米中貿易戦争は世界と日本に何をもたらすか

協会姫路支部が総会と記念講演会を企画

 自由競争、自由貿易の旗手を標榜してきた米国は、「自国の貿易赤字の内47%が対中貿易だ」として、極端な保護主義へ転換しました。未曾有の規模での高関税を仕掛け、「貿易戦争」と呼ばれます。その結果は中国からの輸入と赤字は逆に増え、米国民には物価値上がりで負担増を押しつけています。

 一方で、中国のハイテク企業「フアーイ」を敵視し、国際的圧力で締め上げています。トランプの思惑はどこにあるのか、中国の対応と今後の世界、そして日本への影響などについて国際経済学者が解明します。二部の講演会はどなたでも参加できます、お誘い合わせてご参加下さい。

日時:2019年5月25日(土)

   一部:支部総会  13時~14時

   二部:記念講演  14時15分~16時

記念講演 講師:山本恒人 大阪経済大学名誉教授

講演テーマ:米中貿易戦争は世界と日本に何をもたらすか

会場:県立姫路労働会館2階  第3会議室(姫路市北条)

会費:500円(記念講演・資料代) 協会員は無料

主催:日本中国友好協会姫路支部

Tel&Fax:(079)284-1307(澤野)

E-mail:k-kounin@iris.eonet.ne.jp

第17回「漢詩を読む会」

6月のテーマは蘇軾「雨も亦た奇なり」

うっとうしい梅雨の季節になりますが、発想を転換して雨の日の良さを詠った漢詩を読んでいきます。白楽天も雨の日の花の美しさを詠んでいますが、蘇軾が杭州の名勝西湖の雨の美しさを詠んだ詩を紹介し、なんとそれがあの松尾芭蕉の「奥の細道」にも利用されていることをお話しします。

日時:2019年6月8日(土)午後2時~

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

講師:丹羽博之  大手前大学総合文化学部教授

資料代:1,000円

お申し込み・お問い合わせ

Tel&Fax:(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

日本中国友好協会兵庫県連合会「漢詩を読む会」

「廠窖大虐殺」事件から76年

太平洋戦争期最大の虐殺事件

日本軍の侵略、占領に抵抗する中国軍を殲滅

1943年5月、当時、中国を侵略していた支那派遣軍第11軍(司令官・横山勇中将)は、揚子江(現・長江)の輸送力強化とこの地一帯で動きを活発化する中国国民党野戦軍を撃滅することを目的に江北殲滅作戦に続き、江南殲滅作戦(4月下旬~6月初旬)を開始。

避難住民、敗残兵虐殺事件は第1期作戦中に起こった

湖南省北部の洞庭湖北西に位置し、三方を水に囲まれた廠窖(現・南県廠窖鎮)の方向に向け、日本軍は敗走する国民党軍を追跡し独立混声第17旅団、第3師団、戸田・小柴・針谷の3支隊が南県へ侵攻。避難民や敗残兵が集中する廠窖(東京の山手線内側より少し狭い面積)へ約3000名の日本兵が入り空・陸・湖、河川の三方から無差別攻撃、5月9日~11日の3日間で3万人余が犠牲に、その殆どが避難してきた民間人であったと報じられている。

廠窖は内陸の辺鄙でのどかな農村地帯

廠窖は当時、漢壽県に属し正式な地名ではなく地元住民が言い伝えてきた呼び名であった。湖沼、河川が多く住民の多くは、淡水魚漁や米、野菜、綿花栽培などの農魚業で生計を立てていた。廠窖は南京、重慶、上海などと違い辺鄙な農村で、外国の駐在機関や報道機関もなく、住民の目撃証言か被害者の身体に残る傷跡と記憶、地中に埋まった犠牲者の遺骨が事件を証明する手段となっている。軍事裁判への提訴を計画したが、その後の国共内戦、新中国建国に伴う国情の変化が続き、裏付け調査、資料収集、被害証言の聞き取りなど提訴に必要な資料作成が間に合わなかったと言われている。日本はじめ世界、中国国内でも事件については殆んど知られていなかった。(写真上は遺骨発掘作業、廠窖惨案紀念館所蔵、下は千人坑に立つ事件目撃者の全伯安さん。この地は当時池があった所で、下に遺骨が埋葬されている。)

事件から1か月後、長沙の新聞記者が現地取材し惨状を報道

残虐な虐殺事件を長沙の新聞記者が1か月後に現地取材し報道している。省都長沙の陣中日報・国民日報・力報・国民党政府中央社などの記者が事件の惨状を克明に報道している。1943年6月初旬に取材した陣中日報の袁琴心記者は6月6日付紙面に「河の両岸に焼け焦げた舟が、まるで干し魚のように並んでいて見るに忍びなかった。河の中の死体は、船が通れないほどだった。少し動くだけで、前後左右から死体が出てくる。腐乱したどろっとした肉は、舟の周りに貼りつく。埋められた死体は、数十人或いは百人余りが一つの穴に埋められ、それは至る所にあった。通りかかると臭気が漂い、骨が雨水に流され外に表れている。本当に悲惨だ」と報道している。(写真は、日本軍部隊の南県侵攻を伝える民国32年5月11日付の中央日報、廠窖惨案紀念館所蔵、民国32年は西暦1943年)

被害者・郭鹿萍さんは語る「心の痛みは表現できない」

1943年5月9日、村にやって来た日本兵に他の避難者とともに避難先で捕まり数珠つなぎにされ銃剣で腹など数か所を刺されて意識を失った地元住民の郭鹿萍さん(1925年生まれ)は、翌日の夕方意識が戻り、近くの畑まで這って身を隠し、そら豆の葉に溜まった水滴を舐めて2日間じっと耐え助けられたという。「当時は、河・池・家の周辺はどこも目の向く所は惨状ばかりで、70年以上経った今も目の前に浮かんで、心の痛みは表現できません」と語ります。当時の惨状は多くの目撃者、被害者が証言しています。廠窖事件から今年5月で76年が経ちました。侵略戦争の実態を知り、二度とこのような悲惨なことを起こさせないために今やるべきことは「戦争へとつながる道」を阻止することではないだろうか。(写真中央:銃剣で刺された傷跡を見せて証言する郭鹿萍さん。2014年12月19日、廠窖惨案紀念館にて筆者撮影)

中国安徽省の景勝地、世界遺産「黄山」

黄山を見ずして、山を見たというなかれ

世界遺産の黄山は中国安徽省にある景勝地、仙人が住む世界(仙境)を思わせる景観で古代より「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と言われ、数多くの文人が憧れ、水墨画や漢詩の題材となっています。

黄山の山々は古生代にできたもので、氷河や風雨の繰り返しにより岩石が侵食され断崖絶壁の景観ができたと言われています。海からの湿った空気の流れ込みにより峰々に漂い大量の霧や雲を発生させています。三主峰と呼ばれる蓮花峰、光明頂、天都峰の他69の峰があります。

「黄山松」は、岩の割れ目に根を張り、その強い生命力が尊ばれています。黄山には怪石・雲海・奇松に温泉を加えた「黄山の四絶」と称され「天下の名勝、黄山に集まる」と言われています(1990年世界遺産に登録、Wikipediaより抜粋)。9月のツアーでは山頂まで雲谷ロープウエーで上り、山頂付近をハイキング、光明頂・東海門・大王松・連理松など山頂の絶景を見学します。

2019年中国北京世界園芸博覧会開幕

「緑色生活  美麗家園」―EXPO  2019  BEIJING

2019年4月29日、北京国際園芸博覧会が北京市延慶区で開幕しました。中国政府は、28日に開幕式を開催し習近平国家主席が開会あいさつしました。博覧会のテーマは「緑色生活 美麗家園」(緑の生活、より良い生活)。

開催期間は、2019年4月29日~10月7日までの162日間。会場は、北京市の中心部から北西に74Kmの延慶区、会場面積は960ha、期間中内外合わせて1,600万人の入場者を目標としています。参加国は日本を含む110の国、国際組織。中国での国際園芸博覧会は雲南省昆明で1999年に開催以来20年目となります。

5月の中国茶は台湾茶飲み比べ

各種共通点ある台湾茶の飲み比べ

同じお茶でも春茶と冬茶、製法の違い、茶葉の品質により味わいも価格も大きく異なります。烏龍茶を中心に、各種共通点のある台湾茶を飲み比べます。初めての方にもお楽しみ頂ける内容です。お気軽にお申込み下さい。

日時:2019年5月15日(水)午後1:30~3:00

会場:日中友好協会「会議室」(阪急岡本駅西へ1分)

講師:高級茶芸師 高級評茶員 神田貴子さん

参加費:1,000円(茶菓子・お土産付)定員:15人(申込み順)

主催:日中友好協会兵庫県連「中国茶講座」

お問い合わせ、お申し込みは下記へ

Tel&Fax:(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

水に映る自然、古民居が美しい「宏村」

「画里郷村」と呼ばれる景観の宏村

安徽省黄山市宏村は、黟県の東北部にあり、この村を空から見ると牛の形をしています。湖が大へん美しい村として知られ、南湖春暁・書院誦読・月沼風荷など風光明媚な地が数多くあります。

特に、湖に映し出された古民居や自然が美しく、画材やスケッチブックを持った人を多く見かけます。その光景から「画里郷村」とも呼ばれています。

宏村には明・清時代の古民居が140余りあり、古い町並みはそのまま保存されています。2000年11月に世界文化遺産に登録され多くの観光客が訪れています。今年9月の黄山ツアー3日目にこの地を訪れ、宏村内の歴史ある貴重な十三楼で農家料理の昼食を予定しています。(写真は百度百科より)

蘇軾の「春夜」を読む

白楽天を敬慕していた蘇軾

蘇軾(1036~1101)は白楽天(772~846)を敬慕していた、彼の号「東坡」は白詩(白楽天の詩)による。白楽天は忠州の刺史(知事)のとき、東の土手に好きな花を植えたことから。4月の「漢詩を読む会」は、丹羽博之大手前大学教授の解説で蘇軾の「春夜」を中心に読みました。(写真上:4月20日の漢詩を読む会)

蘇軾の「春夜」は起句「春宵一刻直千金」が素晴らしい。「春眠不覚暁」「国破山河在」など起句が素晴らしいとその絶句は成功と丹羽教授は語ります。東坡肉(豚の角煮:トンポーロー)は彼の号が由来で、彼が発明した料理とも言われています。

武島羽衣作詞、滝廉太郎作曲「花」の歌詞3番に「錦おりなす長堤に くるればのぼるおぼろ月 げに一刻も千金の・・・」と、日本の歌にも取り入れられています。

「春夜」蘇軾

春宵一刻直千金 花有清香月有陰

歌管楼台声細細 鞦韆院落夜沈沈 (鞦韆はブランコ、管は管楽器)

「春夜」の他に蘇軾の「食猪肉」「三月二十九日」についても丹羽博之先生の解説で読みました。「食猪肉」には、値段は土のように安いのに、金持ちは食いたがらないし、貧乏人は調理法を知らないと。蘇軾が考案したという東坡肉の作り方が書かれていてたいへん興味深い。(猪は豚のこと)

「漢詩を読む会」次回は6月8日(土)午後2時~開催します。

首相の「真榊」奉納に協会本部が抗議文送る

安倍首相による靖国神社への真榊奉納に抗議する

 靖国神社の春季例大祭にあたる21日、安倍晋三首相が「内閣総理大臣」の肩書で靖国神社に真榊を奉納したと報道された。安倍首相の靖国神社への真榊の奉納は、昨年10月の秋季例大祭に続くもので、春秋の例大祭での真榊奉納と終戦記念日の玉串料奉納が毎年繰り返されている。

 靖国神社は、侵略戦争に国民を動員する精神的支柱となり、いまもまた、侵略戦争を全面的に美化し宣伝する施設となっている。この靖国神社への首相の供物の奉納が常態化していることに対し、強く抗議する。

 政教分離を定めた憲法にも違反する靖国神社への供物の奉納は、安倍首相が侵略戦争を美化し、「大東亜戦争聖戦論」の立場に立つことを、あらためて内外に示すものとなっている。

 日本中国友好協会は、安倍首相の靖国神社春季例大祭での真榊の奉納に強く抗議するとともに、侵略戦争の正当化をただちに改め、国際社会が共有する歴史認識のもとに、アジアの平和と安定のために力を注ぐことを強く求めるものである。

2019年4月22日

日本中国友好協会(会長 大村新一郎)

数百年の歴史ある建物が並ぶ商業街

黄山のふもと安徽省黄山市の「屯渓老街」

黄山のふもとに「屯渓老街」という商店街があります。長さ約830m、幅が5mから8m程度、歴史を感じさせる通りに南宋から明、清時代の建築様式の建物が約300程そのまま保存されており観光客に人気で、賑わっています。

この老街には、水墨画や美術品、手工芸品、お茶などを扱う店が軒を連ねています。建物は煉瓦と木材で造られており殆んどが2階か3階建てで1階の殆んどは店舗となっていて黄山土産が数多く並べられ観光に訪れた人々を楽しませています。9月の黄山ツアー3日目の夕食後に散策を予定しています。