兵庫の「語りつごう戦争」展に市民300人が参観

マスコミ各社が大きく報道

12月8日~12日、「子どもたちと戦争」をテーマに、兵庫の「語りつごう戦争」展が神戸市兵庫区の妙法華院で開催されました。実行委員会からの報告を紹介します。

今回で44回目となる「兵庫の『語りつごう戦争』展は、12月8日~12日までの5日間開催しました。今年はNHKが、私たちが取材した引率教師の日記に基づいて展示開催の報道、及び展示の紹介の報道を12月7日、8日と2日にわたり行ったこと、毎日新聞、神戸新聞、朝日新聞の報道、特に毎日新聞、神戸新聞に展示内容が大きな紙面を割いて報道されたこともあり、連日活気ある展示会となりました。

参観者は延べ300人、並行して開いた「戦争体験を語る会」には4回で累計約80人、「12・8のつどい」には16人が参加しました。開催にあたり、物心両面のご支援を頂いた方々にご報告し、御礼申し上げます。

今年は、「子どもたちと戦争」をテーマに、子どもたちが直接体験したことは「疎開」ではないか、ということで神戸市立小野柄国民学校(現・中央小学校)が疎開した赤穂郡上郡町の黙笑寺へ取材に行き、提供された「引率の先生の日記、スケッチブック」を中心に、神戸市立須佐国民学校(現・明親小学校)の児童が書いた作文集「疎開生活壱か年のあしあと」、神戸市立山手国民学校(現・中央小学校)集合写真や疎開生活の写真など、取材し提供されたものを展示しました。

戦争は全ての国民を巻き込むもので、決して反対者を許さず、国民の意識を戦争に集中させるため、教育・マスコミ・近隣コミュニティを総動員したという歴史の事実。戦争の惨禍を忘れないだけでなく、戦争体制がつくる軍国社会・暗黒社会の怖さも知ってもらいたいです。「12・8のつどい」では、後藤浩氏の講演で「沖縄の今!」と」題して、沖縄の直面している問題の打開へ向けて様々な角度から学習しました。「戦争体験を聞く集い」では、学童疎開の経験をはじめ、「兵庫から伝えたいヒロシマ・平和」、「父の戦争体験」、「母から伝え聞く沖縄戦」と4名の方々からお話しを聞きました。また2005年から同時開催している「平和色紙展」へ58点の出展を頂きました。

兵庫の「語りつごう戦争」展実行委員会

第44回兵庫の「語りつごう戦争」展

子どもたちと戦争ー太平洋戦争80年・満州事変90年ー

今年は「満州事変」から90年、太平洋戦争開戦から80年にあたります。兵庫の「語りつごう戦争」展の会は、第44回戦争展を12月8日から開催します。資料展示と合わせ、連日、「戦争体験を聞くつどい」「こどもコーナー」、「平和色紙展」や太平洋戦争開戦日にあたる12月8日には「12・8のつどい」が開催されます。

●開催期間:12月8日(水)~12日(日)10:00~18:00

8日(水)は13:00~ 12日(日)16:30まで

●会場:妙法華院2階(高速新開地駅西口上り南へすぐ)

「展示内容」2階展示場 入場無料 マスク着用!

◆戦争する国の社会◆戦争と子ども・学校◆戦時中のくらし

「子どもコーナー」2階展示場

◆ちいちゃんのかげおくり ◆一つの花

「平和色紙展」 1階展示場

「12・8のつどい」 4階和室 参加無料!

・12月8日(水)18:00~  

・講師:後藤 浩(安保破棄兵庫県実行委員会)

・テーマ:沖縄の今!

「戦争体験を聞くつどい」3階会議室 13:00~

・12月9日(木) 山本美弥子さん

「兵庫から伝えたいヒロシマ・平和」

・12月10日(金) 白井 博美さん

「父の戦争体験」

・12月11日(土) 米倉 澄子さん

「私の学童集団疎開」

・12月12日(日) 仲村 元一さん

「母から伝え聞く沖縄戦」

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展実行委員会

連絡先:神戸市兵庫区永沢町4-5-8(妙法華院内)

Tel:090-5896-6048(上野) 078-575-2608

後援:神戸市教育委員会/毎日新聞神戸支局/読売新聞神戸総局/朝日新聞神戸総局/神戸新聞/サンテレビジョン/ラジオ関西

第19回「戦争遺跡めぐり」

~神戸市灘区の戦争遺跡を歩く~

兵庫の「語りつごう戦争」展の会主催の戦跡めぐりです。今回は神戸市灘区の戦跡を歩いてめぐります。参加される方は添付の申込書に「お名前・住所・所属・電話番号」を書いてFaxで下記へお申込み下さい。

  • 日時:2021年11月27日(土)雨天中止
  • 集合場所:阪神大石駅改札口 午前10時集合
  • 参加協力費:500円(資料代含む)

コース:阪神大石駅→船寺神社1945年の空襲で大きな被害を受けた)西灘公園(戦災復興記念碑)西郷小学校(紀元2600年記念台座)成徳小学校・成徳公園皇紀で書かれた学校創立記念碑、六甲飛行場仮設滑走路)東明八幡神社(空襲を受けた跡がある鳥居)石屋川公園(アニメ「火垂るの墓」のモニュメント)御影公会堂(地元酒造家の:寄付で建てられ1945年の空襲で残った、アニメ「火垂るの墓」に出てくる)解散(12:30頃)

申込先:兵庫の「語りつごう戦争」展の会

FAX:0798-43ー7138

問い合わせ先:090-8535ー7401(大木)

オンライン講演会「大学と戦争―慶応義塾大学の学徒出陣を事例に―

遠藤美幸神田外語大学・埼玉大学兼任講師が講演

今回は、慶応義塾大学を事例に「学徒出陣」をテーマに遠藤美幸さんが講演します。慶応義塾大学では学徒3000人以上を軍隊へ送り、約400人が戦没しました。さらに慶応の日吉キャンパス(横浜市)には連合艦隊司令部の地下壕があります。「学徒出陣」で学生が日吉キャンパスからいなくなり、校舎や宿舎なども海軍が使用しました。元学徒兵への聞き取りや連合艦隊の地下壕の内部の話もされる予定です。

日時:2021年12月5日(日)19:30~21:40

・前半講演(30分)視聴のみ 休憩5分

・後半講演(30分)視聴のみ 休憩5分

・質疑応答(30分)

講演:遠藤美幸さん(神田外国語大学・埼玉大学兼任講師、日吉台地下壕保存の会運営委員)

テーマ:大学と戦争―慶応義塾大学の「学徒出陣」を事例に―

参加費:無料  参加人数:100名限定

申込み:氏名、メールアドレス、お住いの都道府県名、所属団体等を明記の上、下記宛にお申込み下さい。申込者には開催前日にズームミーティングのID番号、パスコードをお知らせします。

申込みアドレス:uketugu@kansai.email.ne.jp

主催:撫順の奇蹟を受け継ぐ会関西支部

長編ドキュメンタリー映画「ヒロシマへの誓い」

  • 芦屋非核平和都市宣言36年、被爆76年・非核平和祈念のつどい

「ヒロシマへの誓い―サーロー節子とともに―」上映会

2021年核兵器禁止条約発効が実現します!その大きな原動力として世界で最も尊敬される女性の一人となったサーロー節子の原点を探ったドキュメンタリ―がついに登場しました。

長編ドキュメンタリー映画「ヒロシマへの誓い―サーロー節子とともに」上映会

日時:2021年10月15日(金)14:00~16:00

会場:芦屋市民センター401JR芦屋駅西へ徒歩約6分

参加協力費:500円(高校生以下無料)

先着100人まで マスク着用でお願いします

〈サーロー節子さんのプロフィール〉

広島女学院高等女学校在学中に学徒動員先にて被爆。世界各地にて英語での被爆証言活動を続け、ICAN発足当時よりICANを代表して国連や国政会議にて被爆者としての体験を語り、多くの人に影響を与えている。

主催:芦屋非核平和のつどい実行委員会

連絡先:事務局 Tel&Fax:0797-31-6634(福田)

共催:芦屋市原爆被害者の会

協賛:原水爆禁止兵庫県協議会/比較の政府を求める兵庫の会/平和と民主主義をすすめる芦屋西宮の会

「戦時体験からの考察」オンライン講演会

「ヒロポン」と「特攻」女学生が包んだ「覚醒剤入りチョコレート」 梅田和子さんの戦争体験からの考察

「オンライン講演会」

日時:2021年10月3日(日)19:30~21:40

講師:相可文代さん(元大阪府中学校社会科教師)

オープン講演会 40分×3コマ

前半30分講演(休憩5分)後半30分講演視聴

質疑応答 30分  参加費:無料

申込み:氏名・メールアドレス・住まいの都道府県名・所属団体などを明記の上下記アドレス宛メールでお申込み下さい。

お申込みアドレス:uketugu@kansai.email.ne.jp

撫順の奇蹟を受け継ぐ会関西支部事務局

元大阪府中学校社会科教員の相可文代さんが今年5月に『「ヒロポン」と「特攻」女学生が包んだ「覚醒剤入りチョコレート 梅田和子さんの戦争体験からの考察」』の冊子を発行されました。戦時中、女学生に校内で覚醒剤入りのチョコレートを包装させていたとは・・・特攻任務の酒の飲めない若い兵隊に有難いものだと「菊のご紋」までつけて飛び立つ前に食べさせていたとは・・・どこまで酷いのでしょうか・・・。

高槻地下倉庫についての記録もあり、梅田和子さんが目撃した戦時中の朝鮮人強制労働の現場や日本人下士官による朝鮮人労働者に対するリンチなどについても記載されています。冊子は大反響で、相可さんから直接お話を聴きたい方が多くおられると思いますが、コロナ禍でライブ集会は開催できませんが、オンラインで講演が視聴できるこの機会に是非ご参加下さい。参加は事前登録制となっています。

冊子「ヒロポンと特攻  女学生が包んだ覚醒剤入りチョコレート」

この冊子は、現在90歳の梅田和子さんの戦争体験をまとめ、そこから「ヒロポンと特攻」というテーマを掘り下げたものです。アジア・太平洋戦争の末期に、日本軍は「特攻」作戦を行いました。特攻兵にはさまざまな形で「ヒロポン」(覚醒剤)が提供され、興奮状態で米軍の戦艦への体当たりが強制されました。酒に混ぜたり、チョコレートに入れられていたものもありました。

「覚醒剤入りチョコレート」は、旧制茨木高等女学校(現・府立春日丘高校)で女学生が包んでいました。茨木高女は学校全体が軍需工場として陸軍に接収されていたのです。さらに梅田さんは途中で高槻地下倉庫での勤労動員を命じられました。地下倉庫では多くの朝鮮人が働かされており、梅田さんは日本軍の下士官たちが朝鮮人をリンチする現場も目撃しています。

冊子は1冊 500円(10冊以上は送料無料)お申込みは下記へ

o-fumiyo@kdt.biglobe.ne.jp

「9・18 満州事変」から90年

中国侵略15年戦争の始まりとなった「満州事変」

中国東北部に駐留していた日本の関東:軍は、1931年9月18日、奉天(現・瀋陽)近郊で、日露戦争後にロシアから譲渡され日本の南満州鉄道(株)が経営していた鉄道線路が爆破され、関東軍はこれを中国軍の仕業(戦後、関東軍の謀略と判明)として軍事行動を起こしました、これが柳条湖事件(「満州事変」、中国呼称は9・18事変)です。当初、日本政府は不拡大方針をとっていましたが、後に関東軍の軍事行動を容認します。(写真下は線路爆破現場)

関東軍は「満州」各地を軍事力で占領し、1932年日本の傀儡国家「満州国」を建国させました。これに対し、国際連盟の会合で加盟各国から非難され、国際社会で孤立した日本は国際連盟を脱退、以後、侵略戦争拡大へ突き進み、1937年7月7日の盧溝橋事件を契機に中国全土へ戦火を拡大、1941年12月8日にはアジア・太平洋戦争へと更に拡大し、2,000万人を超すアジアの人々の命を奪い、資源を略奪、国土を破壊しました。この侵略の歴史を忘れず、加害国の国民として、事実を語り伝え、二度と過ちを起こさせないと誓うことが真の信頼回復、友好へつながる道ではないでしょうか。(U)

強制連行・強制労働による「中国人犠牲者を慰霊する集い」を開催

犠牲者追悼と「武漢作戦」に従軍し撮影された戦記映画「戦ふ兵隊」上映

日中友好協会兵庫県連合会は9月5日(日)午後、神戸市兵庫区の宝地院で「中国人犠牲者を慰霊する集い」を開催しました。

戦争末期、国内の労働力不足を補うため当時の日本政府は中国大陸から中国人労働者を全国で6万8千人余り、兵庫県へは約1,500人を強制的に連行し、神戸港では貨物船の荷役に、相生の播磨造船所では雑役工に強制使役し神戸で17人、相生で28人が亡くなりました。

1995年の大震災で宝地院本堂が全壊し、再建に取り組んでいたとき、1957年に関帝廟で全県的規模で行われた「殉難中国人慰霊祭」で使われた「慰霊牌」が見つかったのを機に、1998年から宝地院で始めた「中国人犠牲者を慰霊する集い」は今回で23回目を迎えました。

読経の前に、中川正興住職はコロナ禍の市中の様子やアフガニスタン問題に触れ「紛争は武力で解決することは出来ません。仏教界は世界の人々が安全で安心して暮らせる社会を願っています」と話し、参加者全員が焼香し犠牲者を追悼しました。

追悼行事の後、地階集会室で、1938年6月~10月、日本軍の「武漢作戦」に従軍し撮影された戦記映画「戦ふ兵隊」を上映しました。この映画は当初、戦意高揚のために作成されましたが、亀井文夫監督は、兵隊の行軍や日本軍の根拠地の様子などに加え、中国人農夫が畑を耕やしたり、大きな荷物を担ぎ避難する多数の住民、瓦礫と化した街中で使えそうな物を探す中国人の様子、行軍で疲れ果てた日本軍兵士の休む姿や寝姿も撮影しています。完成後の検閲で上映は不許可、公開禁止となり、ネガは処分され、幻の映画と言われていました。1941年に亀井監督は治安維持法違反で逮捕、投獄され監督免許をはく奪されました。

1975年に1本のポジフィルムが発見され、日本映画史上重要な作品と再認識されて、1970年代後半には全国で上映活動が行われ話題となりました。今回の上映会に参加した人は、「当時の戦記映画にしては銃弾の飛び交う音はするが戦闘場面は少なく、負傷者を運ぶ姿や兵士の厳しい任務の様子等のほか、大勢の中国人住民たちが大きな荷物を担ぎ、片手に荷物を持ち子供の手を引き避難する中国人母子の姿なども撮っていて当時の映画では珍しい貴重な映像だ」などの感想がありました。(写真上:本堂で犠牲者追悼、下:映画「戦ふ兵隊」を上映)

「『ちむぐりさ』菜の花の沖縄日記」上映会

芦屋「九条の会」が芦屋市民センターで上映会

沖縄の言葉、ウチナーグチには「悲しい」という言葉はない。それに近い言葉は「肝(ちむ)ぐりさ」。誰かの心の痛みを自分の悲しみとして一緒に胸を痛めること。それがウチナーンチュの心、ちむぐりさ。

沖縄では、米軍基地周辺で子どもの命を脅かすことが頻発している。もし、自分の子どもや孫が通う学校に、重さ8キロもあるヘリの窓が落ちてきたら・・・。想像してほしいと、菜の花さんは懸命に言葉を紡ぎ続けた。その澄み切った彼女の姿と言葉は、分断が進む時代にあって”希望”そのもの。映画で描いているのは、ひとりの少女の小さな小さな声ー。でも、その声が、県境を、国境を越えて、きっと誰かの心に届く。そう信じています。米軍基地の問題は国の安全保障政策に関わりますが、沖縄県民にとっては何よりいのちと暮らしの問題です。(平良いずみ監督)

日時:9月26日(日)14:00~16:00(開場13:30、106分)

会場:芦屋市民センター401室(芦屋市業平町8-24)

JR芦屋駅から西へ徒歩約6分、阪急芦屋川南へ約7分

参加費:500円(障害者・大学生以下無料)

※感染症対策のため、必ずマスクの着用をお願いします。定員は200名ですが、感染拡大状況によっては入場を制限することがあります。

主催:芦屋「九条の会」 090-7118-2312(片岡)

URL: http://ashiya9.web.fc2.com/

加古川市で平和のための戦争展開く

コロナ感染症が拡大する中でしたが、8月12日~14日、加古川市内で第22回「加印平和のための戦争展」が開催されました。展示会場では、地元の戦跡紹介や兵士の遺品などが多数展示されました。また、平和の旅を通じて得た「日本軍は東南アジアで何をしたか」の説明資料や沖縄の米軍基地についての資料、「広島から次世代へ平和のバトン展」では被爆写真や惨状を描いた絵などが展示されました。

戦争展は資料展示と開催期間中、別会場で連日講演会が開催されました。14日(土)午前の講演会で前田清氏(日中友好協会県連会長)が「日

米首脳会談と台湾問題」と題し講演しました。台湾問題について、中国は「台湾問題は核心的利益」と強く主張、米国は「『専制主義と民主主義の競争』で台湾を支援(軍事)」と表明し、日本の自衛隊最高幹部は「台湾は日本にとっても守るべき第一列島線の直ぐ西にある戦略上の要衝であり、日本防衛の最前線」と指摘している。さらに前田氏は、台湾問題をめぐる米バイデン政権と日本の菅政権の動きや日米首脳会談と日米共同声明、G7主要7ゕ国会議の内容について説明し、また台湾の歴史についても詳しく解説しました。

講演終了後、ゲストとして会場を訪れていたスオナ奏者・李拓さん(兵庫県在住の日本人高校生)が紹介され、自己紹介のあと一曲を披露しました。李拓さんは、中学生の時、両親と一緒に中国を訪れた際、スオナの演奏を間近で聞き、その音色に魅了されスオナを購入し練習を始めたそうです。昨年10月からは演奏活動を開始し、スオナの魅力を全国に伝えたいと抱負を語っていました。