中国帰国者が生活講座で生け花を体験

真剣な眼差しで正月用の生け花を体験

神戸市の委託事業として中国帰国者に日本語教室や日本の文化、習慣などを紹介する「生活講座」を毎週開いている中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会は、12月25日午後、2018年最後の生活講座を「岡本教室」で開催しました。

講座には、帰国者28人と学習を支えるボランティアスタッフ13人が参加しました。生け花教室は、佳生流師範の石井敏子さんが、用意された正月用のめでたい花材、松・柳・千両・万年青・葉牡丹や水引について説明、生ける順序や枝ぶり、方向などをアドバイスしました。帰国者はボランティアの手助けを受けながら茎を切ったり、花の向きを考えたりしながら真剣な眼差しで取り組んでいました。生け花を体験した帰国者は自分が生けた生け花を手に、これでよいお正月が迎えられますと言って笑顔で教室を後にしていました。2019年は1月10日(木)から日本語教室が始まります。

西日本地区中国留学生学友会が忘年会

二胡、笛の演奏や歌、漢服の披露など賑やかに交流

西日本地区中国留学生学友会は、学友会発足10周年を記念し、12月22日、大阪・吹田市内のホテルで記念忘年会を開催、中国人留学生をはじめ、駐大阪総領事館関係者、友好団体代表、支援者、友人など約100人が参加して盛大に行われました。

西日本地区中国留学生学友会の張希西会長がこの10年間を振り返り開会あいさつ、続いて総領事館代表、来賓者あいさつ、紹介があり、お祝いのビデオメッセージ映像が映され10周年を祝って乾杯。舞台では支援者から贈られたケーキカットや二胡・笛の演奏、留学生による歌が披露され、色鮮やかな漢服衣裳の留学生が舞台に登場すると一斉にフラッシュを浴びていました。用意された料理や飲物を口にしながら交流、新しい年の更なる飛躍を祈念する賑やかで楽しい忘年会となりました。日中友好協会兵庫県連合会は、会長はじめ5人が出席し交流を楽しみました。

中国を知る最適のテキスト「中国百科」

中国のことどの程度知っていますか?

第6回中国百科検定が2019年3月21日(木・祝)、全国一斉に実施されます。兵庫県では、神戸市中央区の兵庫県民会館10F会議室「福」(JR/阪神元町駅北へ6~7分)が試験会場となります。申込み受付は18年12月1日~19年2月21日です。

検定に向け、兵庫県連合会は、これまで実施された検定試験問題を参考にして「検定模擬試験」と解答合わせ、学習会を計画しました。中国を知るには百科検定公式テキスト「中国百科」(2013年8月初版発行、株式会社めこん)とその後の増補版を合わせればとても役に立ちます。この1冊に「地理」「政治経済」「歴史」「文化・芸術・風俗習慣」の4分野、13項目が写真、図表入りで39人の執筆者が各項目毎に詳しく紹介、これはよくわかると好評です。

百科検定試験が体験できる「模擬試験」です。どなたでも受けられます。自分は中国についてどの程度知っているだろうか、模擬試験で試してみませんか。

中国百科検定「模擬試験」要項

●日時:2019年1月20日(日)午後2時~4時

●会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

●模擬試験コース:初級、3級、2級

参加費:500円

■初級・3級・2級から一つコースを選び、お名前・ご住所・電話番号またはメールアドレスを書いて下記へFAXまたはメールで前日までに届くようお申込み下さい。

日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228  

E-mail;okmt50@nicchu-hyogokenren.net

紅茶当てクイズを楽しむ

「中国茶講座」鑑定杯で中国紅茶を当てる

中国茶の鑑定は、測定器を使った科学的な成分分析と、人の感覚による品質鑑定の2つの方法で行われます。人の感覚による品質鑑定には専用の鑑定杯が使われます。急須のような役割をする蓋付きの「審評杯」と、お茶を入れる茶碗のような「審評碗」があります。他に「審評盤」「茶匙」「葉底盤」「天秤」などが使われます。

12月の「中国茶講座」は、鑑定杯を使い8種類のお茶を入れ、その中から紅茶を当てるクイズをしました。クイズ回答と4種の紅茶、白茶2種、烏龍茶、黒茶について茶芸師・評茶員の神田貴子講師から銘柄、産地、特徴などの説明を聞き、遊び感覚で紅茶クイズを楽しみました。

次回「中国茶講座」、2019年1月16日(水)午後1:30~

事実を歴史に残さなければ

「慰安婦問題」―記憶が未来を作る

12月15日、日中友好協会東神戸支部主催の総会記念講演会が神戸市内で開催され、中学教員で子どもと教科書大阪ネット21事務局長の平井美津子氏が「慰安婦問題を考える」と題し講演しました。平井氏は、まず今年のノーベル平和賞は、アフリカのコンゴ民主共和国で性暴力の被害女性の治療と支援に取り組む医師デ二・ムクウェゲさんとイスラム国(IS)に家族を殺され、自らも拉致され性奴隷にされた被害者で、奇跡的に助かり世界に告発し続けているイラクのナディア・ムラドさんが受賞したことを紹介。ムラドさんは、賞金を使い、過激派組織ISの性暴力を受けた女性らを治療するための病院をイラクに建設する意向を表明していると伝えられています。

平井氏は、中学校の社会科授業で(従軍)慰安婦問題について、新聞記事を生徒に読み解かせ、生徒自身がこの問題についてどう考えるか、生徒との対話の内容を紹介しました。「先生、私らに責任あるの」「私ら関係ないやん」「慰安婦の人たちに、私らが何かしたわけでもないし、この時代に生きていないし・・」×『私らはこの人たちにごめんなさいという必要はないけど、知る責任はあるんじゃないかな、日本の過去を知る責任、私らは政治家じゃないけど、どうやったらこの人たちの問題を解決できるかな、っていうことを考えるっていうのが大切かも』

政治家による数えきれない問題発言、行動やフェイクニュースが横行する中で、歴史の本当の事実を教える場所は学校、学校の教師の役割っていうのは、ますます大きくなってきている。過去と今をつなぐ学習として、「慰安婦」問題と、アメリカ軍兵士による性暴力が絶えない沖縄などについてこれからも追及していきたいと語りました。

兵庫の戦争展~写真と史資料を展示

戦争を遂行する体制づくり

第41回兵庫の「語りつごう戦争」展が12月5日~9日、妙法華院で開催されました。「戦争する国の社会・戦争と子ども、学校・戦時中のくらし」をテーマに、空襲で焼け野原となった神戸市街、爆弾の直撃を受けた本庄国民学校の写真、戦争末期に使われた配給、購入キップ、会場一画には戦時下の模型部屋セットなどが展示されました。また、戦争に反対した人たちを弾圧、投獄し侵略戦争を遂行した状況を紹介する資料、兵庫県内から「満州」へ渡った満蒙開拓団の写真や地図、年表などが展示され参観者は熱心に見入っていました。

戦争体験を聞く集いが4日間連続で開催されました。12月7日には、1938年、3歳の時、一家11人で長野村開拓団に加わり「満州」へ渡った宮島満子さん(1935年生まれ)が体験を語りました。入植地で長兄が軍隊に応召され、1945年8月、ソ連侵攻により開拓地を離れ逃避行の途上父親がソ連兵に連行され消息不明に、母親、兄弟姉妹が寒さと栄養失調で次々と衰弱して亡くなり孤児となりました。中国人の家を転々として育てられた苦難の歴史を時折声を詰まらせながら語りました。(写真上、正面右が宮島満子さん)

12月8日夕、妙法華院で「12・8平和のつどい」が開催されました。山内英正氏(兵庫歴史教育者協議会)が「明治150年と教育勅語」と題し講演しました。山内氏は、政府主催の「明治150年記念式典」にふれ、明治100年の記念式典と比較し、明治賛美、空疎な言葉による形ばかりの高揚感なき式典の内容を紹介。教育勅語をめぐる最近の話題や勅語の現代語訳、イギリス人宣教師からみた「教育勅語」について語りました。

万里悲秋―杜甫の名作「登高」を読む

12月の「漢詩を読む会」は盛唐の詩人・杜甫の「登高」を丹羽博之大手前大学教授が、杜甫の流浪の旅を地図で示し、その地の景色を録画映像を映しながら解説して頂き読みました。

杜甫(712~770)洛陽に近い、鞏県(河南省)の生まれ。字は子美。幼くして文才があり、七歳ころから詩作を始めたと言われています。二十歳から三十五歳ころまでは科挙を受験するも及第せず遊歴し、困窮生活を送っている。

杜甫の詩は沈痛、憂愁を基調として、正義感、人間愛に基づき現実社会を直視して客観的に描写する。「詩史」と評され白居易、元稹などに大きな影響を与えたと言われています。「李絶杜律」と言われるように、李白は絶句にすぐれ、杜甫は律詩の名手、杜甫の律詩はずばぬけています。

風急天高猿嘯哀 風は急に 天は高く 猿の嘯くこと哀しく

渚清沙白鳥飛廻 渚は清く 沙は白く 鳥の飛ぶこと廻る

無辺落木蕭蕭下 無辺の落木 蕭蕭として下り

不尽長江滾滾來 不尽の長江 滾滾として来る

万里悲秋常作客 万里 秋を悲しんで 常に客と作り

百年多病独登台 百年 病多くして 独り台に登る

艱難苦恨繁霜鬢 艱難 苦だ恨む 繁霜の鬢

潦倒新停濁酒杯 潦倒 新たに停む 濁酒の杯

(読み下し文は、一海知義著「漢詩入門」より)

次回の「漢詩を読む会」は2月16日(土)の予定です。  

12月の「中国茶講座」

紅茶はどれ?紅茶あてクイズ

今年最後の講座は、テイスティングカップを使った紅茶あてクイズをします。遊び感覚で中国紅茶に親しんでいただきたいと思います。初心者の方も楽しめる内容です。何かと気ぜわしい年末ですが、美味しい中国紅茶を味わいながらひと時を過ごしませんか。お気軽にご参加ください。

日時:2018年12月19日(水)PM1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

講師:高級茶芸師 高級評茶員 神田貴子さん

参加費:1,000円(茶菓、お土産付)定員:15人

参加ご予約は先着順 Tel&Fax:078-412-2228

日本中国友好協会兵庫県連合会「中国茶講座」

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

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次回「中国茶講座」は1月16日(水)午後1:30~

テーマは「白茶」 申込み受け付け中!

定員:15人 先着順

 

中国の社会保障制度を学ぶ

中国の税金・医療・介護・保険制度などについて学習会

「中国を知る講座」の開催を続けている東神戸支部は12月の学習会で中国の社会保障制度をテーマに開催します。どなたでも参加できますのお誘い合わせてお越し下さい。

日時:2018年12月23日(日)午後2時~3時30分

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」(阪急「岡本」駅西)

テーマ:税金、医療、介護、保険制度などについて

講師:劉 波さん(法学博士)

会費:1,000円

主催:日本中国友好協会東神戸支部 080-6151-9700

出入国管理法改定案の強行に反対する声明

外国人労働者と共生する日本社会の構築を

12月4日、日本中国友好協会は下記の声明を発表し、安倍晋三首相と山下貴司法務大臣に送付しました。

日本政府は、今国会で出入国管理法(入管法)改定案の成立を強行しようとしています。この改定案は、深刻化する日本国内の労働力不足を解消するため、外国人労働者の受け入れ拡大を目的としています。今後も日本の労働人口が減少していくことは避けられず、外国人労働者の受け入れ拡大は必要不可欠となっています。しかし、実質的に「安価な労働力」として劣悪な労働環境や人権侵害を強いられてきた「技能実習生」制度の問題点を放置し、外国人労働者の権利や生活を保障する具体的な施策もないままに、入管法改定案を強行しようとする政府の姿勢は断じて許されるものではありません。

日本社会は、ヘイトスピーチや侵略戦争・植民地化を正当化する言論などに見られるように、アジアを蔑視する風潮を払拭することができないままにいます。外国人労働者の受け入れ拡大によって、私たち日本人は、国籍、文化、習慣などを異にする人々との「共生」を求められることになります。いま日本社会に求められているのは、この「共生」のための準備と変革です。さらに、若者たちをはじめとする非正規雇用の拡大や「過労死」の問題など、日本の労働者の権利と生活がないがしろにされる実態があります。このような現状のなかでの入管法改定案の強行が、日本社会に混乱をもたらし、外国人労働者の人権や生活を守るどころか、外国人労働者に対する差別と偏見を助長することを強く危惧します。

日本政府は、欠陥だらけの入管法改定案を取り下げ、外国人を含めた日本で働くすべての労働者の権利と生活を守る観点で、「技能実習生」制度を見直し、外国人労働者の受け入れ拡大の施策を早急に具体化すべきです。さらに、差別や偏見を許さない日本社会を作るための国民的な議論と法整備に直ちに着手すべきです。日本中国友好協会はこのことを求めながら、日本で働く中国の人々の生活と権利を守り、日中両国民の相互理解と友好の心情を広げるために奮闘するものです。

2018年12月4日

日本中国友好協会(会長 大村新一郎)