蘇軾の「春夜」を読む

白楽天を敬慕していた蘇軾

蘇軾(1036~1101)は白楽天(772~846)を敬慕していた、彼の号「東坡」は白詩(白楽天の詩)による。白楽天は忠州の刺史(知事)のとき、東の土手に好きな花を植えたことから。4月の「漢詩を読む会」は、丹羽博之大手前大学教授の解説で蘇軾の「春夜」を中心に読みました。(写真上:4月20日の漢詩を読む会)

蘇軾の「春夜」は起句「春宵一刻直千金」が素晴らしい。「春眠不覚暁」「国破山河在」など起句が素晴らしいとその絶句は成功と丹羽教授は語ります。東坡肉(豚の角煮:トンポーロー)は彼の号が由来で、彼が発明した料理とも言われています。

武島羽衣作詞、滝廉太郎作曲「花」の歌詞3番に「錦おりなす長堤に くるればのぼるおぼろ月 げに一刻も千金の・・・」と、日本の歌にも取り入れられています。

「春夜」蘇軾

春宵一刻直千金 花有清香月有陰

歌管楼台声細細 鞦韆院落夜沈沈 (鞦韆はブランコ、管は管楽器)

「春夜」の他に蘇軾の「食猪肉」「三月二十九日」についても丹羽博之先生の解説で読みました。「食猪肉」には、値段は土のように安いのに、金持ちは食いたがらないし、貧乏人は調理法を知らないと。蘇軾が考案したという東坡肉の作り方が書かれていてたいへん興味深い。(猪は豚のこと)

「漢詩を読む会」次回は6月8日(土)午後2時~開催します。

中国茶講座で広東省の烏龍茶を味わう

鳳凰単叢・鳳凰水仙などの試飲を楽しむ

     写真 左:鳳凰水仙(広東省)、右:武夷水仙(福建省)

鳳凰単叢は、烏龍茶4大生産地の一つである広東省で生産される烏龍茶です。産地は広東省東部の潮州市にある鳳凰山で、鳳凰水仙という品種で作られます。単叢とは「一株の樹」という意味で、茶樹一株ごとに摘み取りから製茶まですることを指します。

鳳凰単叢は、鳳凰水仙品種の中でも特に味や香りに優れた、個性ある茶樹を選び栽培したもので、その種類は80を超えます。同じ品種でもお茶ごとに香りが異なるため「鳳凰単叢芝蘭香」「鳳凰単叢桂花香」というように香りのタイプを示す名前が付けられています。

「中国茶講座」は中国政府認定の高級茶芸師・高級評茶員の神田貴子講師が鳳凰単叢の代表的な種類、基本の入れ方、健康効果などについて説明したあと6種の茶を順番に入れ、参加者全員が試飲して香りや味、湯色などについて感想を語り合いました。(写真は4月17日の中国茶講座)

次回は、5月15日(水)13:30~「台湾茶の飲み比べ」

5月の「中国茶講座」申込み受付しています。

日中友好協会兵庫県連合会☎(078)412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

兵庫県中国帰国者の会が公墓・記念碑を建立

「残留孤児」の悲惨な歴史を後世に伝え、二度と戦争の惨禍を起こさせないための礎にと公墓・記念碑を建立、竣工式を開催

2015年に発足した兵庫県中国帰国者の会(植田恒陽代表)は、帰国者一世の多くが祖国日本の土に骨を埋めたいとの願いを抱きながらも経済的困窮で叶わない中、公墓と記念碑建設に取り組んできました。支援する会の協力を得て募金を集め、街頭でも市民に訴えてきました。(写真:記念碑の除幕、左から植田代表、久元神戸市長、尾山県社会福祉局長、宗藤弁護士。右側に建つのは中国帰国者公墓)

署名集め神戸市に協力を要請―神戸市は墓園の一画を無償提供

2017年1月、帰国者の会代表が支援する会、弁護士の協力を得て神戸市を訪問。久元喜造市長に680人分の署名を手渡し協力を要請。その後、神戸市は市立舞子墓園の一画を建設用地として無償提供しました。帰国者の会は、その後兵庫県を訪問し記念碑建立の趣旨を訴え県の助成を要請。兵庫県は記念碑建設費への補助を決定し「中国帰国者のための公墓・記念碑」建立が実現しました。

神戸市立舞子墓園で「公墓・記念碑」の竣工式を開催

3月26日午後、神戸垂水区の舞子墓園で竣工式を開催。兵庫県社会福祉局長、神戸市長、支援団体代表、元残留孤児訴訟弁護団代表など13人の来賓と県内の中国帰国者、支援者など約80人が出席しました。式典で、兵庫県帰国者の会代表の植田恒陽さん(74歳)は「墓碑が完成し嬉しさ一ぱいです、兵庫県、神戸市をはじめご支援頂いた多くの方々に深く感謝します」とあいさつ。尾山健司兵庫県社会福祉局長が知事のメッセージを代読、久元神戸市長が来賓あいさつしました。除幕された記念碑には「残留孤児の悲惨な歴史を永く後世に伝え、世界に二度と戦争の惨禍を起こさせないための礎とする」と刻まれ、植田代表は墓碑管理会をつくり大切に維持、管理していくと語っています。(写真上:式典であいさつする兵庫県帰国者の会・植田代表、写真下:中国残留孤児の苦難の歴史を刻んだ記念碑 神戸市立舞子墓園)

第16回「漢詩を読む会」

蘇軾の「春夜」を丹羽博之教授が解説します

4月の漢詩を読む会は、蘇軾(1037~1101)の七言絶句「春夜」について丹羽先生が解説します。北宋の政治家、詩人、書家の蘇軾は眉州眉山(現・四川省眉山市)の出身、白楽天を敬慕し、号の「東坡」は白詩による。

日時:2019年4月20日(土)午後2時~4時

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室(阪急岡本西へ1分)

講師:丹羽博之 大手前大学総合文化学部教授

丹羽先生は、一海知義先生に40年以上師事、専門分野は「日本文学に影響を与えた漢詩文」「日本漢詩文」「白楽天」「明治唱歌」「朝鮮半島の漢詩と日中の漢詩」

テーマ:「春夜」蘇軾

資料代:1,000円 ※事前に下記へ参加ご予約お願いします。予約お急ぎ下さい!

写真は、中国四川省眉山市にある「眉山三蘇祠」。宋代の父子3人の学者、親の蘇洵・長男の蘇轍・次男の蘇軾を称え住んでいた跡地に造られた廟。

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会「漢詩を読む会」

Tel&Fax:(078)412-2228 (土、日、祝日は除く)

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

桜守公園の桜つぼみ色づく

神戸岡本・桜守公園(岡本南公園)の桜間もなく開花

梅が終わり桜のシーズン到来です。日中の気温が上がり、桜が一気に開花しそうです。神戸岡本の桜守公園で知られる岡本南公園の桜もつぼみが一気にふくらみ、ササベザクラは色づきはじめました。神戸の開花予想は3月27日、満開予想が4月6日頃と言われていますがこの陽気が続けば開花は早まりそうです。(写真は色づき始めた岡本南公園のササベザクラ、3月20日撮影)

阪急岡本駅近くで桜開花

朝夕少し寒くなりましたが協会事務所横の桜が咲き始めています。気温が上がれば一気に開くことでしょう。(3月25日)

桜守公園のササベ桜は8分咲き、今が見ごろ(3月29日撮影)

「中国語講座」新規申込受付中

2019年度前期講座が開講中!受講者募集中!!

2019年度前期講座は4月15日(月)~19日(金)に初級~上級の全10クラスが順次開講しました。受講申込みは引き続き行っています。

初級Ⅰ:金曜日夜初級Ⅱ:火曜日午前・夜間、中級Ⅰ:月曜日午前・夜間、中級Ⅱ:水曜日午前・夜間、中級Ⅲ:木曜日午前・夜間、、上級:金曜日午後 (写真は上級クラスの講座風景)

初級Ⅱ・中級Ⅰ・中級Ⅱ・中級Ⅲは午前、夜間の各2クラス、初級Ⅰは夜間の1クラス、上級は午後の1クラス(開始時間はお問い合わせ下さい)

現在、月曜午前クラス(中級Ⅰ)以外は定員に余裕があります。

受講料:35,000円(6か月分前納)テキスト代は実費必要、途中入講の場合は回数で計算します。

※2クラス受講の場合、2クラス目は20,000円に割引

入会金:10,000円(初めての方)但し、協会員・学生は不要

受付は平日10:00~19:00、協会事務所で行っています。

電話、メールでの予約も受け付けています。

お申し込み、お問い合わせは下記へ

日中友好協会兵庫県連合会「中国語を学ぶ会」

〒658-0072 神戸市東灘区岡本1丁目14-10岡本住宅ビル3F

Tel&Fax:(078)412-2228(電話は、土・日・祝日除く)

E-mai: okmt50@nicchu-hyogokenren.net

4月の「中国茶講座」

広東省の烏龍茶「鳳凰単叢」を紹介します

4月の中国茶講座は、お茶の香水と讃えられる広東省の烏龍茶「鳳凰単叢」(ほうおうたんそう)を紹介します。鳳凰単叢には80種以上とも言われる香りのタイプがあります。講座では代表的な数種類を飲み比べます。初めての方もお気軽にご参加下さい。

日時:2019年4月17日(水)午後1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」

阪急「岡本駅」南口を西へ徒歩1分、1Fに鳥貴族さんが入るビル3F

講師:高級茶芸師 高級評茶員 神田貴子さん

参加費:1,000円 ◆定員:15名(先着予約順)

※定員になりましたので締切ました。

主催:日中友好協会兵庫県連合会「中国茶講座」

連絡先:Tel&Fax:(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

神戸空襲犠牲者合同慰霊祭

74年前の神戸空襲犠牲者を追悼

神戸空襲を記録する会(中田政子代表)は第48回神戸空襲犠牲者合同慰霊祭を3月17日に開催します。74年前の3月17日、5月11日、6月5日、8月6日と何度もあった神戸空襲を忘れないように、亡くなられた人々を思うひと時を共に過ごしましょう、と呼びかけています。

日時:2019年3月17日(日)午後1時30分~

場所:薬仙寺(兵庫区今出在家4-1-1・地下鉄海岸線和田岬駅下車

空襲体験者のお話 神戸市役所センター合唱団のコーラスなど

連絡先:080-1419-8208


神戸空襲を忘れない「いのちと平和の碑」碑文

 アジア・太平洋戦争の末期、太平洋の島に基地を設置したアメリカ軍は、B29爆撃機による航空部隊を編成し、1945年(昭和20年)2月4日、3月17日、5月11日、6月5日、8月6日など、神戸の市街地や工場に対し、空から大規模な爆撃をくり返しました。

 その多くは、街を焼き尽くすために、焼夷弾を用いたものでした。また神戸港の沖への機雷や模擬原爆の投下もおこないました。

 このように、神戸市民のいのちとくらしが無差別に破壊されたのです。たび重なる空襲によって、神戸の街は一面焼け野原となり、8000人をこえる市民が亡くなられたといわれています。また、神戸は多くの人びとが行き来し、さまざまな出身地の人びとが住む街でであり、戦争の末期には徴用された労働者やアメリカなど連合国の捕虜もいました。

「神戸空襲を記録する会」は、神戸空襲の事実を心に刻み、次世代の人びとに伝える取り組みを進めてきました。ここに私たちは、世界平和を願い、空襲死没者の名簿を収集し、お名前を記した碑を建立いたしました

2013年8月15日

神戸空襲を記録する会

(写真「いのちと平和の碑」、公財・神戸公園緑化協会HPより)

普洱茶(プーアル茶)について学ぶ

  普洱茶には生茶と熟茶がある

2月20日の「中国茶講座」は普洱茶(プーアル茶)について、講師の神田貴子高級茶芸師から、茶の入れ方、普洱茶の効能、保存方法などの話を聞き、経典厳品・氷島老塞古樹茶・把子茶・土林鳳凰沱茶・王霞御の5種類の普洱茶を試飲しました。

普洱茶(プーアル茶)は中国茶六大分類中の黒茶の一種類で、さらに生茶と熟茶に分けられます。雲南省標準計量局が定める普洱茶の定義は「雲南省の特定区域内に生育する雲南大葉種で作られる晒青毛茶を原料とし、後発酵(自然発酵、人工発酵を含む)加工された散茶及び緊圧茶」とされています。

生茶と熟茶の違いは発酵方法の違いにあります。生茶は製品完成後に酸化酵素の働きで時間経過と共に徐々に発酵が進むのに対し、熟茶は麹カビ等による微生物発酵を人為的に促し、短期間で発酵させています。

 

 

写真上:氷島老塞古樹茶(生茶の散茶)下:土林鳳凰沱茶(熟茶の沱茶)

「中国茶講座」3月は休み、次回は4月17日(水)開催予定

柳宗元の「江雪」を読む

孤独な境遇を一枚の画幅に託し詠う

第15回「漢詩を読む会」が2月16日に開催されました。テーマは、柳宗元「江雪」、丹羽博之大手前大学教授が解説。また、日本の漢字音について、呉音・漢音・唐音・慣用音の四種類があることを例をあげて紹介しました。

柳宗元(中唐・773~819)、字は子厚、都長安に生まれ育った。21歳の若さで進士に及第、5年後、博学宏詞科にも合格。校書郎・藍田県(陝西省)尉・監察御史裏行を歴官、御史台では、韓愈や同期進士科及第者の劉禹錫と机を並べた。永貞元(805)年33歳の時、王叔文・韋執誼らの引き立てで順宗の親任を得、礼部員外郎となり彼らと共に減税・宦官勢力駆逐・宮女の解放などの政治改革に乗り出す。しかし、病身順宗の退位とともに新政は挫折、彼は絶頂から突き落とされ、邵州(湖南省)刺史、永州司馬、柳州(広西壮族自治区)刺史と左遷され、転任させられ中央に復帰することなく柳州の地に47歳で亡くなった。(写真は百度図片「江雪」より)

  「江雪」 柳宗元 (五言絶句)

千山鳥飛絶 どの山々にも飛ぶ鳥の影は絶え

萬徑人蹤滅 どの小径にも人の足跡は消えた

孤舟蓑笠翁 ただ一艘の小舟、蓑笠つけた老人

獨釣寒江雪 一人で雪の降る中、川面に釣り糸を垂れている

冷えびえとした雪の山や川、それは作者の周囲を取り巻く環境にほかならず、雪の中に釣り糸を垂れて動かぬ老人の姿、それは孤独や失意に耐えて生きる作者の姿を表している。(石川忠久「漢詩鑑賞事典」より)

次回、第16回「漢詩を読む会」は4月20日(土)開催予定