二度と戦争の惨禍を繰り返さないために!

新型コロナ危機を乗り越え、守ろう!平和憲法を

8月21日~23日、尼崎市立中央北生涯学習プラザで第25回「尼崎平和のための戦争展」が実行委員会(小迫勇委員長)主催、21団体の協賛・協力で開催され連日多くの市民が会場を訪れました。

展示会場には、憲法問題・侵略戦争の歴史年表・満州農業移民と中国残留日本人・国を相手に裁判を闘った中国残留孤児たち・戦時性暴力問題・尼崎の被災地図・沖縄戦パネル写真・原爆パネル写真・原発問題・集団的自衛権・地元9条の会の活動・平和へのメッセージ・DVDコーナーなどびっしりと資料、写真、戦時の現物などが展示され連日多くの参加者が見入っていました。

22日には、大ホールで映画「私たちが生まれた島」が3回上映され、23日には語り部コーナーで、尼崎市原爆被害者の会・仲村元一さんの「三線演奏・沖縄戦を語る」が開催されました。実行委員会では戦争体験者が年々少なくなっていく中で、二度と戦争の惨禍を繰り返さないために戦争展開催を今後も続けていきたいと語っていました。(写真は8月22日撮影)

猛暑の中「8・15平和のつどい」開く

講演「戦争映画で考える戦争の加害と被害」

日本の敗戦から75年目にあたる8月15日午後、兵庫の「語りつごう戦争」展の会(上野祐一良代表)は神戸市内で「8・15平和のつどい」を開催。猛暑の中、市民40人余りが参加しました。つどいは、永田喜嗣氏(大阪府立大学)が「戦争映画で考える戦争の加害と被害」と題し講演しました。

永田氏は、日本の映画は加害を描かない、日本の戦争映画は日本の被害を描く内容が多く、加害の描き方は極めてにぶいと指摘。第二次世界大戦の加害国ドイツの映画は、1960年代頃から変化が現れ、ドイツ人が自国の加害、戦争犯罪をあばく内容の映画を制作するようになった。海外で制作されたナチスの戦争犯罪を描く映画をドイツは受け入れているが日本は自国の加害映画を受け入れていない。日本で上映すれば右翼がスクリーンを切り裂く事件まで起こり、映画館での上映は止まっている。

戦争映画を観て、心地よいと感じ心に響く映画は危ない、むしろ二度と見たくないと思う映画の方がよい。戦争映画とは何なのか、戦地の様子を見せることにより観る人に戦争への協力や憎しみを増産させる役割を果たしていると語り、映画『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」と『ウルトラマンメビウス』第31話「怪獣使いの遺産」を上映。

永田氏は、この映画では加害が描かれている。子どもの頃から相手を認め、被害者の気持ちを理解するという教育が抜けていることを気づかせようとしている。加害と被害をどう克服していけばよいのか、加害の責任を今の私たちは負うべきなのかと問いかけ、加害の事実を知ること、消すことの出来ない被害者の恨みを止めるには加害者の謝罪が必要ではないかと語りました。

「加印平和のための戦争展」多くの市民が参観

資料展示と記念講演で平和の大切さ訴える!

再び戦争への道を歩まぬために―平和のバトンを次世代へ―をテーマに8月13日~15日加古川市の東播磨生活創造センター「かこむ」1F展示場で第21回「加印平和のための戦争展」が開催されました。展示会場には東播地域に残る戦争遺跡の写真や地図、日中戦争の写真や遺品、図表・写真などで紹介する今の沖縄問題、原爆被害の写真、絵画など数多くの資料が展示され、猛暑の中を多くの市民が参観していました。

開催期間中、記念講演会や映画「ああ、ひめゆりの塔」上映会も開かれました。8月13日午後開かれた記念講演会では、「コロナ・ペスト・731部隊」をテーマに前田清氏(日中友好協会加古川支部長、県連会長)が講演し、市民44人が参加しました。

戦後最大のパンデミックと言われる新型コロナウイルス感染症に対する中国、アメリカ、ブラジルなど主要国指導者の発言を紹介し、これまで人類が疫病と闘ってきた歴史を紀元前14世紀から現代に至るまでマラリヤ、天然痘、ペスト(黒死病)などについて「世界の感染症年表」を示しながら、疫病の大流行が歴史を動かしてきた、その度に蔓延に苦しんだ国々が発生源をなすりつけ合ってきた歴史が今なお続いていると指摘しました。

新型コロナウイルスとの闘いは歴史を見ればわかる、人類の歴史は感染症との闘いの繰り返し、人間とコロナウイルスは広い意味で「共生」関係にある。根本的な対策は、地球温暖化防止、過密大都市の分散化にあり、緊急に対処すべきは富裕層と貧困層、先進国と発展途上国での被害の大きな格差を是正すること。利潤追求を第一とする新自由主義加速による自然破壊への自制が必要ではないかと。自然破壊を継続すれば更に新たなウイルスが出現し人類を苦しめるだろうと語りました。

最後に、第二次世界大戦中に細菌研究、開発を行った731部隊について触れ、この部隊は、ペスト菌や炭疽菌などの細菌兵器を極秘に研究・開発し、そのデータを得るために「マルタ」と呼ぶ中国人捕虜などを使い生きたまま様々な人体実験を行い、遺体は焼却炉で処分するという蛮行を繰り返していた。人命を守るべき医学者がなぜ一線を越えたのか、「民族衛生資料」北海道帝国大学教授講演録の一部に生体解剖を正当化する内容があり紹介し講演を終えました。『匪賊(抗日勢力)が人間を殺すならば、その報復ではないが、その匪賊を材料にしてはどうかと思いついた。死んだ者は絶対に駄目である・・匪賊一人を犠牲にしたことは、決して無意義ではありません。これほど立派な材料は従来断じてないということだけはできます』。(写真は8月13日撮影)

4閣僚の靖国神社参拝と安倍首相の玉串料奉納に抗議声明発表

日中友好協会本部は8月16日、安倍内閣の4閣僚の靖国神社への参拝と安倍首相の玉串料奉納に対する抗議声明を発表し、安倍首相と4閣僚宛に送付しました。

靖国神社への閣僚の参拝と安倍首相の玉串料奉納に強く抗議する

終戦記念日の15日、安倍内閣の小泉進次郎環境相、高市早苗総務相、荻生田光一文部科学相、衛藤晟一沖縄・北方担当相の4閣僚が靖国神社を参拝し、安倍首相は同神社に玉串料を奉納したと報道された。首相の玉串料奉納は第2次安倍内閣発足以来8年連続であり、終戦記念日の閣僚の参拝は4年ぶりとなる。

靖国神社は侵略戦争に国民を駆り立てた国家神道の中心的な神社であり、いまもなお、侵略戦争を美化し宣伝する施設となっている。政教分離を定めた憲法に違反する行為は、首相をはじめとした閣僚が、「大東亜戦争聖戦論」の立場に立つことを内外に示すものと言わざるを得ない。

さらに、同15日に開催された政府主催の戦没者追悼式での安倍首相の式辞は、近隣諸国への加害責任について8年連続で触れなかったばかりか、昨年までは言及していた「歴史を教訓とする」旨の表現すらなくなった。この首相をはじめとした閣僚の一連の行いは、日本が歴史の真実に背を向け、侵略戦争を美化、正当化しているとの国際的な疑念を招くものである。

日本中国友好協会は、安倍首相の靖国神社への玉串料奉納、閣僚の同神社参拝に強く抗議するとともに、安倍首相をはじめとした閣僚が、侵略戦争の反省から不戦を誓った平和憲法の理念を踏まえ、国際社会が共有する歴史認識に立ち、アジアと世界の平和と安定のために力を注ぐことを強く求めるものである。

2020年8月16日

日本中国友好協会(会長 井上久士)

第25回「尼崎平和のための戦争展」

新型コロナ危機を乗り越え、守ろう!平和憲法を

日程:2020年8月21日(金)~23日(日)

時間:9:00~18:00(最終日は16:00)

会場:尼崎市立中央北生涯学習プラザ

尼崎市東難波町2丁目14ー1 ☎06-6482-1750

●展示その他(1F 学習室A~C)

パネル「原爆と人間」、沖縄問題、各9条の会の活動、尼崎の戦災図、原発問題、戦争に突き進んだ歴史年表、憲法問題、自衛隊問題、残留孤児問題など

子ども向け平和紙芝居ー21日のみ(2F学習室②)

展示会場は入場無料

※マスク着用をお願いします。入場制限をさせて頂くこともあります。

●映画上映(1F大ホール)22日(土)3回上映

映画「私たちが生まれた島」都島伸也監督作品  141分

上映時間:①10:00②14:00③18:00

上映協力金:一般1000円 中高生500円

※マスク着用をお願いします。

●語り部コーナー(3F音楽室)

23日(日)14:00~15:30

仲村元一さん「三線演奏・沖縄戦を語る」

尼崎市原爆被害者の会

主催:尼崎平和のための戦争展実行委員会

後援:尼崎市、尼崎市教育委員会

連絡先:尼崎市西長洲町2-34-1 尼崎教育会館内

電話:06-6481-1133 携帯:090-4902-8398(松岡)

李白と杜甫の出会いと交流

李白に敬慕の情を抱き続けた杜甫

8月8日の「漢詩を読む会」は李白と杜甫をテーマに、丹羽博之大手前大学教授の解説で下記の二首を読みました。

李白(701~762)と杜甫(712~770)が初めて出会ったのは、天宝三(744)年、李白44歳、杜甫33歳の時であった。李白は宮廷から遠ざけられ、杜甫は科挙に落第し二人とも失意の中で東都洛陽で出会い、その後二人は2年余りにわたり放浪の旅に出た。杜甫は先輩詩人李白から大きな影響を受けた。以後、李白との再会はかなわなったが杜甫は一生李白の身を案じ、再会を念じながら李白を思う詩を十五編残している。

この詩は李白46歳の時の作。杜甫と山東省一帯をめぐった後、魯郡の東にあたる石門山で、杜甫と別れる時に作ったもの。

魯郡東石門送杜二甫(魯郡の東石門にて杜二甫を送る)李白

醉別復幾日 醉別復た幾日ぞ

登臨徧池臺 登臨池台に徧(あまね)

何言石門路 何ぞ言わん石門の路

重有金樽開 重ねて金樽の開くこと有らんと

秋波落泗水 秋波泗水(しすい)に落ち

海色明徂徠 海色徂徠に明かなり

飛蓬各自遠 飛蓬各自に遠し

且盡林中盃 (しばら)く林中の盃を尽さん

下の詩は杜甫35歳の作。当時、杜甫は長安にあり、ここで先輩詩人の李白に寄せる敬慕の気持ちをうたったものである。

春日憶李白(春日李白を憶う)杜甫

白也詩無敵 白也詩無敵

飄然思不群 飄然として思群せず

淸新庾開府 清新は庾(ゆ)開府

俊逸鮑參軍 俊逸は鮑参軍

渭北春天樹 渭北春天の樹

江東日暮雲 江東日暮の雲

何時一樽酒 何れの時か一樽の酒

重與細論文 重ねて与(とも)に細かに文を論ぜん

次回「漢詩を読む会」は10月10日(土)14:30~開催します。

講演「日中の祖国を持つ小日本人の苦難」

協会西宮支部が総会と記念講演会を企画

日中友好協会西宮支部は、「記念講演会」を開催します。記念講演会終了後に2020年度支部総会を開催します。記念講演会はどなたでも参加できます。会場は、150人定員でゆったりと距離を保ち安心して参加できます。参加に際してはマスク着用をお願い致します。

日時:2020年8月30日(日)12:30~

会場:西宮市立勤労会館4F第8会議室(150人収容)

JR西宮駅南へ5~6分(松原町2-37)

記念講演:河野文江さん(中国残留婦人二世)

「あの戦争とは 平和とは 国とは・・そして私たちの現実と展望」

河野文江さんは、混血の私が背負う宿命が苦難にあることを気づかせたのは「文化大革命」だった。と苛酷な自身の体験を語ります!

1951年9月、中国人で満州警察官をしていた父と残留日本婦人である母との間にハルピンで生まれた。1966から始まった「文化大革命」に女子学生紅衛兵として参加。1968年、青年下放運動で酷寒の中ソ国境地帯の囚人の労改刑務所の農場で重労働に従事。

1972年、故田中角栄元首相の訪中、日中国交を機に、1974年に母、弟と共に帰国。貿易会社に勤務しながら日本語、英文タイプを学び通訳の仕事に従事する。1979年に7年間交際してきた中国人と上海で結婚、二児を出産。

1982年、和歌山市と友好都市になった済南市の代表が来和の際、市の依頼で通訳を務めた。1991年、離婚し二人の子を連れて自立。1995年1月、阪神大震災で半壊の被害を受ける。その後、貿易会社勤務、通訳として活躍。(オンタイムズ発行「ハルビンの空」より)

主催:日本中国友好協会西宮支部 ☎0798-38-8081

三木「平和のための戦争展2020」

地元市民提供の資料展示や戦時体験談聞く集いも

戦争の悲惨さを知り二度と惨禍を繰り返さないことを願い三木「平和のための戦争展2020」が7月21日~8月1日まで三木市役所ロビー「みっきーホール」で開催され、市役所を訪れた市民が足を止め見学していました。

戦争展は、地元市民が提供した兵士の遺品や空襲時に使用された防空頭巾、戦場を写した写真集をはじめ、中国大陸での加害の傷跡を示す写真や説明文、明石空襲の被害状況を紹介した図表、原爆被害の写真など多数の資料が展示され、会場ではビデオ上映、戦時体験を聞く集いも行われました。(写真は7月29日撮影)

中国外交史のなかの日本ー中国・唐代後期

『新唐書』「渤海伝」を読み唐王朝、統一新羅、日本の関係を学ぶ

協会加古川支部主催の新シリーズ第9回「中国歴史講座」中国外交史のなかの日本―中国・唐代後期―が7月25日午後、加古川市内で開催されました。来村多加史阪南大学国際観光学部教授が自身の手づくり資料で7、8世紀の統一新羅が治める朝鮮半島と日本、そして唐王朝がからむ三国関係について解説しました。

668年に高句麗を滅ぼした唐は、高句麗の故地に安東都護府(地方を治める役所)を置き、新羅の地にも鶏林州都督府を置いて朝鮮半島を直接支配しょうとしたが、新羅が反発し戦争となり、670年から676年の7年間激戦となった。新羅は唐軍を撃退し朝鮮半島を治め統一新羅を樹立。698年には高句麗の故地で渤海国が成立します。

こうした歴史の流れを整理するために来村教授は『新唐書』「渤海伝」の原文を読み、当時の中国東北部の民族、部族の分布や朝鮮半島の情勢についてわかり易く解説しました。また、渤海国の使者が度々来日していること、大陸から日本海を渡る海上ルートについても地図を示しながら説明、渤海国と当時の日本が人、文物の交流を盛んに行っていたことを紹介しました。唐の文化は遣唐使が伝えたと言われるが、渤海使や遣渤海使が伝えた情報や文化も見逃せないと解説しました。

どうなる香港!徹底解説「学習講演会」

香港基本法=一国二制度遵守は国際公約

―なぜ中国政府は〈最善手〉をふみ外したのか―

6月30日全人代常務委員会は国家安全維持法を制定、習近平国家主席の署名によって即日施行されました。そして矢継ぎ早に香港行政当局のもとに「国家安全維持委員会」が設置され香港の司法・警察当局を指揮下におきました。また、香港に中国政権による派遣監督署「国家安全維持公署」が設置され「香港国家安全維持委員会」に対する監督指導が始まりました。

7月1日の民主派のデモに対して10人を拘束、うち1人を「香港国家安全維持法」違反で起訴しました。香港の「自治」を進めながら、国の「秩序と統一」を図り、50年間(1997~2047年)かけて、どういう国家を建設していくかという「世界史的課題」(最善手)を中国政権はいとも簡単に投げ捨ててしまいました。この経過を振り返りながら私たちはどう対処していくべきか、ご一緒に考えましょう。

日時:2020年9月13日(日)午後2時~4時

会場:東灘文化センター8階会議室1、2(JR住吉駅すぐ)

講師:山本恒人 大阪経済大学名誉教授

資料代:500円 事前にお申込み下さい マスク着用

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net