日本国憲法公布77年「神戸憲法集会」

考えよう「軍事大国」化と憲法9条の未来

「敵基地攻撃能力」の保有、「防衛費」増大のための増税など、日本が「軍事大国」になるのではないかと心配する声があります。他方で、憲法9条では日本を守れない、憲法9条は死文化したとの意見もあります。今年は、日々生起する様々な憲法問題に「平和憲法のメッセージ」を毎週発信し続けている水島朝穂早稲田大学教授を招いてお話を伺います。また「文化の日」にふさわしく、広瀬一葉さんのピアノ演奏も楽しんで頂けます。

日時:2023年11月3日(金・祝)13:30開演(12:30開場)

会場:西区文化センターなでしこホール(市営地下鉄西神中央)

●お話:水島朝穂 早稲田大学教授

「軍事大国化」への動きと平和憲法のメッセージ

●文化行事:広瀬一葉さん ピアノ・アコーディオン・トイピアノなど

参加費・資料代:1,000円(学生500円)

主催:憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議(兵庫県憲法会議)

連絡先:078ー351ー0677(日本国民救援会兵庫県本部内)

蕎麦の白い花は中秋の名月にふさわしい

白居易が七言絶句「村夜」に詠う

中国には中秋(旧暦八月十五日)の夜に月が出なければ、兎が孕まず、蚌(はまぐり)は胎(みごも)らず、蕎麦は実らぬ、という言い伝えがある。兎も蚌も、月にまつわる伝説に関係する生き物だが、蕎麦は、その白い花が中秋の名月にふさわしいからであろうか。

蕎麦の花は、六朝梁代以前の詩文のアンソロジーである「文選」には、見えない。それが詩歌にうたわれるのは、唐以後のようである。白居易(772~846)の「村の夜」と題する七言絶句は、その早い一例であろう。

「村 夜」  白居易 (七言絶句)

霜草蒼蒼蟲切切  霜草 蒼蒼 虫 切切

村南村北行人絶  村南 村北 行人絶ゆ

獨出門前望野田  独り門前に出でて 野田を望めば

月明蕎麦花如雪  月明らかにして 蕎麦 花 雪の如し

霜がれの草は蒼蒼と、青白く、虫が切切と、しきりに鳴くころ、村の南でも北でも、道行く人の影は途絶えた。ひとり門前に出て、かなたの田んぼを眺めやれば、明るい月の光のもと、蕎麦の花が雪のように白い。

白楽天の詩らしく、平易である。平易ななかに、そこはかとない哀しみを感じさせるのは、詩人の母の死という背景があるからかも知れない。詩人四十歳のとき、母が死んだ。長安の西郊に埋葬し、喪に服していたときの作といわれる。月光に浮き出した白い蕎麦の花に母の面影を見ていたのかも知れない。(一海知義著・「漢詩一日一首 秋・冬」より)

福島第一原発「ALPS処理水」の海洋放出と日中関係について

協会本部・矢崎光晴事務局長談話を発表

日中友好協会本部は9月11日、福島第一原発の「ALPS処理水」の海洋放出問題について事務局長談話を発表しました。談話の要旨は以下の通りです。

日本政府と東京電力が福島第一原発の「ALPS処理水」の海洋放出を開始したのに対し、一貫して海洋放出の見直しと代替案の検討を求めていた中国が日本産水産物の「全面禁輸」措置を取ったことで、日中両国関係は一気に深刻な状態に陥っている。北京の日本大使館や日本人学校への投石までが起こり、中国からと見られる日本への嫌がらせ電話が相次いでいると伝えられている。ほんとんど報道はされないが、東京の中国大使館にも大量の迷惑電話がかかってきているという。

事態は国民レベルでの相互不信を助長し、偏狭なナショナリズムを高める状況になっている。この事態が双方を敵国視する世論を高めてしまうことを心から危惧し、日中両政府には国民レベルでの対立を深めないような冷静な対応を強く求めたい。日本政府は、国際原子力機関(IAEA)が包括報告書で、東京電力の海洋放出計画は「国際的な安全基準に合致」、海洋放出で放射線が人や環境に与える影響は「無視できるほどごくわずか」と評価したことを「お墨付き」として、海洋放出を開始した。

しかし、この報告書に携わった専門家チームに意見の相違があったとの指摘もあり、東京電力のデータをもとにしたIAEAの評価に対しても、放射性物質の絶対量の問題をはじめ、多くの疑問が出されている。日本では中国の反発を「政治的思惑」「外交カード」などとする論調も多く、中国だけが理不尽に反対しているように報道されているが、日本からは遠く離れたマーシャル諸島など太平洋の島しょ国からも懸念の声は挙がっている。さらに、核実験被害者の支援や環境汚染改善を盛り込んだ「核兵器禁止条約」の批准を拒む日本に対する不信感が海洋放出への不満につながっていることも日本政府は真摯に受け止めるべきである。

この事態を打開するために日本政府と東京電力に求められているのは、国内外に反対と懸念の声が強い海洋放出をやめ、福島の漁業に携わる地元民をはじめ、公の海を共有する中国をはじめとした隣国や海洋を生活の場としている諸国の人々の声に真摯に耳を傾けることであり、内外から寄せられているさまざまな代替案の検討を含めて、地球を汚染させないためのあらゆる可能性を追及することではないか。

そのためには、海洋放出ありきではない「協議」が必要不可欠である。とくに、日本政府が事前の相談も十分な説明もしてこなかった隣国の中国に対しては、日中両政府が合意している「戦略的互恵関係」「互いに協力のパートナー」との関係を再確認して、事態の打開のために誠意を尽くし、結論ありきではない「協議」を直ちに始めることを強く求めるものである。

2023年9月11日

2024年カレンダー「中国悠久の旅」

「悠久の旅」にふさわしい中国各地の写真13枚

中国の自然や人々の一瞬をとらえた「悠久の旅」にふさわしい中国各地の写真が表紙と12か月のページを飾っています。表紙は、チベット自治区グゲ王国遺跡。9世紀頃西部チベット周辺に成立した仏教王国、グゲ。カシミール様式の影響を受けた王宮です。僧院などからなるグゲ遺跡、他にトンガ遺跡では仏教壁画が残っています。

2024年カレンダー「中国悠久の旅」は10月から普及を開始します。新型コロナウイルス感染症被害拡大などの影響もあり、中国旅行ができない中、写真を通して中国への関心と友好の心情を広げましょう。

10月から普及開始します!

2024年版カレンダーは使いやすい中綴じタイプです。

規格:B4判(縦257㎜✖横364㎜)長辺中綴じ冊子・カラー全28頁

頒価:1,200円(税込、送料別) 

お求めの方は下記へ

日本中国友好協会兵庫県連合会 Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

「中国語講座」2023年度後期受講者募集!

10月第2週より全9クラス順次開講します

日中友好協会が開催する中国語講座は、2023年度前期が終了しました。現在、2023年度後期(2023年10月~2024年3月)の受講者を募集しています。クラスは初級Ⅰ~中級Ⅲまで全9クラスがあります。クラス見学もできます。

クラス  ・曜日       ・時間 ・開講日

初級Ⅰ 金曜日  13:30~   10月13日      

初級Ⅱ 火曜日  10:00~   10月10日  

初級Ⅱ 火曜日  18:30~            〃    

中級Ⅰ 月曜日  10:15~    10月16日  

中級Ⅰ 月曜日  18:30~             〃    

中級Ⅱ 水曜日    9:45~ 10月11日  

中級Ⅱ 水曜日  18:30~   〃    

中級Ⅲ 木曜日  10:15~     10月12日  

中級Ⅲ 木曜日  18:30~        〃    

◇全クラス中国人女性講師

◇期間は1年(前期・後期)6ゕ月単位で継続できます。

◇入会金 10,000円(初回のみ、学生・協会会員は不要)

     受講料 35,000円(18回分、6か月分前納、分納も可)

◇お申込み:協会事務所で行っています。

 月~金10時~19時、土・日はメールでの予約申込みも可能です。

日本中国友好協会兵庫県連合会「中国語を学ぶ会」

〒658-0003 神戸市東灘区本山北町3丁目4-9甲南ビラ201号

JR摂津本山駅北口を線路沿いに東へ1~2分、甲南ビラ2F

Tel&Fax:078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

「日中友好・夢コンサート」神戸で開催

多彩なメンバーによる歌・民族舞踊・楽器演奏

日中友好協会東神戸支部は、日中平和友好条約締結45周年を記念し、神戸市内で「日中友好・夢コンサート」を開催します。日中両国の楽器演奏や舞踊などをお楽しみ下さい。

日時:2023年10月27日(金)午後2時開演(1:30開場)

会場:神戸市東灘区「御影公会堂」1階白鶴ホール

阪神「石屋川駅」を北へ10分、阪国バス・神戸市バス御影公会堂前すぐ

入場料:一般  1,500円 中国帰国者・留学生・高校生以下無料

主催:日本中国友好協会東神戸支部

協賛:日本中国友好協会兵庫県連合会

後援:中華人民共和国駐大阪総領事館・神戸市・神戸市教育委員会

連絡先:Tel&Fax:078-412-2228 E‐mail:sps98kg9@gmail.com

佟岩先生の「日中漢字比べ」

「暑気払い」と「去暑」と「消暑」

とにかく暑い。日本では「暑気払い」といって、暑さは「払」うものだ。でも中国では「去暑」か「消暑」で、暑さは「去」らせるか「消」すかである。「払」はもともと「拂」で、「手」と「弗」からなる。「弗」は絡まった紐を2本の棒で振り払うという意味だ。つまり日本の「暑気払い」は、身に纏い付く暑さを振り払うのである。暑さは、まるで埃のように払われる。ただし、振り払われた暑さは、消え去るわけではなく、一時的に遠方へ追いやられるだけだ。埃をいくら「払」っても消え去らないように、暑さもまた「払」うのをやめると、すぐに身に纏い付いてくる。

一方、「去」は、「大(人)」と「ム」からなる。「ム」はもともと、お祈りでケガレを取り除くという意味だった。中国の「去暑」は、ケガレのような不快な暑さを取り除くということだ。また、「消」は、「水」と「肖」からなる。「肖」は「小」と「月(肉体)の組み合わせで、小柄という意味だった。「消」は、水が少なくなり、ついにはなくなるという意味だ。「消暑」は、暑さを小さくし、なくすことである。

だから、中国の「去暑」や「消暑」は、暑さを徹底的に消去しょうようとすることである。ただし、いくらそれをしても、実際には暑いものは暑い。中国人は日本の「暑気払い」という言葉は一時しのぎで物足りず、逆に日本人は中国の「去暑」や「消暑」という言葉は現実離れの理想論と感じるかもしれない。(日中友好新聞9月15日号より、西日本華文教育者協会理事・兵庫県連合会中国語講座講師)。

戦時下、強制連行・強制労働による中国人犠牲者を追悼

神戸・関帝廟で犠牲者追悼「慰霊祭」開催の歴史

太平洋戦争末期、兵庫県内へ強制連行された中国人が、神戸港と相生の播磨造船所で、厳しい監視の下、重労働を強いられ神戸で17人、相生で28人が病気や栄養失調による衰弱などで亡くなっています。

当時の日中友好協会神戸支部が、「兵庫県殉難中国人・慰霊と殉難詳報」を作成しその実態を伝え残しています。詳報によれば、協会神戸支部と華僑団体が協力し、1954年1月から県内での強制労働の実態調査を始めています。神戸港では港湾荷役作業を請け負っていた関連企業、相生市では播磨造船所などから聞き取り調査。犠牲者の遺骨収集調査は、神戸港では病院、寺・教会、火葬場など関係先を調査したが遺骨の所在は見つからずとの記載があります。

相生市では、相生市役所、播磨造船所への調査で3人の遺骨が共同墓地に埋葬されていることが判明、協会役員・宝地院住職・神戸華僑聯誼会・中国帰国者代表が相生市と交渉し、埋葬されていた遺骨とその場の土を持ち帰り宝地院に安置し、1957年10月18日、神戸華僑聯誼会主催の法要供養が宝地院で行われました。翌19日には、県内30団体で構成された兵庫県殉難中国人慰霊実行委員会主催の慰霊祭が関帝廟で行われました。

阪神・淡路大震災で宝地院本堂が全壊し、再建の過程で慰霊祭で使われた「殉難中国烈士之霊位」と書かれた「位牌」が見つかり、1998年から協会兵庫県連合会主催の「強制連行・強制労働による中国人犠牲者を慰霊する集い」を開催し今年で26年目となります。9月3日(日)午後、猛暑の中、宝地院本堂で行った慰霊の集いは、協会役員、会員、協会外の市民など20人が参加しました。住職による読経と参加者の焼香で犠牲者を追悼しました。追悼行事の後、米国人カメラマンが1939年~40年に撮影した中国各地民衆の日常生活や日本軍侵攻に備える動き、1940年8月の日本軍による重慶無差別大爆撃を地上から撮影した極めて貴重なカラー動画を視聴し、感想などを出し合い懇談しました。

第21回「戦争遺跡めぐり」

神戸・東灘区―本庄地域戦跡めぐり―

兵庫の「語りつごう戦争」展の会は年1回、県内の戦争遺跡めぐりを行っています。今年はJR甲南山手~阪神深江周辺に残る戦跡を巡ります。

日時:2023年10月9日(月・祝日) 小雨決行

集合場所:JR甲南山手駅改札前 午前9:50集合 10:00出発

コース:JR甲南山手駅→赤(朱)鳥居→本庄墓地→踊り松の碑→  新明和工業(旧川西航空機甲南製作所)→神戸大学海事科学部(旧神戸商船大学)→阪神深江駅 12:30頃、解散予定

※写真の赤(朱)鳥居は、森稲荷神社の鳥居で高さ5.8m、昭和2年に建立されました。昭和20年(1945年)5月11日の米軍による空襲の際、青木にあった川西航空機甲南製作所(現在の新明和工業)の攻撃目標とされた歴史も秘めています。

参加費:300円(資料代含む)

参加申し込みはお名前・連絡先・所属・Tel.Faxをお書きの上下記へFaxでお願いします。10月2日締め切り

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展実行委員会

FAX:0798-43-7138  

お問い合わせ先:090-8535-7401(大木さん)

日中近現代史を絵や写真で辿る「ラップナウ・コレクション」展

パネル展示に猛暑の中184人が会場を訪れる

日中平和友好条約締結45周年を記念し、8月9日~13日、神戸市灘区の原田の森ギャラリーで開催された「ラップナウ・コレクション」展は連日の猛暑の中184人が会場を訪れました。米国人コレクターのドナルド・ラップナウ氏からコレクションデータの提供を受けた協会は展示用に厳選し、一点毎に説明を付けたパネルを制作、パネル展は東京に続き神戸は2回目の開催となりました。

ラップナウ氏のコレクションは膨大な数で、提供を受けた資料データーから、日本と中国の近現代史理解に役立つ絵葉書・写真・地図・絵・着物・湯呑・筆入れ・レコードカバー・ポスター・旗・引札・パンフレット・冊子・ガムのおまけカードなど154点を選び「台湾植民地化」「義和団事件」「日露戦争風刺画」「辛亥革命」「中華民国の成立」「抗日運動の始まり」「全面戦争への展開」「傀儡政権」「アジア太平洋戦争における宣伝戦」など29テーマに分類、解説を付けて作成したパネルに年表、中国地図を加えた31枚と、コレクター・ラップナウ氏のあいさつ文、主催者あいさつを会場に展示しました。参観者51人から感想文が寄せられました。

「パネル提示のみであるのに拘わらず内容が充実、本当に伝達したいものがほとんどで、見ていて疲れずに済みました。世界が正に今、戦禍の様相を呈しています、次回を期待します」「江戸時代~昭和と長い膨大な資料であり、拝見するのが大変でした、特に文字情報が多い」「まとまって見る機会の少ない展示でよかった、最初に年代順の表があり理解しやすかった」(アンケートの一部より)