日中平和友好条約締結45年周年

日中両国は、1972年9月に日中共同声明を発出し、日中間の国交が正常化しました。6年後の1978年8月12日に北京で日中平和友好条約が締結され今年45周年を迎えています。この日中平和友好条約は日中共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認し、国連憲章の原則が十分尊重されるべきことを確認し、アジア及び世界の平和、安定に寄与することを希望して両国間の平和関係を強固にし、発展させるために条約締結が決定されたものです。

45年を経た今日、条約の内容は両国により遵守されているでしょうか。改めて5条からなる条文を紹介します。(写真はNHK、上は1978年8月北京・下は1978年10月東京での批准書交換

第一条 

1、両条約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和関係を発展させるものとする。

2、両条約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、全ての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

第二条

両条約国は、そのいすれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しょうとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

第三条

両条約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。

第四条

この条約は、第三国との関係に関する各条約国の立場に影響を及ぼすものではない。

第五条

1、この条約は、批准されるものとし、東京で行われる批准書の交換の日に効力を生ずる。この条約は、10年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところによって終了するまで効力を存続する。

2、いずれの一方の条約国も、一年前に他方の条約国に対して文書による予告を与えることにより、最初の十年の期間の満了の際またはその後いつでもこの条約を終了させることができる。

以上の証拠として、各全権委員は、この条約に署名調印した。1978年8月12日に北京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により本書二通を作成した。

日本国のために  園田    直  (署名)

中華人民共和国のために   黄    華(署名)

2023南京町春節祭

中国史人游行や変臉(変面)など披露

旧暦で節句を祝う中国では、旧歴のお正月を「春節」として盛大に祝います。祝い事には欠かせない龍や獅子が舞踊り大いに賑わいます。神戸・南京町でも旧歴の正月に合わせ、1987年から「春節」をアレンジし「春節祭」として開催が始まりました。この春節祭は1997年に神戸市の地域無形民俗文化財に指定されています。

期間:2023年1月22日(日)旧歴元日、27日(金)~29日(日)

場所:神戸南京町一帯(JR/阪神元町駅から南へ徒歩約5分)

「中国史人遊行」玄宗皇帝・項羽・呂布、楊貴妃・虞姫・貂蝉

「変臉(変面)」南京町広場ステージ(四川の伝統芸能)

「関帝・祭壇参拝」南京町広場(料金100円・線香代)

◇天候やコロナの状況により中止となる場合があります。

春節近づくシンガポール中華街

中国系の人々が人口の7割ほどと言われているシンガポールで、中華街の写真が本日(1月14日)届きましたので紹介します。クリスマスが終わると、街は春節を祝う鮮やかな飾り物がストリートを埋め尽くし赤一色になります。。写真の建物はトゥーステンプル(新加坡佛牙寺)で、朝から多くの人々が集まり行事が開かれているようです。中華街の賑わいは暫く続きそうです。ライブストリーミングもあると伝えてきています。

良寛の漢詩「下翠岑」を読む

子供らの天真爛漫をこよなく愛した

良寛(1757~1831)は越後の名主の長男に生まれたが、家は弟に譲り、出家して良寛と称し、大愚と号した。国仙和尚に従って備中の玉島で十七年間修業したが、和尚の死後、越後に帰った。生家には戻らずあちこちの寺や草案を転々とした。四十七歳から十三年間、山中に隠遁している。五十九歳で村里に下り「霞立つ長き春日を子供らと手まりつきつつ今日も暮らしつ」などの歌で知られるように。村の子どもの相手をして暮らしたが、彼はその子どもらの天真爛漫をこよなく愛した。そして、その逆の「気取り」を極度に嫌った。好まぬもの三つ、詩人の詩、書家の書、料理人の料理という。

漢詩については、技巧の詩を批判した詩に「心中の物を写さざれば、多と雖も復た何をか為さん」といい、詩の形式である押韻や平仄などおかまいなしの破格ばかり作った。この詩も韻は踏んでいるが、平仄は無視した破格である。そして、「誰か我が詩を詩と謂う、我が詩は是れ詩に非ず、我が詩の詩に非ざるを知り、はじめて与(とも)に詩を言うべきのみ」とその主張を五言詩に作っている。

「下翠岑」 翠岑(すいしん)を下る 五言絶句 良寛

擔薪下翠岑 薪を担って翠岑を下る

翠岑路不平 翠岑路平かならず

時息長松下 時に息(いこ)う長松の下

靜聞春禽聲 静かに聞く春禽の声

薪を背負って、緑一色の小高い山を下りる

緑の山道は険しくて平らかではない

時に大きな松の根元で一息入れる

そこここから春の鳥の鳴き声が聞こえ心静かに耳を傾ける

(石川忠久編 漢詩鑑賞事典より)

餅を使った中国南部地方の点心

日本の餅を使い作ってみました

お餅を食べる機会が多いこの季節、中国南部地方や東南アジアの華僑の人々の間で食べられているという餅を使ったお菓子の動画と日本の餅を使い再現した写真、簡単な作り方を紹介します。

まず餅をレンジで柔らかくしつぶして一つの塊にします。フライパンに油を敷き延ばしながらしばらく焼きます。火を止めて事前に作っておいた、ピーナッツを細かくつぶし砂糖やココナッツ、ゴマなどを加え混ぜあわせてふりかける。二つ折りや丸めて棒状にしたりします。さらに再度ピーナッツ粉をかけ折らずにピザ風にカットすれば出来上がり(写真)。栄養価も高くおいしい餅のお菓子が出来上がります。(作り方は動画を参照して下さい)

レシピ動画―伝統点心:甜薄撑(煎薄撑)

  1. ピーナッツ80gを細かくつぶし、(ゴマやココナツなどを加え)砂糖80gを入れてよく混ぜ合わせる。
  2. 餅粉100gに水100gを入れ柔らかい餅を作る。
  3. 油15gほどを入れフライパンを熱し一旦火を止め、団子状にした餅生地を入れ再度火を入れ焼きながら餅生地を薄く伸ばして広げる。
  4. 火を止め、粉状にしたピーナッツをふりかけ、包み込んで折りたたむ。
  5. 適当な大きさにカットすれば餅点心の出来上がり。

2023年新年のごあいさつ

新年明けましておめでとうございます!

いつも当協会のHPをご覧いただいている皆さまに心から新年のごあいさつを申し上げます。

この3年間、コロナウイルス感染症の拡大により様々な制約の中で、日中友好協会兵庫県連合会・支部は平和と友好の諸活動を展開して参りました。昨年、日中国交正常化50周年の記念行事として実行委員会に積極的に加わり、敗戦後、旧「満州」からの邦人引揚を大型絵画に描いた王希奇教授の大作「一九四六」神戸展を開催し内外から大きな反響と励ましを頂きました。また、記念講演会や学習会、平和と日中友好のための多彩な文化行事を連合会・支部で開催し多くの方々からご協力、ご支援を頂き厚く御礼申し上げます。

昨年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は全世界に「戦争か平和か」の問題を提起しました。今こそ国境を越えた平和とコロナ禍からの脱却が求められ、連帯と協働がますます重要となっています。こうした情勢が続く中、日本の岸田政権は「安全保障関連三文書」の改定を閣議決定しました。「専守防衛」を放棄し、敵基地攻撃能力の保有は、日本への攻撃がない段階においても他国への軍事攻撃ができるとの宣言に他なりません。まさに「戦争する国」への歴史的転換であり、事実上の憲法改悪で「日中共同声明」の精神にも逆行するものです。

いま、中国には世界の厳しい目が注がれ、大国となった役割と責任が求められています。日中友好協会は、1950年10月1日の創立以来、運動の原点である「日中不再戦・平和友好」を基本に「中国を正しく知る」、中国を深く理解するための「中国百科検定への挑戦」などの学習活動、楽しく学べる多彩な文化活動を継続的に発展させるために皆様と共に今年も進めて参ります。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

2023年1月吉日   日本中国友好協会兵庫県連合会