」を上映。信越放送ディレクターの手塚孝典氏が満蒙開拓団の体験者へのインタビューをもとに「満蒙開拓・加害と棄民の歴史に向き合う」と題し講演しました。

手塚氏は、戦後の日本はアジアへの侵略の記憶を消し去ることから始まり、日本の戦争の歴史からアジアの存在を覆い隠した。しかし、これらの地域との歴史的関わりを無視した結果、日本はどのような国になったのか。戦争体験は、悲劇を生き抜いた美談へと横滑りし、「戦争犠牲者としての国民」は、敗戦の焦土からの復興、高度経済成長という新たな物語の主人公を自認することになり、戦前・戦中の日本の優越意識を経済原理によって上書きした。「アジアの盟主」という自意識は、敗戦によって断ち切られたわけではなく、社会の底流にうごめいている。いま日本政府は隣国との和解に力を注ぐかわりに、対立を煽りたて、戦争による国際問題の解決を前提にした新たな安全保障政策へと大きく舵を切っている。

満蒙開拓の歴史を問い直すことは、日本の戦争をアジアへの侵略と植民地支配、棄民政策の歴史として直視することに他ならない。「刻印」が描いたのは、そこにある❛問題❜ではなく、国策の過ちの代償を負わされ、戦後もなお苦難の人生を生きる❛人間❜の叫びである。国策がつくる「公的」な歴史から零れ落ち、あるいは意図的に隠されていく民の声こそ、伝えられるべきで、その声を聴き、記録し、多くの人に問いかけ、満蒙開拓の歴史と、その教訓を社会全体で共有することが必要である。決して無かったことにしてはいけない、無かったことにさせてはいけないと訴え、開拓団体験者や逃避行の途中で母親と死別、兄弟と生き別れ終戦から40年を経てやっと帰国した残留孤児など3人へのインタビュー内容を紹介しました。(U)

第46回兵庫の「語りつごう戦争」展

「新しい戦前」にさせないために―歴史を学ぶ―

兵庫の「語りつごう戦争」展の会は「再び戦争をしない」「再び暗黒社会にしない」という思いで、戦争の記憶を風化させず、語り継ぐ趣旨で活動していますが、ロシアのウクライナ侵攻、米中の南シナ海、台湾を巡る動向、朝鮮民主主義人民共和国のミサイル等の発射実験、それに対応する自衛隊の沖縄県・鹿児島県への集中配備、先制攻撃構想、等々、さらにガザ地区におけるイスラエルとの戦闘の勃発は私たちの願いと全く逆行するものであり、危惧と憤激を憶えるものです。戦争展へぜひご来場下さい。

日程:2023年12月6日(水)~10日(日)

午前10時~午後6時(6日は午後1時から、10日は午後4時半まで)

会場:妙法華院2F(高速神戸駅西口上り南へすぐ)

内容:資料展示・平和色紙展など(チラシ参照下さい)

・「戦争体験を聞くつどい」(12月7日、9日、10日、午後1:30)

・「12・8のつどい」午後1時30分 3F会議室

高齢者介護の理念と取り組み

お話し:市川禮子さん(社会福祉法人きらくえん名誉理事長)

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展の会

連絡先:090-5896-6048(上野さん)

学習講演会「中国残留日本人二世の人生が問いかけること」

支援法から取り残された中国帰国者たち

中国残留日本人とは、第二次大戦敗戦時、中国東北地方に取り残された日本人(残留孤児・残留婦人)です。残留日本人二世は、今もなお苦難の生活を余儀なくされています。二世たちの人生をふまえ、日本社会がどうあるべきかを考えましょう。

講演:浅野慎一 摂南大学現代社会学部学部長・特任教授/中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会世話人代表

日時:2023年12月2日(土)14:00~16:00

会場:神戸市立総合福祉センター第5会議室

神戸高速鉄道「高速神戸」駅より徒歩3分、湊川神社西側

資料代:500円  予約不要

主催/お問い合わせ:兵庫県AALA連帯委員会

Tel&Fax:078-351-0194

E-mail: aala.hyogo@gmail.com

梁啓超生誕150周年記念国際学術シンポジウム

梁啓超が託したメッセージを読みとる

今年(2023年)は近代中国の思想家・梁啓超(1873-1929)の生誕150周年にあたります。彼の長きにわたる日本での亡命生活のうち、約6年間の歳月は神戸で費やしました。孫文研究会はこの節目の時と彼とゆかりのある地にちなんで、国際学術シンポジウムを開催します。梁啓超の多方面にわたる言論は、人々が中国を、そして世界を観察し、思考する枠組みを大きく変えました。彼の残してくれた文章の中から、これまで注目されることが少なかったものを中心に、5人の報告者の皆さんと、梁啓超が託したメッセージを読み取ってゆきたいと思います。

日時:2023年11月25日(土)10:00~16:00

場所:孫文記念館ホール・オンラインZOOM併用

定員:30名(対面)

開会のあいさつ 石川禎浩京都大学教授

報告者

安 東強(中国・中山大学教授)

「民元康梁派国民党組織形態」(中国語)

川尻文彦(愛知県立大学教授)

「在日時期、梁啓超の社会主義認識」

森岡優紀国際日本文化研究センター日本学術振興会特別研究員

「痛恨と悔いの歴史叙述」

鐘 文博台湾・國紀念館研究員

「梁啓超遊台対日拠時期台湾士人之影響」(中国語)

黄  斌早稲田大学東アジア国際関係研究所招聘研究員

詳しくは添付チラシをご覧下さい。

主催:孫文記念館・孫文研究会

中唐・張継の「楓橋夜泊」を読む

月落ち烏啼き霜天に満つ

10月28日、神戸東灘区文化センターで開催した「漢詩を読む会」は張継の楓橋夜泊を読みました。

張継は生没年未詳、天宝十二(753)年に進士に及第。初めは節度使の幕僚となり、また塩鉄判官となった。校大暦年間(766~779)になり朝廷に入り、検校祠部郎中となった。博識で議論好きな性格。政治に明るくて郡を治めた時は立派な政治家だという名声があがった。清らかな風采で道者の風があったと言われている。

楓橋夜泊  張継

月落烏啼霜満天 月落ち烏啼いて 霜 天に満つ

江楓漁火対愁眠 江楓漁火 愁眠に対す

姑蘇城外寒山寺 姑蘇城外の寒山寺

夜半鐘声到客船 夜半の鐘声 客船に到る

月は沈み、烏が啼き、霜のおりる気配があたり一面に満ちている。長江沿いの楓、漁舟のひかり、旅の愁いに眠れぬ私の眼にそれらが入る。蘇州のまちはずれの寒山寺から、夜更けに鐘の音がこの旅路の舟の中まで聞こえてくる。

張継は生まれた年も亡くなった年もわからず、この一首の詩によってのみ名を知られていると言える。この詩が有名になったのは清代末の学者で、名高い書家でもあった兪樾が書いた書が石碑となっており、その拓本が非常に多く伝わっていることがあるからだろう。蘇州の寒山寺は、もともとあまり訪れる人もない、さびれたお寺だったが、この詩を読んで訪ねて来る日本人が沢山いたため、建て直されて立派な観光地になったということです。

「漢詩を読む会」次回は来春3月頃を予定しています。

「日中友好・夢コンサート」民族楽器の演奏や舞踊、歌を披露

音楽は日中両国民の友情を築き絆を深める!

協会東神戸支部は10月27日午後、神戸市東灘区の御影公会堂・白鶴ホールで日中平和友好条約締結45周年記念「日中友好・夢コンサート」を開催、約100人が参加しました。開演にあたり、協会兵庫県連合会の前田清会長が開会あいさつ、続いて中華人民共和国駐大阪総領事館から方煒副総領事(写真上)が来賓あいさつし、薛剣駐大阪総領事からメッセージを頂きました。

コンサートは、内モンゴル自治区出身でモンゴル民謡歌手・中国笛奏者の劉偉さん(写真左端)が司会、進行をつとめ出演者全員と楽器の特徴や曲の背景などを紹介しました。楽器演奏では劉偉さんのフルス(瓢箪笛)、チャイナドレス姿のチンイさんの二胡、リーブさんと素敵な衣装の佟夢苑さん(右写真)の民族舞踊、劉偉さんのモンゴル民謡が披露され、日本の久保比呂誌(写真中の右端)さんがキーボード演奏と三味線で津軽あいや節を披露しました。合奏、民族楽器演奏、中国の歌、モンゴル民族舞踊、日本の歌など13曲が演奏され参加者はうっとり聞き入っていました、会場からは手拍子が起こったり、大きな拍手が何度も続き日中友好にふさわしい素晴らしコンサートとなりました。

薛剣中華人民共和国駐大阪総領事からのメッセージ

この度、日中平和友好条約締結45周年記念「日中友好・夢コンサート」の開催にあたり、中国駐大阪総領事館代表をし、謹んでお祝いを申し上げます。日本中国友好協会東神戸支部は、設立されて以来「民をもって官を促す」伝統を受け継ぎ、中日民間交流活動を精力的に行い、両国民の相互理解の促進に積極的な役割を果たされました。総領事館としては、皆様に衷心より敬意と感謝を表します。今年日中平和友好条約締結45周年という節目の年に、「日中友好・夢コンサート」を開催することは大変有意義なことだと存じます。両国の伝統的な音楽・舞踊の鑑賞を通して、両国の文化的・精神的絆をより強固にし、両国の友好感情を増進させることを期待しています。結びに、コンサートのご成功及び皆様のご活躍ご健勝を祈念いたします。

11月の中国茶講座は「台湾茶」

直接買い付けた台湾茶各種を紹介

神田講師が4年ぶりに台湾を訪問し直接買い付けた台湾茶各種を紹介します。初めての方もお気軽にご参加頂きお楽しみ下さい。

日時:2023年11月22日(水)午後1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「教室」

JR摂津本山駅北口を東へ線路沿いに徒歩約1~2分、阪急岡本駅を南へ徒歩約6分(山手幹線道路・本山北町3交差点を南へすぐ)

講師:高級茶芸師 高級評茶員 神田貴子さん

テーマ:台湾茶各種

参加費:1,500円(茶菓子、お土産付き)

定員:12名 事前予約が必要です!

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

神戸市東灘区本山北町3丁目4-9 甲南ビラ201号

連絡先:Tel&Fax:078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

中国残留邦人への理解を深める集い

11月に神戸市と尼崎市で理解を深める集い

中国残留邦人の歴史を語り継ぎ、理解を深める集いが11月に神戸と尼崎で計画されています。日本による中国への侵略戦争により敗戦直後の混乱の中、肉親と死別、生き別れ中国の人達に命を救われ苛酷な人生を辿ってきた中国残留孤児や残留婦人、帰国後、不都合な史実と向き合い、重い口を開く人達の言葉に私たちは目を背けず、しっかりと向き合わなければなりません。

●2023年度中国残留邦人への理解を深める集い(神戸)

日時:2023年11月23日(木・祝)13:00開演(12:30開場)

会場:神戸市立垂水区文化センター・レバンテホール

JR/山陽「垂水駅」東口より北東へすぐ

「ドキュメンタリー映画上映」

刻印―不都合な史実を語り継ぐ(2013年信越放送制作)

「講演」満蒙開拓・加害と棄民の歴史に向き合う

講師:手塚孝典さん(信越放送ディレクター)

入場無料・予約不要

主催:神戸市(委託団体:中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会)

●第9回中国残留日本人への理解を深める集い(尼崎)

日時:2023年11月25日(土)13:00~16:30

会場:尼崎市立中央北生涯学習プラザ1階大ホール

「尼崎医療センター前」バス停を西へ徒歩約3分

・高校生たちが作った映画「絆」上映

・講演:「支援・相談員として活動した15年」

 尼崎市支援・相談員 韓 静さん

・対談交流「支援・相談員の支援活動」

 兵庫県、大阪府等で活躍している支援・相談員の対談交流

 コーディネーター・司会 一橋大学大学院 山崎哲さん

・1階ロビー展示 11月22日(水)~28日 9:00~20:00

 (最終日は17:00まで)

 裁判を闘った「中国残留孤児」撮影・宗景正さん

入場無料

主催:尼崎市(委託事業団体:コスモスの会尼崎日本語教室)

2023「神戸空襲と神戸港の写真展」

神戸に平和祈念館を!

神戸空襲の被害率(死傷者の割合)が、全国でも一番高かったことを知っていますか?本展では、戦争の影響を大きく受けた市民の暮らし、神戸港の歴史から現在も街に残る戦禍まで、写真と資料を通して神戸空襲を追体験します。

日程:2023年11月3日(金)~8日(水)10時~18時

3日(金・祝)・5日(日)は17時、最終日8日(水)は15時まで

会場:神戸市立長田区文化センター3Fギャラリー

入場無料

主催:神戸に平和記念館をつくる会(☎090-6370ー9317)

後援:神戸市、神戸市教育委員会、朝日新聞神戸総局、神戸新聞、サンテレビ、読売新聞神戸総局

日本国憲法公布77年「神戸憲法集会」

考えよう「軍事大国」化と憲法9条の未来

「敵基地攻撃能力」の保有、「防衛費」増大のための増税など、日本が「軍事大国」になるのではないかと心配する声があります。他方で、憲法9条では日本を守れない、憲法9条は死文化したとの意見もあります。今年は、日々生起する様々な憲法問題に「平和憲法のメッセージ」を毎週発信し続けている水島朝穂早稲田大学教授を招いてお話を伺います。また「文化の日」にふさわしく、広瀬一葉さんのピアノ演奏も楽しんで頂けます。

日時:2023年11月3日(金・祝)13:30開演(12:30開場)

会場:西区文化センターなでしこホール(市営地下鉄西神中央)

●お話:水島朝穂 早稲田大学教授

「軍事大国化」への動きと平和憲法のメッセージ

●文化行事:広瀬一葉さん ピアノ・アコーディオン・トイピアノなど

参加費・資料代:1,000円(学生500円)

主催:憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議(兵庫県憲法会議)

連絡先:078ー351ー0677(日本国民救援会兵庫県本部内)