中国外交史のなかの日本ー中国・唐代後期

『新唐書』「渤海伝」を読み唐王朝、統一新羅、日本の関係を学ぶ

協会加古川支部主催の新シリーズ第9回「中国歴史講座」中国外交史のなかの日本―中国・唐代後期―が7月25日午後、加古川市内で開催されました。来村多加史阪南大学国際観光学部教授が自身の手づくり資料で7、8世紀の統一新羅が治める朝鮮半島と日本、そして唐王朝がからむ三国関係について解説しました。

668年に高句麗を滅ぼした唐は、高句麗の故地に安東都護府(地方を治める役所)を置き、新羅の地にも鶏林州都督府を置いて朝鮮半島を直接支配しょうとしたが、新羅が反発し戦争となり、670年から676年の7年間激戦となった。新羅は唐軍を撃退し朝鮮半島を治め統一新羅を樹立。698年には高句麗の故地で渤海国が成立します。

こうした歴史の流れを整理するために来村教授は『新唐書』「渤海伝」の原文を読み、当時の中国東北部の民族、部族の分布や朝鮮半島の情勢についてわかり易く解説しました。また、渤海国の使者が度々来日していること、大陸から日本海を渡る海上ルートについても地図を示しながら説明、渤海国と当時の日本が人、文物の交流を盛んに行っていたことを紹介しました。唐の文化は遣唐使が伝えたと言われるが、渤海使や遣渤海使が伝えた情報や文化も見逃せないと解説しました。

どうなる香港!徹底解説「学習講演会」

香港基本法=一国二制度遵守は国際公約

―なぜ中国政府は〈最善手〉をふみ外したのか―

6月30日全人代常務委員会は国家安全維持法を制定、習近平国家主席の署名によって即日施行されました。そして矢継ぎ早に香港行政当局のもとに「国家安全維持委員会」が設置され香港の司法・警察当局を指揮下におきました。また、香港に中国政権による派遣監督署「国家安全維持公署」が設置され「香港国家安全維持委員会」に対する監督指導が始まりました。

7月1日の民主派のデモに対して10人を拘束、うち1人を「香港国家安全維持法」違反で起訴しました。香港の「自治」を進めながら、国の「秩序と統一」を図り、50年間(1997~2047年)かけて、どういう国家を建設していくかという「世界史的課題」(最善手)を中国政権はいとも簡単に投げ捨ててしまいました。この経過を振り返りながら私たちはどう対処していくべきか、ご一緒に考えましょう。

日時:2020年9月13日(日)午後2時~4時

会場:東灘文化センター8階会議室1、2(JR住吉駅すぐ)

講師:山本恒人 大阪経済大学名誉教授

資料代:500円 事前にお申込み下さい マスク着用

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

Tel&Fax(078)412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

8・15平和のつどい

戦争映画で考える戦争の加害と被害

1945年8月15日、日本がポツダム宣言を受諾し、昭和天皇が終戦の詔書をラジオを通して読み上げ、アジア太平洋戦争が日本の無条件降伏で終結してから今年は75年になります。この日を忘れず二度と戦争の惨禍を繰り返すことのないようにと願い、兵庫の「語りつごう戦争」展の会は毎年この日に平和の集いを開催しています。

今年は永田喜嗣氏が講演します。永田氏は多年にわたって国際交流事業に携わり、現在は世界中の映画を通じて戦争と人間を研究することをライフワークとし、作家活動及び講演活動を行っています。

日時:2020年8月15日(土)午後2時~4時

会場:神戸市勤労会館3階308号会議室(三宮駅東)

講師:永田喜嗣 大阪府立大学非常勤講師

テーマ:「戦争映画で考える戦争の加害と被害」

資料代:500円 高校生以下無料

※マスク着用、体調不良の方はご遠慮下さい。

 定員46名 先着順です(人数制限があります)

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展の会

連絡先:090-5896-6048(上野さん)

コロナ感染症と香港問題で学習会

どうなる、香港立法会選挙

7月18日午後、協会東神戸支部主催の「現代中国学習会」が神戸市東灘区で開催され、「新型コロナ感染症と中国のこれから」と題し、安井三吉神戸大学名誉教授が講演しました。安井教授はまず、自身が2015年に訪中して以後この5年間における中国の大きな変化について話し、習近平体制が強化される中、中国の通販大手企業やIT産業界で大富豪が出現していること、IT活用によるキャッシュレス社会、芝麻信用(個人情報の点数化)が進み、米中の対立が貿易分野から軍事、IT分野にまで覇権争いがエスカレートしている、中国はこの間、多くの法律をつくり、その法律に照らして判断をしている点が「文化大革命」時とは違う状況にあると指摘しました。

今年5月、中国では両会(中国人民協商会議第13届全国委員会第3次会議・第13期全国人民代表大会第3次会議)が開催された。この会議で決定され世界が注目するのは香港問題。6月30日、中華人民共和国香港特別行政区維後国家安全法(国家安全維持法、国家安全法)が成立し施行されました。安井教授は、この法の審議経過、内容、機構等について日中両国のマスコミ報道も示しながら解説、施行初日の7月1日の香港でのデモで10名が拘束され1名が起訴されたことを紹介。

7月18日に受付が始まった香港立法会選挙について、立候補者に国家安全維持法を含む香港基本法の遵守を義務付けていることにふれ、この法に反対する候補者の立候補が認められるかどうか注目されています。新型コロナウイルス感染症問題では、昨年12月末から今年4月末に至る中国での感染拡大の経過と当局の対応、感染症に対する中国の基本認識と対処方針について紹介しました。

参加者からは、「台湾・沖縄と中国の関係についてどう思うか?」「中国と米国の関係は新冷戦と言えるか?」、またアンケートでは「広大な中国は、今何を考え、どんな方向に向かっているのか?正しい認識が出来ないので、不安がいっぱいです。中国の政治家は、誰のための政治をしているのか?」など多数寄せられています。

日中友好協会兵庫県連合会は9月13日、香港問題に絞った学習講演会を開催する予定です。

広東省のお茶を楽しむ

フローラル系の華やかな香りの単叢茶

7月15日に開催した「中国茶講座」は広東省のお茶について神田貴子高級茶芸師の詳しい解説を聞きながら「嶺頭単叢」「鳳凰単叢芝蘭香」「鳳凰単叢黄枝香」「鳳凰単叢桂花香」「鳳凰単叢群体香」「鳳凰水仙氷鮮茶」の6種を試飲しました。中国茶講座への人気は高く、定員の15人が参加し、内14人が女性で、部屋の窓、ドアを全て開け風通しをよくし、除菌、消毒を徹底しての開催でした。

鳳凰単叢・嶺頭単叢を美味しく入れるコツ

単叢茶に使われる水仙品種は、フローラル系の華やかな香りと、渋みや苦味を併せ持つ品種です。渋味が出過ぎないよう抽出時間は一般的な烏龍茶より短めに、お湯もやや低めの温度にします。茶器は、繊細な香りを楽しみたいときは蓋碗や磁気ポット、まろやかな味にしたいときには紫砂急須がおすすめです。(写真:嶺頭単叢の湯色)

茶葉の量:「茶:湯」は「1:30」を目安に。(5gの茶葉に150㏄のお湯)湯温:95度くらいで15秒~20秒。水出し:500㏄の水に茶葉3~5g前後を加え、冷蔵庫で3~4時間かけ抽出します。

鳳凰単叢茶の健康効果

リラックス効果、脂肪分解、代謝促進、利尿作用、消炎殺菌、免疫力アップ、アンチエイジング等の効果が期待できます。(写真:鳳凰単叢黄枝香の湯色)

8月の中国茶講座は夏休みで休講します。次回開催日程については改めてお知らせ致します。

8月の漢詩を読む会は李白と杜甫

中国を代表する詩人、李白と杜甫の交流をみる

詩仙李白と詩聖杜甫が仲良く魯の国を旅し、詩を詠んでいることを紹介します。中国を代表する二人の詩人が旅をし、意気投合した、やがて別れ、二度と会うことはありませんでした。

その後、杜甫は繰り返し李白を詩に詠んでいますが、李白は杜甫をあまり詠んでいません。杜甫の片思いと評する人もいます。二人の交流を見ていきます。どなたでもご参加頂けます。

日時:2020年8月8日(土) 午後2:30~4:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会会議室(阪急岡本駅南を西へ徒歩約1分、1Fに「鳥貴族」が入るビルの3階)

講師:丹羽博之  大手前大学総合文化学部教授

資料代:1000円 事前予約の上、マスク着用お願いします。

主催:日中友好協会兵庫県連合会 ☎078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

中国近現代史研究会を再開

6月は清朝末期以降の概要を復習

日中友好協会加古川支部は、毎月開催を続けている中国近現代史研究会の学習会が、コロナウイルス感染拡大により開催を2月以降中断していましたが、6月27日午後から再開しました。参加に際し、入室前に除菌、検温、マスク着用確認など会場からの要請に応じながら、地元のほか神戸、明石、加東、和歌山などから11人が参加し、清朝末期からの概要復習と共和国成立後も「新民主主義の旗印」を掲げながら中国はなぜ社会主義を目指したのか?など次回のテーマにも及び議論をスタートさせています。次回は7月12日(日)に開催します。(写真は中華人民共和国成立時の天安門広場、新華網より)

現在だけを見ていては中国はわからない 初心者ばかりみんなでワイワイ討論 どなたでも参加できます。初めての方歓迎!

日時:2020年7月12日(日)午後2時~4時30分

会場:サンライズビル5F会議室B(JR加古川駅南東すぐ)

テーマ:「岩波新書中国近現代史シリーズ」第4巻第1章

―表題「社会主義への挑戦」―テキストがなくても当日配付のレジュメ・プリントで学習できます)

参加費:1回 500円  マスク着用でご参加下さい

日中友好協会加古川支部 ☎090-8753-5972(前田)

甦れ歴史の記憶―中国人強制連行写真展

平和への祈りを込めて撮った写真

1942年11月戦争中、当時の日本政府は「華人労務者内地移入に関する件」を閣議決定し、約4万人もの中国人が甘言や強制的手段で日本に連行され、炭鉱や建設現場など135ヵ所の事業所で、賃金も支払われず、長時間の奴隷労働を強いられました。命を落とした人もありました。こうした問題は、戦後、日中国交正常化を経て90年代にようやく裁判などで明らかになりました。(写真上:鉱山乾燥場跡に残るの3本の煙突と手前中央は中華人病没供養塔)

京都でも、大江山のニッケル鉱山に200人の中国人が連行されており、1998年、被害者のうち6人が、日本冶金と日本政府を提訴しました。裁判所は被害を認定し、日本冶金との和解が成立しています。しかし、大半の被害者とその遺族にとり、戦争の傷はいまだ癒えることはありません。どんな歴史があったのか、被害者や遺族を支えてきた日本の支援者たちが、平和への祈りを込めて撮った写真をぜひごらん下さい。(写真は大江山ニッケル鉱山跡に建つ「中華人病没者供養」塔)

日程:7月10日(金)~14日(火)10:00~17:00

※7月10日は13:00から、14日は15:00まで

会場:ひとまち交流館 京都1F展示スペース

(河原町通五条下ル東側) 入場無料

主催:中国人戦争被害者の要求を支える京都の会

電話:075-642-3152(桐畑)

住宅街を流れる川に鴨が二羽

梅雨の合間、鴨の様子にホッと一息

梅雨の合間、陽光さす神戸・岡本の住宅街を南北に流れる天上川で、6月25日午後、岸から川面を見つめる親子連れを通りがかりに発見、その先を見ると鴨のつがいが浅い流れの中で、嘴を水中に入れ餌を探したり休んだりしていました。この川はイノシシが山から下りてきて餌を探したり、寝そべったりする姿はよく見かけますが鴨の姿は珍しく思わずスマホのシャッターを押しました。人間世界ではコロナ感染への不安が続き、目まぐるしく日常が変化し、気持の安らぐ余裕もない状況、のんびり時を過ごす鴨の姿に思わず見とれホッとします。その内、子鴨を連れて歩く姿が見たいものです。

中国映画「芳華―Youth―」上映会

1970年代の中国―激動の時代を前線で生きる若者たち―

4000万人が涙した、美しく切ない青春ラブストーリー

軍で歌や踊りを披露し、兵士たちを時に慰め時に鼓舞する役割を担う文工団に、17歳のシャオピンがダンスの才能を認められ入団するシーンから幕をあける。周囲となじめずにいる彼女の唯一の支えは、模範兵のリュウ・フォン。しかし時代が大きく変化する中、二人の運命は非常な岐路を迎える。(中国/2017年/135分/BD)

7月10日(金)①11:00 ②14:00 ③19:00

7月11日(土)①11:00 ②14:00 ③18:00

7月13日(月)①11:00 ②14:00

会場:神戸アートビレッジセンター(KAVCホール)

※神戸高速「新開地」東出口より南へ徒歩約5分

料金:一般 事前予約のみ 1,300円

事前予約必要:参加日時を前日までに予約して下さい

連絡先:神戸映画サークル協議会

Tel:078-371-8550 Fax:078-371-8551

E-mail:kcc1950kobe-eisa.com