孫文「大アジア主義」講演100年を前に学習講演会

2024年は二つの100年が重なる記念すべき年です。神戸生まれの著名な作家・陳舜臣さん(1924~2015年)生誕100年と孫文が神戸で「大アジア主義」講演(1924年11月28日)を行って今年で100年となります。これを記念し、日中友好協会兵庫県連合会は学習講演会を3月23日午後、神戸市内で開催し40人が参加しました。安井三吉神戸大学名誉教授が「陳舜臣さん(生誕100年)の孫文像―『大アジア主義』講演100年を前に―」と題し講演しました。

安井教授は、陳さんがなぜ孫文に関心を高めていったのか、「近代を書くに至って、つねに孫文という大きなテーマに邂逅した。その周りを手さぐりで行きつ戻りつしたものである」と『青山一髪』あとがきに記しています。安井教授は、自身の仮説ではあるがと前置きし、「ある時期から陳舜臣さんは、孫文を非常に重視し、自らの理想を孫文に仮託して語るようになった。民族主義から世界主義へ、と」。そして、孫文の三民主義や神戸中華同文学校と梁啓超についても紹介しました。 陳舜臣さんは1924年2月18日神戸生まれ、国籍は日本(台湾)→中華民国→中華人民共和国→日本、と情勢の劇的な変化により国籍を変更したと思われます。大陸中国について陳さんは、「 『西行漫記』(「中国の赤い星」中国版)を読み中国共産党と毛主席のことをかなりくわしく知った。興奮をおさえることが出来ず、幾晩も眠れなかった」(「詩人教師毛主席」)と記している。台湾の2・28事件、台湾の民主化については年表を示し解説、1989年の天安門事件について陳さんは、一般商業紙や雑誌、華僑報で痛烈に批判している。

安井教授は最後に、陳舜臣さんが孫文への思いを表した言葉を紹介、「1924年に、孫文は北京に帰る途中、神戸に立ち寄って県立高等女学校で演説しているんです。ちょうど私が生まれた年、それも同じ神戸です。それで私には、孫文とは何か見えない縁で結ばれているような感じがあるんです。その時の演題は「大アジア主義」でした」。

「20世紀前半の話で、国家はそんなになかった時代に、『大同主義』『世界国家』を論じているのは理想論に感じる」「陳さんは天安門事件後、国籍を中華人民共和国から日本に移籍しているが、その後大陸へは行かれているのか」「孫文の『大アジア主義』は『大東亜共栄圏』と似ているように感じるがどうか」などの質問が会場からありました。

記念講演会「陳舜臣さん(生誕100年)の孫文像」

「大アジア主義」講演(1924年11月28日)100年を前に

孫文が神戸(現・兵庫県庁のあたり)の県立神戸高等女学校講堂で「大アジア主義」講演を行ってから今年11月28日で100年となります。また1924年は神戸の著名な作家・陳舜臣さん(1924~2015)が生まれた年でもあり、今年生誕100年でもあります。この記念すべき年にあたり、日中友好協会兵庫県連合会は孫文研究で著名な安井三吉神戸大学名誉教授を迎え、「陳舜臣さん(生誕100年)の孫文像―〔大アジア主義〕講演100年を前に―」をテーマに学習講演会を開催します。講演会はどなたでも参加頂けますのでお誘い合わせてご参加下さい。

日時:2024年3月23日(土)午後2時

場:神戸市立灘区文化センター5階E会議室(JR六甲道駅接続)

講師:安井三吉  神戸大学名誉教授

テーマ:陳舜臣さん(生誕100年)の孫文像―「大アジア主義」講演100年を前に―

参加協力費:500円

安井三吉先生プロフィール:1941年東京生まれ、東京大学文学部東洋史学科卒業。1972年東京大学大学院博士課程満期退学、神戸大学教養部講師、助教授、国際文化学部教授、2004年定年退官、名誉教授、孫文記念館館長・神戸華僑歴史博物館研究室長。専門は中国近現代史研究。

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax:078-412-2228 

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net 

梁啓超生誕150周年記念国際学術シンポジウム

梁啓超が託したメッセージを読みとる

今年(2023年)は近代中国の思想家・梁啓超(1873-1929)の生誕150周年にあたります。彼の長きにわたる日本での亡命生活のうち、約6年間の歳月は神戸で費やしました。孫文研究会はこの節目の時と彼とゆかりのある地にちなんで、国際学術シンポジウムを開催します。梁啓超の多方面にわたる言論は、人々が中国を、そして世界を観察し、思考する枠組みを大きく変えました。彼の残してくれた文章の中から、これまで注目されることが少なかったものを中心に、5人の報告者の皆さんと、梁啓超が託したメッセージを読み取ってゆきたいと思います。

日時:2023年11月25日(土)10:00~16:00

場所:孫文記念館ホール・オンラインZOOM併用

定員:30名(対面)

開会のあいさつ 石川禎浩京都大学教授

報告者

安 東強(中国・中山大学教授)

「民元康梁派国民党組織形態」(中国語)

川尻文彦(愛知県立大学教授)

「在日時期、梁啓超の社会主義認識」

森岡優紀国際日本文化研究センター日本学術振興会特別研究員

「痛恨と悔いの歴史叙述」

鐘 文博台湾・國紀念館研究員

「梁啓超遊台対日拠時期台湾士人之影響」(中国語)

黄  斌早稲田大学東アジア国際関係研究所招聘研究員

詳しくは添付チラシをご覧下さい。

主催:孫文記念館・孫文研究会

記念講演会「深読み『孫文と神戸を歩こう』」

協会西宮支部が総会記念講演会を開催

日中友好協会西宮支部は下記の日程で、最近刊行された「孫文と神戸を歩こう」を監修された安井三吉先生を招き記念講演会を開催します。協会員以外の方も参加できますのでお誘い合わせてご参加下さい。

日時:2023年9月10日(日)午後3時~4時30分(2:30~受付)

会場:西宮市立勤労会館 第8会議室

講演:安井三吉  神戸大学名誉教授、元孫文記念館館長

テーマ:深読み「孫文と神戸を歩こう」

参加無料 先着80名まで

*マスク着用でご参加下さい!

主催:日本中国友好協会西宮支部

お問い合わせ:0798-38-8081

孫文と神戸を歩こう!

孫文記念館がブックレットを発行

明石海峡を目の前に望み、海峡大橋のすぐ東側に建つ孫文記念館は「移情閣」と呼ばれ神戸の人々に親しまれています。孫文が1924年(大正13年)11月28日に県立神戸高等女学校講堂で「大アジア主義」講演を行ったことは有名です。来年は講演から100年目を迎えます。

この度、孫文記念館は「孫文と神戸を歩こう」というブックレット(44ページ)を発行しました。神戸での孫文の足跡や神戸の華僑について豊富な写真、新聞記事、地図、年表などをわかりやすい解説で紹介しています。巻末には「孫文・神戸・華僑」の地図があり、4ルートのおすすめ見学コースの紹介もあります。歩いて見学するためのガイドブックとして便利です。ブックレット巻頭に書かれた言葉を紹介します。

中国の革命家孫文が18回も神戸に来ています。日清戦争(1894ー95)から大正の終わりまでのおよそ30年の間のことです。

―ある時は準“国賓”として―革命の“元勲”の孫文

―ある時は清朝や袁世凱のお尋ね者として―“落人姿”の孫文

孫文だけではありません。

思想家として、政治家として、ジャーナリストとして、当時とても大きな影響力を発揮していた梁啓超は約6年間も須磨に滞在しながら活動していました。その師、康有為も辛亥革命の前後、須磨に居を構えていたのです。

彼らの神戸訪問、滞在には神戸の華僑、呉錦堂や王敬祥らが大きな役割を果たしていました。孫文らを迎えた当時の神戸の姿はどうだったのでしょうか?さあ、孫文と一緒に、歩きながら彼らの足跡と当時の神戸の街並みを確かめてみましょう。

ご希望の方は下記へご連絡下さい

「孫文と神戸を歩こう」頒価 300円(送料〒180円)

日中友好協会兵庫県連合会 Tel&Fax:078 -412 – 2228

孫文記念館 Tel.078- 783-7172 Fax.078- 785-3440 

地図でめぐる孫文と神戸、華僑ゆかりの地

孫文は1924年11月、神戸高等女学校で「大アジア主義」講演

辛亥革命(1911年)で清朝を倒し、アジアで初めての共和国が誕生しました。1912年1月、中華民国臨時政府が南京で成立し孫文が臨時大総統に就任(1月1日~4月1日)しました。孫文(1866年~1925年)は1895年~1924年の間に18回にわたり神戸を訪れたと言われています。1924年11月28日に県立神戸高等女学校講堂(現兵庫県庁1号館のあたり)で超満員の聴衆を前に「大アジア主義」講演を行っています。来年は孫文の神戸講演から100年となります。神戸には孫文・華僑ゆかりの地が数多くあります。地図を見ながら辿ってみると神戸での歴史、孫文の足跡がよりわかりやすくなるでしょう。更に詳しく知ろうと思われる方は孫文記念館、華僑歴史博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。(地図は孫文記念館・神戸華僑歴史博物館共作より)

孫文2019特別展・特別講演会

特別展「ひょうごの人々と近代中国」~ジャーナリスト 太田宇之助の見た中国と孫文~

11月2日は孫文の誕生日(1866年、広東生まれ)です。孫文記念館、孫文研究会、移情閣友の会の三者が共同して、市民の皆さんに孫文の生涯と活動をより広く、深く理解して頂こうと、毎年11月に「孫文月間」を催してきました。

今年は「ひょうごの人々と近代中国」をテーマに特別展を開催します。今回は姫路市出身で戦前の中国専門記者として活躍し、孫文とも深い縁があった太田宇之助が中国とともに歩んだ道のりを紹介します。特別講演では、太田宇之助を研究されている早稲田大学講師の島田大輔氏に、太田と中国・孫文とのつながりについて講演いただく予定です。(公財・孫中山記念会)(PDF版はこちら

「特別展期間」:2019年11月2日(土)~12月1日(日)

会場:孫文記念館(10時~17時、JR・山陽舞子駅南へ)

入館料:一般300円、70歳以上200円、高校生以下無料

「特別講演会」日時:11月3日(日)14:00~16:00

会場:孫文記念館(JR/山陽舞子駅下車南へ、舞子公園内)

講師:島田大輔(早稲田大学社会科学総合学術院講師)

「忘れられた稀代の中国通ジャーナリスト―太田宇之助と日中友好の夢―」

参加申込み(締切10月28日)、入館料が必要です

主催:公益財団法人 孫中山記念会

共催:孫文研究会 移情閣友の会

連絡先:☎078-783-7172

孫文「大アジア主義」講演を南京で授業する

日中間に架橋し、東アジアの平和をめざすシンポジウム

この度、村井俊之さん(県立高校教員)が、歴史教育者協議会日中交流委員会の委員として南京第一中学で、孫文の講演「大アジア主義」から読み取れることは何か、をテーマに授業しました。今回、その様子を詳しく報告頂けることになりました。

さらに、永井章夫さんと上野祐一良さんからのコメントを口火にフロアーも含めて、日中交流の意義を見つめ、東アジアの平和をめざす授業づくりを考え合いたいとシンポジウムを企画しました。

写真上:1924年11月28日、神戸高等女学校講堂で講演する孫文(右)、写真下:村井俊之さんが授業を行った南京第一中学(日本の中高一貫校にあたる)

日時:2019年6月30日(日)13:30~16:00

会場:神戸市勤労会館 美術室(JR三宮駅東)

内容:①基調報告 村井俊之さん(県立高校教員)

   歴史教育者協議会日中交流委員による南京での授業

   ―孫文による「大アジア主義」から読み取れることは何か

   ②質疑応答

   永井章夫さん(高校教員・甲南女子大学非常勤講師)

   上野祐一良さん(日中友好協会・兵庫歴史教育者協議会)

参加費:500円(学生無料)

連絡先:090-9985-6954(稲次)

E-mail:h_rekkyo2009@yahoo.co.jp

孫文2018特別展&特別講演会

日本の孫文・宋慶齢ゆかりのミュージアム展

11月12日は孫文の誕生日(1866年、中国広東生まれ)です。市民の皆さまに孫文の生涯と活動をより広く、深く理解して頂こうと、孫文記念館、孫文研究会、移情閣友の会が共同して毎年11月に「孫文月間」を催してきました。今年は兵庫県政150年・日中平和友好条約締結40周年にあたります。

この年に、孫文記念館では、孫文と縁の深い日本の記念施設などを特別展で紹介します。特別講演会では「孫文と日本のつながり」、また特別展と連動して「日本各地の孫文ゆかりの施設」を紹介する予定です。

「特別展」日本の孫文・宋慶齢ゆかりのミュージアム展

  • 期間:11月1日(木)~12月2日(日)10:00~17:00
  • 会場:孫文記念館(JR舞子駅、山陽電鉄舞子公園駅より徒歩5~10分)
  • 入場料:一般300円、70歳以上200円、高校生以下無料

「特別講演会」―孫文・宋慶齢を支援した日本の人々

  • 日時:11月28日(水)13:45~16:45
  • 会場:兵庫県公館(地下鉄県庁前駅より5分、JR・阪神元町駅より徒歩
  • 10分)
  • 講師:安井三吉神戸大学名誉教授・孫文記念館名誉館長
  • テーマ:孫文と日本―「広東暴徒」・「辛亥元勲」・「王道覇道」 

参加無料・事前申し込みが必要です Fax:078-785-3440

E-mail: sunwen150@gmail.com 電話での申し込みは出来ません

主催:孫文記念館(移情閣)☎078-783-7172

共催:孫文研究会、移情閣友の会