漢詩を読む会、「涼州詞」を読む

盛唐の王之渙と王翰の「涼州詞」2首を読む

4月7日に開催した第10回「漢詩を読む会」は王之渙と王翰の涼州詞2首を丹羽博之大手前大学教授の解説で読みました。

王之渙(688~742)涼州詞 

黄河遠く上る白雲の間 一片の孤城万仞の山

羌笛何ぞ須いん楊柳を怨むを 春光渡らず玉門関

黄河上流の遠く遥かな西の果て、ポツンと立つ砦、途方もない距離感と荒涼とした世界の孤独感。遠い砂漠の前線で涙もかれた兵士の悲しみが突き上げてくる。春の光も届かない所だという絶望的な心境、悲哀を強烈にうたっている。


王 翰(687~726?)涼州詞

葡萄の美酒夜光の杯 飲まんと欲すれば琵琶馬上に催す

酔うて沙場に臥すとも君笑うこと莫かれ 古来征戦幾人か回る

葡萄酒は西方から伝わった珍しい物、中国ではない西の方にあるとい雰囲気が伝わる。寝転がって飲んでいる者、馬上で琵琶を弾いている者、殺伐とした急き立てられるような寸暇の気晴らし。明日も知れぬ命、その苛酷な運命を紛らわそうと束の間の歓楽。戦場のやりきれない気分が表現されている。


次回は6月9日開催予定です。

澳門の旧市街と開発進むタイパ島

観光客で賑わう中国特別行政区「澳門」

1999年に澳門はポルトガルから中国へ返還され18年が経ちました。現在は中華人民共和国澳門特別行政区です。カジノや世界遺産が有名で世界中から観光客が大勢訪れている澳門ですが、返還後急速に開発が進み、特に3本の海上橋で結ばれている半島南のタイパ島開発は目を見張るものがあります。大型IR(総合型リゾート)が数多くつくられ景色は一変しています。2012年に着工した澳門新交通システム(LRT)が2019年に一部開通予定となっています。

半島側の旧市街には22の建造物と8つの広場が世界遺産として登録され連日多くの観光客で賑わっています。一般市民が暮らす住宅街に入れば、細い坂道沿いに古い高層マンションが立ち並び、土地が狭いため道路の片側が駐車場となっていて更に狭くなった道路を小型バスが市民の足となり走っていて、現代と昔が同居したような趣があります。港珠澳大橋が開通すれば更に開発が進むかも知れません。(写真上は開発進むタイパ島、下は世界遺産・聖ポール天主堂跡へ向かう観光客、何れも2017年12月撮影)

続・シェア自転車

シェア自転車の続報です。先の記事で紹介した2社が日本へ進出してきました。利用に関してより使いやすくなりました。

このサービスを利用するのには中国の携帯電話番号と電子決済サービス(支付宝・微信支付)が必須でしたが、この点が緩和されました。

モバイクの場合は日本の携帯電話番号で利用登録を行う事ができます。決済方法も日本のクレジットカードで行えます。デポジットは3,000円、チャージは500円からとなっています。主として日本でのサービス利用を前提にしていますが、中国を含め世界中のモバイクを利用することができます。中国での利用の場合、30分17円か8.5円と人民元建てとほぼ同額で利用できます。(逆に中国の携帯電話番号で登録した場合は日本のサービスをそのまま利用できる)

ofoの場合は情報が少ないですが、概ね同様の要領で利用できると思われます。

これにより中国に一時滞在する旅行者や出張の方も気軽に利用できそうです。

※この利用法については私自身実際に利用したことがないので確証は持てませんが、別のサイトで何例か紹介されています。検索の上それらのサイトを参考にしてから利用することをお薦めします。この件に関しては自己責任でお願いします。

滴滴出行でラクラク移動

今回はタクシーなどの配車アプリ「滴滴出行」について紹介しようと思います。何をするアプリかですが、タクシーや滴滴出行の契約ドライバーのクルマをアプリで呼び目的地まで行ってもらうサービスを提供するアプリです。これが非常に便利でこれに慣れると手を挙げてタクシーを呼ぶのが面倒くさくなります。

アカウント登録ですが、携帯電話番号(日本の番号で可能、ただし中国番号を推奨)が必須です。アプリをインストールし携帯電話番号を入力し、送られてくるSMSの暗証番号を入力すれば完了です。決済方法ですが、中国の電子決済(支付宝、微信支付など)のほか国際クレジットカード決済に対応しています。よって一時滞在の旅行者や出張などで使えそうです。

呼び方ですが、アプリを開くと現在地と周囲のクルマの走行状況がリアルタイムに分かります。クルマの種別は「出租车」はいわゆるタクシーです。「快车」は普通の契約ドライバーのクルマ、「专车」少し高級なクルマとなります。出発地と目的地を入力すると自動的に車種ごとの大体の料金が表示されます。「呼叫」ボタンをタップするとドライバーが決まり数分ほどで来てくれます。あとは乗車すれば目的地まで行ってくれます。(ドライバーにも専用アプリがありナビ機能もあります) “滴滴出行でラクラク移動” の続きを読む

シェア自転車は便利

日本でも話題になっている中国のシェア自転車ですが、実際に利用してみたので紹介したいと思います。

これは上海市内の地下鉄の駅ですが、様々な色の自転車が停まっています。これがズバリシェア自転車です。オレンジ色が摩拝単車(モバイク)で黄色がofo(オッフォ)です。この2社でほぼ市場を独占しています。自転車は至る所に停まっていますので利用するのに困ることはありません。

利用方法は自転車のサドルやハンドルなどに貼ってある二次元バーコードを(QRコード)をスマートフォンのアプリで読み取ります。するとガチャンといってロックが解除されます。(オッフォの場合は4ケタの数字がアプリに表示されるので、それを自転車ロック部にある数字ボタンを押すと解錠される)そのまま乗車して利用できます。なお中国のクルマは右側通行なので自転車も右側通行で走りましょう。大体の所は車道の端が自転車専用道になっているので走りやすいです。(信号も守りましょうね) “シェア自転車は便利” の続きを読む

港珠澳大橋まもなく開通

香港~珠海~澳門を結ぶ世界最長の海上橋

珠江デルタ地域を高速道で結び、人の往来、物流の拡大により経済のさらなる発展をめざして2009年12月15日に着工し建設を進めてきた港珠澳大橋が8年余りの難工事を経て間もなく開通することとなりました。大橋の全長は55Km(橋の最長区間29.6Km)で海中に3か所の人工島(東人工島・西人工島・拱北人工島)を  つくり洋上の船舶通行を確保するため海底トンネル(全長6.75Km)を建設しています。大橋通行にあたり出入境ゲートが3か所(香港・珠海・澳門)に設けられ、通行者は出発地の出境検査と目的地の入境検査を受ける「三地三検」を採用することとなっています。

海上大橋は片側3車線で車両走行速度100Km/hの高速道路となっており、現在の陸路所用時間4時間を大幅に短縮し、香港~澳門間を現在運航している高速船・ターボジェットでは、所用時間60分~70分が大橋を利用すれば30分に短縮されます。通行量は1日5万台、年間2000万台を見込んでおり、高度な技術と総工費約1,100億元を投入して建設された世界最長の海上大橋は2018年7月に正式開通の予定となっています。(写真、図は百度百科より)