王希奇教授の「一九四六」絵画展 8月31日から開催

「満州」からの引揚げ超大型絵画  鑑賞のポイント

中国人画家・王希奇魯迅美術学院教授が、「戦争では何時の時代も弱い立場の人が苦しむ、彼らも戦争の犠牲者だ」との思いに至り描いたという葫蘆島からの日本人難民引揚の超大型絵画(縦3m×横20m)を展示する「一九四六」神戸展が8月31日(水)から始まります。この超大型絵画鑑賞のポイントを紹介します。

(1)2011年に王希奇教授が偶然目にした写真集に掲載されていた「遺骨を抱いた男装の少女」が中心部に描かれています。

(2)大作「一九四六」では、暗黒の画面に浮かび上がる無数の白くて小さな灯火は、自ら光を放つ「蛍」を表しています。王教授がこの「蛍」を通して表現したかった事は、人間が発する喜びと希望と伺いました。敗戦による悲惨な難民生活を終え、日本帰還の喜びと期待を表現しているのです。また、初盆の頃まで生息する蛍は淡い灯を放ちます。日本人の私は、点滅する蛍の淡い光に、寧ろ日本に帰る事ができなかった50万人近い、残留日本人や集団自決した死者の無念さを感じざるを得ません。

(3)絵画には米国と日本船舶が4隻描かれており、安定した三角形の構図となっています。そしてその右の海は画面の広がりだけでなく、日中の歴史的繋がりを連想させる遇らいが施されています。また、画面上部や右奥の海を遇らうことにより、奥行きの広がりを感じることができます。手前の2隻の船舶へは乗り込みが終わり、これから出航するのでしょうか?尚、満州からの邦人引揚げのために、米国が提供したLST輸送船(戦車揚陸艦)は85隻、リバティ輸送船(戦時標準船)は100隻、病院船は6隻でした。(M)

展示会場には、超大型の「一九四六」の他に一九四六見守る海、一九四六帰路、記憶、一九四六下絵の10作品が展示されます。

「一九四六」神戸展  日程・会場

日時:2022年8月31日(水)~9月4日(日)10:00~18:00

(最終日は15:00まで)

入場料:1,000円(大学院生以下無料)

会場:兵庫県立原田の森ギャラリー(JR灘駅北、阪急王子公園駅西)

●受付の混雑を避けるためチケットをご持参下さい、チケットを入手出来ない方は、直接会場へお越し下さい。

●コロナ感染症予防のため、体温測定、マスク着用、手指消毒をお願いします。発熱や咳のある方は入館をお控え頂きますようお願い致します。

●チケット購入方法

チケットぴあ https://t.pia.jp (pコード686082)

ローソンチケット https://l-tike.com/(Lコード53821)

事前予約の方は展示場入口で入場券を現金と引換にお渡しします。

●「一九四六」神戸展HPをご覧下さい!

https://free.yokatsu.com/koube

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)