佟岩先生の「日中漢字比べ」

「深」と「濃」は何が違う

秋まさに深し。中国語では「秋意正濃」という・「深」(shen)と「濃」(nong)は、何が違うのだろうか。「深」の右側は、体内から赤ん坊をまさぐりだす様子で、体の奥深いところにあり、いずれ生まれてくる大切な本質を指していた。

「深」は、水の奥底だ。「深海」、「深夜」は海や夜の奥底であり、本質である。「深謀」は奥底にある本質的なことまで周到に考え、「深談」は奥底にある本質まで突っ込んで話すという意味だ。そして、奥底は遠くにあるが、此処とつながっている。此処から徐々に「深」に至ることができる。日本では、秋が最も秋らしく本質を徐々に現していく時間の流れを、「秋が深い」と表現しているのだろう。

一方、「濃」は「水」と「農」からなる。「農」は、粘っこいという意味だ。単なる水ではなく、粘っこくて「濃」いのは、何かの成分が多量に入っているからだ。そこから、匂いや味の度合いが強いことも、「濃」で表すようになった。「濃度」、「濃い茶」(濃茶)、「匂いが濃い(味ル很濃)」などである。中国語の「秋意正濃」は、秋の成分が多量にぎっしり入った空間・情景を指しているのだろう。

秋の奥底にある本質が徐々に現れてくる時間の流れを重視した、日本の「秋の深さ」。秋の要素がぎっしり詰まった目の前の空間に感動する、中国の「秋意正濃」。もしかすると、同じ紅葉を見ても感動のポイントに微妙な違いがあるのかも知れない。(西日本華文教育者協会理事・日中友好新聞11月15日号より

第46回兵庫の「語りつごう戦争」展

「新しい戦前」にさせないために―歴史を学ぶ―

兵庫の「語りつごう戦争」展の会は「再び戦争をしない」「再び暗黒社会にしない」という思いで、戦争の記憶を風化させず、語り継ぐ趣旨で活動していますが、ロシアのウクライナ侵攻、米中の南シナ海、台湾を巡る動向、朝鮮民主主義人民共和国のミサイル等の発射実験、それに対応する自衛隊の沖縄県・鹿児島県への集中配備、先制攻撃構想、等々、さらにガザ地区におけるイスラエルとの戦闘の勃発は私たちの願いと全く逆行するものであり、危惧と憤激を憶えるものです。戦争展へぜひご来場下さい。

日程:2023年12月6日(水)~10日(日)

午前10時~午後6時(6日は午後1時から、10日は午後4時半まで)

会場:妙法華院2F(高速神戸駅西口上り南へすぐ)

内容:資料展示・平和色紙展など(チラシ参照下さい)

・「戦争体験を聞くつどい」(12月7日、9日、10日、午後1:30)

・「12・8のつどい」午後1時30分 3F会議室

高齢者介護の理念と取り組み

お話し:市川禮子さん(社会福祉法人きらくえん名誉理事長)

主催:兵庫の「語りつごう戦争」展の会

連絡先:090-5896-6048(上野さん)

学習講演会「中国残留日本人二世の人生が問いかけること」

支援法から取り残された中国帰国者たち

中国残留日本人とは、第二次大戦敗戦時、中国東北地方に取り残された日本人(残留孤児・残留婦人)です。残留日本人二世は、今もなお苦難の生活を余儀なくされています。二世たちの人生をふまえ、日本社会がどうあるべきかを考えましょう。

講演:浅野慎一 摂南大学現代社会学部学部長・特任教授/中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会世話人代表

日時:2023年12月2日(土)14:00~16:00

会場:神戸市立総合福祉センター第5会議室

神戸高速鉄道「高速神戸」駅より徒歩3分、湊川神社西側

資料代:500円  予約不要

主催/お問い合わせ:兵庫県AALA連帯委員会

Tel&Fax:078-351-0194

E-mail: aala.hyogo@gmail.com

梁啓超生誕150周年記念国際学術シンポジウム

梁啓超が託したメッセージを読みとる

今年(2023年)は近代中国の思想家・梁啓超(1873-1929)の生誕150周年にあたります。彼の長きにわたる日本での亡命生活のうち、約6年間の歳月は神戸で費やしました。孫文研究会はこの節目の時と彼とゆかりのある地にちなんで、国際学術シンポジウムを開催します。梁啓超の多方面にわたる言論は、人々が中国を、そして世界を観察し、思考する枠組みを大きく変えました。彼の残してくれた文章の中から、これまで注目されることが少なかったものを中心に、5人の報告者の皆さんと、梁啓超が託したメッセージを読み取ってゆきたいと思います。

日時:2023年11月25日(土)10:00~16:00

場所:孫文記念館ホール・オンラインZOOM併用

定員:30名(対面)

開会のあいさつ 石川禎浩京都大学教授

報告者

安 東強(中国・中山大学教授)

「民元康梁派国民党組織形態」(中国語)

川尻文彦(愛知県立大学教授)

「在日時期、梁啓超の社会主義認識」

森岡優紀国際日本文化研究センター日本学術振興会特別研究員

「痛恨と悔いの歴史叙述」

鐘 文博台湾・國紀念館研究員

「梁啓超遊台対日拠時期台湾士人之影響」(中国語)

黄  斌早稲田大学東アジア国際関係研究所招聘研究員

詳しくは添付チラシをご覧下さい。

主催:孫文記念館・孫文研究会

中国帰国者が有田のみかん農園でみかん狩り

大型バス3台に分乗、みかん狩りで秋の味覚味わう

中国「残留日本人孤児」を支援する兵庫の会は神戸市と明石市の委託事業として週1回「日本語教室」を開いています。事業の一環として毎年秋に社会見学を兼ねたバス旅行も実施しています。

10月29日、中国帰国者とその家族76人と支援する会世話人・ボランティア20人が大型バス3台に分乗し、みかん生産で有名な和歌山県有田市のみかん農園を訪れみかん狩りを楽しみました。秋晴れの下、一行は途中、西日本で最大級といわれる海鮮マーケット「とれとれ市場」に立ち寄り買い物と昼食を済ませみかん農園へ向かいました。農園は黄金色に実るみかんの木が一面に広がる素晴らしい景観、帰国者たちは思い思いにみかんを手に取り、甘くてとても美味しいと4つ、5つ、中には10個食べたという人もいて満足そうに感想を話していました。

中唐・張継の「楓橋夜泊」を読む

月落ち烏啼き霜天に満つ

10月28日、神戸東灘区文化センターで開催した「漢詩を読む会」は張継の楓橋夜泊を読みました。

張継は生没年未詳、天宝十二(753)年に進士に及第。初めは節度使の幕僚となり、また塩鉄判官となった。校大暦年間(766~779)になり朝廷に入り、検校祠部郎中となった。博識で議論好きな性格。政治に明るくて郡を治めた時は立派な政治家だという名声があがった。清らかな風采で道者の風があったと言われている。

楓橋夜泊  張継

月落烏啼霜満天 月落ち烏啼いて 霜 天に満つ

江楓漁火対愁眠 江楓漁火 愁眠に対す

姑蘇城外寒山寺 姑蘇城外の寒山寺

夜半鐘声到客船 夜半の鐘声 客船に到る

月は沈み、烏が啼き、霜のおりる気配があたり一面に満ちている。長江沿いの楓、漁舟のひかり、旅の愁いに眠れぬ私の眼にそれらが入る。蘇州のまちはずれの寒山寺から、夜更けに鐘の音がこの旅路の舟の中まで聞こえてくる。

張継は生まれた年も亡くなった年もわからず、この一首の詩によってのみ名を知られていると言える。この詩が有名になったのは清代末の学者で、名高い書家でもあった兪樾が書いた書が石碑となっており、その拓本が非常に多く伝わっていることがあるからだろう。蘇州の寒山寺は、もともとあまり訪れる人もない、さびれたお寺だったが、この詩を読んで訪ねて来る日本人が沢山いたため、建て直されて立派な観光地になったということです。

「漢詩を読む会」次回は来春3月頃を予定しています。

「日中友好・夢コンサート」民族楽器の演奏や舞踊、歌を披露

音楽は日中両国民の友情を築き絆を深める!

協会東神戸支部は10月27日午後、神戸市東灘区の御影公会堂・白鶴ホールで日中平和友好条約締結45周年記念「日中友好・夢コンサート」を開催、約100人が参加しました。開演にあたり、協会兵庫県連合会の前田清会長が開会あいさつ、続いて中華人民共和国駐大阪総領事館から方煒副総領事(写真上)が来賓あいさつし、薛剣駐大阪総領事からメッセージを頂きました。

コンサートは、内モンゴル自治区出身でモンゴル民謡歌手・中国笛奏者の劉偉さん(写真左端)が司会、進行をつとめ出演者全員と楽器の特徴や曲の背景などを紹介しました。楽器演奏では劉偉さんのフルス(瓢箪笛)、チャイナドレス姿のチンイさんの二胡、リーブさんと素敵な衣装の佟夢苑さん(右写真)の民族舞踊、劉偉さんのモンゴル民謡が披露され、日本の久保比呂誌(写真中の右端)さんがキーボード演奏と三味線で津軽あいや節を披露しました。合奏、民族楽器演奏、中国の歌、モンゴル民族舞踊、日本の歌など13曲が演奏され参加者はうっとり聞き入っていました、会場からは手拍子が起こったり、大きな拍手が何度も続き日中友好にふさわしい素晴らしコンサートとなりました。

薛剣中華人民共和国駐大阪総領事からのメッセージ

この度、日中平和友好条約締結45周年記念「日中友好・夢コンサート」の開催にあたり、中国駐大阪総領事館代表をし、謹んでお祝いを申し上げます。日本中国友好協会東神戸支部は、設立されて以来「民をもって官を促す」伝統を受け継ぎ、中日民間交流活動を精力的に行い、両国民の相互理解の促進に積極的な役割を果たされました。総領事館としては、皆様に衷心より敬意と感謝を表します。今年日中平和友好条約締結45周年という節目の年に、「日中友好・夢コンサート」を開催することは大変有意義なことだと存じます。両国の伝統的な音楽・舞踊の鑑賞を通して、両国の文化的・精神的絆をより強固にし、両国の友好感情を増進させることを期待しています。結びに、コンサートのご成功及び皆様のご活躍ご健勝を祈念いたします。

第14回「中国百科検定」受験申込締切迫る!

11月2日(木)申込締切、検定は12月2日(土)

第14回「中国百科検定」の受験申込締切が迫っています。今回の検定は初級・3級・2級・1級・特級の全コースが実施されます。初級から2級は初めての方も受験できます。日中関係の悪化により全国的に中国に対する印象が悪くなっていると言われている中で、中国に対する多くの誤解を解くためにも中国百科検定を通じ中国を正確に理解し、民間交流を広げ、中国の人々との絆を深めることが今強く求められています。この機会にぜひ受験をお考え下さい。

第14回「中国百科検定」に向けた連続学習会

日時:11月6日(月)午後2時~4時

会場:日中友好協会兵庫県連合会「教室」

内容:中国の政治、学習のポイント・過去の検定問題

プリント資料をお渡しします。

資料代:200円

「今後の学習日程」

・11月13日(月)中国の経済について

・11月20日(月)中国の歴史について

・11月27日(月)中国の文化、芸術など

時間、会場は共通です。

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

「台湾有事」って?米中対立の中で日本のあり方を考える

日中平和友好条約締結45周年記念講演会

麻生自民党副総裁が、台湾有事を念頭に「戦う覚悟」が求められていると発言。中国はもとより日本国内でも批判の声が巻き起こっています。一方、米国は対中制裁を行いながらも、対話を継続しています。

岸田首相は、「敵基地攻撃」論を声高に発し、防衛予算を43兆円に大増額し、相手国に届くミサイルを配備しょうようとしています。政府がすべきことは戦争を回避し、平和な隣国関係を築くことではないでしょうか。あなたは、どのようなお考えですか?ご一緒に考えましょう。

日時:2023年11月26日(日)13:30~16:00

会場:尼崎市立中央北生涯学習プラザ 教室1

講師:山本恒人 大阪経済大学名誉教授 日中友好協会副理事長

参加費 無料

主催:日中友好協会尼崎支部(☎090-6550-2568)

   日中友好協会西宮支部(☎090-8232-8029)

   日中友好協会芦屋支部(☎090-3493-4079)

協賛:日中友好協会兵庫県連合会(☎078-412-2228)

お願いコロナ感染防止のため、入場人員を制限させていただくことがあります。 マスク着用をお願いします。熱など体調に異常のある方は参加をご遠慮下さい。

11月の中国茶講座は「台湾茶」

直接買い付けた台湾茶各種を紹介

神田講師が4年ぶりに台湾を訪問し直接買い付けた台湾茶各種を紹介します。初めての方もお気軽にご参加頂きお楽しみ下さい。

日時:2023年11月22日(水)午後1:30~3:00

会場:日中友好協会兵庫県連合会「教室」

JR摂津本山駅北口を東へ線路沿いに徒歩約1~2分、阪急岡本駅を南へ徒歩約6分(山手幹線道路・本山北町3交差点を南へすぐ)

講師:高級茶芸師 高級評茶員 神田貴子さん

テーマ:台湾茶各種

参加費:1,500円(茶菓子、お土産付き)

定員:12名 事前予約が必要です!

主催:日本中国友好協会兵庫県連合会

神戸市東灘区本山北町3丁目4-9 甲南ビラ201号

連絡先:Tel&Fax:078-412-2228

E-mail: okmt50@nicchu-hyogokenren.net