中国研究誌「研究中国」No.16が到着

日中の研究者が歴史や今日の日中関係などを分析!

日中友好協会が年2回発行する「研究中国」誌第16号(中国研究から通巻136号)が到着しました。今号の内容目次を紹介します。ぜひお役だて下さい、ご連絡頂ければ郵送します。

●日中国交50年に寄せて「知命」の「日中共同声明」 

安井三吉   神戸大学名誉教授

●特集「中国と変容する世界秩序」

・中国文化世界における秩序形成 

茂木敏夫  東京女子大学教授

・現代中国をどう考えるか 

西村成雄  前孫文記念館副館長

・21世紀の戦争と平和:戦争の世紀をあとに 

木畑洋一 東京大学・成城大学名誉教授

・習近平外交の世界戦略と日中関係 

趙宏偉   一般社団法人 中国研究所理事

・ミサイル防衛破綻から核共有へ

  林 亮  創価大学大学院教授

●論文

・新疆ウイグル自治区民族問題の実際と背景

大西 広  慶応義塾大学名誉教授

・即時停戦・ロシア軍撤退こそ 

平井潤一  協会本部参与

●書評 

・笠原十九司著「通州事件ー憎しみの連鎖を断つ」

小林元裕  東海大学文化社会学部教授

発行:日本中友好協会「研究中国」刊行委員会

定価:600円+税(送料別)

連絡先:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax: 078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net  

戦争させない、9条壊すな!「5・3兵庫憲法集会」

憲法はあなたの命と未来のサポーター

日時:2023年5月3日(水・祝)14:00開会

場所:みなとのもり公園(フラワーロード南へ、阪神高速下)

13:30~オープニング ミニコンサート カオリンズ

14:30~メインスピーカー 松尾貴史さん(俳優・エッセイスト)

主催:戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会

「敵基地攻撃と集団的自衛権」

日本政府はこれまで、憲法9条の下では集団的自衛権の行使は出来ないと言ってきましたが安倍政権が2014年に政策を大転換し集団的自衛権行使は可能としました。2015年に強行成立した安保法制は、日本が他国から武力攻撃を受けていなくても日本が「存立危機事態」だと政府が認定すれば自衛隊が米軍と一体で戦うことが出来るとしています。

集団的自衛権の行使として日本が敵基地攻撃を行った場合、自衛隊の武力行使が際限なく拡大します。「個別的自衛権」では「必要最小限度の実力」の定義は明瞭です。日本を侵略している他国軍を日本の領土、領海、領空外へ排除する。そのために必要最小限度と定義できますが、集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行った場合、必要最小限の実力行使を一体どう定義するのか。

つまりは、米軍が勝利するまで自衛隊が米軍と一体となり戦争を続けることとなり武力行使は際限なく拡大します、これが集団的自衛権の下での敵基地攻撃で憲法違反となるのは明らかです。侵略戦争、原爆・空襲被害を体験し憲法9条を守ってきた日本国民として「戦争は絶対させない!」と大声をあげよう。

晩唐の詩人・杜牧「清明」

清明(清明節)は、春分の日から十五日目

清明は花の季節であり、人々は郊外に遊び、またピクニックをかねて墓参りをした。晩唐の詩人杜牧(803~53)に「清明」と題する七言絶句がある。

清明時節雨紛紛 清明の時節 雨紛紛

路上行人欲断魂 路上の行人 魂を断たんと欲す

借問酒家何処有 借問す 酒家 何れの処にか有る

牧童遥指杏花村 牧童 遥かに指す 杏花の村

花の季節は雨が多い。「常年 春日 春晴すくなし」、あるいは「一春 略ね十日の晴なし」などといわれるように、春は雨の日が多い。清明の時節に、しきりに降る雨。雨の降りしきる道を、ひとりの旅人がゆく。楽しかるべきこの季節、ただひとり旅ゆく人の胸は、かえってさみしさにしめつけられる。せめてこのさみしさを酒にまぎらわそうと、借問す、ちょっとたずねてみる。居酒屋はどのあたりにあるのかね。たずねられたのは、牛の背にまたがった少年、牧童である。少年は黙ったままゆっくりと指さした。それは杏の花咲くかなたの村だった。

一幅の画を見るようなこの詩を、ベトナムの故ホー・チ・ミン大統領は、次のように詠みかえている。

清明時節雨紛紛 清明時節 雨紛紛 

籠裏囚人欲断魂 籠裏の囚人 魂を断たんと欲す

借問自由何処有 借問す 自由 何れの処にか有る

衛兵遥指弁公門 衛兵 遥かに指す 弁公門

「籠裏」牢獄の中。ホー・チ・ミンは、1942年、ベトナム独立同盟から使命を託されて中国に入り、蒋介石の軍隊にとらえられて牢獄につながれた。その時の、いわば戯作である。「弁公門」は役所の門。ここでは刑務所の門をさす。この詩、あまりにも原詩につきすぎているが、ホー氏のユーモアは、その楽天性にうらうちされている。(一海知義著・漢詩一日一首より)

岡本南公園の桜咲き始める

「桜守公園」と呼ばれ市民に親しまれています

阪急岡本駅を西へ5分程歩いた線路のすぐ北側、住宅地の中にある岡本南公園は、水上勉の小説「桜守」のモデルで、桜の研究、保護に一生を奉げた笹部新太郎氏の邸宅跡が1981年に公園となり、桜守公園と呼ばれ市民に親しまれています。公園内にはササベザクラ、エドヒガン、オカモトザクラなど10種、約30本の桜が植えられています。3月に入り気温の上昇とともに各地で開花が伝えらる中、岡本南公園の桜も早咲きの木はチラホラ咲き始めています(写真は3月16日撮影)。天気が良く気温が上がれば一気に咲き始めることでしょう。

中国茶講座を再開、「黒茶」を楽しむ

黒茶の製造工程、効能、基本の淹れ方など学ぶ

昨夏の高温による生産地の干ばつ被害やコロナの影響などにより昨年7月以来休講していた「中国茶講座」は8ヵ月ぶりに3月15日再開しました。定員の12名が参加し神田貴子高級茶芸師から黒茶についての説明や主要産地と銘茶、製造工程、効能、基本の淹れ方などについて解説を受け、下記の6種を試飲しました。

広西チワン族自治区のお茶「陳年六堡茶」・「檳榔香六堡茶」、雲南省のお茶「陳年宮廷普洱茶」(写真左)・「小青柑普洱茶」(雲南省/広東省)、湖南省安化県のお茶「安化天尖茶」・「百両茶」の6種の黒茶を当日の資料で産地の地図を確認しながら味わいました。次回「中国茶講座」は6月14日(水)開催予定です。(次回は6月14日水曜日です、訂正してお詫びします)

東アジア「平和の枠組み」日本が広げる役割を

周辺国が軍事力強化、日本の安全どう守る?

軍事に対して軍事で対応すれば相手国は更に強大な軍事力を持とうとして悪循環に陥ります。これが戦争へのリスクを高め最も危険です。一たび戦争になれば多大な犠牲が発生します。大事なことは戦争を起こさせないための外交に知恵と力を尽くすこと、これが政治の責任として求められています。

日本、中国、米国も包み込む包摂的な平和の、枠組み作る「外交ビジョン」が必要です。東南アジア諸国連合(ASEAN=10ヵ国で構成)は互いに友好協力条約を結び、徹底した対話により東南アジアを«平和と協力»の地域に作り変えてきました。ASEANはいま、プラス日米中ロなど8ヵ国を含む「東アジア首脳会議」という現在ある「平和の枠組み」を強化し、友好協力条約を東アジア規模に拡大し戦争の心配ない地域にしようという大構想「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を示しています。日本も米国も中国もこの構想に支持を表明しています。憲法9条をもつ日本がこの方向を強力に推進していけば一番の安全保障になるのではないでしょうか。

漢詩を読む会4月は杜牧「江南春」

「漢詩を読む会」は4月15日に開催します!

昨年11月以降しばらく休講していた「漢詩を読む会」を再開します。今回のテーマは日本でよく知られた杜牧の「江南春」。丹羽博之先生の解説で読みます。どなたでも参加頂けますのでお気軽にお誘い合わせてお越し下さい。

日時:2023年4月15日(土)午後2時~3時30分

会場:神戸市立東灘区文化センター8階会議室3(JR住吉駅下車すぐ)

講師:丹羽博之 大手前大学総合文化学部教授

テーマ:杜牧「江南春」

資料代:1,000円

定員:20人(メール、電話でご予約下さい!)

日中友好協会兵庫県連合会「漢詩を読む会」

Tel&Fax:078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

第21回兵庫県平和美術協会「会員展」

美術愛好家の力作が揃う展示会

異人館画家と言われた小松益喜さんらが発足した「兵庫県平和美術協会」は、『平和の壁に、花一輪を』を合言葉に、広く美術愛好家の輪を広げてみました。「会員展」は協会員による展覧会で、出品数は少なめですが、絵画・書・写真・陶芸など力作が揃います。ぜひ、お誘いあわせの上お越し下さい。

と き:2023年3月24日(金)~28日(火)10時~18時

ところ:こうべまちづくり会館ギャラリー

JR/阪神「元町駅」西口から西へ10分、元町商店街4丁目

入場無料

連絡先:070-1749-0112(宇山さん)

米の対中戦略に従う日本

「台湾有事」に揺れる南西諸島―公道を走る戦車

「台湾有事」問題で、2月1日付「日中友好新聞」に掲載された石堂徳一氏(八重山台湾親善交流協会事務局長)の記事を紹介します。

沖縄県民は深い憂慮

今、ロシアがウクライナに侵攻し、テレビ、マスコミでは連日、ロシアの非人道的な映像を流している。専制国ロシアと、民主主義国家ウクライナの戦争だと。アメリカは、民主主義を守るためとウクライナに大規模な戦力武器を供与している。

さて、沖縄県民の私としては思うのです。果たしてアメリカは民主主義の国家なの?と。なぜならば、77年(米統治27年、沖縄日本復帰後50年)にもわたり沖縄に君臨、蹂躙し、県民に耐えがたい悲しみを与えていることを思えば、とても民主主義国家とは思えない。陰で操っているのは米ではないかと疑念さえ抱く。

南西諸島を軍事要塞化

そのロシアのウクライナ侵攻と同様なことが起きる。中国が台湾に侵攻すると、「台湾有事」。それは同時に「日本有事」だと煽りたてている。その備えとして、南西諸島に中国による侵攻を迎撃するための基地を配備強化することが緊急な課題だと世論を操作している。宮古島、与那国島には、すでに自衛隊基地が配備され、石垣島は造成中である。

与那国島では昨年11月沖縄県内で初めて公道を堂々と走行する自衛隊戦車、そして軍事訓練があった。自衛隊誘致に賛成した島民さえも驚く異様な風景であった。さらに、自衛隊基地の施設追加拡大(18万平方メートル)、ミサイル部隊の配備などが来年度予算に盛り込まれ、住民は避難場所のシェルター増築などを国に要請する事態となり、緊張感が高まっている。

果たして「台湾有事」はあるのか。煽動されてはいないか。結論から言うと、台湾が「独立」をいわない限り「台湾有事」はおこらない(現状維持)。

日中は武力不行使公約

現在、日本は米と共に中国への対抗戦略を構築中だが、かつて日本は中国との国際的な約束をしている。信義は守らなければならない。1972年の国交回復共同声明には「日中両国間には社会制度の相違があるにもかかわらず、両国は平和友好関係を樹立すべきであり、また樹立することが可能である」「日本及び中国が相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は、武力による威嚇に訴えないことを確認する」と明記されている。

日中両国は、「武力衝突はしない」と明確に国際世界に表明したのであった。同共同声明では、「台湾が中国の領土の一部であり、日本は中国の立場を理解し、尊重する」とも記している。したがって、「台湾を守るために自衛隊を出動することは想定外であった。

米は有事に自衛隊利用

中国は、これまで台湾の「平和的統一」をいっていたが、「武力による統一もありうる」と述べるに至った。その背景には米の台湾への関与がある。かつて米国のCIAを統括し、米国大統領直属の国家安全保障会議議長のジョセフ・ナイの「対日超党派報告書」では、要約「米の利益のためのチャンスは、中国と台湾の軍事衝突であり、はじめは米軍がオモテに出るが徐々に日本自衛隊を前面に立たせること」と記している。現在の「台湾有事」は、米国の戦術に、日本は踊らされているのではないかと危惧するのである。(日中友好協会沖縄県支部会員・八重山台湾親善交流協会事務局長)

第52回「神戸空襲犠牲者合同慰霊祭」

3月17日(金)、兵庫区の薬仙寺で開催

今年も第52回神戸空襲犠牲者合同慰霊祭を行います!

1995年1月17日の阪神淡路大震災に見舞われた私たちを、次々続く自然災害を日本中の人々が助け合ってきました。新型コロナウイルス感染症拡大も、医療現場の皆さまの努力や働く皆さまの努力で収束がくること、また、人が人を傷つけあう戦争は人間の思いや想像力、相互の信義と公正に基づき停戦へと進むことを信じたいものです。

78年前の2月5日、3月17日、5月11日、6月5日、8月6日と何度もあった神戸空襲を忘れないように、亡くなられた方々の無残な死や無念へ思いを新たにするために、亡くなられた方々を思うひと時を過ごします。だだ、今年も感染拡大に配慮し、マスク着用や消毒の徹底などと、密集を避ける形で行いますので、ご協力をお願いいたします。(「こうべ空襲だより」より)

写真は「神戸空襲を記録する会」が神戸空襲を忘れないようにとの願いを込めて2013年8月15日、大倉山公園に建立した「いのちと平和の碑」。

日時:2023年3月17日(金)午後1時30分~

場所:薬仙寺(神戸市兵庫区今出在家町4-1-14

当日JR兵庫駅から、市営地下鉄海岸線「和田岬」駅から案内板あり

空襲体験者のお話、戦災スケッチの展示など

お問合せ:神戸空襲を記録する会 ☎080ー1419-8208