南京大虐殺事件から83年

従軍兵士が撮った写真に南京の惨状が

南京事件から83年目にあたる12月13日、中国政府主催の「南京大屠殺死難者国家公祭儀式」が南京市で行われ約3000人が出席、陳希中央政治局委員が追悼スピーチを行いました。(写真は南京市で行われた国家公祭儀式)

中国大陸を2年半にわたり転戦してきた村瀬守保さん(1909年~1988年)は、1937年7月に召集され、カメラ2台を持って、所属中隊全員の写真を撮ることで、中隊の非公式写真班として認められ、約3千枚の写真を撮影しています。天津、北京、上海、南京、徐州、漢口、山西省、ハルピンと中国各地を第一戦部隊の後を追って転戦した村瀬さんの写真には南京の写真もあり、中国を侵略した日本軍の足跡そのものであり、南京虐殺、「慰安所」、日常的な加害行為など決して否定することの出来ない侵略の事実が映し出されています。(写真は、村瀬守保写真集「私の従軍中国戦線」より

1937年12月、日本軍は中国の首都・南京の攻略戦で、投降した中国軍兵士や一般の市民、難民に対して虐殺を行いました。日本軍による中国人虐殺は20万人に及びます。中国はユネスコに南京の資料を世界記憶遺産として登録申請し、2015年10月10日に登録が発表されました。今年はこの南京大虐殺事件から83年目にあたります。(写真上:虐殺されたのち薪を積んで、油をかけられ焼かれた死体を見る日本軍兵士、中:工兵隊が死体に鈎を引っ掛けて、沖へ流す作業をしていた、下:日本軍の砲爆撃により突破口をあけられた中山門の城壁、ここから第十六師団の将兵が怒涛の如く南京市内へ突入した)。

中国百科検定に向け「中国を知る学習会」

第9回「中国百科検定」は2021年3月20日、兵庫県民会館で実施

第8回「中国百科検定は11月29日に全国20か所で行われ、165人が受験しました。第9回検定は2021年3月20日(土・祝)に実施されます。受験申込みは12月1日~2021年2月20日までとなっています。協会兵庫県連合会は、第9回検定を神戸市中央区の「兵庫県民会館」で実施します。検定に向け、中国を正しく知る機会として、2021年1月より連続5回の「中国を知る学習会」を開催します。検定を受験しない方ももちろん参加できます。

緊急事態宣言発出により「中国を知る学習会」は中止しています。改めて日程はお知らせします。

  • 1月13日は27日に延期しました。

会場:日中友好協会兵庫県連会議室

講師:前田清  日中友好協会兵庫県連会長

資料代:200円 マスク着用でご参加下さい!感染防止対策をして開催します。

百科検定の受験申込み・リーフレットは下記へご請求下さい!

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228

E-mail : okmt50@nicchu-hyogokenren.net

学習講演会「ポストコロナの世界と中国」

覇権か国際協調か・米大統領選後の米中新冷戦の行方

コロナ禍を克服した中国・国家と社会の役割が鮮明、世界が注視する香港・台湾・少数民族自治問題などについて山本恒人大阪経済大学名誉教授の講演を聞き学習します。どなたでも参加できますのでお誘い合わせてご参加下さい。

日時:2020年12月13日(日)午後2時~4時30分

会場:東播磨生活創造センター(かこむ)1F講座研修室

(JR加古川駅南を南東へ徒歩5~6分、県加古川総合庁舎)

講師:山本恒人大阪経済大学名誉教授、協会大阪府連副会長

資料代:500円 マスク着用でご参加お願いします

主催:日本中国友好協会加古川支部

連絡先:090-8753-5972(前田)

第43回兵庫の「語りつごう戦争」展

「戦争を遂行する文化」テーマに資料展示

今年で43回目となる兵庫の「語りつごう戦争」展が12月6日から神戸市兵庫区の妙法華院で始まりました。今年の展示テーマは「戦争を遂行する文化」で、会場には戦時中の厳しい統制の下、当時の状況を反映した雑誌や写真、戦時生活の様子がわかる現物資料などが多数展示されています。また中国を侵略した日本が中国大陸で行った太平洋戦争期最大の虐殺事件「廠窖住民大虐殺」の資料や写真、さらに大陸で日本企業が、軍隊の威を借り、中国の地下資源略奪、軍事要塞の構築などに強制連行され、強制労働を強いられ命を落とした中国人労工がゴミのように捨てられ、また生き埋めにされ、その遺骨が今に残る「万人坑」の写真なども展示しています。更に高校生が書いた作品を含め、沢山の平和色紙も同会場に展示されています。

「戦争体験を聞く集い」が6日午後、同会場で開催され市民20人が参加しました。この日は、姫路海軍航空隊鶉野基地―通称「鶉野飛行場」工事事務所に勤務して―と題し当時の体験を話す予定の藤原昭三さん(91歳)が、コロナ感染拡大の中、高齢でもあり、安全を考えご本人は来場せず、藤原さんがまとめた14ページにわたる記録を実行委員会代表を務める上野祐一良さんが代読し紹介しました。また、飛行場跡近郊の北条高校に勤務する稲次寛さんが、生徒と共に藤原さんから聞いた体験や、今に残る戦跡について高校生が課外活動として小学生に伝える活動を行っていることなどを紹介しました。戦争体験談は、12月8日を除き戦争展開催中は毎日午後1時30分から妙法華院3階会議室で開催されます。

生演奏は素晴らしい!「日中友好・夢コンサート」

すごい迫力と繊細さに魅了された!

11月28日午後、日中友好協会東神戸支部主催の「日中友好・夢コンサート」が開催され、多数の市民が参加しました。出演は、モンゴル民謡歌手で音楽プロデューサーも務める内モンゴル自治区出身の劉偉さん、ピアノ伴奏と津軽三味線奏者の久保比呂誌さん、パワフルな歌声で、世界で活躍する星千尋さんの3人。

参加者は、日本の歌、中国の音楽、ジャズやルンバなど多彩な歌と音楽で優雅なひとときを楽しんでいました。星千尋さんのしっとりとした歌からパワフルな歌、劉偉さんとのデュエットなどその素晴らしい歌声に魅了されました。また久保さんの津軽三味線オリジナル演奏は会場全体が引き込まれる素晴らしいものでした。最後に、童謡「紅葉」の合唱で終了しました。

参加者からは、「生演奏の素晴らしさを久しぶりに味わった」「すごい迫力と繊細さに魅了された」「予想以上の内容でした」「コロナの中でこそ音楽の魅力を伝えたい」などの感想が寄せられました。(日中友好新聞東神戸版より)

第6回「中国残留日本人への理解を深める集い」

残留孤児の半生朗読と二世、三世が親たちの人生を語る

11月28日(土)午後、尼崎市内で第6回「中国残留日本人への理解を深める集い」が開催され約150人が参加しました。尼崎市が主催し、委託事業団体「コスモスの会」(宗景正代表)が企画・実行しました。初めに、稲村和美尼崎市長が開会あいさつし、朗読グループ「ま・どんな」のメンバー3人が、中国「残留孤児」宮島満子さん(84歳、尼崎市在住、長野県出身)が1938年、3歳の時、長野から一家11人で中国東北の東安省密山県へ開拓団として入植し、戦後40年も経ってから帰国した頃までの半生を証言を基に朗読しました。

ソ連が「満州」へ侵攻し、父親はソ連兵に連行されたまま戻らず、残された家族が開拓団からの指示で、ソ連機の銃撃の下、地獄の逃避行へ、その途中で兄弟は次々亡くなり、奉天まで来て、臨時の収容所となっている小学校で母親も飢えと寒さで衰弱し亡くなります。兄弟と3人が残され、このままでは死んでしまうと思った兄の説得で宮島さんは中国人家庭に預けられます。2度目の養父母に育てられ小学校へ入学、3年生の時、日本人ということでいじめられ、毎日衣服に唾をかけられたり、石を投げられ「小日本鬼子」(日本の鬼っ子)と罵られ学校へ行けなくなります。青年期には自殺も考えるが死にきれず辛い生活を送ってきました。宮島さんは、当時44歳の父親の消息について、ソ連へ連行されたあと強制労働させられる中で、赤痢のような病気にかかり、仕事が出来ない人や死んだ人と一緒にトラックに乗せられて山に放り出され、石油をかけられ生きたまま焼き殺されたことを知ったと証言しています。

日本へ一時帰国した際、生きて日本に帰っていた兄と再開を果たしますが、永住帰国したいと話すと兄は言葉もわからず、兄の家も人数が多く面倒が見れず、日本で仕事に就くのは難しい、習慣も違う日本で生活するのは無理だと言われ断念します。1980年代の後半、兵庫県への永住帰国がやっと叶い、兄の世話にもならずにすむと有馬温泉の旅館に住み込みで働き始めました。しかし、言葉が不十分なため、毎日「アホ、バカ、中国へ帰れ!」と怒鳴られながら辛抱してきた、と宮島さんの証言朗読は続きます。

集いは朗読の後、「国境に入植した開拓団について」コスモスの会代表の宗景正さんが写真や地図などを映しながら紹介しました。集いの第2部では「音楽のひととき」で、ピアニストの安達さおりさんがショパンの2曲とリストの1曲を演奏しました。その後、残留孤児2世と残留婦人3世が「親たちの人生を語る」と題し対談しました。聞き手のスタッフから、「親や祖母が残留孤児、残留婦人だと知った時どう思ったか」、「日本へ帰国してよかったこと、悪かったことは」などの問いに応える形で対談は進められました。その中で残留孤児2世の一人は、親たちは、中国で『日本鬼子』『日本へ帰れ』などといじめられ、日本へ帰国すれば『中国人は来るな』『中国へ帰れ』などと罵られ耐えがたい苦痛を味わっています、と声を詰まらせ涙声で訴えていました。

今回の集いを通じ感じたことは、この悲劇の大元には日本の中国への侵略戦争があり、中国の人々は、日本が中国を侵略したことにより何千万人もの中国人が被害を受け、命が奪われ、土地を奪い取られ、強制連行や強制労働により労働力を搾り取られ、動けなくなったら息があってもゴミのように捨てられた。また戦時、中国各地の鉱山では日本の大企業により膨大な量の地下鉱物資源が略奪され、抵抗すれば殺害された歴史をよく知っています。こうした加害について戦後の日本政府は公式に認めず、日本国民に知らせず、1990年代になり被害者やその家族が訴訟しても時効を盾に門前払い、謝罪も補償もしないという態度です。口先でいくら「日中友好、中国は日本にとって大切な隣国」などと言っても中国の人々には通用しないでしょう。今こそ日本の多くの人々が、「日本は中国でなにをしたか」の歴史を知る努力が必要ではないでしょうか、今後この様な悲劇が繰り返されることがないように。

会場ロビーでは宗景正さん撮影「ソ満国境に入植した開拓団」写真展も開催され多くの参加者が見入っていました。(U)

宮島満子さんの詳しい証言は2008年発行(高文研)の「私たち何じんですか?」に紹介されています。(樋口岳大・宗景正共著 1,700円)

12月の漢詩を読む会は~白楽天の新年~

白居易(772~846年、字は楽天)。白楽天は71歳を迎えた年に、自らの幸福な一生を省みて詩を詠んでいる。政府の高官となり、名誉も富も長寿も手に入れた喜びを素直に歌っている。年末にこの詩を読み、迎える新年が幸多き年であれかし、と受講者と予祝したい。(丹羽博之先生)画像は百度百科より

日時:2020年12月19日(土)午後2:30~4:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

講師:丹羽博之  大手前大学総合文化学部教授

テーマ:白楽天の新年

資料代:1,000円 事前にご予約下さい。

感染予防対策をして開催しますが、参加の際はマスク着用をお願いします。

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

ミニ企画展示「中国人強制連行・強制労働と万人坑」

立命館大学国際平和ミュージアム第132回ミニ企画展示

「日中15年戦争」時に、主に日本の民間企業によって約4000万人が中国本土で強制労働に従事させられ、そのうち1000万人近くが死亡し、万人坑と呼ばれる人捨て場に捨てられたといわれます。

本展では、中国本土における強制労働の苛酷な実態と、今も数多く現存している万人坑について紹介します。

会期:2020年12月1日(火)~22日(火)休館日:日曜日

時間:10:00~12:00、13:00~15:00 閉館時間は変更することがありうます。HP等でご確認下さい。

会場:立命館大学国際平和ミュージアム2階 常設展示室内

*JR・近鉄京都駅より市バス50にて「立命館大学前」下車

見学資料費:大人400円、中高生300円、小学生200円

*先に1F受付もしくは地下受付で見学資料費をお支払い下さい。

※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点より、今後の展示・企画を急遽延期もしくは中止させて頂く可能性があります。詳細はHPやTwitterにてご確認下さい。

主催:平和を考え行動する会

共催:立命館大学国際平和ミュージアム

お問合せ:立命館大学国際平和ミュージアム

〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1

Tel:075-465-7899 FAX:075-465-7899

https://www.ritsumeikan-wp-museum.jp/

花茶の香りと茶外茶を学び楽しむ

花茶(ジャスミン茶)と茶外茶(健康茶)を味わう

中国茶六大分類では、製造方法の違いにより、「白茶・黄茶・緑茶・烏龍茶・紅茶・黒茶」の6つに分類しています。これら6つをまとめて基本茶類と呼びます。基本茶類に再度手を加え加工したお茶を「再加工茶」と呼び、六大茶類とは別のカテゴリーに分類しています。ジャスミン茶などの花茶や、茶葉を固めた緊圧茶、ティーバッグや粉末のお茶などが再加工茶にあたります。その他、茶樹以外の植物から作られるお茶も「茶外茶」として,広義の意味で中国茶に含まれています。

「講座」では、「花茶」の製造工程や特徴などについて詳しく説明を受け、茉莉花茶3種(茉莉茶王、茉莉小精針、茉莉龍珠)と桂花紅茶(桂花九曲紅梅)を味わいました。「茶外茶」では強い苦味が特徴の海南苦丁茶と漢方の生薬として使われているという胖大海を試飲しました。

※「中国茶講座」12月はお休みします。

新刊書「万人坑に向き合う日本人」出版

日本の侵略・加害が生み出した負の遺産、万人坑。中国全土に現存する万人坑に向き合う三人の日本人に迫る。

日中戦争時に日本の民間企業により強制労働させられた中国人は4000万人、そのうち1000万人が死亡したと推定される。犠牲者が捨てられた「人捨て場」は万人坑と呼ばれ、21世紀の今も中国各地に数え切れないほど現存している。現地に通い続け、さまざまな関わりを持ち続ける三人の日本人の半生を通して、万人坑が告発する日本の侵略責任を考える。(青木茂著、花伝社刊)

「主な目次」

第一部:大東仁さん、中国人強制連行・強制労働と大石橋マグネサイト鉱山万人坑など

第二部:舟山守夫さん、張鳳嶺さん・大石橋虎石溝万人坑をたった一人で守った四十年など

第三部:野津加代子さん・万人坑を知る旅 遼寧省の万人坑を訪ねる

定価:本体1,700円+税 

発行:花伝社  発売:共栄書房

※購入ご希望の方は、日中友好協会兵庫県連合会(下記)へご連絡下さい。

Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

全国の書店でも購入できます。(11月25日発売)