神戸南京町春節祭3年ぶりの賑わい

中国史人游行や変面などのステージショーに歓声!

1987年に始まった神戸南京町の春節祭は今年35回目となりました。1月22日、中国史人游行が商店街を練り歩き春節祭を盛り上げ、27日~29日は南京町広場ステージで連日、変臉(変面)や雑技、歌、踊り、楽器演奏、太極拳、チャイナドレスショーなどが行われ広場周辺には3重、4重に人の輪ができました。また商店街は歩行が出来ないほどの混雑で、軒を連ねる飲食店前には長蛇の列ができ多くの人が買い求めていました。コロナで開催できなかったステージでの演技が今年は再開され終日大賑わいでかつての活気が南京町に戻ってきました。

2023南京町春節祭

中国史人游行や変臉(変面)など披露

旧暦で節句を祝う中国では、旧歴のお正月を「春節」として盛大に祝います。祝い事には欠かせない龍や獅子が舞踊り大いに賑わいます。神戸・南京町でも旧歴の正月に合わせ、1987年から「春節」をアレンジし「春節祭」として開催が始まりました。この春節祭は1997年に神戸市の地域無形民俗文化財に指定されています。

期間:2023年1月22日(日)旧歴元日、27日(金)~29日(日)

場所:神戸南京町一帯(JR/阪神元町駅から南へ徒歩約5分)

「中国史人遊行」玄宗皇帝・項羽・呂布、楊貴妃・虞姫・貂蝉

「変臉(変面)」南京町広場ステージ(四川の伝統芸能)

「関帝・祭壇参拝」南京町広場(料金100円・線香代)

◇天候やコロナの状況により中止となる場合があります。

春節近づくシンガポール中華街

中国系の人々が人口の7割ほどと言われているシンガポールで、中華街の写真が本日(1月14日)届きましたので紹介します。クリスマスが終わると、街は春節を祝う鮮やかな飾り物がストリートを埋め尽くし赤一色になります。。写真の建物はトゥーステンプル(新加坡佛牙寺)で、朝から多くの人々が集まり行事が開かれているようです。中華街の賑わいは暫く続きそうです。ライブストリーミングもあると伝えてきています。

中国認識の21世紀的転換点を眺望する

「日中国交正常化50周年記念講演会」西村成雄前孫文記念館副館長・大阪大学名誉教授が中国を語る

日中国交正常化50周年を記念し、日本中国友好協会兵庫県連合会は12月11日午後、西村成雄前孫文記念館副館長・大阪大学名誉教授を迎え、「中国はどこへ行く―中国共産党第20回大会~3期目を迎えた習近平体制」と題し神戸市内で記念講演会を開催し市民45人が参加しました。100分にわたる講演の一部を紹介します。

西村成雄氏は唐代から清朝時代の歴史を振り返り辛亥革命(1911年)以降、皇帝政治から共和制へ移行していく中国の国家体制が出来る過程や現在の中国をめぐる情勢について25ページにわたる資料を提示し、その歴史の延長線上にある現在の中国について語りました。中国をどう理解するか、3点をあげ解説しました。1、「六角形の中国(6領域から中国への認識)」、①政治②軍事③経済④金融⑤思想⑥社会、この分野が今後どうなっていくか、その特徴などを見ていけば歴史的発展段階がわかるのではないか。いま米国はこの領域で中国を抑え込もうとしている。2、「党国体制」、党が国家を運営するという考えがなぜ生まれたのか、政治の構造はどうなっているのかについて、これまでの近現代の歴史を25年毎の周期で考えてみる必要がある。清朝第6代皇帝・乾隆帝の時代に3年間、国民の水準を引き上げるためとして訓政(国民を指導する体制)を執った歴史がある。乾隆帝没(1799年)後、アヘン戦争、辛亥革命を経る中で国家体制について、皇帝政治を倒し共和制へと体制移行する過程で中国は、英国型のブルジョワジー政党制やドイツ、日本型の官僚主導の政治体制ではなくロシア型の革命党主導の政治体制を執り、今日まで引き続がれてきた歴史を解説しました。3、「世界の中の中国」、世界における中国の位置付け、国際的枠組みを知っておく必要がある。2010年、中国のGDPは日本を超え、現在は3倍となっている。米国に次ぐ世界第2の経済大国となり、これが軍事力にも影響を及ぼしている。この中国と今後どう付き合っていけばよいのか、先ずは相手(中国)のことを正しく、よく知ることです。その上で、それを超える論理を考えることが大事ですと語りました。

第45回兵庫の「語りつごう戦争」展に市民250人参観

「戦争する国」日本から「戦争しない国へ」テーマに5日間開催、連日、戦争体験を語りつぐ会や平和色紙展も

兵庫の「語りつごう戦争」展の会は1978年の開催以来、毎年12月8日(太平洋戦争開戦日)にちなんで「再び戦争をおこさせない、世界から戦争をなくそう」という目標を掲げて戦争展開催を続けています。

12月7日~11日、神戸市兵庫区の妙法華院を会場に、「『戦争する国』日本から『戦争しない国』へ」をテーマに第45回兵庫の「語りつごう戦争」展が開催され市民約250人が参観しました。会場には学童疎開の写真や当時を記録した資料、戦時下の国民の暮しを紹介する資料など多数が展示されました。燈下管制の下、市民が暮す部屋の模型も再現され戦時下の国民が如何に厳しい生活を強いられていたかを示しています。原爆で被爆した衣類や額に入った絵画なども展示され核兵器の恐ろしさを伝えていました。平和色紙展コーナーでは、市民が応募した平和を願う色紙が46点展示され訪れた人はじっと見つめていました。

戦争体験を聞く集いは期間中毎日午後、同寺院会議室で開催され「元集団疎開児が戦争を想う」「77年前の私に出会って」「父の徴兵と国民のくらし」「8月6日の空襲で家消滅」のテーマでそれぞれ体験者が語りのべ80人の市民が参加しました。「12・8のつどい」は「いのちの足音」と題し、介護のすばる所長・小林リオさんが特別養護老人ホームに入所する人達から聞き取った体験談を本にまとめた「『きらくえん』の人々が語る戦中体験」をヘルパーの人達に読んでもらった感想文を紹介しました。小林さんは、今の社会は国民が安心して高齢を迎えられるだろうか、私たちが望む世界になるのだろうか、今の社会がこのままでよいのだろうかと自問する日々が続いていると自身の心境を語りました、集いには40人が参加しました。

講演「もっと知ろう台湾」に会場満席

安井三吉氏が「台湾の人と歴史そして今」を語る

兵庫県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ(AALA)連帯委員会は12月4日(日)午後、神戸市内で安井三吉神戸大学名誉教授を招き、「もっと知ろう、台湾~人と歴史そして今」をテーマに講演会を開催し会場いっぱいの60人が参加しました。

安井氏は、資料映像を映し、台湾の人、土地、歴史、本土、郷土などについて説明した後、日中共同声明と台湾の問題について、1972年9月に日本国と中華人民共和国が「日中共同声明」を発表し関係を正常化、日本が台湾と結んでいた日華平和条約を終了させ関係を断絶したこと。日中共同声明は、中国側が「中華人民共和国は中国の唯一の合法政府で、台湾は中国の領土の不可分の一部」と表明、日本政府は「中国の立場を十分理解し、尊重する」と表明し調印している。また「尖閣問題」について当時の田中角栄首相が周恩来首相に「尖閣問題をどう思うか」と尋ね、周恩来首相は「今回は話したくない」と返答し、以来この問題は棚上げとなったと説明。

1895年~1945年、日本の植民地統治となった台湾について、日本化(皇民化)と近代化の両面について解説しました。皇民化を強行したことで、霧社事件(1930年10月)が起こり、教育面では日本史を国史に、日本語教育や神社崇拝、改姓名、徴兵制による戦争動員(1940年~45年)などを進めた。近代化政策では公衆衛生、鉄道、水利、風俗習慣、断髪、解纏足などを行っている。日本敗戦後の蒋介石政権下では二二八事件〔1947年2月28日)が起こり戒厳令が敷かれ軍、警察が出動し弾圧、犠牲者は推定18000人とも推定されている。1945年~1991年国民党統治時期、1991年~2022年の民主化時期の台湾について年表で説明しました。

現在の台湾について2011年~2021年の台湾の貿易の推移や台湾と国交を持つ国々が2021年現在14ゕ国へと減少していること、台湾の民意について、独立や統一は少数で現状維持が全体の53.5%となっていること、アイデンティティは「中国人」が2.4%、「台湾人」が63.7%となっていることを紹介。台湾人の支持政党は民主進歩党31.1%、中国国民党14%、その他54.9%(2022年、台湾政治大学選挙研究センター)となっている。最後に、安井氏の「三つの『夢想』」について、〔1〕中国の民主化、(2)沖縄を「万国津梁」の地に―尖閣一帯を住民の「生活圏」へ―、(3)両岸の「領導人」の会談を孫文ゆかりの地神戸で開催、との自身の思いを語りました。

「中国残留邦人への理解を深める集い」に市民170人参加

中国帰国者の体験発表やドキュメンタリー映画上映

神戸市主催・委託事業団体、中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会(浅野慎一代表)実行の2022年度中国残留邦人への理解を深める集い「中国『残留日本人孤児』の歴史を語りつぐために」が11月23日、神戸市立長田区文化センター別館ピフレホールで開催され市民約170人が参加。開会に際し、杉浦裕幸神戸市福祉局就労監査担当課長が主催者を代表してあいさつ、続いて浅野慎一中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会世話人代表があいさつしました。(写真上:あいさつする浅野慎一中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会世話人代表)

集いは、植田恒陽さん(1944年中国黒竜江省佳木斯生まれ)が「残留孤児」となった経緯やその後中国人家庭で育てられたこと、肉親捜しでやっと家族が見つかり帰国できたこと、帰国後の状況などについて体験を語りました。続いて、沖縄県出身の残留婦人・仲松良子さんの長男仲松長征さんの配偶者・仲松蘭子さん(1991年41歳の時、子ども2人を連れて日本へ)は自身の中国での体験や家族のこと、帰国後の生活や日本語教室へ通っていることなどについて語りました。(お二人の体験談は字数が多いため発表全文はHP「帰国者支援」のページで紹介します)。

最後に、残留婦人2世の山田静さん(撮影時59歳)が帰国後22年、東京でタクシードライバーとして働く姿や、家族と共に強く明るく生きる波乱万丈の人生を追ったドキュメンタリー映画「中国・日本わたしの国」(2013年、ちと瀬千比呂監督)を上映。山田静さんは、母の祖国・日本へ来て22年目(2013年当時)を迎えた中国残留婦人2世。中国で2度、日本で1度の離婚を経験し、異父兄妹4人の子を女手ひとつで育て挙げた。誰に対しても物怖じせず、自身の主張は通す。弱音は吐かず、誰の手助けも借りようとしない。日本へ来てからは忙しく、病気をする暇もなかったという彼女が腎臓を患って手術した。その際、長く大連のお墓を訪ねていないため、母が怒ったのでは、と2人の子を連れて中国へ里帰り、その旅にもカメラが同行取材し紹介する記録映像。

もっと知ろう、台湾―人と歴史、そして今―

兵庫県AALAが「台湾」テーマに学習講演会

兵庫県AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)連帯委員会は「もっと知ろう、台湾―人と歴史、そして今―」をテーマに学習講演会を開催します。

日時:12月4日(日)14:00開会(13:30開場)

会場:こうべまちづくり会館・2Fホール

(JR/阪神元町駅西口から西へ10分、元町商店街4丁目)

講師:安井三吉 神戸大学名誉教授、孫文記念館名誉館長

参加費無料

主催:兵庫県AALA連帯委員会 ☎078-351-0194

米国のペロシ下院議長の訪台、地域での軍事演習、南西諸島への自衛隊配備などを見ると、「台湾有事」は目前に見えるし、「台湾有事は日本有事」と公言する政治家もいる。しかし、まず基本的なところで、仮に中国軍が台湾を武力統一したとしても、米国も日本も軍事的には一切関与できないことをはっきりさせておく必要があるだろう。

つまり、米国も「一つの中国」を認めている以上、中国に対抗し軍事的に台湾を守る論理はないのである。「内政干渉」だし、中東での介入のように「自衛権発動」とも言いにくい。中国もあえて波風を立てず、地域として発展することを期待しており、あえて武力侵攻する必要はない。

結局、米中全面戦争の環境はなく、怖いのは「偶発戦争」で、危ないのは軍需産業の利益やお互いのメンツ。要はそれを踏まえた外交だ(丸山重威・ジャーナリスト。日中友好新聞10月1日号「中国レーダー」より)。

孫文記念館・リニューアル記念「特別展」開催中

特別展「張̚廉卿・宮島詠士  師生とその周辺書展」

中国の革命家・孫文(1866年~1925年)の足跡を伝える孫文記念館(移情閣)が半年間の改修工事を終え、記念の特別展を開催中です。文学者の張廉卿(1923年~1894年)と、弟子で中国語の教科書を出版するなどした宮島詠士(1867年~1943年)らの作品を集めた「張廉卿・宮島詠士 師生とその周辺書展」で11月30日まで開催しています。

孫文記念館は辛亥革命を主導した孫文、明治・大正期に神戸で活躍した中国人実業家・呉錦堂の功績を紹介するパネルや史料を常設展示しています。建物は国の重要文化財ですが、海に面していることから近年、塩害で亀裂などが目立つようになっていた。そのため5月から、亀裂の補修やペンキの塗り替えなどが進められていました。同展は開館時以来で、同館を運営する孫中山記念会が再出発にふさわしいと企画したものです(記事は神戸新聞より、写真は孫文記念館)。

孫文記念館へは、JR舞子駅下車南へ、明石海峡大橋の東側。

記念館入館料:一般300円・70歳以上200円・高校生以下無料

お問い合わせ:☎078-783-7172(孫文記念館)

日中国交正常化50周年記念講演会「中国はどこへ行く」

中国共産党第20回大会―3期目を迎えた習近平体制

中国共産党第20回全国代表大会が10月16日~22日に北京で開催されました。大会では新任4人を含む政治局常務委員7人が選出され、3期目となる習近平総書記の新体制がスタートしました。台湾統一や減速が伝えられる経済問題、特色ある社会主義強国をめざす中国の今後の行方について西村成雄氏に講演頂きます。(写真:新華社)

日時:2022年12月11日(日)14:00~16:00

会場:神戸市立兵庫区文化センター講習室

(JR兵庫駅北側、陸橋を山側へ渡ったところ)

講師 : 西村成雄   前 孫文記念館副館長

テーマ「中国はどこへ行く~中国共産党第20回大会―3期目を迎えた習近平体制」

参加協力費:500円         定員:70名

西村成雄 講師:大阪外国語大学卒業・東京都立大学大学院修了、大阪外国語大学・大阪大学・放送大学教員・孫文記念館など。

著書:『中国近現代東北地域史研究』『20世紀中国の政治空間:中華民族的国民国家の凝縮力』『中国の近現代史をどう見るか(岩波書店)』など。

必ずマスク着用でご参加お願いします。

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax:078-412-2228 

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

記録映像「葫蘆島大遣返」上映会

「日本人難民105万人引揚の記録」――東神戸支部が総会記念上映会を企画

戦争と「満州」引き揚げの真相を描いたドキュメンタリー映画「葫蘆島大遣返」(1997年度作品)に未公開映像を加えた「葫蘆島を記録する会」自主制作の復刻・増補版(102分)です。今夏、神戸市灘区の原田の森ギャラリーで開催された「一九四六」大型絵画展には多くの人々が鑑賞し、大きな感動を呼びました。今回は、映像による歴史の振り返りです。ぜひ多くの人々に観ていただきたい記録映像です。(写真:毎日新聞「在外邦人引揚の記録より)

上映日時:2022年12月9日(金)午後2時~

会場:御影公会堂1階ホール

(阪神石屋川駅北へ徒歩約5分、神戸市バス公会堂前下車すぐ)

入場無料(会場内に任意のカンパ箱を置きます)

主催:日本中国友好協会東神戸支部

お問合わせ:Tel&Fax::078-412-2228