中国「新疆問題」とは何か

ウイグル報道とその内側を探る

中国は、香港の「一国二制度」を反故にし、人権を抑圧。台湾を威圧、南シナ海や東シナ海で領土拡張行為をエスカレートしています。

米国は、トランプを退陣させ、バイデンに代わりましたが、ますます反中国シフトを世界戦略の中心に据え、「覇権主義」「人権抑圧」に立ち向かう「自由正義の味方」のフリをして反中国包囲網づくりに躍起です。

古来「シルクロード」で知られる「新疆ウイグル自治区」で、多くのウイグル族が虐待を受け、「ジェノサイド」「強制労働」が行われているという説も流れます。現地の情報が充分に得られない状況の下で、資料を駆使して「強制労働」の実態を明らかにされたのが、丸川知雄さん(東京大学社会科学研究所教授・ドイツ・ベルリン自由大学客員教授)です。発表されたレポートも紹介しながら、新疆における中国政府の行動と実態の一部を解明します。

日時:2021年7月10日(土)14:30~16:00

会場:姫路ひがし交流センター 2F多目的室

電話:079-222-3625

講師:奥野有造さん(日中友好協会兵庫県連合会理事)

参加費:500円(資料代)協会員は無料

※マスク着用でご参加下さい。会場で、手指消毒、検温

主催:日本中国友好協会姫路支部

連絡先:090-8528-8374(河野)、090-3494-0247(澤野)

パンダのタンタン(旦旦)を語る会

「タンタン」を語ろう、タンタンに愛をこめて!

神戸・王子動物園の人気者ジャイアントパンダの「タンタン(旦旦)は中国からの貸与期限が7月15日に迫り、中国へ返還されることが決まっています。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で返還日程は確定しておらず、今も同園で見ることはできるが輸送のメドが付き次第、1か月程度の検疫期間を経て中国へ返還されることとなります。

この度、中国駐大阪総領事館、神戸市立王子動物園、中国パンダ保護研究センターの共催で「タンタン」を語る会が計画されています。Zoomによるウエブ会議で、参加申込み方法は、後日Peatixに登録したメールアドレス宛に連絡されます。

「申込方法」下記のURLからエントリーして下さい。

https://talkabout-panda-tantan.peatix.com

「申込期限」6月6日(日)23時55分まで

「開催時期」2,021年6月10日(木)15:30~17:00

参加人数:1,500人を上限に

主催:中華人民共和国駐大阪総領事館

共催:神戸市立王子動物園

   中華人民共和国ジャイアントパンダ保護研究センター

中国の古典音楽

伝統音楽は3層構造に分かれていた

20世紀の初めまで、中国の伝統音楽は、「正楽」として君主層の廟堂音楽(雅楽)・宮廷音楽、士大夫層の文人音楽・芸術音楽、「俗楽」として庶民層の民間音楽・芸能音楽という3層構造に分かれていました。近代の中国革命後は正楽と俗楽という儒教的価値観による区分はなくなり、「俗楽」も伝統音楽として芸術的価値を評価されるようになりました。

中国の民間音楽は、時代や地域ごとに豊かな特色を持っています。代表的な楽器の一つである胡琴では、無名の芸人たちは、その地域の方言による歌声の音色に合うよう、楽器の材料や音高、音色、奏法などを様々に工夫してきました。京劇の音楽で使われる京胡は甲高い歌声に合わせた力強い高音が出るが、江南地方など南方の民謡の伴奏で使われる南胡は穏やかな歌声にあった優しい中音域が出るなど同じ胡琴でも様々であった。現在、中国の国内外で最も普及している「二胡」は、20世紀半ばに江南系の南胡をベースとして改良を加えて完成した伝統楽器です。

一般的に、伝統的な民間音楽は5種類に大別されています。

1.民間歌曲   2.民間歌舞音楽  3.民間器楽  4.説唱音楽(曲芸) 5.戯曲音楽 これら5種類の民間音楽は音楽の風格やメロディー、リズム、使用楽器の種類や奏法などが大きく異なります。(中国百科検定公式テキスト「中国百科」より)

「少年老い易く学成り難し」の作者は誰か

6月の「漢詩を読む会」は―少年易老学難成―の作者について丹羽博之大手前大学教授が講義します

昔学校の漢文で朱子の「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」を習った人は多い。しかし、今では朱子の作ではないというのが定説です。朱子に仮託された日本人の偽作というのです。他方、この「少年老い易く」の詩は日本統治下の朝鮮半島でも広まり、朝鮮語の「勧学歌」(恐らく日本の役人の作)にも利用され、21世紀のソウルの駅にも掲げてあったことなども紹介して頂きます。

日時:2021年6月19日(土)午後2時30分~4時

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」(阪急岡本駅西すぐ)

講師:丹羽博之  大手前大学総合文化学部教授

資料代:1,000円  マスク着用でご参加下さい

定員:15人 事前に下記へご予約下さい

日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax: 078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

現代中国問題学習会

中国の夢―経済、人権、民主主義

****中国の今とこれから****

新たな経済発展を目指す中国ですが、アメリカとの貿易摩擦、軍事的緊張は続いています。

一方、香港、ウイグル問題をめぐる西側諸国からの懸念、批判もあります。今年3月に開かれた「全人代」を受けた習近平政権は、どういう政策でどう進もうとしているのか?中国経済に詳しい井手啓二先生を迎えて学習講演会を開きます。

日時:2021年6月5日(土)午後2時~4時

会場:東灘区文化センター9階多目的ホール(JR住吉駅すぐ)

講師:井手啓二 長崎大学・立命館大学名誉教授

参加協力費:500円

主催:日本中国友好協会東神戸支部

連絡先:Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:sps98㎏9@kobe.zaq.jp

写真は中国広東省深圳市

梶谷懐教授と学ぶ「幸福な監視国家・中国」2回シリーズ

第1回 コロナ禍を「封じ込めた」中国~人民戦争か、市民社会か~(仮題)

武漢から始まったコロナ禍、それを「抑え込んだ」中国の監視社会と功利主義について学びます。日本でも菅内閣が今国会にデジタル関連法案を提出しました。梶谷教授が名付けた「幸福な監視国家・中国」の「幸福」の意味を知ることを第1歩に学習します。今回は先着50名限りの参加とします。

日時:2021年5月29日(土)14時~16時30分(開場は30分前)

会場:神戸市勤労会館4階405/406号室

講師:梶谷懐 神戸大学大学院経済学研究科教授

専門は現代中国の財政・金融

先着50名(定員120名の会場ですがコロナ感染防止のため)

マスク着用、検温、アルコール消毒、3密回避で開催

資料代:1,000円 障害者・18歳以下は500円

主催:神戸芝居カーニバル実行委員会

問い合わせと申込み:090-1914-4907(中島さん)

茶葉を押し固めて作る「緊圧茶」

緊圧茶の歴史を学び、4種の茶を味わう

4月21日開催の中国茶講座はコロナ拡大が進む中でしたが、11人が参加し、「緊圧茶」について学び、試飲しました。神田貴子講師によれば、「緊圧茶」は茶葉を押し固めて作り、主にプーアル茶などの黒茶で作られていましたが、近年は中国各地で様々なお茶の緊圧茶が作られるようになり、ここ10年ほど緊圧茶ブームの様相を呈しているそうです。21日の講座ではプーアル茶以外の緊圧茶が紹介されました。

緊圧茶の歴史を学び、本日の銘茶として、餅干白茶寿眉(福建省鼎市)、漳平水仙(福建省龍岩市漳市)、大紅袍茶磚(福建省武夷山市)、安化黒磚茶(湖南省益陽市安化県)の特徴、味、色、香りなどの特徴について説明を聞きながら味わいました。「中国茶講座」5月は休講し、6月開催は新型コロナ感染拡大状況により判断し決めることになりました。

中国憲法・「公民」の基本的権利と義務

「公民」と「人民」について

中国憲法は、第2章で「公民」の基本的権利と義務を定めている。2004年の改正までは「人権」という用語はなかった。ここにいう「公民」とは、中国という政治社会の一員であって、そのことにより憲法が定める権利の主体となるという考え方に基づいている。日本国憲法において国民の権利とされるものは、国籍が重要な要件となる場合を除いては、日本国籍を有する者に限られないと解されている。それは日本国憲法が人権という考え方を基礎としているからである。

中国憲法33条は中華人民共和国国籍を有する人を「公民」としているので国民と訳すこともできる。国家の一員であって初めて権利の主体となることが合意されているので、市民という訳も可能である。どう訳しても説明が必要な言葉である。

中華人民共和国国籍を有する人の集合を「公民」とすると、その大部分は「人民」であり、それ以外に少数ではあるが「人民の敵」となる人々がいるというのが中国の法や政治の発想である。憲法1条に言う人民民主独裁と言う時の「人民」や、憲法2条が「中華人民共和国の一切の権力は、人民に属する」と言う時の「人民」はこれである。

人民民主独裁とは、「工人階級」(労働者階級)が指導し、「工農同盟」(労農同盟)を基礎とする政治原理である。「人民」とは労働者階級や農民階級に属する人々からなる。農民は、人民の中の指導階級ではなく、指導階級たる労働者の同盟者であるという扱いであり、かつては農村部と都市部とでは1票の価値は、前者の方が低く設定されていた。現行の選挙法では1票の価値は同等に設定されている。今日では、知識人や企業家も労働者階級に準じて扱われるし、利子・配当・家賃収入がある人も含まれるので人民の範囲は広い。(中国百科及び同増補分新版より、図は百度図片)

菅首相による靖国神社への真榊奉納に抗議する

日本中国友好協会本部は、4月21日に菅首相が靖国神社の春季例大祭に合わせ真榊を奉納したことに対し抗議文を首相宛てに送付しました。以下は送付した抗議文です。

内閣総理大臣 菅義偉殿

菅首相による靖国神社への真榊奉納に抗議する

靖国神社の春季例大祭にあたる21日、菅義偉首相は「内閣総理大臣」の肩書で靖国神社に真榊を奉納した。菅首相の靖国神社への供物の奉納は、昨年10月の同神社秋季例大祭時に続くものであり、首相による春秋の例大祭での真榊奉納と終戦記念日の玉串料奉納が毎年繰り返されている。

靖国神社は侵略戦争に国民を動員する精神的な支柱であっただけでなく、A級戦犯を合祀し、侵略戦争を美化・正当化し宣伝する施設となっている。政教分離を定めた憲法に違反する行為は、国を代表する首相が侵略戦争を正当化し、「大東亜戦争聖戦論」の立場に立つことを内外に示し、日本が再び軍国主義の道を歩むのではないかとの国際的な疑念を生じさせるものである。

さらに、菅首相とバイデン米大統領が16日(日本時間17日)に発表した共同声明で台湾問題に言及したことで、中国政府の「ひとつの中国」の立場を尊重してきた日本の基本的な立場への疑念が生じ、台湾海峡の軍事的な対立をあおる懸念が強まっている中で、靖国神社への真榊奉納が日中両国間の信頼関係を大きく損なうことを強く危惧する。

日本中国友好協会は、侵略戦争の美化・正当化と宣伝につながる靖国神社への真榊の奉納と参拝に強く抗議するとともに、国際社会が共有する歴史認識を重視し、日中平和友好条約をはじめとした日中両政府間で確認された精神のもとに、アジアと世界の平和と安定のために平和国家としての役割を果たすことを日本政府に強く求めるものである。

2021年4月22日

日本中国友好協会(会長 井上久士)

王維「田園楽」と孟浩然「春暁」を読む

唐代の自然派詩人としての王維と孟浩然

王維(699~759)、太原(山西省)の人、子供の頃から聡明をうたわれ十代で既に詩人として名を成していたことが知られている。二十一歳の若さで進士に及第。役人となった王維は気の合った友人たちと「半官半隠」の閑適の暮らしを楽しんだ。安禄山の乱により賊軍に捕まり無理やり官につけられたことが乱平定後問題となり官位を下げられたが尚書右丞(書記官長)まで進んだ。熱心な仏教信者で字を摩詰という。

「田園楽」王維 六言絶句

桃紅復含宿雨 桃は紅にして復た宿雨を含み

栁緑更帶春煙 柳は緑にして更に春煙を帯ぶ

花落家僮未掃 花落ちて家僮未だ掃わず

鶯啼山客猶眠 鶯啼いて山客猶お眠る

形式は六言絶句。これにならった詩はいくつかあるが、一般的な形式にならなかったのは、中国人のリズム感覚の中で、六言は五言や七言に比べて落ち着きが悪かったからと思われる。(石川忠久漢詩鑑賞事典より)

孟浩然(689~740)、湖北省襄陽の人、科挙に及第できず各地を放浪したり、襄陽郊外の鹿門山に隠棲していたりという生活をしていた。四十歳ころ都へ出て、王維や張九齢らと親交を結んだ。唐代の自然派詩人として王維とともに「王孟」と並称される。

「春暁」孟浩然 五言絶句

春眠不覚暁 春眠暁を覚えず

処処聞啼鳥 処処啼鳥を聞く

夜来風雨声 夜来風雨の声

花落知多少 花落つること知んぬ多少ぞ

次回「漢詩を読む会」は2021年6月19日(土)午後2:30~