「中国脅威論」に惑わされるな!

対立煽る2023年版防衛白書

浜田靖一防衛相は7月28日の閣議で、2023年版防衛白書を報告した。昨年暮れの安保3文書改訂に象徴される「軍拡」と米国の「核抑止力」に「日米統合抑止戦略」を強化する方針を強調。憲法との説明がつかない「敵基地攻撃」論を展開した。しかし、根拠とされているのは、お決まりの「中国脅威論」。今回もこれで、中国政府の反発を招いた。

白書では、中国について「中国は長期間にわたり国防費を急速なペースで増加させており、これを背景に、核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に、軍事力の質・量を広範かつ急速に強化している」と警戒感を表明。これに対し、中国外務省の毛寧報道官は「日本の新しい防衛白書に強烈な不満と断固とした反対を表明する」と述べ、「中国の内政に干渉し、中国の正常な国防の発展や軍事活動を不当に中傷し、『中国の脅威』を誇張している」と指摘した。

白書の「中国脅威論」は、ロシアと中国の共同活動について「重大な懸念」とし、「台湾と中国の軍事バランスが中国側に傾いている」としており、また、「敵基地攻撃論」に関連して、台湾に軍事進攻する中国に米国とともに対処する状況を想定したりしている点について、中国が反発するのは当然だ。

米国がいま、「台湾危機」を煽り「中国包囲網」を拡大強化させようとしていることは明らかだが、冷静に事実を見ると、事実の誤りは明らかだ。まず、米中の経済的関係はすでに相互依存レベルで、これ以上の関係悪化は双方とも望んでいない。同時に、国交正常化から半世紀。「台湾は中国の一部」とする立場を認めた米国は、仮に中国が「武力統一」に踏み切っても「内戦」に介入する論理は見つけにくい。

一方、中国側も混乱をつくって、台湾に武力侵攻する余裕もメリットもない。結局「中国脅威論」は、米国自身と日本の軍備強化の「理由付け」でしかない。毛報道官は、日本の防衛予算の増額などについて「日本は平和的発展の道を堅持しているかという強い懸念を外部に引き起こしている」と述べた。ウクライナ戦争の長期化でアジアも注目されている。いま大切なのは、米国と日本政府の「宣伝」に惑わされない国民の「目」と友好運動の広がりだ。(丸山重威・ジャーナリズム研究者、日中友好新聞9月1日号「中国レーダー」より)

記念講演会「深読み『孫文と神戸を歩こう』」

協会西宮支部が総会記念講演会を開催

日中友好協会西宮支部は下記の日程で、最近刊行された「孫文と神戸を歩こう」を監修された安井三吉先生を招き記念講演会を開催します。協会員以外の方も参加できますのでお誘い合わせてご参加下さい。

日時:2023年9月10日(日)午後3時~4時30分(2:30~受付)

会場:西宮市立勤労会館 第8会議室

講演:安井三吉  神戸大学名誉教授、元孫文記念館館長

テーマ:深読み「孫文と神戸を歩こう」

参加無料 先着80名まで

*マスク着用でご参加下さい!

主催:日本中国友好協会西宮支部

お問い合わせ:0798-38-8081

靖国神社への岸田首相の玉串料奉納と閣僚の参拝に強く抗議する

日本中国友好協会本部は靖国神社への岸田首相の玉串料奉納と高市早苗経済安全保障担当大臣の参拝に抗議文を送りました。

内閣総理大臣     岸田文雄 殿

経済安全保障担当大臣 高市早苗 殿

靖国神社への岸田首相の玉串料奉納と閣僚の参拝に強く抗議する

8月15日の終戦記念日に岸田文雄首相は靖国神社に玉串料を奉納し、現役閣僚の高市早苗経済安全保障担当相が同神社を参拝したと報じられた。

靖国神社は日本軍国主義による中国をはじめとしたアジア諸国への侵略戦争に国民を動員した国家神道の中心的な神社であり、侵略戦争の責任者であるA級戦犯を合祀し、今もなお侵略戦争を美化・宣伝する施設となっている。首相の玉串料奉納と閣僚の参拝は政教分離を定めた憲法に違反する宗教行為であり、4年連続となる現役閣僚の参拝と繰り返される首相の供物の奉納は、日本の歴史の真実に背を向けているとの国際的な疑念を招き、隣国である中国・韓国との信頼関係を損ねる大きな原因となっている。

日本中国友好協会は、岸田首相の靖国神社への玉串料の奉納と閣僚の同神社参拝に強く抗議するとともに、岸田首相をはじめとした閣僚が、侵略戦争の加害責任と反省を明らかにするとともに、締結45周年を迎えた日中平和友好条約で日中両政府が約束した「すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」との宣言を日本政府が遵守し、軍事的な対抗ではなく、話し合いによる平和外交を推進してアジアと世界の平和と安定のために力を注ぐことを強く求めるものである。

2023年8月17日  日本中国友好協会

強制連行・強制労働による「中国人犠牲者を慰霊する集い」

犠牲者追悼と記録映像「苦幹」上映

太平洋戦争末期、日本政府は国内の労働力不足を補うため中国大陸から中国人を強制的に連行し、鉱山や港湾、造船所など全国の135事業場(地図参照)で劣悪な環境の下、過酷な労働を強いて病気や栄養失調、衰弱により敗戦までに全国で6,834人の犠牲者が出ました。兵庫県内では、神戸港で17人、相生の造船所で28人が亡くなっています。

戦後、協会は侵略戦争への反省のもと、全国で犠牲者の遺骨送還運動を始め、県内では当時の協会神戸支部の人たちが中心となり実態調査を行い、1957年10月、各界からの参加で「兵庫県殉難中国人慰霊祭」を神戸の関帝廟で盛大に行いました。翌1958年に第8次遺骨帰還船で、神戸支部役員と慰霊祭前日に仮通夜を行った宝地院住職の2名が相生の犠牲者遺骨3柱を中国へ持参し納骨しました。

私たちは二度と戦争の惨禍を繰り返さないために、この歴史の事実を語り伝えています。今もウクライナでは激しい戦闘が続いていますが戦争に勝者はありません、破壊と多くの犠牲者が出るだけです。紛争はどんな困難があっても武力行使ではなく話し合いで解決しなければなりません。厳しい暑さの中ですが犠牲者追悼にご参加下さい。

日時:2023年9月3日(日)1:30~16:00

会場:宝地院(神戸市兵庫区荒田町3丁目)

・「犠牲者追悼」13:30~ 宝地院本堂

 住職による読経、参加者の焼香

・記録映像「苦幹」上映  14:00~地階集会室

 米国人撮影、中国西域の住民の暮らしや1940年8月の日本軍による重慶大爆撃を映したカラー動画。

・参加費(お供え):500円

主催:日中友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax: 078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

中国決済アプリがクレジットカードに対応

中国社会では現金を使わないほど決済アプリが普及しています。特にコロナ禍で急速に進んでいったようです。

このアプリですが今までは中国の銀行口座しか紐づけできませんでしたが今年の7月から国際クレジットカードとも紐づけできることができ支払いにも使えるようになりました。

中国への渡航は現在ビザが必須の状態ですが観光ビザも発給されるようなので、観光目的で渡航した際に「決済難民」にならずに済みそうです。

「友和生活」さんのWeChatページのリンクを貼っておきますので、参考にしてください。

「ラップナウ・コレクション展」始まる!

絵葉書でめぐる近代史―日本と中国の近代を知る!

日時:8月9日(水)~13日(日)10:00~18:00(最終日15:00)

会場:兵庫県立原田の森ギャラリー東館2F

JR灘駅北へ10分/阪急王子公園駅西口西へ6分

入場無料

「ラップナウ・コレクション展」が8月9日(水)から始まりました。絵葉書や写真などを通して日本と中国の近代史が理解されることを期待します。歴史的に極めて貴重な絵葉書などに説明を付して分野別にまとめたパネルの展示は神戸初公開となります。猛暑の中ですがお誘い合わせてご参観下さい。1900年代初頭に日本で作られた台湾地図の絵葉書について書いたポール・バークレーの論評の一部を紹介します。

植民地台湾を映す日本の絵葉書

1900年から1945年にかけての期間に数千種類に及ぶ様々な絵柄の「台湾」絵葉書が発行された。植民地台湾を映し出す日本絵葉書に関しては、最大級のコレクションが個人の蒐集家のもとにある。ドナルド・ラップナウ氏が素晴らしいコレクションを収蔵している他、魏徳文氏、張良澤氏、荘永明氏らも見事なコレクションを所有している。

(右の絵葉書地図)、初期の絵葉書は1905年頃に東京で刊行されたもので、人種的に二分された台湾を描いている。島の西側は「漢人種」、中央から東部は「生蕃人種」と記されている。左上の写真は両人種の代表的な姿を示すものである。ここにある「生蕃人種」はやがて「台湾原住民」という言葉に置き換えられるようになった。地図の、白く塗られた彼らの居住域はさらに民族で区分され、アタイヤル、サイセット、ブォヌム、ツォオ、アミス、ツァリセン、プユマ、ヤアミ、パイワンと表記されている。

この民族分類法は日本の植民地時代の独創的な分類であり、台湾人類学および台湾研究の草分けである伊能嘉矩(1867~1925)によって考案されたものである。絵葉書はまた、台湾島の人口を次のように記している。―内地人(日本人)53,365、本島人(漢人)2,915,984、生蕃人104,334、外国人6,009。居住者の圧倒的多数は漢人であるが、この地図は彼らを河洛系と客家系に分けて記していない(多くの日本地図においては分けられている)。むしろ先住民の「生蕃人」を細分することに焦点を当てている。

実際、日本の「台湾」絵葉書においては、先住民が過剰とも言えるほど台湾を代表している。絵葉書に記された数字によると、台湾の1,056方里が「普通行政区」(漢人居住域)にあるのに対し、1,276方里は依然「生蕃界内」である。この地図は、台湾のまだ統治されていない領域を際立たせ、民族的多様性を持っている多数派の漢人の存在を最小限にとどめている。(下の画像は展示パネルの一枚で、この中に台湾地図が紹介されています)

第28回尼崎平和のための戦争展

新しい戦前にさせない!平和憲法とともに

~戦争の準備ではなく平和の準備を~

日程:2023年8月18日(金)~20日(日)

  9:00~18:00 最終日は16:00まで

会場:尼崎市立中央北生涯学習プラザ

(五合橋線・尼崎総合医療センター西へ3分)

「展示」18日~20日 1F学習室ABC

南西諸島の基地問題、沖縄基地地図、平和憲法、パネル「原爆と人間」、各9条の会活動、尼崎の戦災地図、戦争に突き進んだ歴史年表、残留孤児問題、短編アニメ「戦争のつくりかた」ほか

「平和紙芝居」 2F学習室(18日、午前中随時)

「映画・人魚に会える日」(93分)19日(土)1F大ホール

①10時②14時⓷18時 一般1000円 中高生500円(上映協力代)

●マスク着用をお願いします。

主催:尼崎平和のための戦争展実行委員会

後援:尼崎市・尼崎市教育委員会

連絡先:090-4902-8398(松岡さん)

「中国語講座」2023年度後期受講者募集!

初心者~上級者まで全9クラスで受講者を募集!

日中友好協会兵庫県連合会の「中国語講座」は60年以上の歴史があります。いま、2023年度後期(23年10月~24年3月)受講者を募集しています。無料見学受付けています。

現在、2023年度前期後半ですが、9月第3週で前期を終了し、10月第2週から後期となります(8月は第2週~4週まで夏季休講)。クラスは初級Ⅰ(入門)~中級Ⅲまでの9クラスあります。程度に応じてクラスを選べます。途中クラス変更や2クラス受講も出来ます。9月中を無料見学期間とし見学申込みを受け付けています。

初級Ⅰー金曜日・午後13:30~(初心者対象)

初級Ⅱ―火曜日・午前10:00~、夜間18:30~(2クラス)

中級Ⅰ―月曜日・午前10:15~、夜間18:30~(2クラス)

中級Ⅱ―水曜日・午前   9:45~、夜間18:30~(2クラス)

中級Ⅲ―木曜日・午前10:15~、夜間18:30~(2クラス)

●中級Ⅱ~中級Ⅲ、午前・夜間は講師、テキストが違います。

●講師は全クラス中国人女性

お問い合わせ

日本中国友好協会兵庫県連合会

〒658-0003 神戸市東灘区本山北町3丁目4-9  甲南ビラ201号

JR摂津本山駅北口を線路沿いに東へ徒歩1~2分、阪急岡本駅を南へ徒歩約6分(山手幹線道路「本山北町3丁目」交差点南へすぐ)

Tel&Fax:078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

8・15平和のつどい

1945年8月14日、「ポツダム宣言」を受諾した日本は、翌8月15日正午、昭和天皇が玉音放送により国民に伝えました。それから今年は79年目となります。戦後、日本は二度と戦争の惨禍を繰り返さないと誓い、平和憲法を制定しました。しかし、今の日本は、再び「戦争国家」づくりが進められようとしています。敵基地攻撃能力の保有、空前の大軍拡予算、「安保関連法」は憲法の範囲内でしょうか?

2023年「8・15平和のつどい」

日時:2023年8月15日(火)午後1時30分~

場所:妙法華院2F(神戸高速新開地駅西口を上り南へすぐ)

講演:憲法九条と日本の現実(仮題)

講師:山本昭宏氏(神戸市外国語大学准教授)

参加費:500円(高校生以下無料)

※マスクの着用をお願いします。体調不良の方は参加をご遠慮下さいますようお願いします。

また、神戸市に気象警報が正午現在に発令されている場合は中止します。

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展の会

連絡先:090-5896-6048(上野)

中国歴史講座「中国の最新考古事情」

来村多加史教授が「黄河・長江文明」で講演

日中友好協会加古川支部主催の中国歴史講座新シリーズの第1回が7月22日(土)午後、加古川市の東播磨生活創造センターで開催されました。今シリーズは全6回(2023年7月~2026年3月)が予定されていて、古代史フアンからも好評の講座です。

今回のテーマは―中国の最新考古事情「黄河・長江文明の新発見」―、来村多加史阪南大学国際観光学部教授が約1時間半にわたり、新石器時代前期から後期に至る、中国で調査発掘された土器や青銅器などについて、年表や地図、絵、写真入りの詳しい手づくり資料と映像を映しながら講演しました。

先ず、新石器時代の遺跡について地図と写真で示しその位置と時代を解説。北から、牛河梁遺跡(紅山文化期)・西水坡遺跡(仰韶文化期)・陶寺遺跡(龍山文化期)・姜寨遺跡(仰韶文化期)・良渚遺跡群(新石器時代後期)・三星堆遺跡(殷代)・河姆渡遺跡(新石器時代中期)を地図上で示し、それら遺跡全てについて、特徴や出土品、集落の想像図などを示しわかりやすく説明しました。

参加者から、三星堆に政権はあったのかとの質問に、殷の人が逃げてきて文化を作ったのではないかと。三星堆遺跡発掘では調査員は宙刷りの状態で慎重な発掘作業を続けているという。遺跡発掘で人骨が残っている所と残っていない所があるがどういうことかとの質問に、土の質の違いによるもので、日本より中国の土質の方が残りやすい、水浸しの所も残る確率は高いとのこと。龍山文化の遺跡から発掘された面(顔)は彫が深いように思うなど講演を聞いて次々と質問や感想が出ました。