日中近現代史を絵や写真で辿る「ラップナウ・コレクション」展

パネル展示に猛暑の中184人が会場を訪れる

日中平和友好条約締結45周年を記念し、8月9日~13日、神戸市灘区の原田の森ギャラリーで開催された「ラップナウ・コレクション」展は連日の猛暑の中184人が会場を訪れました。米国人コレクターのドナルド・ラップナウ氏からコレクションデータの提供を受けた協会は展示用に厳選し、一点毎に説明を付けたパネルを制作、パネル展は東京に続き神戸は2回目の開催となりました。

ラップナウ氏のコレクションは膨大な数で、提供を受けた資料データーから、日本と中国の近現代史理解に役立つ絵葉書・写真・地図・絵・着物・湯呑・筆入れ・レコードカバー・ポスター・旗・引札・パンフレット・冊子・ガムのおまけカードなど154点を選び「台湾植民地化」「義和団事件」「日露戦争風刺画」「辛亥革命」「中華民国の成立」「抗日運動の始まり」「全面戦争への展開」「傀儡政権」「アジア太平洋戦争における宣伝戦」など29テーマに分類、解説を付けて作成したパネルに年表、中国地図を加えた31枚と、コレクター・ラップナウ氏のあいさつ文、主催者あいさつを会場に展示しました。参観者51人から感想文が寄せられました。

「パネル提示のみであるのに拘わらず内容が充実、本当に伝達したいものがほとんどで、見ていて疲れずに済みました。世界が正に今、戦禍の様相を呈しています、次回を期待します」「江戸時代~昭和と長い膨大な資料であり、拝見するのが大変でした、特に文字情報が多い」「まとまって見る機会の少ない展示でよかった、最初に年代順の表があり理解しやすかった」(アンケートの一部より)

「ラップナウ・コレクション展」始まる!

絵葉書でめぐる近代史―日本と中国の近代を知る!

日時:8月9日(水)~13日(日)10:00~18:00(最終日15:00)

会場:兵庫県立原田の森ギャラリー東館2F

JR灘駅北へ10分/阪急王子公園駅西口西へ6分

入場無料

「ラップナウ・コレクション展」が8月9日(水)から始まりました。絵葉書や写真などを通して日本と中国の近代史が理解されることを期待します。歴史的に極めて貴重な絵葉書などに説明を付して分野別にまとめたパネルの展示は神戸初公開となります。猛暑の中ですがお誘い合わせてご参観下さい。1900年代初頭に日本で作られた台湾地図の絵葉書について書いたポール・バークレーの論評の一部を紹介します。

植民地台湾を映す日本の絵葉書

1900年から1945年にかけての期間に数千種類に及ぶ様々な絵柄の「台湾」絵葉書が発行された。植民地台湾を映し出す日本絵葉書に関しては、最大級のコレクションが個人の蒐集家のもとにある。ドナルド・ラップナウ氏が素晴らしいコレクションを収蔵している他、魏徳文氏、張良澤氏、荘永明氏らも見事なコレクションを所有している。

(右の絵葉書地図)、初期の絵葉書は1905年頃に東京で刊行されたもので、人種的に二分された台湾を描いている。島の西側は「漢人種」、中央から東部は「生蕃人種」と記されている。左上の写真は両人種の代表的な姿を示すものである。ここにある「生蕃人種」はやがて「台湾原住民」という言葉に置き換えられるようになった。地図の、白く塗られた彼らの居住域はさらに民族で区分され、アタイヤル、サイセット、ブォヌム、ツォオ、アミス、ツァリセン、プユマ、ヤアミ、パイワンと表記されている。

この民族分類法は日本の植民地時代の独創的な分類であり、台湾人類学および台湾研究の草分けである伊能嘉矩(1867~1925)によって考案されたものである。絵葉書はまた、台湾島の人口を次のように記している。―内地人(日本人)53,365、本島人(漢人)2,915,984、生蕃人104,334、外国人6,009。居住者の圧倒的多数は漢人であるが、この地図は彼らを河洛系と客家系に分けて記していない(多くの日本地図においては分けられている)。むしろ先住民の「生蕃人」を細分することに焦点を当てている。

実際、日本の「台湾」絵葉書においては、先住民が過剰とも言えるほど台湾を代表している。絵葉書に記された数字によると、台湾の1,056方里が「普通行政区」(漢人居住域)にあるのに対し、1,276方里は依然「生蕃界内」である。この地図は、台湾のまだ統治されていない領域を際立たせ、民族的多様性を持っている多数派の漢人の存在を最小限にとどめている。(下の画像は展示パネルの一枚で、この中に台湾地図が紹介されています)

「中国語講座」2023年度後期受講者募集!

初心者~上級者まで全9クラスで受講者を募集!

日中友好協会兵庫県連合会の「中国語講座」は60年以上の歴史があります。いま、2023年度後期(23年10月~24年3月)受講者を募集しています。無料見学受付けています。

現在、2023年度前期後半ですが、9月第3週で前期を終了し、10月第2週から後期となります(8月は第2週~4週まで夏季休講)。クラスは初級Ⅰ(入門)~中級Ⅲまでの9クラスあります。程度に応じてクラスを選べます。途中クラス変更や2クラス受講も出来ます。9月中を無料見学期間とし見学申込みを受け付けています。

初級Ⅰー金曜日・午後13:30~(初心者対象)

初級Ⅱ―火曜日・午前10:00~、夜間18:30~(2クラス)

中級Ⅰ―月曜日・午前10:15~、夜間18:30~(2クラス)

中級Ⅱ―水曜日・午前   9:45~、夜間18:30~(2クラス)

中級Ⅲ―木曜日・午前10:15~、夜間18:30~(2クラス)

●中級Ⅱ~中級Ⅲ、午前・夜間は講師、テキストが違います。

●講師は全クラス中国人女性

お問い合わせ

日本中国友好協会兵庫県連合会

〒658-0003 神戸市東灘区本山北町3丁目4-9  甲南ビラ201号

JR摂津本山駅北口を線路沿いに東へ徒歩1~2分、阪急岡本駅を南へ徒歩約6分(山手幹線道路「本山北町3丁目」交差点南へすぐ)

Tel&Fax:078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

ラップナウ・コレクション展開催迫る!

日中が争うことなく歴史的な理解を深める機会に

ラップナウ・コレクションとは」

日本と中国を中心にアジアに関する絵葉書をはじめ、ポスターやビラ、古写真、地図、浮世絵、双六、楽譜、着物、マッチや証票のラベル、おまけカード、看板など、19世紀末から20世紀半ば頃までの多種多様な品々五万点以上を、個人コレクターの米国人ドナルド・ラップナウ氏が長年かけて収集した大へん貴重なコレクションです。

「消費され捨てられてしまう短命なメディア」

近代において製作されてきた図像や表象、宣伝、プロパガンダを含むビラやポスターなどのエフェメラ・メディア、日常で身近に親しまれながらも、消費され捨てられてしまう短命なメディアは興味深く、このようなコレクションの一端を紹介する展示会は極めて貴重です。

「日中の歴史的な理解を深める機会に」

今回のラップナウ・コレクション展は、近代の日本と中国に関するコレクションから厳選した資料展示で、アジアの中で日本と中国が織りなしてきた近代史の様々な側面を浮かびあがらせます。展示を通して、教科書や歴史書とは異なった大衆的なイメージという視点から、近代における日中関係を振り返り、日中が二度と戦うことのないよう「平和と友好」を深め、日本と中国の近代を知る機会として頂ければ幸いです。

「ラップナウ・コレクション展」

日程:2023年8月9日(水)~13日(日)10時~18時

(最終日は15時まで)

会場:兵庫県立「原田の森ギャラリー」東館2階

(JR灘駅北へ5分/阪急王子公園駅西へ3分)

入場無料

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax:078-412-2228

後援:神戸市・神戸市教育委員会

孫文と神戸を歩こう!

孫文記念館がブックレットを発行

明石海峡を目の前に望み、海峡大橋のすぐ東側に建つ孫文記念館は「移情閣」と呼ばれ神戸の人々に親しまれています。孫文が1924年(大正13年)11月28日に県立神戸高等女学校講堂で「大アジア主義」講演を行ったことは有名です。来年は講演から100年目を迎えます。

この度、孫文記念館は「孫文と神戸を歩こう」というブックレット(44ページ)を発行しました。神戸での孫文の足跡や神戸の華僑について豊富な写真、新聞記事、地図、年表などをわかりやすい解説で紹介しています。巻末には「孫文・神戸・華僑」の地図があり、4ルートのおすすめ見学コースの紹介もあります。歩いて見学するためのガイドブックとして便利です。ブックレット巻頭に書かれた言葉を紹介します。

中国の革命家孫文が18回も神戸に来ています。日清戦争(1894ー95)から大正の終わりまでのおよそ30年の間のことです。

―ある時は準“国賓”として―革命の“元勲”の孫文

―ある時は清朝や袁世凱のお尋ね者として―“落人姿”の孫文

孫文だけではありません。

思想家として、政治家として、ジャーナリストとして、当時とても大きな影響力を発揮していた梁啓超は約6年間も須磨に滞在しながら活動していました。その師、康有為も辛亥革命の前後、須磨に居を構えていたのです。

彼らの神戸訪問、滞在には神戸の華僑、呉錦堂や王敬祥らが大きな役割を果たしていました。孫文らを迎えた当時の神戸の姿はどうだったのでしょうか?さあ、孫文と一緒に、歩きながら彼らの足跡と当時の神戸の街並みを確かめてみましょう。

ご希望の方は下記へご連絡下さい

「孫文と神戸を歩こう」頒価 300円(送料〒180円)

日中友好協会兵庫県連合会 Tel&Fax:078 -412 – 2228

孫文記念館 Tel.078- 783-7172 Fax.078- 785-3440 

日中平和友好条約締結45周年記念「ラップナウ・コレクション展」

絵葉書でめぐる近代史―ラップナウ・コレクション展示会

「平和と友好」日本と中国の近代を知る!神戸初公開!

日程:2023年8月9日(水)~13日(日)10時~18時最終日は15時まで)

会場:兵庫県立原田の森ギャラリー東館2階(阪急王子公園駅西、JR灘駅北へ)

入場無料

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

後援:神戸市・神戸市教育委員会

書コレクターの米国人ラップナウさんは、日清戦争から第二次世界大戦終結までの様々な出来事を描いた図像を用いた絵葉書・ポスター・伝単(ビラ)・たばこカード・風刺画などを長期にわたり収集、その数、数万点といわれています。その中から厳選した約200点のデータが協会本部に提供され、協会本部はさらに厳選し、全てに説明を付けA1サイズに数点づつ紹介し展示用パネルにしました。今回はそのパネル30枚を展示します。これまでに、京都立命館平和ミュージアム(現物展示)、東京早稲田大学會津八一記念博物館で展示会があり大きな反響がありました。神戸では初公開です。

ラップナウさんは、今回の展示会に寄せたあいさつ文の中で次のことを強調しています。「この展示の目的は、日本の植民地時代を経てきた中国と日本の過去の関係を視覚的にとらえる事にあります。この小さな展示会が日中関係の近代史を再検討する重要な機会となり又、将来に向けてアジアの2大国である日本と中国の相互理解と友好関係を促進する助けとなれば大変嬉しく思います。ドナルド・ラップナウ」。

みんなで学ぶ「中国近現代史」学習会始まる

今の中国を理解するためには近現代史の学習から

中国を理解するために始めた「みんなで学ぶ  中国近現代学習会」の第1回は5月20日(土)午後開催し7人が参加しました。テキスト「中国史」下巻(山川出版社)第5章「中華帝国の繁栄、1.明帝国の成立―元末期から明帝国へ、2.明末~激流の時代」についてページ毎のポイントをまとめた詳しいプリントを教材として感想や疑問点を出し合いながら学びました。プリントの一部を紹介します。

「明帝国の建設」の項の一部では、「朱元璋集団の特徴。第一は、困難な戦いを勝ち抜いてきた軍団の質実剛健の気風。元朝の自由放任的な政策の下で貧困農民を犠牲にして繁栄していた都市や先進地域中心の社会経済に対して、強い引き締め政策をとった。第二は、流民的略奪集団と一線を画する儒教的な正統主義である。もともと朱元璋は、白蓮教反乱集団の一武将として頭角を現したが、のちに知識人や儒学者をブレーンにしたことにより、刹那的な富貴より、天下をとるという大目標に向けて、有徳の君主の伝統的モデルに沿って自らを律するようになる。

その後、朱元璋は、兵士による婦女財物の略奪や焼き討ちを厳罰をもって禁じた。白蓮教をさえ「妖術」と罵り、かつて自分が属していた「紅巾軍」にたいし、「都市を焼き尽くし士大夫を殺戮した」としてその破壊的傾向を糾弾した。帝位につく以前から、科挙制度や祭壇の建設、律令の編纂など歴代王朝の伝統に則る諸制度の整備が学者グループによって精力的にすすめられ、「天命を受けた仁義ある君主」のイメージに支えられ朱元璋は新王朝を樹立した。朱元璋自身は、儒学的教養とは縁のない環境に育ち、成人後も戦争に明け暮れていたにもかかわらず、皇帝となった時は儒教の古典や歴史に対する相当の素養を身につけていた。

第二回学習会にご参加下さい!

日時:2023年6月17日(土)午後2時~4時

会場:日中友好協会兵庫県連合会「教室」

テキスト「中国史」下 お持ちの方はご持参下さい。

テキストがなくても参加できます。

資料代:500円

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax: 078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

中国茶講座6月は「中国紅茶+α」

中国紅茶や周辺国で作られた紅茶を紹介

6月は「中国紅茶」をテーマに開催します。中国紅茶には、伝統的な紅茶から新たな製法で作られたユニークな紅茶まで様々なタイプがあります。一風変わった中国紅茶や、周辺国で作られた紅茶等を紹介します。

日時:2023年6月21日(水)13:30~15:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「教室」

テーマ:中国紅茶+α

講師:神田貴子さん 高級茶芸師 高級評茶員

参加費:1,500円(茶菓子、お土産付き)

定員:12名 事前予約が必要です。

申し込み先:日本中国友好協会兵庫県連合会

神戸市東灘区本山北町3丁目4-9 甲南ビラ201号

(JR摂津本山駅北口を東へ線路沿いを徒歩約1分ほど)

Tel&Fax: 078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

地図でめぐる孫文と神戸、華僑ゆかりの地

孫文は1924年11月、神戸高等女学校で「大アジア主義」講演

辛亥革命(1911年)で清朝を倒し、アジアで初めての共和国が誕生しました。1912年1月、中華民国臨時政府が南京で成立し孫文が臨時大総統に就任(1月1日~4月1日)しました。孫文(1866年~1925年)は1895年~1924年の間に18回にわたり神戸を訪れたと言われています。1924年11月28日に県立神戸高等女学校講堂(現兵庫県庁1号館のあたり)で超満員の聴衆を前に「大アジア主義」講演を行っています。来年は孫文の神戸講演から100年となります。神戸には孫文・華僑ゆかりの地が数多くあります。地図を見ながら辿ってみると神戸での歴史、孫文の足跡がよりわかりやすくなるでしょう。更に詳しく知ろうと思われる方は孫文記念館、華僑歴史博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。(地図は孫文記念館・神戸華僑歴史博物館共作より)

神戸東灘区の伝統文化「本山だんじりパレード」

青空の下、活気に満ちただんじり囃子が響く

5月4日の昼過ぎ、東灘区を東西に走る山手幹線道路上に住吉川以東の10地区から大勢の人たちに綱で引かれてきた地車が終結し、JR摂津本山駅北側交差点付近の「練り場」で、勇壮で華麗な伝統あるだんじりの上で囃子に合わせ大声を張り上げながら色鮮やかな布切れを振る若者たちの力強い掛け声が響き、沿道を埋め尽くす大勢の見物の人たちに感動を与えていました。子供たちが並んで引く子どもパレードもあった、次世代を担う子供たちには大きくなったら頼むよ!何時までもこの文化を大切に守ってほしいと願いながら見守ります。

2020年以降は新型コロナウイルス感染症の広がりでパレードは中止を余儀なくされ、4年ぶり開催となりました。待ちに待った地元の人たちの思いが伝わってきます。パレードを企画した世話役の人たち、地車に乗る人、綱を引く人、その姿を楽しく、頼もしく見守る多くの人たちの心が一つになっているように感じ感動しました。これが昔から伝わる素晴らしい伝統文化、これからもこの貴重な文化を守り後世まで引きつぎ残してほしいものと心から願うばかりです。