マカオLRTタイパ線12月10日開業

年内は運賃無料、日本製車両が走る現地初の鉄道

マカオ(澳門)の鉄道事業者、マカオLRT社は12月6日、同社が運営するマカオLRT(新交通システム)タイパ線について12月10日に開業すると発表。2012年末の本格着工から丸7年で開業にこぎつけた。マカオではこれが初めての本格的な軌道系大量輸送機関となる。

タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部。今回開業するのはタイパフェリーターミナル駅と海洋駅間の9.3Km、11駅。沿線には香港や広東省の深圳市などとの間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、マカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区と陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった複数の玄関口のほか、大型カジノIR(総合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパビレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

運転時間は月~木曜日が午前6時30分から午後11時15分まで、金~日曜日及びパブリックホリデーが午前6時30分から午後11時59分までで運転間隔は5~10分に1本とのこと。LRTシステム一式は日本製、東京の「ゆりかもめ」と同じタイプのクリスタルムーバー型の日本製列車(ゴムタイヤ、自動運転)がマカオの街を走ることになっている。(2019年12月6日マカオ新聞ニュースより)

中国への侵略戦争の歴史を学習する旅

新型コロナウイルス肺炎の広がりで、中国湖北省への渡航が禁止されましたので、3月に予定していた訪中を中止します。(主催者1月26日発表)

第9次訪中団~成都・重慶・常徳・廠窖・武漢~

今回は西南地区(四川・重慶)と中南地区(湖南・湖北)を巡ります。日本で殆ど知られていない中国最大の民間抗日戦争博物館・建川博物館の見学、重慶爆撃当時や常徳での毒ガス被害を知る方々、廠窖惨案の幸存者も高齢になられ、お話や証言を聞き交流する貴重な機会となります。

武漢周辺の荊門や宜昌は39師団が暴れまくった所ですが、紀念館や惨案の跡は殆ど残っていないので、中帰連が記録した証言や資料で学習して頂ければと考えています。現地の夏はかなりの猛暑であり、今回は現役の教員や学生も参加しやすい春休み期間で企画しました。ぜひご参加下さい。(受け継ぐ会関西支部)

日程:2020年3月22日(日)~3月29日(日)7泊8日

旅程:関空~成都~重慶~常徳~廠窖~荊州~武漢~関空

詳細は添付のチラシをご覧下さい。

企画:撫順の奇蹟を受け継ぐ会関西支部 

〒533-8799 大阪市東淀川郵便局私書箱17号

Tel&Fax:06-63242439 E-mail:uketugu@kansai.email.ne.jp

12月の中国茶講座は「紅茶」

中国紅茶でこの冬は暖かく過ごしましょう!

世界中で親しまれている紅茶、その始祖と言われる正山小種を始め、中国各地の紅茶を紹介します。身体を温める効果がある紅茶、この冬は中国紅茶で温かく過ごしましょう。どなたでもご参加頂けますのでお気軽にお越し下さい。

日時:2019年12月18日(水)午後1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」阪急岡本駅西へ1分)

講師:神田貴子 高級茶芸師 高級評茶員

参加費:1,000円(お土産、茶菓子付) 定員:15人

事前に下記へご予約お願いします。

※2020年1月、2月は講師の都合で休講します。

連絡先:日中友好協会「中国茶講座」☎078-412-2228

証言「中国残留孤児となった弟よ!」

尼崎市で「中国残留日本人への理解を深める集い」開く

尼崎市の委託事業で毎週1回中国帰国者向けに「日本語教室」を開き、帰国者支援活動に取り組む尼崎コスモスの会(宗景正代表)は11月30日午後、尼崎市立中央北生涯学習プラザ大ホールで「第5回中国残留日本人への理解を深める集い」を開催、中国帰国者やその家族、支援者、一般市民など約200人が参加しました。(写真:「開拓団の歴史について」語る宗景正氏)

集いは最初に、宗景正代表(写真家)が「満蒙開拓団の歴史について」と題し、開拓団の歴史、年表、入植地の地図、写真をを映像で紹介し話しました。同氏が撮影した「昇平開拓団(大阪)の入植地(黒龍江省)を訪ねて」の写真展が大ホール前ロビーで27日から開催され多くの市民が参観しました。昇平開拓団は1943年の入植当時963人の団員でしたが敗戦時までに399人が亡くなっています。(写真:ロビーで開催された写真展に見入る集い参加者)

小学5年生の時、両親、姉弟7人で昇平開拓団に加わり渡「満」した田中義祐さん(1932年生まれ、87歳)が舞台に上がり、質問に応える形で入植当時の体験や思い出を証言しました。「入植から間もなく大工をしていた父親が亡くなり、母親が共同の農作業に加わり働いていました。1945年8月避難命令が出て鉄道駅のある安達へ向かって降り続く雨でぬかるんだ悪路を着の身着のままの状態で逃げ、流行っていた伝染病で沢山の人が亡くなりました。難を逃れ、私たち家族は知人の馬小屋で暮らしました。12月に哈爾濱の花園小学校に収容され、姉と外出から戻ると2人の弟たちがいなくなっていました。先を案じた母親が中国人に預けたのだった。母親はそれからしばらくして亡くなりました」

田中さんは1946年9月、開拓団の人々と共に葫蘆島から米軍の輸送船で博多へ引き揚げてきたが、弟たちの消息は不明。日中国交正常化から数年後、帰国する残留婦人が残留孤児となった弟の修さんの消息を国や大阪府に知らせてくれたことで弟の一人・修さんの所在が判明、1979年10月に一時帰国します。血液鑑定で肉親と判明し兄の田中さんは日本への永住を強くすすめ実現しました。残留孤児となったもう一人の弟は亡くなっていたそうです。義祐さんの弟・修さんは集い会場に出席し紹介されました。田中義祐さんは辛く悲しい自身の体験を集いに参加した大勢の人たちの前で証言を終え会場から励ましの大きな拍手を受けていました。最後に映画「ソ満国境15歳の夏」が上映されました。(写真:体験を証言する田中義祐さん・舞台上・中央の人、集会は数社のマスコミが取材し、動画はYouTubeでも紹介されています)

「中国問題講演会」は会場満席

中国はどこに向かう?日本はどう向き合うか

11月24日、尼崎市で開催した中国問題講演会は、「習近平政権が目指す『中国の夢』―中国社会の過去・現在・未来」と題し山本恒人大阪経済大学名誉教授が講演しました。会場には次々と参加者が来場し満席の熱気に包まれ中国問題への関心の高さが表れていました。

山本教授の講演は、1820年に世界のGDPの32・9%を占めていた中国(清国)は、アヘン戦争の敗北により欧米列強国や日本軍国主義の侵略により半殖民地化となり「東亜病夫」「睡獅」などと呼ばれ屈辱感、絶望感を味わうことになる。中華人民共和国成立直後の1950年にはGDPは4.6%にまで落ち込んでいます。

1987年2月の「中国的歴史教育青年」で鄧小平は、「中国がアヘン戦争によって半殖民地半封建社会に貶められ、中国人は世界から“東亜病夫”と呼ばれるようになった。以来、一世紀近く、孫中山はじめ我国の識者たちは皆中国の出路を探し求めてきたのである」と述べています。

山本教授は、その後の中国の経済発展の足取りと今後の「『中国製造2025』―三段階発展戦略(習近平)」について具体例を示しながら解説する中で、中国はモノづくり大国ではあるが「強国」とは言えないと語りました。米中貿易摩擦問題でのトランプ政権の狙いは「中国の先進国化」潰しで、アメリカの時代の終焉を告げる思想でありその標的は「中国製造2025」にあると強調します。

世界が注目する「香港問題」にも触れ、山本教授は自身の考えを次のように述べています。「逃亡犯条例改定案」は「一国両制」すなわち香港には高度な自治を認め、それを法制化した「香港基本法」があり、それに抵触するものです。50年の期限の中間で両制の「一制」化に踏み出したことによって、中国は信用失墜の過程にあると言わなければなりません。香港市民・学生の「共同五大要求」は広範な支持を受けている。香港行政当局が「逃亡犯条例改定案」を正式撤回したのは正しいとはいえ、「両制」を堅持させる役割を担わなければなりません。「五大要求」への対応の弱さが市民・学生を失望させ運動の過激化の要因となっているのです。

学生・市民は「五大要求」の貫徹で結束し、あくまで非暴力・平和的行動・対話という運動の原点に回帰しなければなりません。警察暴力には暴力をという風潮の拡大・それによる市民生活の障害は広範な市民の支持を失いかねず、さまざまな徴発勢力による運動の妨害・破壊行為を招いています。さらには、それを引き金とする香港駐屯人民解放軍の全面出動にすら至りかねない緊迫した局面を迎えています。

香港高等法院は、行政当局がデモ隊の覆面を禁止する「覆面禁止規則」を布告した措置を「香港基本法」違反とする理性ある判断を示し、警察もその適用を即刻停止しました(11月17日)。「香港行政当局」は警察による実弾発砲拡大を規制し、秩序ある治安行動を指示し、間違っても「香港基本法」に基づく人民解放軍出動を要請するようなことがあってはなりません。

中国は社会主義なのか?についても参加者に問いかけながら語ります。若い時に学んだ社会主義とは、「生産手段の社会化」「労働に対する搾取をなくし、労働に応じた配分」などなど・・これまでは経済的な理解が重点だったが現在は人権・自由・民主主義が重視されるようになっている。自ら称し、他からも「社会主義」と言われてきた中国、どうなっている、どこへ行く・・。社会主義でないとは、資本主義ということか?「社会主義市場経済」の「市場経済」と資本主義は同じ?ちがう?もし資本主義なら指導者中国共産党は資本主義政党なのか?あの「独裁体制」はそれこそ社会主義じゃないの?貧しかった途上国中国は先進国になれるのか?豊かさの追及はいいことじゃないの?国民の財布が一杯になればどちらでもいいんじゃないの?最大の資本主義アメリカと衝突しているのは資本主義中国?

「中国の夢」は、近現代史から見て、21世紀の現時点から見ても、私たちも十分に理解することができるものです。しかし、その「中国の夢」の実現は、アメリカから見れば世界「覇権の交代」を意味しており、それがアメリカ特にトランプ政権にとって許せないのです。でも「中国の夢の実現」はどこから見ても避けがたいようです。

一方、「中国はアメリカとともにアジアの軍拡を主導しているとみられている。中国の経済発展と豊かさへの前進は称賛に値するが、平和・軍縮・自由と民主主義の旗手たり得ていない」。これは今まで中国に対する楽観主義を特徴としてきた井手啓二先生の言葉です。それでは「中国の夢」の実現が、アメリカのような「世界覇権」の確保ではなく、「平和・反核・軍縮・環境保全・自由と民主主義の旗手」「世界運命共同体」のリーダーとなるような道はあるのでしょうか?

作られた「中国脅威論」を一掃する。日本に「戦争の道」を歩ませないために、私たち自身が最大限の努力を惜しみなく行うことです。「憲法九条」を守りぬくことです。「日中不再戦」を国民世論とし、それを達成すれば、中国軍拡の道は大幅に縮小に向かうでしょう。

日本の現状からみても、日中関係は経済界や日中友好を願う民間の交流が主導権を持つべきでしょう。両国の国民がそれぞれの国の歩みに主体的に責任をもってこそ、両国関係は改善に向かうのです。

戦前の侵略・戦争による中国・韓国・アジアへの加害の歴史認識を今一度明確にし、日中韓関係の正常化と三国国民の融和こそ東アジア・世界の平和と安定の要であり、日本の使命だということを確認いたしましょう。(2019年11月24日、尼崎市での講演要旨)

「非核平和祈念のつどい」改めて開催

芦屋非核平和都市34周年・被爆74周年

協会芦屋支部が実行委員会に加わる「芦屋非核平和のつどい」は当初、10月12日(土)に開催予定でしたが、台風で会場が使用出来ないことと、来場する皆さんの安全を考え中止となりました。その後、実行委員会を開催し、ぜひ再度実施したいということで短期間の準備となりますが実施することとなりました。ぜひご参加下さい。(実行委員会より)

日時:2019年12月19日(木)14:00~16:00

会場:芦屋市民センター203号室(JR芦屋駅西へ徒歩6分)

内容:―被爆者として『生かされた』74年

*お話:副島圀義さん 広島で胎内被曝 兵庫県原爆被害者団体協議会事務局次長・芦屋市在住

*ドキュメンタリー映画上映「核兵器の終わりの始まり」

参加協力費:500円(高校生以下無料)

主催:芦屋非核平和のつどい実行委員会 

共催:芦屋市原爆被害者の会

連絡先:Tel&Fax:0797-31-6634

2019年度「中国残留邦人への理解を深める集い」

尺八演奏・DVD上映・記念講演に市民150人が参加

11月17日に神戸市で開催された「中国残留邦人への理解を深める集い」(主催・神戸市、委託団体・中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会)は市民約150人が満蒙開拓団の歴史や残留日本人孤児について理解を深めるためのDVD上映や講演に耳を傾けました。

集いは尺八演奏ミニコンサートで、グループ「鳳」の3氏による演奏で始まりました。続いて民教協スペシャル「決壊~祖父が見た満州の夢」(DVD)を鑑賞、最後に講演「『満蒙開拓団』とは何だったのか―長野県下伊那郡河野村開拓団の史実から考える」と題し胡桃沢伸氏(精神科医。劇作家)が約1時間講演しました(写真下)。

参加者から「満蒙開拓団を進めたことと同じ構造が今の日本でも進んでいるという指摘は重要なことだと思いました。日本が侵略したことをきちんと反省してあやまるべきというのはそうですね、単なる悲劇で終了させてはいけない」など多数の感想が寄せられています。

中国茶講座で「普洱茶」を学ぶ

生茶と熟茶、氷島五寨の生茶を飲み比べ

11月20日の中国茶講座は「普洱茶」について高級茶芸師・高級評茶員の神田貴子さんから詳しい説明を聞き、生茶と熟茶、近年大へん人気のある産地の一つ氷島五寨の生茶を飲み比べました。

普洱茶とは、中国6大分類の中で黒茶に分類される後発酵茶の一種で、中国雲南省で生産され、雲南大葉種という品種が使われます。製造工程の違いにより「生茶」と「熟茶」があり、円盤型やレンガ型などに固めた圧縮茶や散茶があります。長期保存が可能で、経年により熟成が進みます。

生茶・経典韵品(雲南省臨滄市)2011年産  生茶の餅茶357gと熟茶・大益七子餅茶7262、2005年産  熟茶の餅茶を試飲し茶葉、湯色、香り、味の違いなどを体験しました。氷島五寨の古樹茶4種(生茶の散茶)を飲み比べ微妙な味の違いを学びました。(写真上:熟茶・大益七子餅茶7262、下:生茶・経典韵品)

次回「中国茶講座」は12月18日(水)午後1:30~開催します。2020年1月、2月は講師の都合により休講します。

講演「中国をどう評価し、どう付き合うか」

日中友好協会本部会長が講演します

今年10月、中華人民共和国は建国70を迎え、大規模な祝賀行事が世界に発信されました。経済発展を続ける中国は、大都市の近代化が進み、地下鉄網、高速道路網、新幹線の普及は目覚ましく、スマホやキャッシュレスの普及は日本を凌いでいます。

一方、香港問題や台湾との関係、尖閣諸島領海への中国公船の侵入、南シナ海への海洋進出の強化など大きな懸念もあります。この様な今の中国をどう評価し、どう付き合っていけばいいか?長年中国を研究し、今年6月日中友好協会の新会長に就任した井上久士氏に話を伺います。どなたでも参加できますのでご参加下さい。

日時:2019年12月15日(日)午後2時~4時

会場:神戸市立東灘区民センター8F 第1、2会議室(JR住吉駅南)

講師:井上久士 日中友好協会会長・駿河台大学教授

参加協力費:500円

主催:日中友好協会東神戸支部 078-412-2228

1949年中華人民共和国成立の歴史的意味

「研究中国」誌が特集で研究者7氏の論文を掲載

特集にあたって(石島紀之氏の紹介文より抜粋)

中華人民共和国の成立直前に開かれた中国人民政治協商会議は、1949年9月29日に「共同綱領」を発表し、「帝国主義・封建主義および官僚資本主義」の中国支配の時代は終わったとのべ、人民共和国は「中国の独立・民主・平和・統一および富強のために奮闘する」との目標をかかげた。人民共和国建国70周年をむかえた中国は、これらの目標をどの程度達成できているのだろうか。

周知のように、人民共和国70周年の歩みは平坦なものではなかった。東西冷戦のなかで中国は社会主義の建設を急ぎ、その過程で反右派闘争や文化大革命の大きな混乱が引き起こされた。文革後の改革開放政策によって中国は急速な経済発展をとげたが、学生・知識人・一般民衆の不満が天安門事件という形で噴出したこともあった。

今日、中国は世界有数の経済大国・軍事大国になり、その存在感を世界に増大させている。しかし、人権問題にみられるように「民主」の課題は残されたままであり、少数民族問題や香港問題など「統一」の課題も大きな矛盾をかかえている。

本特集は、1949年の人民共和国成立の歴史的意味を歴史、政治、経済、文化の各方面から考察しょうとするものである。かつて1949年革命により中国は旧体制から新体制に生まれ変わったという理解が広く存在したが、現在、中国研究者のあいだでは、49年以前と以後について非連続面だけでなく、連続面もあったことが重視されるようになってきた。・・(フェリスト女学院大学名誉教授)

「研究中国」誌第9号2019年10月1日発行(年2回発行)

発行:日本中国友好協会「研究中国」刊行委員会 定価:600円(送料別)

連絡先:兵庫県連合会 ☎078-412-2228