兵庫の戦争展~写真と史資料を展示

戦争を遂行する体制づくり

第41回兵庫の「語りつごう戦争」展が12月5日~9日、妙法華院で開催されました。「戦争する国の社会・戦争と子ども、学校・戦時中のくらし」をテーマに、空襲で焼け野原となった神戸市街、爆弾の直撃を受けた本庄国民学校の写真、戦争末期に使われた配給、購入キップ、会場一画には戦時下の模型部屋セットなどが展示されました。また、戦争に反対した人たちを弾圧、投獄し侵略戦争を遂行した状況を紹介する資料、兵庫県内から「満州」へ渡った満蒙開拓団の写真や地図、年表などが展示され参観者は熱心に見入っていました。

戦争体験を聞く集いが4日間連続で開催されました。12月7日には、1938年、3歳の時、一家11人で長野村開拓団に加わり「満州」へ渡った宮島満子さん(1935年生まれ)が体験を語りました。入植地で長兄が軍隊に応召され、1945年8月、ソ連侵攻により開拓地を離れ逃避行の途上父親がソ連兵に連行され消息不明に、母親、兄弟姉妹が寒さと栄養失調で次々と衰弱して亡くなり孤児となりました。中国人の家を転々として育てられた苦難の歴史を時折声を詰まらせながら語りました。(写真上、正面右が宮島満子さん)

12月8日夕、妙法華院で「12・8平和のつどい」が開催されました。山内英正氏(兵庫歴史教育者協議会)が「明治150年と教育勅語」と題し講演しました。山内氏は、政府主催の「明治150年記念式典」にふれ、明治100年の記念式典と比較し、明治賛美、空疎な言葉による形ばかりの高揚感なき式典の内容を紹介。教育勅語をめぐる最近の話題や勅語の現代語訳、イギリス人宣教師からみた「教育勅語」について語りました。

万里悲秋―杜甫の名作「登高」を読む

12月の「漢詩を読む会」は盛唐の詩人・杜甫の「登高」を丹羽博之大手前大学教授が、杜甫の流浪の旅を地図で示し、その地の景色を録画映像を映しながら解説して頂き読みました。

杜甫(712~770)洛陽に近い、鞏県(河南省)の生まれ。字は子美。幼くして文才があり、七歳ころから詩作を始めたと言われています。二十歳から三十五歳ころまでは科挙を受験するも及第せず遊歴し、困窮生活を送っている。

杜甫の詩は沈痛、憂愁を基調として、正義感、人間愛に基づき現実社会を直視して客観的に描写する。「詩史」と評され白居易、元稹などに大きな影響を与えたと言われています。「李絶杜律」と言われるように、李白は絶句にすぐれ、杜甫は律詩の名手、杜甫の律詩はずばぬけています。

風急天高猿嘯哀 風は急に 天は高く 猿の嘯くこと哀しく

渚清沙白鳥飛廻 渚は清く 沙は白く 鳥の飛ぶこと廻る

無辺落木蕭蕭下 無辺の落木 蕭蕭として下り

不尽長江滾滾來 不尽の長江 滾滾として来る

万里悲秋常作客 万里 秋を悲しんで 常に客と作り

百年多病独登台 百年 病多くして 独り台に登る

艱難苦恨繁霜鬢 艱難 苦だ恨む 繁霜の鬢

潦倒新停濁酒杯 潦倒 新たに停む 濁酒の杯

(読み下し文は、一海知義著「漢詩入門」より)

次回の「漢詩を読む会」は2月16日(土)の予定です。  

12月の「中国茶講座」

紅茶はどれ?紅茶あてクイズ

今年最後の講座は、テイスティングカップを使った紅茶あてクイズをします。遊び感覚で中国紅茶に親しんでいただきたいと思います。初心者の方も楽しめる内容です。何かと気ぜわしい年末ですが、美味しい中国紅茶を味わいながらひと時を過ごしませんか。お気軽にご参加ください。

日時:2018年12月19日(水)PM1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

講師:高級茶芸師 高級評茶員 神田貴子さん

参加費:1,000円(茶菓、お土産付)定員:15人

参加ご予約は先着順 Tel&Fax:078-412-2228

日本中国友好協会兵庫県連合会「中国茶講座」

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

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次回「中国茶講座」は1月16日(水)午後1:30~

テーマは「白茶」 申込み受け付け中!

定員:15人 先着順

 

中国の社会保障制度を学ぶ

中国の税金・医療・介護・保険制度などについて学習会

「中国を知る講座」の開催を続けている東神戸支部は12月の学習会で中国の社会保障制度をテーマに開催します。どなたでも参加できますのお誘い合わせてお越し下さい。

日時:2018年12月23日(日)午後2時~3時30分

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」(阪急「岡本」駅西)

テーマ:税金、医療、介護、保険制度などについて

講師:劉 波さん(法学博士)

会費:1,000円

主催:日本中国友好協会東神戸支部 080-6151-9700

出入国管理法改定案の強行に反対する声明

外国人労働者と共生する日本社会の構築を

12月4日、日本中国友好協会は下記の声明を発表し、安倍晋三首相と山下貴司法務大臣に送付しました。

日本政府は、今国会で出入国管理法(入管法)改定案の成立を強行しようとしています。この改定案は、深刻化する日本国内の労働力不足を解消するため、外国人労働者の受け入れ拡大を目的としています。今後も日本の労働人口が減少していくことは避けられず、外国人労働者の受け入れ拡大は必要不可欠となっています。しかし、実質的に「安価な労働力」として劣悪な労働環境や人権侵害を強いられてきた「技能実習生」制度の問題点を放置し、外国人労働者の権利や生活を保障する具体的な施策もないままに、入管法改定案を強行しようとする政府の姿勢は断じて許されるものではありません。

日本社会は、ヘイトスピーチや侵略戦争・植民地化を正当化する言論などに見られるように、アジアを蔑視する風潮を払拭することができないままにいます。外国人労働者の受け入れ拡大によって、私たち日本人は、国籍、文化、習慣などを異にする人々との「共生」を求められることになります。いま日本社会に求められているのは、この「共生」のための準備と変革です。さらに、若者たちをはじめとする非正規雇用の拡大や「過労死」の問題など、日本の労働者の権利と生活がないがしろにされる実態があります。このような現状のなかでの入管法改定案の強行が、日本社会に混乱をもたらし、外国人労働者の人権や生活を守るどころか、外国人労働者に対する差別と偏見を助長することを強く危惧します。

日本政府は、欠陥だらけの入管法改定案を取り下げ、外国人を含めた日本で働くすべての労働者の権利と生活を守る観点で、「技能実習生」制度を見直し、外国人労働者の受け入れ拡大の施策を早急に具体化すべきです。さらに、差別や偏見を許さない日本社会を作るための国民的な議論と法整備に直ちに着手すべきです。日本中国友好協会はこのことを求めながら、日本で働く中国の人々の生活と権利を守り、日中両国民の相互理解と友好の心情を広げるために奮闘するものです。

2018年12月4日

日本中国友好協会(会長 大村新一郎)

ジャスミンの香り楽しむ

中国茶講座でジャスミンの飲み比べ

「花茶」とは、緑茶、烏龍茶、紅茶などに様々な花の香りを吸着させたお茶の総称です。その中でも、緑茶にジャスミンの花の香りを付けたお茶の生産量が最も多く、中国で花茶といえば一般的にはジャスミン緑茶のことを指します。

11月28日に開いた「中国茶講座」では、神田貴子高級茶芸師・高級評茶員が、茉莉花茶の製造工程や茶の品種、特徴などを紹介した後、福建省政和県などの新芽の花茶2種、香り付けした茶葉にジャスミンの花を加えた四川省峨眉山の花の舞うお茶2種、手作業で丸く形成した緑茶にジャスミンの花で香り付けをした福建省の球形花茶2種をそれぞれ飲み比べました。何れも大変な手間をかけて作られたお茶で、一口飲めば芳醇な香りが口の中に広がり幸せな気分になります。

写真上:茉莉銀針・茉莉茶王、下:茉莉雪花・茉莉龍珠(何れも福建省)

次回は:12月19日(水)午後1時30~日中友好協会「会議室」

記念講演会「慰安婦問題」を考える

支部総会記念に平井美津子氏迎え学習講演会

今年のノーベル平和賞は、アフリカ中部コンゴ共和国で性暴力と闘い、民兵らによる被害女性の治療に尽力してきた男性産婦人科医デ二・ムクウェゲ氏と過激派組織「イスラム国」(IS)に性奴隷として拘束され、生還し、性暴力根絶を訴える活動を続けるイラク人女性ナディア・ムラド氏に決まりました。

戦争による性犯罪は、今も続いています。先の大戦時、日本軍が犯した性犯罪「慰安婦問題」もいまだに解決していません。この問題をあいまいにしたままでは、近隣国との関係改善は進みません。今一度ご一緒に考えてみましょう。会員でない方も参加できます。

日時:2018年12月15日(土)午後2時~

会場:神戸市立東灘区民センター第1会議室(JR住吉駅南隣)

講師:平井美津子さん 子供と教科書大阪ネット21事務局長

参加協力費:500円

主催:日本中国友好協会東神戸支部 ☎080-6151-9700

心に響いた中国残留邦人の言葉

「理解を深める集い」尼崎で200人、神戸で300人超

中国残留邦人への理解を深める集いが県内2ヵ所で開催されました。10月20日に尼崎市で開催された集いでは約200人の市民が参加、「残留孤児」1世、2世、支援者が参加したシンポジウムや特別記念講演でジャーナリストの大谷昭宏氏が「みんなの命輝くために」と題し講演しました。

11月18日には神戸市で開催、300人を超す市民が参加しました。先ず、日本民謡藤本流の皆さんによるミニコンサートがあり、続いて大橋晴美さん母子が中国の生まれ故郷を訪ね、戦争と友好を見つめる旅を記録した信越放送テレビ局制作のドキュメンタリー映画「遼太郎のひまわり~日中友好の明日へ」を鑑賞。最後に帰国者2世の大橋晴美さんが「中国帰国者2世の思い」と題し講演しました。「戦争がなければ私は生まれてこなかった命、存在そのものへの不条理、その苦悩は今も消えない。戦争の歴史ゆえに中国では非難を受け、日本では偏見の中で生きてきた」と自身の半生を語りました。大橋さんの言葉に参加者は心打たれ聞き入っていました。(写真上は尼崎市の集い、左はジャーナリストの大谷昭宏氏。写真下、神戸市の集いで演奏する民謡藤本流の皆さん)

「中国百科検定」初級にチャレンジ!

「中国百科検定」初級にチャレンジしよう!

―楽しい受験で役立つ知識を―

第6回「中国百科検定」:2019年3月21日(木・祝)

会場:兵庫県民会館10F 会議室「福」

申込み受付は2018年12月1日(土)から始まります。

第5回検定から「初級」を新設しています。年齢・国籍を問わず、どなたでも受験できます。日本語での設問です。

初級受験料:2,200円(学生は1,000円)

全40問・4者択一マークシート形式

合格基準 正答率70%以上 合格者には「合格認定証」送付

申込票・リーフレットは日中友好協会兵庫県連合会へ

Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net 

※下の「初級」模擬試験のような設問が40問、28問以上正解で合格です、挑戦してみませんか。

2018南京の記憶をつなぐ映画祭

同じ過ちを繰り返さないために

私たちは、過去の歴史を正面から見据え、同じ過ちを繰り返さないために、中国侵略の象徴である「南京大虐殺」の事実を明らかにしていく活動をしています。

2014年から市民団体や個人が参加する実行委員会形式でドキュメンタリー映画の上映に取り組んできました。南京の記憶をつないでいく集いとして、今年は日本初公開を含めた4本の南京大虐殺のドキュメンタリー映像の上映を計画しています。また、紫金草合唱団による鎮魂歌の演奏があります。

日時:12月2日(日)9:50~16:00

会場:エルおおさか南館5階ホール

*地下鉄・京阪「天満駅」下車西へ300m

   9:50 開会あいさつ

10:00     「アイリス・チャン」 紫金草合唱団(演奏)

12:40     「南京の松村伍長」「証言者―張秀紅」

14:15 「南京引き裂かれた記憶」

※各回ごとの入れ替えとなります。 

費用:1日通し券 前売・1500円、当日2000円 単券800円

主催:「南京の記憶をつなぐ」実行委員会

連絡先:090-8125-1757   銘心会南京)