東京裁判開廷80周年記念シンポジウム開催

― 中国駐大阪総領事館主催 ―

7月28日午後、中国駐大阪総領事館主催による「東京裁判開廷80周年記念シンポジウム」が、同館2階ホールで開催されました。当日は約80名が参加し、日中友好協会からは兵庫県連の3名、大阪府連の山本会長、和歌山県連の石田事務局長夫妻が出席しました。会場には学生を中心とした若い世代の姿が多く、参加者の半数を占めていました。

開会にあたり、薛剣総領事があいさつを行い、「現在の日中関係は国交正常化以来、最も厳しい状況にある。しかし、先の戦争の歴史を振り返るうえで東京裁判をどう捉えるかは極めて重要である。本日は専門家3名の講義を通じて、皆さんに深く考えていただきたい」と述べました。

■ 第1講義

「東京裁判が規定した戦後の国際社会」 石田隆至氏(上海交通大学人文学院)

石田氏は、研究テーマとして東京裁判を扱っており、日本の中国侵略における戦争責任が十分に裁かれなかったことが、今日も世界各地で侵略戦争が続く一因となっているのではないかと指摘しました。戦後国際秩序の形成と東京裁判の位置づけについて、学術的な視点から丁寧な解説が続きました。

■ 第2講義

「戦後に生まれて戦場で育った」 花鳥賊康繁氏(作家)

花鳥氏は自身の体験を語りました。戦後の山形の片田舎で生まれ育ったが、近隣にはアメリカ軍の演習場があり、砲弾が飛び交う中で畑仕事もできない日々があったといいます。  また、小学生時代の担任が児童文学作家であったことから、自身も作家を志すようになったことを紹介。さらに、近所に住む土屋芳雄氏との出会いについて触れました。土屋氏は日中戦争期に憲兵として戦争犯罪に関わり、撫順戦犯管理所で自らの罪を自白し深く反省した経験を「鬼から人間へ戻った」と語り、その体験を著書にまとめた人物でした。花鳥氏は、その言葉の重みを若い世代にも伝えたいと話しました。

■ 第3講義

「尽くされなかった戦争責任の糾明と戦後日本」 木村知義氏(北東アジア動態研究会)

木村氏は、東京裁判において昭和天皇の戦争責任が免責され、A級戦犯被疑者であった岸伸介氏が不起訴となった後、アメリカCIAとの関係を背景に政界へ復帰した経緯を解説しました。その結果として、日米安保条約体制が今日まで続く日本の政治構造を考える必要があると強調しました。

 

小休憩を挟んだ後、登壇者を交えた質疑応答が行われ、活発な議論が続きました。こうして約3時間にわたるシンポジウムは盛況のうちに終了しました。

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