台湾・国民党・鄭麗文主席が訪中

習近平国家主席と会談

台湾・国民党の鄭麗文主席は4月7日、総勢13名の訪中団を率いて中国を訪問しました。国民党党首の訪中は約10年ぶりとなります。11日には北京の人民大会堂・東大庁において、習近平国家主席との会談が実現しました。

会談の中で鄭主席は、戦争を防ぎ回避するための制度的な解決策を模索し、台湾海峡を「紛争の平和的解決」の模範とすべきだと強調しました。また、制度的で持続可能な対話・協力のメカニズム構築の必要性にも言及しました。

一方、習近平主席は「国家は分かち難く、乱れてはならない。民族は散らばってはならず、文明は絶えてはならない」と述べたと報じられています。さらに「台湾独立に反対することは双方の共通の政治基盤である」との立場を改めて示したとされています。

双方はまた、「平和は不可逆であり、台湾海峡を紛争の駒にしてはならない」「民族復興、両岸の交流と協力、九二コンセンサスの堅持と台湾独立反対」といった点を再確認しました。

九二コンセンサスとは

「九二コンセンサス」とは、1992年に中国の海峡両岸協会と台湾の海峡交流基金会が確認したもので、「一つの中国」を認めつつ、中国側は国号を「中華人民共和国」、台湾側は「中華民国」と称することを当面は相互に容認するという「一中各表」の考え方を指します。

技術・社会分野での協力にも合意

さらに双方は、新エネルギー、疾病対策、人工知能とその倫理などの分野でも協力を進め、テクノロジーを人類の福祉に役立てるべきだとの認識で一致しました。

台湾国内の政治状況と今回の訪中の背景

台湾ではこの8年間、「台湾独立」を掲げる民進党の蔡英文総統が政権を担ってきました。しかし、新型コロナ対策の迷走、物価高、賃金の伸び悩み、不動産価格の高止まりなどが重なり、労働者・農民・市民の間で不満が蓄積。2024年の総統選挙では政権交代が確実視される情勢でした。

ところが、野党の国民党と民衆党による「候補者一本化」が選挙直前に破綻し、結果として民進党が辛勝。頼清徳氏が総統に就任しました。ただし、議会では与党が少数派となっています。

さらに現在、第二次トランプ政権による台湾半導体産業への強い要求や武器売却の圧力、自国防衛費の大幅増額の要請などが続き、台湾社会には不安が広がっています。

こうした情勢の中で行われた鄭麗文主席の訪中は、必然性をもって生まれた動きといえます。この時期に中台双方の指導者が直接会談したことは、台湾海峡の平和的解決に向けた期待を抱かせる出来事として、国際社会からも注目されています。

参考資料

  1. 山本恒人 Facebook(2026/04/04)

  2. 人民ネット(2026/04/10)

  3. 住友商事グローバルリサーチ(2026/04/10)

  4. 中央日報(2026/04/09)

  5. 西見由章(産経新聞・台北支局長、2026/04/10)

  6. 風伝媒(2026/04/08)

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