中国鉄路ダイヤ改正その2

中国鉄路総公司は2018年4月10日に第一段階のダイヤ改正を行いましたが、来る7月1日に第二段階のダイヤ改正を行います。

  1. 南京-武漢、柳州-南寧の時速250キロ運転と乗り換えを重視したダイヤ改定
  2. 動車組(列車番号Dではじまる列車)の運行本数を需要に合わして「平日」「週末」「多客」を設定。「週末」は「平日」に比べ193往復、「多客」は「週末」に比べ364往復増発。
  3. 新線開業に伴う改正。楚雄-大理、深圳-江門、ハルビン-ジャムス
  4. 動車組増発。徐州-蘭州、西安-成都、南寧-広州、貴陽-広州、重慶-貴陽、成都-重慶、合肥-福州、南寧-成都など
  5. 在来線旅客列車のダイヤの見直しと、運行の質を向上
  6. 夏期多客時に需要に見合った増発
  7. 貨物列車のダイヤ見直し。特に中部ヨーロッパ、沿岸部への列車ダイヤの見直し。ダイヤ改正後旅客列車の運行能力の向上とともに国際貨物輸送や様々な輸送システムの提供

様々な交通手段がある中で高速鉄路の料金体系を上昇・下降させやすくする流動料金制を導入。総合的な市場需要を考慮し、今後の新線計画などに反映。7月5日に早期に開業した合肥-武漢、武漢-宜昌、貴陽-広州、栁州-南寧、上海-南京、上海-杭州の6線の時速200~250キロ区間において、運賃の上限を定め、各鉄路局公司に料金設定の裁量を与え、季節・時間・座種により最大35%の運賃値下げを行う。値下げ後も随時見合った料金設定を行っていく。

高鉄の料金値下げ後も常に鉄路部門は運賃の管理を行い、サービス面の向上を目指していきます。(中国鉄路総公司サイトより)

キャッシュレス旅行はできるか?

スマホさえあれば生活できる「キャッシュレス社会」とはどういうものか著者自身旅行で経験したことを元に書いてみます。

航空機の出発が遅れ、上海浦東空港に予定の1時間半遅れで到着しました。実はホテルまでの送迎車をあらかじめ手配していました。到着後スマホの電源を入れるとすぐに着信があり「配車サービスの案内人ですが、託送荷物はありますか?ヒコーキが遅れたようですが問題ないです。すぐに出発できますので荷物を引き取ったら電話を下さい」とのこと。キャリーバッグを引き取り電話をして案内人の方と合流、そのままクルマでホテルまで直行。料金はアプリから決済して完了。

部屋に冷蔵庫があったので夜に飲むビールを買いに近くのコンビニへ。ここでも支払はアプリのバーコードを読み取ってもらって決済完了。昼食は蘭州牛肉拉麺を食べる、ここは店のバーコードをアプリで読んで金額を入力して支払をするスタイルでした。夕食は口コミで評価の高かった素食(肉を使わず野菜だけで調理された料理。日本でいう精進料理のようなもの)の専門店へ、店まではシェアサイクルで行きました。見た目は普通の肉料理なので野菜だけで出来ているところがすごい。支払はテーブルのバーコードを読み込んで完了。レジに行かなくていいので非常に楽です。 “キャッシュレス旅行はできるか?” の続きを読む

銀聯カードの使い道

電子決済サービスに押されて少々マイナーな存在になってしまった銀聯カードですが、日本国内のクレジットカード会社などで発行しています。現地での使い道はどうなっているかを紹介したいと思います。

できる事
  • 銀聯ステッカーの貼ってある銀聯取り扱い店での買い物には使えます。(海外の銀聯はダメといわれる事もありますが、『中国と同じカード』と押し通すことでほぼ使えます)ただスマホによる電子決済サービスの気軽さと手数料の安さのせいか少額の決済では断られる事があります。
  • 中国の携帯電話料金のチャージ(充値)ですが、たいていの営業所には「自助服務機」というセルフマシンが設置されています。カード挿入口に「银行卡」と書かれているので使えなさそうな気がしますが、ズバリ銀聯カードの事ですから問題なく使えます。
  • 上海に限りますが公共交通カードの「自助服務機」でも同様に使えます。(「自助服務機」系は他の所でも使えると思います)
できない事
  • 現地ATMでの現金引き出し(キャッシング)はできません。もっともATMによってはVISAなど国際クレジットカードでのキャッシングができます。
  • 高速鉄道などの鉄道きっぷはシステムの関係上、現地銀行発行のカードに限られています。窓口に「銀聯」ステッカーが貼っていても現段階では使えません。
  • 電子決済サービスの紐づけ用カードとしても使えません、あくまでも現地銀行発行のカードに限ります。

大別するとこのようになります。特段メリットはありませんが、持っておいてもいいかもしれません。そのあたりは自己判断で。

あと中国系銀行(中国銀行-Bank of China、中国工商銀行など)の日本支店発行のデビットカードやネオ・マネー発行のプリペイドカードもあります。ショッピングに併せATMでの現金引き出しもできます。(こちらも鉄道きっぷの購入・電子決済サービスの紐づけ用としては使えません)ご参考までに

北京でもキャッシュレス乗車

北京市軌道交通(地下鉄)は2018年4月29日より西郊線を除く全線で二次元バーコードによるキャッシュレス乗車が始まりました。利用の方法は専用アプリ「易通行」をインストールし、中国の携帯電話番号とIDカードで会員(実名)登録を行います。キャッシュレス乗車をする場合は中国工商銀行、京東支付、支付宝などのモバイル決済サービスにて実名認証と紐づけを行います。

使用方法は上海と同じで、バーコード読み取り口(北京は黄色の枠の中)に二次元バーコードを読み取らせて改札機の入場、出場・支払を行います。

当面乗車割引サービスがあり月ごとの利用累計金額が100元に達すると次回乗車より2割引、150元に達すると次回乗車より半額となります。(累計400元に達すると割引は終了)

北京市軌道交通ではスムーズな改札機通過のため「改札機5m前で二次元バーコードを表示させてほしい」と呼びかけています。(北京地鉄サイトより)※残念ながら今のところ外国人は利用できません

澳門LRTタイパ線で試運転始まる

澳門初の軌道系大量輸送機関として大きな期待

澳門政府の運輸インフラオフィス(GIT)は、3月29日、澳門新交通システム(LRT)プロジェクトで先行開業しているタイパ線(9.3Km、11駅)の一部で試運転を開始したと発表しました。澳門政府は観光客増加に伴い、新交通システム(LRT)による大量輸送に大きな期待をかけています。

第1期プロジェクトは澳門半島北部の關閘~外港フェリーターミナル~新口岸~南湾湖~媽閣の半島線と媽閣~西湾大橋~コタイ地区~澳門国際空港、タイパフェリーターミナルの2線21駅、全長21Kmが計画されています。半島線はルート調整が難航するなど本格的な着工には至っていません。

先行着工(2012年末)したタイパ線は試運転を経て2019年開通予定です。第1期プロジェクトには、国際入札を経て三菱重工と伊藤忠商事の共同体がLRTシステム一式を受注し、2017年11月より日本から車両の搬入を進めています。(澳門新聞

中国鉄路ダイヤ改正

中国鉄路総公司は2018年4月10日0時よりダイヤ改正を行いました。旅客・貨物ともに大幅な増発を行っています。中でも最高時速350キロの高速列車「復興号」が16本増発されています。それにより運行される「復興号」は下記の通りです。

  • 北京南-上海虹橋(G1~G18、G21/G22)
  • 北京南-上海(G5/G6、G12、G21)
  • 北京南-杭州東(G19/G20、G31/G32、G39/G40)
  • 北京南-合肥南(G23/G24、G29/G30)

北京-上海間の最速所要時間は4時間18分で改正前に比べ6分の短縮となります。北京-杭州、北京-合肥間はそれぞれ36、20分の短縮となります。

スマホで地下鉄乗車

あのモバイル決済がついに地下鉄の自動改札に対応しました。

上海軌道交通では二次元バーコードを用いた自動改札システムを開発し、2017年10月よりリニア線にて試験運用ののち2018年より全線で運用を開始しました。

利用するには専用アプリの「Metro大都会」(ネーミングがすごい!)をインストールし、中国の携帯電話番号と電子決済サービスの「支付宝」または銀聯キャッシュカードにて実名認証と紐づけを行います。アプリを立ち上げ対応改札機にバーコードを読み込ませて通過・料金引き落としを行います。要する時間は0.5秒とのこと。

もともと二次元バーコードは1回限りの利用に対応しており、入場・出場という2回のスキャンは技術的に難しいとされていましたが、新技術を開発して今回の運用となりました。対応改札機はバーコード方式の他、普通きっぷ・公共交通カードなどICカード式にも対応しています。 “スマホで地下鉄乗車” の続きを読む

中国「残留孤児・婦人」2世の生活支援等を求める請願署名

新支援法の生活保障から「残留孤児・婦人」2世は除外された

中国残留孤児、残留婦人2世に対する国の支援は、1世と同伴帰国した未婚の20歳未満の2世を除き全くありません。2世の多くは、30歳~50歳で帰国したため支援対象とはならず、日本語が話せず、低賃金・苛酷な労働を余儀なくされ、高齢化を迎えた今日、かつての1世同様、生活保護に頼らざるを得ない人が多くいます。生活保護受給者一般に対する厚生労働省の課長問答により、親族の冠婚葬祭、危篤の場合、墓参等の目的で中国への渡航機関が2週間を超えた場合は収入認定により保護費が減額されるため、中国の家族との交流もままなりません。

この様な2世の状況は、1世に対する国の引揚事業の遅延に加えて、国が国費による1世と同伴帰国できる2世を未婚で20歳未満に限定したこと、国がこれまで2世に対する有効な支援策を全く講じてこなかったことに起因するものであり、中国帰国者自身の責任といえるものではありません。

請願署名にご協力をお願い致します “中国「残留孤児・婦人」2世の生活支援等を求める請願署名” の続きを読む

澳門の旧市街と開発進むタイパ島

観光客で賑わう中国特別行政区「澳門」

1999年に澳門はポルトガルから中国へ返還され18年が経ちました。現在は中華人民共和国澳門特別行政区です。カジノや世界遺産が有名で世界中から観光客が大勢訪れている澳門ですが、返還後急速に開発が進み、特に3本の海上橋で結ばれている半島南のタイパ島開発は目を見張るものがあります。大型IR(総合型リゾート)が数多くつくられ景色は一変しています。2012年に着工した澳門新交通システム(LRT)が2019年に一部開通予定となっています。

半島側の旧市街には22の建造物と8つの広場が世界遺産として登録され連日多くの観光客で賑わっています。一般市民が暮らす住宅街に入れば、細い坂道沿いに古い高層マンションが立ち並び、土地が狭いため道路の片側が駐車場となっていて更に狭くなった道路を小型バスが市民の足となり走っていて、現代と昔が同居したような趣があります。港珠澳大橋が開通すれば更に開発が進むかも知れません。(写真上は開発進むタイパ島、下は世界遺産・聖ポール天主堂跡へ向かう観光客、何れも2017年12月撮影)

続・シェア自転車

シェア自転車の続報です。先の記事で紹介した2社が日本へ進出してきました。利用に関してより使いやすくなりました。

このサービスを利用するのには中国の携帯電話番号と電子決済サービス(支付宝・微信支付)が必須でしたが、この点が緩和されました。

モバイクの場合は日本の携帯電話番号で利用登録を行う事ができます。決済方法も日本のクレジットカードで行えます。デポジットは3,000円、チャージは500円からとなっています。主として日本でのサービス利用を前提にしていますが、中国を含め世界中のモバイクを利用することができます。中国での利用の場合、30分17円か8.5円と人民元建てとほぼ同額で利用できます。(逆に中国の携帯電話番号で登録した場合は日本のサービスをそのまま利用できる)

ofoの場合は情報が少ないですが、概ね同様の要領で利用できると思われます。

これにより中国に一時滞在する旅行者や出張の方も気軽に利用できそうです。

※この利用法については私自身実際に利用したことがないので確証は持てませんが、別のサイトで何例か紹介されています。検索の上それらのサイトを参考にしてから利用することをお薦めします。この件に関しては自己責任でお願いします。