福島第一原発「ALPS処理水」の海洋放出と日中関係について

協会本部・矢崎光晴事務局長談話を発表

日中友好協会本部は9月11日、福島第一原発の「ALPS処理水」の海洋放出問題について事務局長談話を発表しました。談話の要旨は以下の通りです。

日本政府と東京電力が福島第一原発の「ALPS処理水」の海洋放出を開始したのに対し、一貫して海洋放出の見直しと代替案の検討を求めていた中国が日本産水産物の「全面禁輸」措置を取ったことで、日中両国関係は一気に深刻な状態に陥っている。北京の日本大使館や日本人学校への投石までが起こり、中国からと見られる日本への嫌がらせ電話が相次いでいると伝えられている。ほんとんど報道はされないが、東京の中国大使館にも大量の迷惑電話がかかってきているという。

事態は国民レベルでの相互不信を助長し、偏狭なナショナリズムを高める状況になっている。この事態が双方を敵国視する世論を高めてしまうことを心から危惧し、日中両政府には国民レベルでの対立を深めないような冷静な対応を強く求めたい。日本政府は、国際原子力機関(IAEA)が包括報告書で、東京電力の海洋放出計画は「国際的な安全基準に合致」、海洋放出で放射線が人や環境に与える影響は「無視できるほどごくわずか」と評価したことを「お墨付き」として、海洋放出を開始した。

しかし、この報告書に携わった専門家チームに意見の相違があったとの指摘もあり、東京電力のデータをもとにしたIAEAの評価に対しても、放射性物質の絶対量の問題をはじめ、多くの疑問が出されている。日本では中国の反発を「政治的思惑」「外交カード」などとする論調も多く、中国だけが理不尽に反対しているように報道されているが、日本からは遠く離れたマーシャル諸島など太平洋の島しょ国からも懸念の声は挙がっている。さらに、核実験被害者の支援や環境汚染改善を盛り込んだ「核兵器禁止条約」の批准を拒む日本に対する不信感が海洋放出への不満につながっていることも日本政府は真摯に受け止めるべきである。

この事態を打開するために日本政府と東京電力に求められているのは、国内外に反対と懸念の声が強い海洋放出をやめ、福島の漁業に携わる地元民をはじめ、公の海を共有する中国をはじめとした隣国や海洋を生活の場としている諸国の人々の声に真摯に耳を傾けることであり、内外から寄せられているさまざまな代替案の検討を含めて、地球を汚染させないためのあらゆる可能性を追及することではないか。

そのためには、海洋放出ありきではない「協議」が必要不可欠である。とくに、日本政府が事前の相談も十分な説明もしてこなかった隣国の中国に対しては、日中両政府が合意している「戦略的互恵関係」「互いに協力のパートナー」との関係を再確認して、事態の打開のために誠意を尽くし、結論ありきではない「協議」を直ちに始めることを強く求めるものである。

2023年9月11日

2024年カレンダー「中国悠久の旅」

「悠久の旅」にふさわしい中国各地の写真13枚

中国の自然や人々の一瞬をとらえた「悠久の旅」にふさわしい中国各地の写真が表紙と12か月のページを飾っています。表紙は、チベット自治区グゲ王国遺跡。9世紀頃西部チベット周辺に成立した仏教王国、グゲ。カシミール様式の影響を受けた王宮です。僧院などからなるグゲ遺跡、他にトンガ遺跡では仏教壁画が残っています。

2024年カレンダー「中国悠久の旅」は10月から普及を開始します。新型コロナウイルス感染症被害拡大などの影響もあり、中国旅行ができない中、写真を通して中国への関心と友好の心情を広げましょう。

10月から普及開始します!

2024年版カレンダーは使いやすい中綴じタイプです。

規格:B4判(縦257㎜✖横364㎜)長辺中綴じ冊子・カラー全28頁

頒価:1,200円(税込、送料別) 

お求めの方は下記へ

日本中国友好協会兵庫県連合会 Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

「中国語講座」2023年度後期受講者募集!

10月第2週より全9クラス順次開講します

日中友好協会が開催する中国語講座は、2023年度前期が終了しました。現在、2023年度後期(2023年10月~2024年3月)の受講者を募集しています。クラスは初級Ⅰ~中級Ⅲまで全9クラスがあります。クラス見学もできます。

クラス  ・曜日       ・時間 ・開講日

初級Ⅰ 金曜日  13:30~   10月13日      

初級Ⅱ 火曜日  10:00~   10月10日  

初級Ⅱ 火曜日  18:30~            〃    

中級Ⅰ 月曜日  10:15~    10月16日  

中級Ⅰ 月曜日  18:30~             〃    

中級Ⅱ 水曜日    9:45~ 10月11日  

中級Ⅱ 水曜日  18:30~   〃    

中級Ⅲ 木曜日  10:15~     10月12日  

中級Ⅲ 木曜日  18:30~        〃    

◇全クラス中国人女性講師

◇期間は1年(前期・後期)6ゕ月単位で継続できます。

◇入会金 10,000円(初回のみ、学生・協会会員は不要)

     受講料 35,000円(18回分、6か月分前納、分納も可)

◇お申込み:協会事務所で行っています。

 月~金10時~19時、土・日はメールでの予約申込みも可能です。

日本中国友好協会兵庫県連合会「中国語を学ぶ会」

〒658-0003 神戸市東灘区本山北町3丁目4-9甲南ビラ201号

JR摂津本山駅北口を線路沿いに東へ1~2分、甲南ビラ2F

Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

「日中友好・夢コンサート」神戸で開催

多彩なメンバーによる歌・民族舞踊・楽器演奏

日中友好協会東神戸支部は、日中平和友好条約締結45周年を記念し、神戸市内で「日中友好・夢コンサート」を開催します。日中両国の楽器演奏や舞踊などをお楽しみ下さい。

日時:2023年10月27日(金)午後2時開演(1:30開場)

会場:神戸市東灘区「御影公会堂」1階白鶴ホール

阪神「石屋川駅」を北へ10分、阪国バス・神戸市バス御影公会堂前すぐ

入場料:一般  1,500円 中国帰国者・留学生・高校生以下無料

主催:日本中国友好協会東神戸支部

協賛:日本中国友好協会兵庫県連合会

後援:中華人民共和国駐大阪総領事館・神戸市・神戸市教育委員会

連絡先:Tel&Fax:078-412-2228 E‐mail:sps98kg9@gmail.com

佟岩先生の「日中漢字比べ」

「暑気払い」と「去暑」と「消暑」

とにかく暑い。日本では「暑気払い」といって、暑さは「払」うものだ。でも中国では「去暑」か「消暑」で、暑さは「去」らせるか「消」すかである。「払」はもともと「拂」で、「手」と「弗」からなる。「弗」は絡まった紐を2本の棒で振り払うという意味だ。つまり日本の「暑気払い」は、身に纏い付く暑さを振り払うのである。暑さは、まるで埃のように払われる。ただし、振り払われた暑さは、消え去るわけではなく、一時的に遠方へ追いやられるだけだ。埃をいくら「払」っても消え去らないように、暑さもまた「払」うのをやめると、すぐに身に纏い付いてくる。

一方、「去」は、「大(人)」と「ム」からなる。「ム」はもともと、お祈りでケガレを取り除くという意味だった。中国の「去暑」は、ケガレのような不快な暑さを取り除くということだ。また、「消」は、「水」と「肖」からなる。「肖」は「小」と「月(肉体)の組み合わせで、小柄という意味だった。「消」は、水が少なくなり、ついにはなくなるという意味だ。「消暑」は、暑さを小さくし、なくすことである。

だから、中国の「去暑」や「消暑」は、暑さを徹底的に消去しょうようとすることである。ただし、いくらそれをしても、実際には暑いものは暑い。中国人は日本の「暑気払い」という言葉は一時しのぎで物足りず、逆に日本人は中国の「去暑」や「消暑」という言葉は現実離れの理想論と感じるかもしれない。(日中友好新聞9月15日号より、西日本華文教育者協会理事・兵庫県連合会中国語講座講師)。

第21回「戦争遺跡めぐり」

神戸・東灘区―本庄地域戦跡めぐり―

兵庫の「語りつごう戦争」展の会は年1回、県内の戦争遺跡めぐりを行っています。今年はJR甲南山手~阪神深江周辺に残る戦跡を巡ります。

日時:2023年10月9日(月・祝日) 小雨決行

集合場所:JR甲南山手駅改札前 午前9:50集合 10:00出発

コース:JR甲南山手駅→赤(朱)鳥居→本庄墓地→踊り松の碑→  新明和工業(旧川西航空機甲南製作所)→神戸大学海事科学部(旧神戸商船大学)→阪神深江駅 12:30頃、解散予定

※写真の赤(朱)鳥居は、森稲荷神社の鳥居で高さ5.8m、昭和2年に建立されました。昭和20年(1945年)5月11日の米軍による空襲の際、青木にあった川西航空機甲南製作所(現在の新明和工業)の攻撃目標とされた歴史も秘めています。

参加費:300円(資料代含む)

参加申し込みはお名前・連絡先・所属・Tel.Faxをお書きの上下記へFaxでお願いします。10月2日締め切り

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展実行委員会

FAX:0798-43-7138  

お問い合わせ先:090-8535-7401(大木さん)

「中国脅威論」に惑わされるな!

対立煽る2023年版防衛白書

浜田靖一防衛相は7月28日の閣議で、2023年版防衛白書を報告した。昨年暮れの安保3文書改訂に象徴される「軍拡」と米国の「核抑止力」に「日米統合抑止戦略」を強化する方針を強調。憲法との説明がつかない「敵基地攻撃」論を展開した。しかし、根拠とされているのは、お決まりの「中国脅威論」。今回もこれで、中国政府の反発を招いた。

白書では、中国について「中国は長期間にわたり国防費を急速なペースで増加させており、これを背景に、核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に、軍事力の質・量を広範かつ急速に強化している」と警戒感を表明。これに対し、中国外務省の毛寧報道官は「日本の新しい防衛白書に強烈な不満と断固とした反対を表明する」と述べ、「中国の内政に干渉し、中国の正常な国防の発展や軍事活動を不当に中傷し、『中国の脅威』を誇張している」と指摘した。

白書の「中国脅威論」は、ロシアと中国の共同活動について「重大な懸念」とし、「台湾と中国の軍事バランスが中国側に傾いている」としており、また、「敵基地攻撃論」に関連して、台湾に軍事進攻する中国に米国とともに対処する状況を想定したりしている点について、中国が反発するのは当然だ。

米国がいま、「台湾危機」を煽り「中国包囲網」を拡大強化させようとしていることは明らかだが、冷静に事実を見ると、事実の誤りは明らかだ。まず、米中の経済的関係はすでに相互依存レベルで、これ以上の関係悪化は双方とも望んでいない。同時に、国交正常化から半世紀。「台湾は中国の一部」とする立場を認めた米国は、仮に中国が「武力統一」に踏み切っても「内戦」に介入する論理は見つけにくい。

一方、中国側も混乱をつくって、台湾に武力侵攻する余裕もメリットもない。結局「中国脅威論」は、米国自身と日本の軍備強化の「理由付け」でしかない。毛報道官は、日本の防衛予算の増額などについて「日本は平和的発展の道を堅持しているかという強い懸念を外部に引き起こしている」と述べた。ウクライナ戦争の長期化でアジアも注目されている。いま大切なのは、米国と日本政府の「宣伝」に惑わされない国民の「目」と友好運動の広がりだ。(丸山重威・ジャーナリズム研究者、日中友好新聞9月1日号「中国レーダー」より)

記念講演会「深読み『孫文と神戸を歩こう』」

協会西宮支部が総会記念講演会を開催

日中友好協会西宮支部は下記の日程で、最近刊行された「孫文と神戸を歩こう」を監修された安井三吉先生を招き記念講演会を開催します。協会員以外の方も参加できますのでお誘い合わせてご参加下さい。

日時:2023年9月10日(日)午後3時~4時30分(2:30~受付)

会場:西宮市立勤労会館 第8会議室

講演:安井三吉  神戸大学名誉教授、元孫文記念館館長

テーマ:深読み「孫文と神戸を歩こう」

参加無料 先着80名まで

*マスク着用でご参加下さい!

主催:日本中国友好協会西宮支部

お問い合わせ:0798-38-8081

靖国神社への岸田首相の玉串料奉納と閣僚の参拝に強く抗議する

日本中国友好協会本部は靖国神社への岸田首相の玉串料奉納と高市早苗経済安全保障担当大臣の参拝に抗議文を送りました。

内閣総理大臣     岸田文雄 殿

経済安全保障担当大臣 高市早苗 殿

靖国神社への岸田首相の玉串料奉納と閣僚の参拝に強く抗議する

8月15日の終戦記念日に岸田文雄首相は靖国神社に玉串料を奉納し、現役閣僚の高市早苗経済安全保障担当相が同神社を参拝したと報じられた。

靖国神社は日本軍国主義による中国をはじめとしたアジア諸国への侵略戦争に国民を動員した国家神道の中心的な神社であり、侵略戦争の責任者であるA級戦犯を合祀し、今もなお侵略戦争を美化・宣伝する施設となっている。首相の玉串料奉納と閣僚の参拝は政教分離を定めた憲法に違反する宗教行為であり、4年連続となる現役閣僚の参拝と繰り返される首相の供物の奉納は、日本の歴史の真実に背を向けているとの国際的な疑念を招き、隣国である中国・韓国との信頼関係を損ねる大きな原因となっている。

日本中国友好協会は、岸田首相の靖国神社への玉串料の奉納と閣僚の同神社参拝に強く抗議するとともに、岸田首相をはじめとした閣僚が、侵略戦争の加害責任と反省を明らかにするとともに、締結45周年を迎えた日中平和友好条約で日中両政府が約束した「すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」との宣言を日本政府が遵守し、軍事的な対抗ではなく、話し合いによる平和外交を推進してアジアと世界の平和と安定のために力を注ぐことを強く求めるものである。

2023年8月17日  日本中国友好協会

強制連行・強制労働による「中国人犠牲者を慰霊する集い」

犠牲者追悼と記録映像「苦幹」上映

太平洋戦争末期、日本政府は国内の労働力不足を補うため中国大陸から中国人を強制的に連行し、鉱山や港湾、造船所など全国の135事業場(地図参照)で劣悪な環境の下、過酷な労働を強いて病気や栄養失調、衰弱により敗戦までに全国で6,834人の犠牲者が出ました。兵庫県内では、神戸港で17人、相生の造船所で28人が亡くなっています。

戦後、協会は侵略戦争への反省のもと、全国で犠牲者の遺骨送還運動を始め、県内では当時の協会神戸支部の人たちが中心となり実態調査を行い、1957年10月、各界からの参加で「兵庫県殉難中国人慰霊祭」を神戸の関帝廟で盛大に行いました。翌1958年に第8次遺骨帰還船で、神戸支部役員と慰霊祭前日に仮通夜を行った宝地院住職の2名が相生の犠牲者遺骨3柱を中国へ持参し納骨しました。

私たちは二度と戦争の惨禍を繰り返さないために、この歴史の事実を語り伝えています。今もウクライナでは激しい戦闘が続いていますが戦争に勝者はありません、破壊と多くの犠牲者が出るだけです。紛争はどんな困難があっても武力行使ではなく話し合いで解決しなければなりません。厳しい暑さの中ですが犠牲者追悼にご参加下さい。

日時:2023年9月3日(日)1:30~16:00

会場:宝地院(神戸市兵庫区荒田町3丁目)

・「犠牲者追悼」13:30~ 宝地院本堂

 住職による読経、参加者の焼香

・記録映像「苦幹」上映  14:00~地階集会室

 米国人撮影、中国西域の住民の暮らしや1940年8月の日本軍による重慶大爆撃を映したカラー動画。

・参加費(お供え):500円

主催:日中友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax: 078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net