帰国者2世が人間の尊厳を回復できる新支援法の改正を!

3点の請願事項を求める署名にご協力下さい!

多くの中国帰国者2世は、日本政府が帰国を制限したことにより、高齢になってから私費帰国を余儀なくされました。日本政府は私費帰国者に対しては就労支援も日本語習得支援も行わなかったため、言葉の壁や高齢により、低賃金の単純な肉体労働の仕事にしか就けず、新支援法が成立する前の帰国者1世と同様に、老後を支える貯蓄も年金もないまま生活保護に頼らざるを得ない状況となっているか、もしくは、仕事ができなくなれば生活保護に頼るしかない状況となっています。さらに、多くの帰国者2世が、日本語でコミュニケーションをとることができず社会の中で孤立した状況に置かれています。

帰国者2世は日本と中国にルーツがあり日中友好の架け橋になれる大事な存在です。この帰国者2世が人間の尊厳を回復し、日中友好のために活躍できる場をつくることが強く求められています。日中友好協会は、帰国者2世においても、帰国者1世ないしその配偶者と同様に、安定した老後の生活が送れるよう、また、人間の尊厳を回復し社会で活躍できる場を提供できるよう「中国帰国者2世の生活支援等を求める請願署名」に取り組んでいます。1人でも多くの方に署名へのご協力をお願いしています。何卒よろしくお願い申し上げます。(写真:本山日本語教室で学ぶ帰国者1世と残留婦人2世)

「請願事項」

1、国費帰国と私費帰国との区別することなく全ての帰国者2世に対し、帰国者1世ないしその配偶者への支援(新支援法)に準ずる支援給付金が可能となる法改正を行うこと。

2、全ての帰国者2世が適正な医療・行政サービスが受けられるように利用施設への通訳人の派遣・常駐を行い、または、希望する帰国者2世に対して通訳機器の貸与を行うこと。

3、全ての中国帰国者(残留婦人、残留孤児、帰国者2世、それらの配偶者)の「人間の尊厳」を尊重し回復するため、国と自治体の各関係機関との連携を強化し、柔軟かつ実効的な「就労支援」「日本語学習・文化交流支援」「生活保護受給者への渡航期間制限撤廃」を実現するための法改正、または行政運用を行うこと。

第45回兵庫の「語りつごう戦争」展に市民250人参観

「戦争する国」日本から「戦争しない国へ」テーマに5日間開催、連日、戦争体験を語りつぐ会や平和色紙展も

兵庫の「語りつごう戦争」展の会は1978年の開催以来、毎年12月8日(太平洋戦争開戦日)にちなんで「再び戦争をおこさせない、世界から戦争をなくそう」という目標を掲げて戦争展開催を続けています。

12月7日~11日、神戸市兵庫区の妙法華院を会場に、「『戦争する国』日本から『戦争しない国』へ」をテーマに第45回兵庫の「語りつごう戦争」展が開催され市民約250人が参観しました。会場には学童疎開の写真や当時を記録した資料、戦時下の国民の暮しを紹介する資料など多数が展示されました。燈下管制の下、市民が暮す部屋の模型も再現され戦時下の国民が如何に厳しい生活を強いられていたかを示しています。原爆で被爆した衣類や額に入った絵画なども展示され核兵器の恐ろしさを伝えていました。平和色紙展コーナーでは、市民が応募した平和を願う色紙が46点展示され訪れた人はじっと見つめていました。

戦争体験を聞く集いは期間中毎日午後、同寺院会議室で開催され「元集団疎開児が戦争を想う」「77年前の私に出会って」「父の徴兵と国民のくらし」「8月6日の空襲で家消滅」のテーマでそれぞれ体験者が語りのべ80人の市民が参加しました。「12・8のつどい」は「いのちの足音」と題し、介護のすばる所長・小林リオさんが特別養護老人ホームに入所する人達から聞き取った体験談を本にまとめた「『きらくえん』の人々が語る戦中体験」をヘルパーの人達に読んでもらった感想文を紹介しました。小林さんは、今の社会は国民が安心して高齢を迎えられるだろうか、私たちが望む世界になるのだろうか、今の社会がこのままでよいのだろうかと自問する日々が続いていると自身の心境を語りました、集いには40人が参加しました。

講演「もっと知ろう台湾」に会場満席

安井三吉氏が「台湾の人と歴史そして今」を語る

兵庫県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ(AALA)連帯委員会は12月4日(日)午後、神戸市内で安井三吉神戸大学名誉教授を招き、「もっと知ろう、台湾~人と歴史そして今」をテーマに講演会を開催し会場いっぱいの60人が参加しました。

安井氏は、資料映像を映し、台湾の人、土地、歴史、本土、郷土などについて説明した後、日中共同声明と台湾の問題について、1972年9月に日本国と中華人民共和国が「日中共同声明」を発表し関係を正常化、日本が台湾と結んでいた日華平和条約を終了させ関係を断絶したこと。日中共同声明は、中国側が「中華人民共和国は中国の唯一の合法政府で、台湾は中国の領土の不可分の一部」と表明、日本政府は「中国の立場を十分理解し、尊重する」と表明し調印している。また「尖閣問題」について当時の田中角栄首相が周恩来首相に「尖閣問題をどう思うか」と尋ね、周恩来首相は「今回は話したくない」と返答し、以来この問題は棚上げとなったと説明。

1895年~1945年、日本の植民地統治となった台湾について、日本化(皇民化)と近代化の両面について解説しました。皇民化を強行したことで、霧社事件(1930年10月)が起こり、教育面では日本史を国史に、日本語教育や神社崇拝、改姓名、徴兵制による戦争動員(1940年~45年)などを進めた。近代化政策では公衆衛生、鉄道、水利、風俗習慣、断髪、解纏足などを行っている。日本敗戦後の蒋介石政権下では二二八事件〔1947年2月28日)が起こり戒厳令が敷かれ軍、警察が出動し弾圧、犠牲者は推定18000人とも推定されている。1945年~1991年国民党統治時期、1991年~2022年の民主化時期の台湾について年表で説明しました。

現在の台湾について2011年~2021年の台湾の貿易の推移や台湾と国交を持つ国々が2021年現在14ゕ国へと減少していること、台湾の民意について、独立や統一は少数で現状維持が全体の53.5%となっていること、アイデンティティは「中国人」が2.4%、「台湾人」が63.7%となっていることを紹介。台湾人の支持政党は民主進歩党31.1%、中国国民党14%、その他54.9%(2022年、台湾政治大学選挙研究センター)となっている。最後に、安井氏の「三つの『夢想』」について、〔1〕中国の民主化、(2)沖縄を「万国津梁」の地に―尖閣一帯を住民の「生活圏」へ―、(3)両岸の「領導人」の会談を孫文ゆかりの地神戸で開催、との自身の思いを語りました。

中国貴州省の黄果樹瀑布

アジアで一番の滝とも呼ばれている

黄果樹瀑布は中国国内、東アジアで最大の滝の一つです。中国貴州省安順市鎮寧プイ族ミャオ族自治県の六枝河にかかり、全体の高さは77.8m、幅は101mあり、本滝の高さは67m、幅83.3mあります。アジアで一番の滝とも呼ばれています。

この滝は、「裏見の滝」としても有名で、長さ134mの「水簾洞」と呼ばれる鍾乳洞の中数か所から滝の裏側を望むことができます。この一帯は黄果樹瀑布国立公園に指定され、2007年に中国国家観光局により国家5A級旅游景観区認定されています。(写真:中国旅游網)

好評の2023年版カレンダー「中国悠久の旅」

中国へと誘う12ヵ月の旅―日中友好協会制作

日中友好協会制作の2023年カレンダー「中国悠久の旅」は現在好評発売中です。専門家により厳選された写真が皆さまを中国へと誘う12カ月の旅。カレンダーは使いやすい中綴じタイプ、サイズはB4判で写真説明つき、一部を紹介します。

1月の写真「重慶市人民広場」撮影者:小寺貞次郎さん

三峡下りの起点、重慶市は霧の多い街、また「中国3大火炉」の一つで夏は酷暑となる。人民広場は市の中心部にあり、奥には1954年に完成した高さ65m、4層からなる人民大会堂が聳えている。重慶の代表的建物で、伝統建築と西洋建築の融合した荘厳なつくりであり、重慶の観光スポットになっている。大ホールは3,400人を収容できる。

2月の写真「貴州省ミャオ族の季刀村歓迎式(長裾苗族) 撮影者:兼子修一さん

中国の苗族の約半数が住む貴州省、その東南に季刀村は位置する。大きな銀の冠、華麗な手刺繍、ろうけつ染の民族衣装を着た女性や蘆笙を吹き鳴らす男たちが牛角酒で最高のもてなしをしてくれる。広場では民族色あふれた踊りと男女の歌会を見せてくれる。苗年祭蘆笙祭など毎年お祭りで華やぎ、欧米系の外国人も見学に訪れる。

●B4判(縦257㎜✖横364㎜) ●28ページ中綴じ

●定価:1,200円(税込、送料350円/1部、510円/2部)

●お申込みは下記へ(お名前、ご住所、電話番号、部数)

●国内どこへでも発送出来ます!

日本中国友好協会兵庫県連合会

〒658-0003神戸市東灘区本山北町3丁目4-9 甲南ビラ201号

Tel&Fax: 078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

「中国残留邦人への理解を深める集い」に市民170人参加

中国帰国者の体験発表やドキュメンタリー映画上映

神戸市主催・委託事業団体、中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会(浅野慎一代表)実行の2022年度中国残留邦人への理解を深める集い「中国『残留日本人孤児』の歴史を語りつぐために」が11月23日、神戸市立長田区文化センター別館ピフレホールで開催され市民約170人が参加。開会に際し、杉浦裕幸神戸市福祉局就労監査担当課長が主催者を代表してあいさつ、続いて浅野慎一中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会世話人代表があいさつしました。(写真上:あいさつする浅野慎一中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会世話人代表)

集いは、植田恒陽さん(1944年中国黒竜江省佳木斯生まれ)が「残留孤児」となった経緯やその後中国人家庭で育てられたこと、肉親捜しでやっと家族が見つかり帰国できたこと、帰国後の状況などについて体験を語りました。続いて、沖縄県出身の残留婦人・仲松良子さんの長男仲松長征さんの配偶者・仲松蘭子さん(1991年41歳の時、子ども2人を連れて日本へ)は自身の中国での体験や家族のこと、帰国後の生活や日本語教室へ通っていることなどについて語りました。(お二人の体験談は字数が多いため発表全文はHP「帰国者支援」のページで紹介します)。

最後に、残留婦人2世の山田静さん(撮影時59歳)が帰国後22年、東京でタクシードライバーとして働く姿や、家族と共に強く明るく生きる波乱万丈の人生を追ったドキュメンタリー映画「中国・日本わたしの国」(2013年、ちと瀬千比呂監督)を上映。山田静さんは、母の祖国・日本へ来て22年目(2013年当時)を迎えた中国残留婦人2世。中国で2度、日本で1度の離婚を経験し、異父兄妹4人の子を女手ひとつで育て挙げた。誰に対しても物怖じせず、自身の主張は通す。弱音は吐かず、誰の手助けも借りようとしない。日本へ来てからは忙しく、病気をする暇もなかったという彼女が腎臓を患って手術した。その際、長く大連のお墓を訪ねていないため、母が怒ったのでは、と2人の子を連れて中国へ里帰り、その旅にもカメラが同行取材し紹介する記録映像。

もっと知ろう、台湾―人と歴史、そして今―

兵庫県AALAが「台湾」テーマに学習講演会

兵庫県AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)連帯委員会は「もっと知ろう、台湾―人と歴史、そして今―」をテーマに学習講演会を開催します。

日時:12月4日(日)14:00開会(13:30開場)

会場:こうべまちづくり会館・2Fホール

(JR/阪神元町駅西口から西へ10分、元町商店街4丁目)

講師:安井三吉 神戸大学名誉教授、孫文記念館名誉館長

参加費無料

主催:兵庫県AALA連帯委員会 ☎078-351-0194

米国のペロシ下院議長の訪台、地域での軍事演習、南西諸島への自衛隊配備などを見ると、「台湾有事」は目前に見えるし、「台湾有事は日本有事」と公言する政治家もいる。しかし、まず基本的なところで、仮に中国軍が台湾を武力統一したとしても、米国も日本も軍事的には一切関与できないことをはっきりさせておく必要があるだろう。

つまり、米国も「一つの中国」を認めている以上、中国に対抗し軍事的に台湾を守る論理はないのである。「内政干渉」だし、中東での介入のように「自衛権発動」とも言いにくい。中国もあえて波風を立てず、地域として発展することを期待しており、あえて武力侵攻する必要はない。

結局、米中全面戦争の環境はなく、怖いのは「偶発戦争」で、危ないのは軍需産業の利益やお互いのメンツ。要はそれを踏まえた外交だ(丸山重威・ジャーナリスト。日中友好新聞10月1日号「中国レーダー」より)。

建国100周年めざし、社会主義近代化強国建設に向かう姿勢示した大会

「小康社会」から「社会主義近代化強国」へ

10月16日~22日に開催された中国共産党第20回全国代表大会は、党創立100周年(2021年)を経て「適度に繁栄した社会」(小康社会)を達成した中国が、次の2049年の建国100周年めざし、「社会主義近代化強国」の建設に向かう党の姿勢を改めて示した大会だったと言えるだろう。(写真:記者会見に臨む中央政治局常務委員の7氏、新華社)

25項目の課題を提起

今回はあまり報道されていないが、目標は①2035年までに「社会主義近代化を基本的に実現」、②今世紀半ばまでに、経済、政治、文化、社会、エコ文明の5つの建設を「五位一体」として推進し、、③小康社会の完成、改革の深化、法治の推進、厳しい党管理を「全面的」に進展させ、④「富強、民主、文明、調和、美麗の社会主義近代化強国」を実現すること―である。党はそのために習近平を核心に団結していくことも強調している。

党大会では、「今後5年間に中国が発展に力を入れる分野」として、①新型の工業化の推進②農村振興の全面的推進③地域の協調ある発展の促進④高水準の体外開放の推進―など25項目を挙げ、現状を踏まえた方向を示した。抽象的に見える目標だが、そこには行き詰まったいまの世界の課題に、体制の違いを超えて、答えようとする姿勢が示されているようにも思える。

「食糧安保」実現めざす

一例をあげよう。依然として格差拡大対策が課題とされる農業問題では、「食糧安保」が取り上げられた。中国では、食糧自給率が「低下」してきていることが心配されている。といっても日本(38%)とは全く違い、ウクライナ戦争で大きな影響を受けた国々とも違うが、カロリーベースで65・8%。習近平主席は「食糧安全保障の基盤を全方位で固め中国人の食糧を自らの手でしっかりと確保する」と強調。

今年4月中国南部・海南島の「タネの研究所」を訪れ、「我々の手でタネをしかりと握ってこそ、中国人の茶碗、中国の食糧を確保できる」「国産のタネを品種改良し野菜などの収穫量をより上げる必要がある」と強調した。「食糧安保」は、中国が掲げる「社会主義現代化国家建設」の根幹に位置している。食糧、健康・医療、教育、文化などにまで、「新自由主義」的風潮が侵食した日本は、根本から学ぶべき点は多い。(丸山重威・ジャーナリスト、日中友好新聞11月15日号「中国レーダー」より

孫文記念館・リニューアル記念「特別展」開催中

特別展「張̚廉卿・宮島詠士  師生とその周辺書展」

中国の革命家・孫文(1866年~1925年)の足跡を伝える孫文記念館(移情閣)が半年間の改修工事を終え、記念の特別展を開催中です。文学者の張廉卿(1923年~1894年)と、弟子で中国語の教科書を出版するなどした宮島詠士(1867年~1943年)らの作品を集めた「張廉卿・宮島詠士 師生とその周辺書展」で11月30日まで開催しています。

孫文記念館は辛亥革命を主導した孫文、明治・大正期に神戸で活躍した中国人実業家・呉錦堂の功績を紹介するパネルや史料を常設展示しています。建物は国の重要文化財ですが、海に面していることから近年、塩害で亀裂などが目立つようになっていた。そのため5月から、亀裂の補修やペンキの塗り替えなどが進められていました。同展は開館時以来で、同館を運営する孫中山記念会が再出発にふさわしいと企画したものです(記事は神戸新聞より、写真は孫文記念館)。

孫文記念館へは、JR舞子駅下車南へ、明石海峡大橋の東側。

記念館入館料:一般300円・70歳以上200円・高校生以下無料

お問い合わせ:☎078-783-7172(孫文記念館)

日中国交正常化50周年記念講演会「中国はどこへ行く」

中国共産党第20回大会―3期目を迎えた習近平体制

中国共産党第20回全国代表大会が10月16日~22日に北京で開催されました。大会では新任4人を含む政治局常務委員7人が選出され、3期目となる習近平総書記の新体制がスタートしました。台湾統一や減速が伝えられる経済問題、特色ある社会主義強国をめざす中国の今後の行方について西村成雄氏に講演頂きます。(写真:新華社)

日時:2022年12月11日(日)14:00~16:00

会場:神戸市立兵庫区文化センター講習室

(JR兵庫駅北側、陸橋を山側へ渡ったところ)

講師 : 西村成雄   前 孫文記念館副館長

テーマ「中国はどこへ行く~中国共産党第20回大会―3期目を迎えた習近平体制」

参加協力費:500円         定員:70名

西村成雄 講師:大阪外国語大学卒業・東京都立大学大学院修了、大阪外国語大学・大阪大学・放送大学教員・孫文記念館など。

著書:『中国近現代東北地域史研究』『20世紀中国の政治空間:中華民族的国民国家の凝縮力』『中国の近現代史をどう見るか(岩波書店)』など。

必ずマスク着用でご参加お願いします。

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax:078-412-2228 

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net