2018夏の鉄路大輸送始まる

7月1日、2018年夏の鉄路大輸送(暑運、以下暑運と略す)期間が始まりました。8月31日の終了までの62日間に、旅客輸送数は6.47億人と昨期より4590万人増加し、増加率は7.6%、1日平均1043万人の輸送となります。

今年の暑運は旅客の輸送量が増加し、とりわけ家族旅行の割合が多く占めるようになります。鉄路各部門は様々な措置を施し、輸送力増加、サービスの向上、拡大する旅客の移動需要を満たすように努力しています。

1つめは、高輸送供給量。7月1日0時よりダイヤ改正を行い、その夏の輸送計画では、中長距離旅客列車を37往復増やしました。7月1日に開通した江門~湛江、広通~大理の新輸送力も一役買っています。既存線での動車組重連運転(8両×2編成同時運転)や在来線列車の増結など様々な対策を講じ、輸送力アップに努めています。同時に南京~武漢、栁州~南寧高鉄では時速250キロ運転を始めました。

2つめは「復興号」の運転拡大。暑運期間の復興号は従来の114.5往復を170.5往復に増発し、23の直轄市・省都・自治区首府を繋いでいます。北京-上海間に最初に投入された16両編成復興号3編成に続き、北京-広州高鉄、上海-昆明高鉄にも続々と投入されています。

3つめは旅行体験の向上。駅での防暑などを基本的なサービスとして、食事のネット予約ポイントの増加、二代身分証(ICチップ付きIDカード)での改札機通過設備の増加、きっぷ購入、列車待ち合い、乗降、駅構内での動線の改善。便利にきっぷを買い優先乗客(老人、傷病人、障がい者、妊婦など)へのフォローを高め、暑運期間のサービスの質を高め、旅客の乗車経験を改善します。

旅客輸送の向上だけでなく、貨物輸送も鉄路部門は重視し、科学的な列車配置を行い、発電用石炭、石油製品、鉱石、食糧などの重点物資の輸送を強め、経済社会発展と環境保全に貢献できるよう努力します。

鉄路部門は旅客に対し、学生の夏期休暇で旅客数は集中するが、事前に行程を確認してきっぷを購入し暑さに注意し、楽しい旅行を送って欲しい、との事です。(中国鉄路総公司サイト)

世界最長の空中ガラス回廊が一般開放

中国河南省鄭州市に完成し6月16日から一般開放

8か月の工事を経て、世界最長の空中ガラス回廊が6月12日に河南省鄭州市の伏義山で完成しました。このガラス回廊は、橋床に3層のラミネートガラス150枚を使用。地表からの高さは360m、崖からは30mの地点まで伸びており、米国のグランドキャニオンのガラス回廊より9m長い。建設に使用した鋼材の総量は3000トン以上で「世界最長の空中ガラス回廊」とされており、6月16日から正式に一般開放されました。探検好きな人々とって、空中散歩を現実のものにしていると伝えています。(人民網日本語版)

高鉄自動運転試験開始

中国鉄路総公司は2018年6月7日より京瀋(北京-瀋陽)高速鉄路線において高速列車の自動運転システム(CTCS3+ATO列車制御システム)の実地試験を開始しました。これは中国鉄路が独自技術による「インテリジェンス高鉄」開発への最重要なカギとなり、中国高鉄が技術力でも世界をリードするものになります。

今年3月以来、中国鉄路総公司は既存の北京-瀋陽間の高鉄の遼寧省区間に「高速鉄路トータル・インテリジェンステスト(高速铁路智能关键技术综合试验)を全面的に展開し、5月末には28項目の試験と13項目の測定を完了。その中には時速350キロ「復興号」の長編成(16両)の専用試験項目、パンタグラフの自動動作テスト、新型の金属騒音低減試験なども含まれ、試験の成果を出しています。その成果は北京-張家江高鉄・北京-雄安新区の都市間鉄道の建設に活かされています。

中国鉄路総公司は6月7日の関係部門の責任者に、自動運転システム(CTCS3+ATO列車制御システム)の実地試験の様子を紹介しました。幾度となる試験が本試験の重要項目となり、将来高速列車の自動運転を行うための駅と駅間での自動停車・発車・走行などの膨大なデータを提供することになります。試験は9月下旬まで行われ、その間に完成済みの技術文書の発表、実験室での試験、型式試験、テストレビューなどの前段階での準備を行っていきます。

天安門改修工事始まる

天安門地区管理委員会は、天安門の城楼・城台の改修工事を6月15日から始めることを発表しました。安全上の問題を回避するためとしています。工事開始にともない天安門の一般公開は一時中止されます。(北京日報)

天安門城楼・城台は、この数年、全体として安全な状態を維持しているが、城台に水が浸み込み、漆喰壁の一部に穴が開き、城楼の採色画にヒビが入るなど一部の施設・設備の老朽化が生じているとしています。2019年4月に一般公開を再開し、5月末には改修工事は全て完成する見通しとなっています。(人民網日本語版)

中国鉄路ダイヤ改正その3

中国鉄路では2018年7月1日0時に今年2回目のダイヤ改正が行われます。特徴は16両連結の高鉄車両「復興号」が登場します。復興号は現行の114.5往復から170.5往復に増え、23の直轄市、省と自治区の中心都市が結ばれます。

復興号は2017年6月26日より運行を開始し、快適な乗車環境で多くの乗客から支持され、きっぷは慢性的に入手困難でした。春節大輸送のピーク時には8両編成の復興号2本を連結し16両として運行しました。この事により16両編成の復興号の製造を開始しました。定員は1193名で8両連結列車の2倍となります。なお1号車から16号車まで列車内の移動も可能とのこと。

16両編成の復興号は毎日3列車運用されます。該当列車は上海虹橋-北京南間のG2/3次、G10/11次、G118/149次です。今後長編成復興号を京広高鉄(北京-広州)、沪昆高鉄(上海-昆明)などにも投入される予定です。

中国人観光客の目を引くために

中国から多くの観光客が日本を訪れています。各地の観光名所などには連日大型観光バスが次々と到着し、スマホ片手に観光やショッピングを楽しんでいる中国人若者の姿が数多く見られます。観光地の土産物売り場などでは観光客の目に止まるよう店先に看板やのぼり旗を掲げ、中国人スタッフを雇い対応しているところもあります。その一端を東京の観光地で拾ってみました。

バスに向かう中国人観光客、浴衣姿の女性も
中国人スタッフがいます
人気のある商品を表示したのぼり旗
「微信支付」スマホ決済で目を引く
車で果物を観光客に販売、水果・苹果・好吃などと書かれた文字が目立つ
人力車に乗ってもスマホから目が離せない

参考になるサイトを見つけた

「中国ローカル情報」は、筆者が実際に体験したことに基づいて書いていますが、中国国内銀行口座開設について参考になるサイトを見つけたので紹介したいと思います。そのサイトは「ユーウェン中国語講座」さんです。銀行口座開設については下記のページが参考になると思います。

 

あと中国では何かと必要になっている携帯電話についても契約をした体験を書かれています。ここに書かれているのは営業庁での直接契約ですが、先に携帯電話屋さんでSIMを買って営業庁で実名登記する方法もあります。詳しくは下記のページをご参考下さい。

クレジットカードで鉄路きっぷを買う方法

中国鉄路のきっぷの決済手段に国際クレジットカードが使えないものと思っていました。(中国系旅行社で依頼するとカード決済ができる場合もありますが手数料がかかります)

某国大統領も愛用しているTwitterで「支付宝(Alipay)経由でクレジットカード決済ができる」と書いていたので試してみました。結果、できました!やり方としては

  1. 支付宝で国際クレジットカードを紐づけておく
  2. 中国鉄路公式アプリ12306できっぷ予約
  3. 決済で「支付宝」を選ぶと支付宝アプリが立ち上がる
  4. バーコード決済では選択できない国際クレジットカードが選択可能になっているのでクレジットカードを選択する
  5. 「支付」をタップすると有効期限・セキュリティコード入力を求めてくるので入力する
  6. 「支付成功」と出たら決済完了

これで口座残高以上の高額なきっぷも買いやすくなりました。ちなみにクレジットカードで支付宝のアカウントは作れます。中国鉄路12306アカウントは中国の携帯電話番号で作れます。興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?(パスポートは両サービスとも実名認証で必要です)

追記:きっぷの購入は支付宝のアプリでもできます。メニューの「火车票机票」をタップし列車・区間・座種を選びます。

追記:微信支付(WeChat Pay)でも支払時に紐づけたクレジットカードを選択できました。(2018/08/28)

中国鉄路ダイヤ改正その2

中国鉄路総公司は2018年4月10日に第一段階のダイヤ改正を行いましたが、来る7月1日に第二段階のダイヤ改正を行います。

  1. 南京-武漢、柳州-南寧の時速250キロ運転と乗り換えを重視したダイヤ改定
  2. 動車組(列車番号Dではじまる列車)の運行本数を需要に合わして「平日」「週末」「多客」を設定。「週末」は「平日」に比べ193往復、「多客」は「週末」に比べ364往復増発。
  3. 新線開業に伴う改正。楚雄-大理、深圳-江門、ハルビン-ジャムス
  4. 動車組増発。徐州-蘭州、西安-成都、南寧-広州、貴陽-広州、重慶-貴陽、成都-重慶、合肥-福州、南寧-成都など
  5. 在来線旅客列車のダイヤの見直しと、運行の質を向上
  6. 夏期多客時に需要に見合った増発
  7. 貨物列車のダイヤ見直し。特に中部ヨーロッパ、沿岸部への列車ダイヤの見直し。ダイヤ改正後旅客列車の運行能力の向上とともに国際貨物輸送や様々な輸送システムの提供

様々な交通手段がある中で高速鉄路の料金体系を上昇・下降させやすくする流動料金制を導入。総合的な市場需要を考慮し、今後の新線計画などに反映。7月5日に早期に開業した合肥-武漢、武漢-宜昌、貴陽-広州、栁州-南寧、上海-南京、上海-杭州の6線の時速200~250キロ区間において、運賃の上限を定め、各鉄路局公司に料金設定の裁量を与え、季節・時間・座種により最大35%の運賃値下げを行う。値下げ後も随時見合った料金設定を行っていく。

高鉄の料金値下げ後も常に鉄路部門は運賃の管理を行い、サービス面の向上を目指していきます。(中国鉄路総公司サイトより)

キャッシュレス旅行はできるか?

スマホさえあれば生活できる「キャッシュレス社会」とはどういうものか著者自身旅行で経験したことを元に書いてみます。

航空機の出発が遅れ、上海浦東空港に予定の1時間半遅れで到着しました。実はホテルまでの送迎車をあらかじめ手配していました。到着後スマホの電源を入れるとすぐに着信があり「配車サービスの案内人ですが、託送荷物はありますか?ヒコーキが遅れたようですが問題ないです。すぐに出発できますので荷物を引き取ったら電話を下さい」とのこと。キャリーバッグを引き取り電話をして案内人の方と合流、そのままクルマでホテルまで直行。料金はアプリから決済して完了。

部屋に冷蔵庫があったので夜に飲むビールを買いに近くのコンビニへ。ここでも支払はアプリのバーコードを読み取ってもらって決済完了。昼食は蘭州牛肉拉麺を食べる、ここは店のバーコードをアプリで読んで金額を入力して支払をするスタイルでした。夕食は口コミで評価の高かった素食(肉を使わず野菜だけで調理された料理。日本でいう精進料理のようなもの)の専門店へ、店まではシェアサイクルで行きました。見た目は普通の肉料理なので野菜だけで出来ているところがすごい。支払はテーブルのバーコードを読み込んで完了。レジに行かなくていいので非常に楽です。 “キャッシュレス旅行はできるか?” の続きを読む