漢詩を読む会10月は杜牧の「山行」

唐  杜牧の「山行」詩―霜葉は二月の花よりも紅なり―

晩唐の詩人、風流才子 杜牧の「山行」を読みます。結句の「霜葉紅於二月花」広く人口に膾炙(かいしゃ)しています。杜甫を老杜と呼ぶのに対して、杜牧は小杜と呼ばれています。杜牧の伝記・逸話を紹介しながら、杜牧の世界に浸ります。あの永井荷風も杜牧詩を愛読していました。

日時:2020年10月31日(土)午後2:30~4:00に開催 (延期しました!)

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

講師:丹羽博之 大手前大学総合文化学部教授

資料代:1,000円 事前にお申込み下さい、マスク着用

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

猛暑の中「8・15平和のつどい」開く

講演「戦争映画で考える戦争の加害と被害」

日本の敗戦から75年目にあたる8月15日午後、兵庫の「語りつごう戦争」展の会(上野祐一良代表)は神戸市内で「8・15平和のつどい」を開催。猛暑の中、市民40人余りが参加しました。つどいは、永田喜嗣氏(大阪府立大学)が「戦争映画で考える戦争の加害と被害」と題し講演しました。

永田氏は、日本の映画は加害を描かない、日本の戦争映画は日本の被害を描く内容が多く、加害の描き方は極めてにぶいと指摘。第二次世界大戦の加害国ドイツの映画は、1960年代頃から変化が現れ、ドイツ人が自国の加害、戦争犯罪をあばく内容の映画を制作するようになった。海外で制作されたナチスの戦争犯罪を描く映画をドイツは受け入れているが日本は自国の加害映画を受け入れていない。日本で上映すれば右翼がスクリーンを切り裂く事件まで起こり、映画館での上映は止まっている。

戦争映画を観て、心地よいと感じ心に響く映画は危ない、むしろ二度と見たくないと思う映画の方がよい。戦争映画とは何なのか、戦地の様子を見せることにより観る人に戦争への協力や憎しみを増産させる役割を果たしていると語り、映画『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」と『ウルトラマンメビウス』第31話「怪獣使いの遺産」を上映。

永田氏は、この映画では加害が描かれている。子どもの頃から相手を認め、被害者の気持ちを理解するという教育が抜けていることを気づかせようとしている。加害と被害をどう克服していけばよいのか、加害の責任を今の私たちは負うべきなのかと問いかけ、加害の事実を知ること、消すことの出来ない被害者の恨みを止めるには加害者の謝罪が必要ではないかと語りました。

李白と杜甫の出会いと交流

李白に敬慕の情を抱き続けた杜甫

8月8日の「漢詩を読む会」は李白と杜甫をテーマに、丹羽博之大手前大学教授の解説で下記の二首を読みました。

李白(701~762)と杜甫(712~770)が初めて出会ったのは、天宝三(744)年、李白44歳、杜甫33歳の時であった。李白は宮廷から遠ざけられ、杜甫は科挙に落第し二人とも失意の中で東都洛陽で出会い、その後二人は2年余りにわたり放浪の旅に出た。杜甫は先輩詩人李白から大きな影響を受けた。以後、李白との再会はかなわなったが杜甫は一生李白の身を案じ、再会を念じながら李白を思う詩を十五編残している。

この詩は李白46歳の時の作。杜甫と山東省一帯をめぐった後、魯郡の東にあたる石門山で、杜甫と別れる時に作ったもの。

魯郡東石門送杜二甫(魯郡の東石門にて杜二甫を送る)李白

醉別復幾日 醉別復た幾日ぞ

登臨徧池臺 登臨池台に徧(あまね)

何言石門路 何ぞ言わん石門の路

重有金樽開 重ねて金樽の開くこと有らんと

秋波落泗水 秋波泗水(しすい)に落ち

海色明徂徠 海色徂徠に明かなり

飛蓬各自遠 飛蓬各自に遠し

且盡林中盃 (しばら)く林中の盃を尽さん

下の詩は杜甫35歳の作。当時、杜甫は長安にあり、ここで先輩詩人の李白に寄せる敬慕の気持ちをうたったものである。

春日憶李白(春日李白を憶う)杜甫

白也詩無敵 白也詩無敵

飄然思不群 飄然として思群せず

淸新庾開府 清新は庾(ゆ)開府

俊逸鮑參軍 俊逸は鮑参軍

渭北春天樹 渭北春天の樹

江東日暮雲 江東日暮の雲

何時一樽酒 何れの時か一樽の酒

重與細論文 重ねて与(とも)に細かに文を論ぜん

次回「漢詩を読む会」は10月10日(土)14:30~開催します。

どうなる香港!徹底解説「学習講演会」

香港基本法=一国二制度遵守は国際公約

―なぜ中国政府は〈最善手〉をふみ外したのか―

6月30日全人代常務委員会は国家安全維持法を制定、習近平国家主席の署名によって即日施行されました。そして矢継ぎ早に香港行政当局のもとに「国家安全維持委員会」が設置され香港の司法・警察当局を指揮下におきました。また、香港に中国政権による派遣監督署「国家安全維持公署」が設置され「香港国家安全維持委員会」に対する監督指導が始まりました。

7月1日の民主派のデモに対して10人を拘束、うち1人を「香港国家安全維持法」違反で起訴しました。香港の「自治」を進めながら、国の「秩序と統一」を図り、50年間(1997~2047年)かけて、どういう国家を建設していくかという「世界史的課題」(最善手)を中国政権はいとも簡単に投げ捨ててしまいました。この経過を振り返りながら私たちはどう対処していくべきか、ご一緒に考えましょう。

日時:2020年9月13日(日)午後2時~4時

会場:東灘文化センター8階会議室1、2(JR住吉駅すぐ)

講師:山本恒人 大阪経済大学名誉教授

資料代:500円 事前にお申込み下さい マスク着用

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

コロナ感染症と香港問題で学習会

どうなる、香港立法会選挙

7月18日午後、協会東神戸支部主催の「現代中国学習会」が神戸市東灘区で開催され、「新型コロナ感染症と中国のこれから」と題し、安井三吉神戸大学名誉教授が講演しました。安井教授はまず、自身が2015年に訪中して以後この5年間における中国の大きな変化について話し、習近平体制が強化される中、中国の通販大手企業やIT産業界で大富豪が出現していること、IT活用によるキャッシュレス社会、芝麻信用(個人情報の点数化)が進み、米中の対立が貿易分野から軍事、IT分野にまで覇権争いがエスカレートしている、中国はこの間、多くの法律をつくり、その法律に照らして判断をしている点が「文化大革命」時とは違う状況にあると指摘しました。

今年5月、中国では両会(中国人民協商会議第13届全国委員会第3次会議・第13期全国人民代表大会第3次会議)が開催された。この会議で決定され世界が注目するのは香港問題。6月30日、中華人民共和国香港特別行政区維後国家安全法(国家安全維持法、国家安全法)が成立し施行されました。安井教授は、この法の審議経過、内容、機構等について日中両国のマスコミ報道も示しながら解説、施行初日の7月1日の香港でのデモで10名が拘束され1名が起訴されたことを紹介。

7月18日に受付が始まった香港立法会選挙について、立候補者に国家安全維持法を含む香港基本法の遵守を義務付けていることにふれ、この法に反対する候補者の立候補が認められるかどうか注目されています。新型コロナウイルス感染症問題では、昨年12月末から今年4月末に至る中国での感染拡大の経過と当局の対応、感染症に対する中国の基本認識と対処方針について紹介しました。

参加者からは、「台湾・沖縄と中国の関係についてどう思うか?」「中国と米国の関係は新冷戦と言えるか?」、またアンケートでは「広大な中国は、今何を考え、どんな方向に向かっているのか?正しい認識が出来ないので、不安がいっぱいです。中国の政治家は、誰のための政治をしているのか?」など多数寄せられています。

日中友好協会兵庫県連合会は9月13日、香港問題に絞った学習講演会を開催する予定です。

広東省のお茶を楽しむ

フローラル系の華やかな香りの単叢茶

7月15日に開催した「中国茶講座」は広東省のお茶について神田貴子高級茶芸師の詳しい解説を聞きながら「嶺頭単叢」「鳳凰単叢芝蘭香」「鳳凰単叢黄枝香」「鳳凰単叢桂花香」「鳳凰単叢群体香」「鳳凰水仙氷鮮茶」の6種を試飲しました。中国茶講座への人気は高く、定員の15人が参加し、内14人が女性で、部屋の窓、ドアを全て開け風通しをよくし、除菌、消毒を徹底しての開催でした。

鳳凰単叢・嶺頭単叢を美味しく入れるコツ

単叢茶に使われる水仙品種は、フローラル系の華やかな香りと、渋みや苦味を併せ持つ品種です。渋味が出過ぎないよう抽出時間は一般的な烏龍茶より短めに、お湯もやや低めの温度にします。茶器は、繊細な香りを楽しみたいときは蓋碗や磁気ポット、まろやかな味にしたいときには紫砂急須がおすすめです。(写真:嶺頭単叢の湯色)

茶葉の量:「茶:湯」は「1:30」を目安に。(5gの茶葉に150㏄のお湯)湯温:95度くらいで15秒~20秒。水出し:500㏄の水に茶葉3~5g前後を加え、冷蔵庫で3~4時間かけ抽出します。

鳳凰単叢茶の健康効果

リラックス効果、脂肪分解、代謝促進、利尿作用、消炎殺菌、免疫力アップ、アンチエイジング等の効果が期待できます。(写真:鳳凰単叢黄枝香の湯色)

8月の中国茶講座は夏休みで休講します。次回開催日程については改めてお知らせ致します。

8月の漢詩を読む会は李白と杜甫

中国を代表する詩人、李白と杜甫の交流をみる

詩仙李白と詩聖杜甫が仲良く魯の国を旅し、詩を詠んでいることを紹介します。中国を代表する二人の詩人が旅をし、意気投合した、やがて別れ、二度と会うことはありませんでした。

その後、杜甫は繰り返し李白を詩に詠んでいますが、李白は杜甫をあまり詠んでいません。杜甫の片思いと評する人もいます。二人の交流を見ていきます。どなたでもご参加頂けます。

日時:2020年8月8日(土) 午後2:30~4:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会会議室(阪急岡本駅南を西へ徒歩約1分、1Fに「鳥貴族」が入るビルの3階)

講師:丹羽博之  大手前大学総合文化学部教授

資料代:1000円 事前予約の上、マスク着用お願いします。

主催:日中友好協会兵庫県連合会 ☎078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

住宅街を流れる川に鴨が二羽

梅雨の合間、鴨の様子にホッと一息

梅雨の合間、陽光さす神戸・岡本の住宅街を南北に流れる天上川で、6月25日午後、岸から川面を見つめる親子連れを通りがかりに発見、その先を見ると鴨のつがいが浅い流れの中で、嘴を水中に入れ餌を探したり休んだりしていました。この川はイノシシが山から下りてきて餌を探したり、寝そべったりする姿はよく見かけますが鴨の姿は珍しく思わずスマホのシャッターを押しました。人間世界ではコロナ感染への不安が続き、目まぐるしく日常が変化し、気持の安らぐ余裕もない状況、のんびり時を過ごす鴨の姿に思わず見とれホッとします。その内、子鴨を連れて歩く姿が見たいものです。

中国茶講座7月は広東省のお茶

香り高い烏龍茶、鳳凰単叢茶などを紹介

7月の中国茶講座は「香り高い烏龍茶、鳳凰単叢茶(ほうおうたんそうちゃ)を中心に中国・広東省のお茶を講師の神田貴子高級茶芸師、高級評茶員が紹介します。どなたでもご参加頂けます。事前にお申込み下さい。定員になり次第締切ます。

日時:2020年7月15日(水)午後1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

※阪急岡本駅南口を西へ徒歩1分、「鳥貴族」さんが入るビル3階

講師:神田貴子さん 高級茶芸師、高級評茶員

参加費:1,200円 定員:15人 事前予約が必要です

※7月13日現在の参加予約数:14人 間もなく締切

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228(月曜日~金曜日)

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net 

白茶の起源、生産地、効能などを学ぶ

白茶は微発酵のお茶で「三降三抗」の効果

6月17日午後、「白茶」をテーマに中国茶講座を開催し、定員の15人が参加しました。講師の神田貴子高級茶芸師、高級評茶員が白茶の起源や生産地、種類、その薬効効果について話しました。

白茶の殆どは福建省で生産されています。福建省の福鼎、政和、松渓、建陽が主要生産地です。1796年(嘉慶元年)頃に作られ始めたと言われています。現在、福建省以外では雲南省等でも僅かに作られています。白茶の種類はあまり多くなく、基本の種類を覚えておけば、各白茶の大まかな傾向はわかります。・白毫銀針・白牡丹・寿眉・貢眉・新工芸白茶。

白茶は漢方薬として使われることもあり「一年茶、三年薬、七年宝」と言われ、経年熟成により味に深みが出るだけでなく、薬効効果も高くなります。漢方では涼性に属し、体の熱を取り除き炎症を抑える働きがあるため、昔から子供の麻疹の解熱に良いとされていました。また白茶には「三降三抗」(高血圧、高脂血症、高血糖の改善・抗酸化、抗腫瘍、抗輻射)の効果があるとされています。

講師から詳しい説明を聞き、白毫銀針、白牡丹、白牡丹餅茶、寿眉餅茶などの銘茶を味わいました。(写真は白牡丹茶葉)

次回「中国茶講座」は7月15日(水)開催予定です。