2022年新年のごあいさつ

日中国交正常化50周年、一層のご支援、ご協力を!

2022年の新年にあたり、皆様に心からのご挨拶を申し上げます。コロナ禍でこの2年間、日中両国民間の人的交流が出来ないという制約がある中で、兵庫県連合会と支部の文化活動、学習会、展示会など創意ある諸活動に暖かいご支援を頂きありがとうございます。

いま世界は、コロナ禍からの脱出への模索、風水害など地球環境の激変など気候危機への対応、貧困や人種・民族差別からの脱出への挑戦が始まっています。今こそ国境を越えた国際的な協働がますます重要です。

総選挙後の新しい体制の下で、岸田首相が「『敵基地攻撃』能力の保有」の「検討」を歴代首相で初めて明言するなど、憲法9条をないがしろにした事態が進行し、「憲法改悪」の危険が強まっています。さらの安倍元首相が「台湾有事は日本有事、日米同盟有事である」と述べました。(写真は芦屋川河口近くに建つ日中友好平和の塔)

自衛隊が台湾海峡に派遣される事態になれば、日本とアジアの平和はもとより、「日本と中国」両国の友好関係は根本から破壊されます。憲法の平和主義、立憲主義の破壊、憲法9条改悪・平和の破壊は絶対に許されません。

今年は「日中国交正常化50周年」です。いま中国には、世界の厳しい目が注がれ、大国となった役割と責任が求められます。日中友好協会は1950年創立以来の原点、「日中不再戦・平和友好運動」を基本に、「中国を知る」「百科検定への挑戦」などの学習活動、楽しい多彩な文化活動の継続発展の活動の中で、「仲間づくり活動」に取り組んでいます。本年も一層のご支援と、ご協力をお願い申し上げます。(50周年ロゴマークは北京のデザイナー肖忠橋さんの作品)

2022年1月吉日 

日本中国友好協会兵庫県連合会 会長 前田 清

兵庫の「語りつごう戦争」展に市民300人が参観

マスコミ各社が大きく報道

12月8日~12日、「子どもたちと戦争」をテーマに、兵庫の「語りつごう戦争」展が神戸市兵庫区の妙法華院で開催されました。実行委員会からの報告を紹介します。

今回で44回目となる「兵庫の『語りつごう戦争』展は、12月8日~12日までの5日間開催しました。今年はNHKが、私たちが取材した引率教師の日記に基づいて展示開催の報道、及び展示の紹介の報道を12月7日、8日と2日にわたり行ったこと、毎日新聞、神戸新聞、朝日新聞の報道、特に毎日新聞、神戸新聞に展示内容が大きな紙面を割いて報道されたこともあり、連日活気ある展示会となりました。

参観者は延べ300人、並行して開いた「戦争体験を語る会」には4回で累計約80人、「12・8のつどい」には16人が参加しました。開催にあたり、物心両面のご支援を頂いた方々にご報告し、御礼申し上げます。

今年は、「子どもたちと戦争」をテーマに、子どもたちが直接体験したことは「疎開」ではないか、ということで神戸市立小野柄国民学校(現・中央小学校)が疎開した赤穂郡上郡町の黙笑寺へ取材に行き、提供された「引率の先生の日記、スケッチブック」を中心に、神戸市立須佐国民学校(現・明親小学校)の児童が書いた作文集「疎開生活壱か年のあしあと」、神戸市立山手国民学校(現・中央小学校)集合写真や疎開生活の写真など、取材し提供されたものを展示しました。

戦争は全ての国民を巻き込むもので、決して反対者を許さず、国民の意識を戦争に集中させるため、教育・マスコミ・近隣コミュニティを総動員したという歴史の事実。戦争の惨禍を忘れないだけでなく、戦争体制がつくる軍国社会・暗黒社会の怖さも知ってもらいたいです。「12・8のつどい」では、後藤浩氏の講演で「沖縄の今!」と」題して、沖縄の直面している問題の打開へ向けて様々な角度から学習しました。「戦争体験を聞く集い」では、学童疎開の経験をはじめ、「兵庫から伝えたいヒロシマ・平和」、「父の戦争体験」、「母から伝え聞く沖縄戦」と4名の方々からお話しを聞きました。また2005年から同時開催している「平和色紙展」へ58点の出展を頂きました。

兵庫の「語りつごう戦争」展実行委員会

中国人画家が葫蘆島からの引揚げを描く

「一九四六」神戸展、10年半かけて描いた大作を展示

「一九四六」の作者は、魯迅美術院(遼寧省瀋陽市)の王希奇教授(61)。この絵は、1945年8月の日本敗戦後、「満州」に取り残され難民状態となった日本人が遼寧省の葫蘆島に集められ、1946年に始まった帰還事業の様子を描いたものです。作者の王さんは、祖父から話を聞き、着の身着のままの子ども達が写った当時の写真に衝撃を受け作品制作を決意したとのことです。この絵は縦3m×横20mの大作で引揚者の表情が繊細に描かれています。これまでに東京・舞鶴・仙台・高知で開催され感動と注目を集めています。今回計画している神戸展を最後に、現在建設中の葫蘆島引揚紀念館(仮称)で常設展示される予定です。

「神戸展の日時、会場」

日程:2022年8月31日(水)~9月4日(日)

時間:午前10時~午後6時(9/4は午後3時迄)

会場:兵庫県立原田の森ギャラリー2F大展示室(阪急王子公園駅西、JR灘駅北へ)

入場料:大人1,000円(大学院生、大学生以下無料)

詳しい内容は下記の神戸展ホームページをご覧下さい。

URL: https://free.yokatsu.com/koube/

主催:「一九四六」神戸展実行委員会

実行委員会事務局・☎090-3714-6228(宮原)

日中友好協会兵庫県連合会・☎078-412-2228

岩茶の品種、生産区について学ぶ

核心地区で採れた正岩茶は超高値で取引

12月15日開催の「中国茶講座」は前回に続き武夷岩茶ーPart2として6種の岩茶が紹介されました。テイスティングの前に神田貴子高級茶芸師、高級評茶員から岩茶の品種、ブランド生産区について紹介がありました。

岩茶の主要品種は大紅袍、肉桂、水仙でマイナーなものを含めると200種以上あると言われています。ブランド生産区は牛欄坑、慧苑坑、倒水坑、流香澗、悟源澗の5つの生産区と慧苑岩、天心岩、馬頭岩、竹窠、九龍窠、三仰峰、水簾洞と呼ばれる茶区を合わせた一帯は岩茶の核心地区と呼ばれています。

当日は、大紅袍(武夷山)、向天梅(武夷山)、水簾洞水仙(武夷山水簾洞)、慧苑坑肉桂(武夷山慧苑坑)、正岩雀舌(武夷山市)百瑞香の6種が紹介され百瑞香を除く5種の香り、湯色を楽しみながら試飲しました。(写真:慧苑抗肉桂の湯色、点てた後の茶葉)

次回「中国茶講座」は2022年2月16日(水)13:30~開催します。参加予約受付ています。☎078-412-2228(12/29~1/5休み)E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

「中国語講座」年末・年始の予定

2021年度後期は1月~3月の3か月に短縮、新規受講者募集!

2021年の中国語講座は残り僅かとなりました。2021年度前期は間もなく終了します。2021年度後期の講座は2022年1月~3月、本来期間は6か月ですが、コロナ拡大で緊急事態宣言による休講が続いた影響で、今年に限り後期期間を3か月に短縮し、来年4月~9月は2022年度前期となります。見学ご希望の方は下記日程をご覧下さい。

12月終了日と1月開始日

(月)12月13日終了 1月17日~開始 

(火)12月21日終了 1月18日~開始

(水)12月22日終了 1月19日~開始

(木)12月23日終了 1月20日~開始

(写真は木曜日午前クラスの学習風景)

日本中国友好協会兵庫県連合会「中国語講座」

お問い合わせ:Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

世界遺産・武夷山の岩茶を味わう

芳しい香りと濃厚で芳醇な味わいの岩茶を紹介

11月17日午後、「中国茶講座」を4カ月ぶりに開催しました。「お茶どころ武夷岩茶」をテーマに講師の神田貴子高級茶芸師が世界遺産・武夷山を擁する中国茶の産地福建省について紹介、亜熱帯の温暖な気候と降雨量が年間2000mmもあり、面積の65%が!森林という環境がお茶栽培に大へん適した地域であること。岩茶について、福建省北部の武夷山で生産される烏龍茶を指し、露出した岩肌の谷間や窪みなどに茶樹が植えられているため岩茶と呼ばれています。

茶葉は茶褐色、湯色はオレンジ色や茶色になります。焙煎による芳しい香りと濃厚で芳醇な味わい、後味の甘さ等が特徴で、品質の良い岩茶は「岩韻」と呼ばれる岩茶特有の風味や余韻が感じられると話し、6種の岩茶についてその特徴を紹介し「武夷水仙」「武夷肉桂」「大紅袍」「正岩雀舌」「百瑞香」の5種を味わいました。

次回は12月15日(水)午後1:30~「岩茶ーPart2」を開催します。

漢詩を読む会を再開しました

来鵠の桑を採る苦労を詠った「蚕婦」を読む

第28回「漢詩を読む会」は講師の丹羽先生がケガで入院されたため9月開催を延期していました。先生が無事快復され12月4日(土)、神戸市立東灘区文化センターで約半年ぶりに開催しました。丹羽博之大手前大学教授が「蚕婦詩の世界」をテーマに講義しました。丹羽教授は、先ず絹をつくり出す厳しい労働の様子を知るためとして映画「あゝ野麦峠」の一部を映し解説しました。

当時の時代背景や製糸工場で働く女工の厳しい労働や寮生活の劣悪な環境などについて映像を見ながら話しました。澁澤栄一が掛け軸に書いたという来鵠(晩唐の詩人)の七言絶句「蚕婦」を写真で紹介し詩を読みました。

曉夕採桑多苦辛 暁夕桑を採りて苦辛多し

好花時節不閒身 好花の時節閑ならざる身

若教解愛繁華事 もし繫華の事を愛するを解せしむれば

凍殺黄金屋裏人 凍殺せん黄金屋裏の人

次回の「漢詩を読む会」は2022年2月19日(土)です。

日中国交正常化以降の日中関係

2022年は日中国交正常化から50年

1972年9月、田中角栄首相と周恩来首相が北京で日中共同声明に署名、中国との国交が回復しました。日本政府が台湾の蒋介石政権を中国の正統政権としてきたそれまでの態度を転換して、中華人民共和国政府を中国を代表する唯一の合法政府として承認したのは歴史的出来事でした。

声明では、日本が戦争で中国国民に重大な損害を与えたことに「責任を痛感し深く反省する」と表明、双方が平和5原則を順守し、すべての紛争を平和的に解決し、武力または武力による威嚇に訴えないことを約束しました。1978年8月12日、北京で日中平和友好条約が調印され、同年10月に批准書が交換され発効しました。同条約は、日中共同声明に規定された「平和5原則」や「紛争の平和的解決」などの諸条項を再確認し、日中関係の基本原則を条約の形で確定したものでした。(画像:yahooニュース)

中国侵略を認め、深い反省を表明した「日中共同宣言」

1998年11月の江沢民国家主席の来日の際の日中共同宣言では、日本が「過去の一時期の中国への侵略によって中国国民に多大な災難と損害を与えた責任」と「深い反省」を表明し、両国間の公式文書で日本側が初めて「中国侵略」を認めました。21世紀に入り、小泉純一郎首相が01年から06年まで毎年靖国神社を参拝、そのため日中首脳の相互訪問による直接会談が断絶、「政冷経熱」の状態が続き、05年4月には中国全土で群衆の抗日デモが展開されました。

「戦略的互恵関係」の確立を約束した「日中共同声明」

06年9月に就任した安倍晋三首相(第1次安倍内閣)は、最初の訪問国として中国を訪れ、当時の胡錦濤主席、温家宝首相と会談、直接の首脳会談が復活、双方は「戦略的互恵関係」の確立を約束しました。08年の福田康夫首相と胡錦濤主席が発表した日中共同声明では、「日中関係が両国の何れにとっても最も重要な二国間関係の一つであり、今や日中両国がアジア太平洋地域及び世界の平和、安定、発展に対し大きな影響力を有し、厳粛な責任を負っているとの認識で一致したとし、双方が『戦略的互恵関係』の新たな局面を絶えず切り開くことを確認。さらに『共に努力して、東シナ海を平和、協力、友好の海とする』としています。(画像:ロイター)

しかし、2010年9月の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突事件、12年9月の日本政府による尖閣諸島国有化措置により国交回復以来日中関係は最悪の事態となりました。中国国内では抗日デモが全国で吹き荒れました。

安倍晋三首相の靖国参拝で関係が更に悪化

2012年、政権に戻った安倍晋三首相は、13年12月、靖国神社に参拝(右、朝日新聞2013年12月26日付号外)、侵略戦争肯定・美化の姿勢を示したことから日中関係は更に悪化しました。14年11月、北京で開催されたAPECの機会に安倍首相と習近平主席の会談が実現。この会談は、両国政府の事前の4項目合意事項を前提に実現したもので、「日中間の四つの基本文書の諸原則と精神の遵守」などがうたわれました。四つの基本文書とは、日中共同声明・日中平和友好条約・日中共同宣言・日中共同声明(08年)を指し、日中関係を律する重要な基本文書として、双方が確実に履行すべき拠りどころとなっています。(画像:朝日新聞)

東シナ海を平和、協力、友好の海に、武力ではなく外交の努力で

日中友好を更に発展、前進させ、確固たるものにするためには基本文書の諸原則を遵守すること、紛争は武力ではなく外交による話し合いで解決することが両国に強く求められています。

福建省武夷山の烏龍茶「岩茶」―Part 2―

希少性の高い「岩茶」をテイスティングします

前回の講座に引き続き福建省武夷山の烏龍茶「岩茶」を紹介します。ブランド生産地「三坑両澗」の希少性の高い岩茶を中心に、数種類の岩茶をテイスティングします。

日時:2021年12月15日(水)午後1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「教室」

JR摂津本山駅北口を東へ線路沿いに徒歩約1分、「甲南ビラ」2階201号室

講師:神田貴子 高級茶芸師 高級評茶員

参加費:1,500円(資料代含む)事前予約が必要です!

(12月3日現在の予約数 10人)

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

中国「民主主義」と少数民族問題の実際

大西広 慶応義塾大学教授がオンラインで講演

今年7月、「中国共産党100年」の記念式典で、習近平国家主席は2020年を目標と小康社会は達成できた。「中国の夢」である建国100年を目途に社会主義近代化強国を目指すと述べました。

一方、香港では「国家安全維持法」制定で、民主派が排除され「一国二制度」の形骸化が懸念されています。西側諸国のマスコミは、新疆ウイグル自治区での人権弾圧にも言及しています。こうした中国の実態はどうなのか?中国研究第一人者で、民族問題にも詳しい大西広慶応義塾大学教授に講演して頂きます。講演はオンラインで行われます。

日時:2021年12月12日(日)午後2時~4時

会場:神戸・東灘区文化センター8階第1・2会議室

(JR住吉駅下車、渡り回廊を東へ約3分、旧東灘区民センター)

講師:大西 広 慶応義塾大学経済学部教授

テーマ:中国「民主主義」と少数民族問題の実際

参加協力費:500円

主催:日本中国友好協会東神戸支部

神戸市東灘区本山北町3丁目4-9 201号室

Tel&Fax(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net