新疆・ウイグルの今と 中国社会のこれからを考える

東神戸支部総会と記念学習講演会

日中友好協会東神戸支部は下記の日程で支部総会を開催します。総会終了後は記念講演会を開催します。記念講演会にはどなたでも参加できますのでご参加下さい。

井手啓二先生は今年9月、中華人民共和国駐大阪総領事館主催の「新疆・ウイグルツアー」に参加され、今回は自身の眼で見て、感じた現地の様子をお話し頂きます。今回のツアーは観光地だけでなく、農場、企業、小学校訪問、新疆対外友好協会との交流など多彩な内容であったとお聞きしています。井手先生は、経済学者として中国経済にも詳しく、中国のこれからについてもお話し頂く予定です。

日時:2023年12月17日(日)午後3時~

会場:神戸市立東灘区文化センター8F 第1会議室

講師:井手啓二 立命館大学名誉教授

入場無料

主催:日本中国友好協会東神戸支部

Tel&Fax:078-412-2228

イスラエル・パレスチナ問題についての理事長談話

協会本部は12月4日、イスラエル・パレスチナ問題についての理事長談話を発表し、岸田首相、駐日イスラエル大使館、駐日パレスチナ常駐総代表部、駐日中国大使館へ送りました。談話全文を下記に紹介します。

イスラエル・パレスチナ問題についての理事長談話

「一刻も早い恒久的な停戦を」

ハマスがイスラエルの入植地に大規模攻撃を加え、さらには多くの人質をとったことから始まった今回の戦争は、ジェノサイドともよばれるイスラエルによるガザ攻撃を招き、すでに1万人を超えるパレスチナの一般市民の犠牲者を産み出すに至っています。特にイスラエルによる攻撃の犠牲者の4割までが子どもと伝えられるような中、一刻も早い停戦と休戦を求める国際世論が強まっています。

しかし、日本政府は国連総会で採択された休戦提案に棄権するなど、アメリカに追随した態度で世界の信頼を失っています。日本国民としてこの態度には失望するとともに抗議せざるを得ません。

私たちは日中不再戦を求めて活動を続けている団体として、「すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」と宣言した日中共同声明と日中平和友好条約の精神を大事にしていますが、その立場から日本政府も行動することを強く求めます。

今、中国政府は「即時停戦」を求めてフランス大統領との電話会談の後、国連の行動、和平会談の提唱など様々な努力を始めています。一刻も早い恒久的な停戦を目指すこのような世界の動きを注目し、私たちも共同の努力を尽くしたいと考えます。

2023年12月4日      日本中国友好協会

理事長 松尾 武蔵

南京の人びとを救った外科医

ドキュメンタリー映画と講演で「南京事件」を考える

ロバート・O・ウイルソン(1904-1967)南京国際赤十字委員会委員。金陵大学付属病院(鼓楼病院)医師。日本軍の南京占領時、唯一の外科医師として鼓楼病院で医療活動に従事し続々と病院へ運び込まれる負傷者の治療にあたった。上映されるドキュメンタリー映像は、日本軍占領下で南京に残ったただ一人の外科医―ロバート・O・ウイルソンの記録で史上初めての映像です(上映時間50分)。

ドキュメンタリー映画「ウイルソン医師―南京孤独のたたかい」

講演:高文軍(元桜花学園大学教授)

「私と南京―歴史、大虐殺の事実調査、戦争中の父」

高文軍さんプロフィール

1954年生まれ、1982年中国南京師範大学(当時は「師範学院」)を卒業。1991年に来日し、名古屋大学大学院で博士課程を終え、2020年3月まで桜花学園大学の教授。父は、1942年冬、日本軍下の「偽軍」が新四軍の根拠地への攻撃を行い、父の部隊は阻止の戦闘に出た。弾が尽きて捕縛され投獄された。雪の山野で服、靴と帽子を奪われ、素足で血だらけのシャツ一枚で拷問を受けている。

日時:2023年12月9日(土)14時開演

会場:エルおおさか・南館5Fホール(地下鉄京阪「天満橋」)

資料代:1,000円

主催:南京の記憶をつなぐ2023

満蒙開拓の歴史を無かったことにしてはいけない!

「中国残留邦人への理解を深める集い」―映像と講演で体験者の思い伝える

11月23日午後、神戸市主催の2023年度中国残留邦人への理解を深める集いが神戸市垂水区で開催され市民約130人が参加しました。神戸市福祉局くらし課課長の平野憲司氏が主催者あいさつ、委託団体・中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会の浅野愼一世話人代表が、コロナ後、帰国者支援活動は再開しているが、医療や介護など見えづらい問題があり、二世問題も起こっている。帰国者問題の原点を見ていく必要がありますとあいさつしました。

集い第一部では、神戸朝鮮高級学校舞踊部の皆さんが舞踊「小鼓の舞」、独舞「チャンゴの舞」を披露し会場から大きな拍手がわき起こりました。第二部は、2013年信越放送制作のドキュメンタリー映画「刻印―不都合な史実を語り継ぐ」を上映。信越放送ディレクターの手塚孝典氏が満蒙開拓団の体験者へのインタビューをもとに「満蒙開拓・加害と棄民の歴史に向き合う」と題し講演しました。

手塚氏は、戦後の日本はアジアへの侵略の記憶を消し去ることから始まり、日本の戦争の歴史からアジアの存在を覆い隠した。しかし、これらの地域との歴史的関わりを無視した結果、日本はどのような国になったのか。戦争体験は、悲劇を生き抜いた美談へと横滑りし、「戦争犠牲者としての国民」は、敗戦の焦土からの復興、高度経済成長という新たな物語の主人公を自認することになり、戦前・戦中の日本の優越意識を経済原理によって上書きした。「アジアの盟主」という自意識は、敗戦によって断ち切られたわけではなく、社会の底流にうごめいている。いま日本政府は隣国との和解に力を注ぐかわりに、対立を煽りたて、戦争による国際問題の解決を前提にした新たな安全保障政策へと大きく舵を切っている。

満蒙開拓の歴史を問い直すことは、日本の戦争をアジアへの侵略と植民地支配、棄民政策の歴史として直視することに他ならない。「刻印」が描いたのは、そこにある❛問題❜ではなく、国策の過ちの代償を負わされ、戦後もなお苦難の人生を生きる❛人間❜の叫びである。国策がつくる「公的」な歴史から零れ落ち、あるいは意図的に隠されていく民の声こそ、伝えられるべきで、その声を聴き、記録し、多くの人に問いかけ、満蒙開拓の歴史と、その教訓を社会全体で共有することが必要である。決して無かったことにしてはいけない、無かったことにさせてはいけないと訴え、開拓団体験者や逃避行の途中で母親と死別、兄弟と生き別れ終戦から40年を経てやっと帰国した残留孤児など3人へのインタビュー内容を紹介しました。(U)

「停戦を!虐殺やめろ!」各国で抗議デモ広がる

世界を動かす民衆の声、「世界平和」に大国の責任

イスラエルのガザ爆撃、民衆の虐殺への抗議活動は11月に入って世界でますます広がっている。「ハマスの攻撃に対するイスラエルの自衛権行使」などの「言い訳」ではなく、「天井のない監獄」に封じ込めたガザの人びとを空爆と戦車で抹殺しょうとする国際法違反の攻撃も一層明らかになってきたためである。

11月4日には、米国ワシントンで数万人が参加したデモがホワイトハウスと連邦議会議事堂の通りを埋め尽くしたほか、ベルリン、ロンドン、パリなどでもデモが広がった。すでにイタリア、スイス、デンマーク、オランダなど欧州、トルコ、オーストラリアなどにも広がっている。

2003年から4年にかけて、米国のイラク攻撃に反対するデモが世界中を一周したことがあったが、今回の「民衆デモ」はまさにそれを超える広がり。国連特別総会での賛成121、棄権44、反対14という国際世論も裏付けされた形だ。

米中は、11月中旬にサンフランシスコのAPEC(アジア太平洋経済協力)の会議の際、バイデン大統領と習近平国家主席の首脳会談が行われた。中国の王毅外相は、即時停戦と他のアラブ諸国を交えた「国際平和会議」の早期開催を主張しており、そこに進めるか、期待は高まっている。

すでに「世界の警察官」はいなくなった世界だが、軍事的、経済的影響力のある大国は、世界平和の責任から逃れられない。「世界を動かすのは平和と人権を求める民衆の声」という原点に立ち返っての行動を求めたい。ただ、私たちにとっての問題は、こんな状況の中でも米国追従を崩さず国連での「即時停戦」に棄権し、外相がイスラエルを訪問して、民衆への無差別攻撃や虐殺行為の国際人権法違反の非難より「自衛権」を口にしてイスラエルのご機嫌取りをする日本政府の外交姿勢だ。

「私たちはもう戦争はしない。すべての国は民衆への攻撃はやめ、国際紛争はすべて話し合いで―」。「戦争放棄」の日本国憲法9条をもつ日本は、こう主張する。「反戦と正義の国」でなければならない。これは自民党政権でもできるはずだ。(丸山重威・ジャーナリズム研究者 日中友好新聞12月1日「中国レーダー」より)

佟岩先生の「日中漢字比べ」

「深」と「濃」は何が違う

秋まさに深し。中国語では「秋意正濃」という・「深」(shen)と「濃」(nong)は、何が違うのだろうか。「深」の右側は、体内から赤ん坊をまさぐりだす様子で、体の奥深いところにあり、いずれ生まれてくる大切な本質を指していた。

「深」は、水の奥底だ。「深海」、「深夜」は海や夜の奥底であり、本質である。「深謀」は奥底にある本質的なことまで周到に考え、「深談」は奥底にある本質まで突っ込んで話すという意味だ。そして、奥底は遠くにあるが、此処とつながっている。此処から徐々に「深」に至ることができる。日本では、秋が最も秋らしく本質を徐々に現していく時間の流れを、「秋が深い」と表現しているのだろう。

一方、「濃」は「水」と「農」からなる。「農」は、粘っこいという意味だ。単なる水ではなく、粘っこくて「濃」いのは、何かの成分が多量に入っているからだ。そこから、匂いや味の度合いが強いことも、「濃」で表すようになった。「濃度」、「濃い茶」(濃茶)、「匂いが濃い(味ル很濃)」などである。中国語の「秋意正濃」は、秋の成分が多量にぎっしり入った空間・情景を指しているのだろう。

秋の奥底にある本質が徐々に現れてくる時間の流れを重視した、日本の「秋の深さ」。秋の要素がぎっしり詰まった目の前の空間に感動する、中国の「秋意正濃」。もしかすると、同じ紅葉を見ても感動のポイントに微妙な違いがあるのかも知れない。(西日本華文教育者協会理事・日中友好新聞11月15日号より

第46回兵庫の「語りつごう戦争」展

「新しい戦前」にさせないために―歴史を学ぶ―

兵庫の「語りつごう戦争」展の会は「再び戦争をしない」「再び暗黒社会にしない」という思いで、戦争の記憶を風化させず、語り継ぐ趣旨で活動していますが、ロシアのウクライナ侵攻、米中の南シナ海、台湾を巡る動向、朝鮮民主主義人民共和国のミサイル等の発射実験、それに対応する自衛隊の沖縄県・鹿児島県への集中配備、先制攻撃構想、等々、さらにガザ地区におけるイスラエルとの戦闘の勃発は私たちの願いと全く逆行するものであり、危惧と憤激を憶えるものです。戦争展へぜひご来場下さい。

日程:2023年12月6日(水)~10日(日)

午前10時~午後6時(6日は午後1時から、10日は午後4時半まで)

会場:妙法華院2F(高速神戸駅西口上り南へすぐ)

内容:資料展示・平和色紙展など(チラシ参照下さい)

・「戦争体験を聞くつどい」(12月7日、9日、10日、午後1:30)

・「12・8のつどい」午後1時30分 3F会議室

高齢者介護の理念と取り組み

お話し:市川禮子さん(社会福祉法人きらくえん名誉理事長)

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展の会

連絡先:090-5896-6048(上野さん)

学習講演会「中国残留日本人二世の人生が問いかけること」

支援法から取り残された中国帰国者たち

中国残留日本人とは、第二次大戦敗戦時、中国東北地方に取り残された日本人(残留孤児・残留婦人)です。残留日本人二世は、今もなお苦難の生活を余儀なくされています。二世たちの人生をふまえ、日本社会がどうあるべきかを考えましょう。

講演:浅野慎一 摂南大学現代社会学部学部長・特任教授/中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会世話人代表

日時:2023年12月2日(土)14:00~16:00

会場:神戸市立総合福祉センター第5会議室

神戸高速鉄道「高速神戸」駅より徒歩3分、湊川神社西側

資料代:500円  予約不要

主催/お問い合わせ:兵庫県AALA連帯委員会

Tel&Fax:078-351-0194

E-mail: aala.hyogo@gmail.com

梁啓超生誕150周年記念国際学術シンポジウム

梁啓超が託したメッセージを読みとる

今年(2023年)は近代中国の思想家・梁啓超(1873-1929)の生誕150周年にあたります。彼の長きにわたる日本での亡命生活のうち、約6年間の歳月は神戸で費やしました。孫文研究会はこの節目の時と彼とゆかりのある地にちなんで、国際学術シンポジウムを開催します。梁啓超の多方面にわたる言論は、人々が中国を、そして世界を観察し、思考する枠組みを大きく変えました。彼の残してくれた文章の中から、これまで注目されることが少なかったものを中心に、5人の報告者の皆さんと、梁啓超が託したメッセージを読み取ってゆきたいと思います。

日時:2023年11月25日(土)10:00~16:00

場所:孫文記念館ホール・オンラインZOOM併用

定員:30名(対面)

開会のあいさつ 石川禎浩京都大学教授

報告者

安 東強(中国・中山大学教授)

「民元康梁派国民党組織形態」(中国語)

川尻文彦(愛知県立大学教授)

「在日時期、梁啓超の社会主義認識」

森岡優紀国際日本文化研究センター日本学術振興会特別研究員

「痛恨と悔いの歴史叙述」

鐘 文博台湾・國紀念館研究員

「梁啓超遊台対日拠時期台湾士人之影響」(中国語)

黄  斌早稲田大学東アジア国際関係研究所招聘研究員

詳しくは添付チラシをご覧下さい。

主催:孫文記念館・孫文研究会

中国帰国者が有田のみかん農園でみかん狩り

大型バス3台に分乗、みかん狩りで秋の味覚味わう

中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会は神戸市と明石市の委託事業として週1回「日本語教室」を開いています。事業の一環として毎年秋に社会見学を兼ねたバス旅行も実施しています。

10月29日、中国帰国者とその家族76人と支援する会世話人・ボランティア20人が大型バス3台に分乗し、みかん生産で有名な和歌山県有田市のみかん農園を訪れみかん狩りを楽しみました。秋晴れの下、一行は途中、西日本で最大級といわれる海鮮マーケット「とれとれ市場」に立ち寄り買い物と昼食を済ませみかん農園へ向かいました。農園は黄金色に実るみかんの木が一面に広がる素晴らしい景観、帰国者たちは思い思いにみかんを手に取り、甘くてとても美味しいと4つ、5つ、中には10個食べたという人もいて満足そうに感想を話していました。